「異人たち」:大林版とは全くの別物 #異人たち #異人たちとの夏 #ジェイミーベル
映画『異人たち』。日本では山田太一の原作小説を市川森一脚本で大林信彦監督が映画化した1988年作品『異人たちとの夏』が名作かつ怪作として名高いわけですが、本作はテーマからテイストから全くの別物でした。
ゲイの男性のアイデンティティとか葛藤とかがメインテーマであり、大昔に亡くなった両親が…って部分は、二の次になっています。両者はなんとかつながっているのですが、細い線でつながっているだけなので、どっちかというと両親部分が「つけ足し」に思えてしまうのです。
『異人たちとの夏』の美点だった「ノスタルジア」に関しては、さほど色濃く表現されていないのが残念。そして両親の味わいだって、絶対に片岡鶴太郎&秋吉久美子の方が上です。まあ、それを中心に描こうとはしていないってことですね。
それはそうと、この父親がジェイミー・ベル。つまり、映画『リトル・ダンサー』(2000年)でビリー・エリオットを演じたあの少年(現在38歳)だと知ってびっくり! うーん、人間は年を取るのですねえ。
(以降少々ネタバレあり) ということで、かなりしんねりむっつりした映画であり、大江戸的には結構がっかりでしたし、眠かった。でも大林版で終盤唐突にぶっこまれた、あの悪名高いホラー場面がなかったことは何よりでした。まあ、普通ああはしませんもんね。
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