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2024年6月24日 (月)

「ありふれた教室」:他人事ではない恐怖    #ありふれた教室 #イルケルチャタク #レオニ―ベネシュ #ゼロトレランス   

1_20240623223101 映画『ありふれた教室』は、観ていることが本当に辛い99分でした。最近、邦洋を問わず、こういう嫌な気持ちになって、いたたまれない作品が増えています。『あんのこと』とか『ミッシング』とか本作とか『胸騒ぎ』とか…(『ボーはおそれている』や『湖の女たち』なんかも、その傾向がありますね)。今の世界を反映していたりするのでしょうか。

中でも本作のストレス度は、かなりのものです。主人公の女教師の正義感や良い先生であることを序盤で見せておいて、たいていの観客は共感します。そこから、観ているだけで辛くなるような地獄の日々が始まるのです。そして、これは自分の身に降りかかっても何らおかしくないことが実感として迫るのです。その時、自分だったらどうする?という刃を突きつけられ続けるのです。いやー、これは怖い。これは嫌です。他人事ではない恐怖があります(ちなみに「他人事」を「たにんごと」と読む人が多いのですが、「ひとごと」です)。

トルコ系移民の息子としてベルリンに生まれ、その後トルコ暮らしを経てドイツで活躍している今年40歳のイルケル・チャタク監督(ヨハネス・ドゥンカーと共同脚本も)が、見事な手さばき。今後に期待してしまいます。

役者たちもみんな素晴らしい出来。中でも主人公役のレオニー・ベネシュのいろんな感情をためこんだ演技は、大いに評価すべきレベルです。

この学校は「不寛容(ゼロ・トレランス)」教育を行っているってことでした。現在の世界がSNSやコンプライアンスの影響などでどんどん不寛容になっている。それが世の中を生きにくくしているというのに…。学校は「寛容」をこそ教えてしかるべきだと思います。

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