「HOW TO BLOW UP」:回想場面だらけで失敗 #HOWTOBLOWUP #爆破法 #環境テロリスト
映画『HOW TO BLOW UP』の原題は“How to Blow Up a Pipeline”。やっぱり他動詞で目的語がなくっちゃ変ですもんね。てか、邦題なんだから、英語だけってのはいかがなものか?
環境活動家の若者たちによる石油パイプラインへのテロの物語。これ、『キネマ旬報』の星取表で妙に高評価だったので観てみたのですが、それほどのことはありませんでした。『キネ旬』の評論家って、妙に革命家やテロリストへのシンパシーが強い人が多いなあと常々思っているのですが、これもまたその一例でしょう。
映画の作りとしていちばん気になったのは、テロリスト一人一人の回想場面を挟み込みながら描いていくのですが、それを挟み込むタイミングがひどいのです。せっかく話がいい感じに進行して盛り上がったところで、回想場面に入るというスタイル。まるで、テレビ番組で盛り上がって、さあ!となったところでCMを入れて引っ張るような手法。嫌なストレスを与えられます。サスペンスもカタルシスもあったもんじゃありません。
あとは誰にも共感できない登場人物たちと、活動の理由が薄弱に見える描き方。そこが弱いから、テロリストへの感情移入なんかまるでできませんし、もしかしたらテロリスト批判をしているのかも知れないのですが、どっちにしても中途半端です。 サスペンスや犯罪ドラマとしての要素もありきたりで弱いですし、決して出来の良い映画ではありません。ついでながら、ソチという名の女性テロリストの顔は(言動も)、個人的に嫌いですねえ。これはもう嫌いなタイプとしか言いようがないのですが…。
いつものことですが、アメリカの田舎って車しか移動手段がないので、飲酒運転には非常に寛大ですね。本作でも、警察官が職務中にバーに来て、ウイスキーを結構な量飲んで、また車で仕事に行く描写があります。みんなもそれが当たり前って顔してますし、そもそもお店の人がウイスキー出してます。それがアメリカの田舎なんです。日本なら懲戒免職ものですもんねえ。
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