「ソウルフル・ワールド」:君たちはどう生きるか #ソウルフルワールド #ディズニーピクサー #人生哲学アニメ
思い起こせば2020年。コロナ禍下で、ディズニーが新作の劇場公開を取りやめ、配信オンリー政策を取ったのです。その中で、当初は劇場公開予定で、大江戸も映画館で予告編を見ていた作品が『私ときどきレッサーパンダ』『あの夏のルカ』『ソウルフル・ワールド』の3本。特に小生は『ソウルフル・ワールド』の予告編を見て、「これは今年のマイ・トップテンに入るかも」と思っていたのに、配信のみとなりがっかりなのでありました。そういうことなので、配信嫌いとしては、これまで未見。それがこの春、この3作をようやく劇場公開してくれるという、罪滅ぼし企画(あるいは利潤の追求?)のおかげで、やっと『ソウルフル・ワールド』を観ることができました。この3作、晴れて『キネマ旬報』ベストテンの対象になるわけですよね?
で、期待は裏切られませんでした。ディズニー&ピクサーの合作なのですが、やはり高打率。すべてにわたってレベルが高いし、大人の鑑賞に堪え得るし。しっかり感動させてくれます。いつも通り、脚本の練られ方がハンパないのです。
(以降少々ネタバレあり) もっとジャズ寄りの音楽ワールド映画かと思っていたら、さにあらず。人生や「生きる意味」を哲学的に考察する作品なのでした。中盤など、哲学的探究がちょっとしつこ過ぎる気もしましたが、最後にはいい感じにまとめてくれます。こっちの方が宮崎作品よりもずっと「君たちはどう生きるか」ですね。
でもジャズ関連の件りも素晴らしいレベルの出来。音も良かった。『BLUE GIANT』との2本立てがおススメと思ったりもしましたよ。ニューヨークの描き方も見事ですしね。メンズスーツってもののカッコ良さも、しっかり見せてくれました。
絵的にも、リアルなニューヨーク&ジャズ界と、ファンタスティックな霊界?の描き分けがグッドです。そして、ジェリーやテリーといった線画というか一筆書きみたいなキャラクターがユニークで最高でした。3DCGの中のシンプルな線キャラ、いいですよねー(テリーはエンドロール終了後にも出番があります♪)。
あ、ちなみに本作の原題はシンプルに、“Soul”です。
併映短編は『夢見るウサギ』。シンプルでほっこりとした二次元アニメでした。
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