「九十歳。何がめでたい」:久々の松竹的娯楽作 #九十歳何がめでたい #草笛光子 #前田哲 #佐藤愛子
映画『九十歳。何がめでたい』は、オープニングの松竹マークのあとに「草笛光子生誕90周年記念作品」と出ます。驚きましたね。まだ存命中の俳優でこういうことやるのって、初めて見たような気がします(「吉永小百合主演100本記念作品」みたいなのはあったと思いますけど)。
まずはヒットしているようで、めでたいです。「何がめでたい」と言われても、めでたいです。一つにはこういう昔ながらの松竹映画がめっきり少なくなっているので(その分キラキラ映画にシフトしていた)、その命脈が保たれたであろうことがめでたい。もう一つは映画観客の高齢化が指摘されている割には高齢者が主役のメジャー映画が少なかった中、本作のヒットで扉が開かれた感があるってことがめでたいのです。
まあ監督が前田哲なので、職人的な大衆娯楽作に仕上がっています。同監督の『老後の資金がありません!』と同テイストのコメディーですよね。世の中にはこういうゆるい映画も必要なのでありましょう。
そして、何と言っても草笛光子さん。『老後の資金~』では、男装を含む怪演としみじみとした好演を両立させ、新たな展開に目を見張ったものでしたが、本作は主演として申し分なし。ご本人が90歳で、90歳の役を演じるなんて、日本も素晴らしい時代に入ったものでございます。ちょっと滑舌が悪くなっていたけど、堂々たる押し出しの主役っぷりでありました。唐沢寿明の芝居もその良さを引き出して、良きコンビネーションでした。
佐藤愛子先生、昨年11月に100歳になられたんですってね。エンドロール後にその字幕が出て、びっくりしました。とりあえず、めでてえ!
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