佐野元春「今、何処 」ツアーのライブフィルム上映 #佐野元春 #今何処ツアー #コヨーテバンド
「佐野元春&THE COYOTE BAND ライブ・フィルム 『今、何処 TOUR 2023.9.3 東京国際フォーラム』 一夜限りのプレミア上映」という長い名前のイベント上映に行ってきました。会場は新宿バルト9のシアター9。
上映前に佐野元春とコヨーテバンドの高桑圭、深沼元昭によるトークショーありってことで(ぴあでチケットを買った時点では知らなかったのですが、発券したら券面に書いてありました)、喜び勇んで行きました。席はシアターのちょうど真ん中あたり。トークショーは37分ほどと結構たっぷり。このライブ映画の那須監督も飛び入り参加で、作品の裏側のお話も。MCの方が映画もわかってるライターさんだったので、21台の4Kカメラのうち1台はアナモフィック・レンズをつけて撮っていた(メインで佐野を押さえているやつ)とか、プランも編集も佐野さんの考え方がばっちり入っているとかのお話もありました。佐野さんは、やっぱり若々しくて(まもなく68歳なのに!)、チャーミングな方でした。もちろん、あのしゃべり方!も変わりません。
昨年のこのツアー、大江戸は「どうしようかなあ」と考えていて、結局行きませんでした。数年前の東京国際フォーラムは行っておりますが、アルバム『今、何処』(+『ENTERTAINMENT!』)をがっつり聴かせて、その世界を構築しているツアーだったのですね。トータルアルバムとして完成度が高い『今、何処』ですが、ライブだと同じような印象の曲が続く感じになってしまって、ちょっと面白みに欠けますね。(名盤ライブみたいな例はありますが)ライブの場合は、もう少し曲調のバラエティがないと、ちょっと辛い気もいたします。
この映像作品自体は、トークショーの時にMCの方が「普通のライブ映像とは全然違う」「1本の映画作品である」「『ラスト・ワルツ』や『ストップ・メイキング・センス』にも匹敵する質の高い作品」などとさんざんハードルを上げたので、いざ観てみると、「そうかー? 割と普通じゃないかー?」と思ってしまった大江戸です。まあ、ピンボケ映像や急激ズームなど、普通のライブ動画だったら必ずボツにして別のテイクを使うであろうカットを使っているあたりが、普通とは違っておりましたけどね(作家性と言えるのでしょうか?)。でもまあ、全体的に編集はきっちり勘所を押さえていて、悪くありませんでしたよ。
コヨーテバンドって、なんか実にオトナでして、『七人の侍』の宮口精二みたいな無口で高度な職人的剣豪が5人(+佐野さん)揃ってるって感じ。その「隙のない感じ」が、やや面白みに欠けると言えば言えるところです。小生の好みからすると、もう少し隙があった方が(あるいは子供っぽい方が)いいなあ。
佐野さんの歌は近年のライブだと声が出ていないように聴こえたのですが、この映画だとサウンドをしっかり整えているので、ちゃんと声も出ていることがわかりますし、楽器ごとの分離も良く、クォリティの高い音で楽しむことができました。
終盤やアンコールでは昔の曲もやりましたが、『sweet 16』が良かったですねえ。好きな曲ではありましたが、あそこまで良いとは。『約束の橋』よりも『アンジェリーナ』よりも、本日のナンバーワンでした。
約1時間50分。「拍手しても、声援を送ったり声を出したりしてもいい」と前説で言っていたのですが、そこは日本人、客席は曲の間のパラパラした拍手程度で静かに鑑賞しておりました。でもエンドクレジットの最後には、満場の拍手が起きておりましたよ。本日の入場者へのおみやげは、佐野元春のモノクロポートレイトの布製ステッカーでした。 で、この映像作品、Blu-rayとDVDが明日発売されるのだそうです。
| 固定リンク
« 新富町「萬栄咖喱 」の甘辛黒カレー #萬栄咖喱 #萬栄カレー #黒カレー | トップページ | 「ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争」:さすがはゴダール #ジャンリュックゴダール遺言奇妙な戦争 #ゴダール »
コメント