「毒娘」:ちーちゃんは愛嬌がある #毒娘 #内藤瑛亮 #押見修造 #ちーちゃん #竹財輝之助 #伊礼姫奈
映画『毒娘』は、内藤瑛亮の脚本・監督作品ですが、毒娘こと「ちーちゃん」のキャラクターデザインを押見修造(『惡の華』などのマンガ家)がやってるってところが珍しいですね。この二人、親交があるのだそうです。
いかにも内藤英亮的という感じのパンクな毒気にあふれた作品。好きにはなりにくいけど、嫌いにもなれないんですよね、この人。そして本作でも彼のトレードマークとも言える「赤」が画面を満たしていました。『パズル』のエンディングの赤とともに、記憶に残る赤です。
やはり「ちーちゃん」のキャラクターがいいのです。子役時代の宮崎あおいにも似た顔でありながら、狂暴で粗野で、でも不思議な愛嬌があるのです。(以降少々ネタバレあり) この家に住む女の子が、ちーちゃんに共鳴し、同化していくのにも納得できます。
そんなわけで、絶対的な父権とか有害な男らしさに反旗を翻す「シスターフッド」の物語だったのでした。内藤監督、自分の世界を構築しながらも、ちゃんと時代性を捉えていていいですね。
竹財輝之助演じる父親が、まあ絶妙に嫌な感じ。外見や表面上の言動は思いやりのある優しい人なのに、その実は…っていうモラハラ男のニュアンスを、見事に演じました。役者って、こういうイメージダウン必至な役柄も説得力を持って演じなければならないわけですから、大変ですよね。あと、佐津川愛美は、妙に普通でした。
この作品の前日譚として、押見修造が『ちーちゃん』というマンガを連載し始めたそうです。なので、『ちーちゃん 毒娘2』製作希望です!
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