「関心領域」:私たちもきっと同じ #関心領域
映画『関心領域』のポスター、カッコいいですね。不穏な美。高次な仕事です。
普通に考えれば単館系が似合う作品ですが、シネコンにもかかって、初登場週は興行トップテンの第5位でした。小生もシネコン=新宿ピカデリーで観ました。
独特のトーンの映像が凄いです。美しい生活を淡々と描いていきます。建築美についても、たっぷりと映し出しています。それらの美しさが、とにかく不穏。その隣で行われている非道な虐殺のことを考えずとも、生理的に不穏だというあたりが映画の力。
で、それ以上に凄いのが音響と音楽。アカデミー賞で国際長編映画賞に加えて音響賞も獲得した(『オッペンハイマー』を抑えて)のも、むべなるかなです。
生活描写を重ねていき、ときどき夫の「仕事」の描写も入るのですが、塀の向うのことは「音」でしか描かれません(音で描くってのも変ですけど)。その音が怖いですし、どういうことが行われたかを知っている我々(観客)は、その音でいろんなことを思い描いてしまうわけです。
でも私たちも、いや小生も、この家族ときっと同じなのでしょう。そう思わされるところが、さらに怖いところです。人間なんて・・・。 また、今日の客席にはポップコーン食べながらの人が結構いて驚いたのですが、それもまたその人の関心領域を示しているようで、怖いところであります(ポップコーン食べてなくても大同小異なのでしょうけれど)。
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