「フェラーリ」:感情レスのマイケル・マン #フェラーリ #映画フェラーリ #マイケルマン
映画『フェラーリ』は、久々に観たマイケル・マン監督作。2015年の『ブラックハット』を観ていない大江戸にとっては、2009年の『パブリック・エネミーズ』以来15年ぶりなのでしたー。
でも相変わらずのマイケル・マンなのでした。なんなんでしょう、この没入できない距離感。人物や物語を描いても、感情やその内奥のドラマのうねりを描くことなく、表層だけを冷徹に記録する感じ。 思えば、世評の高い『ヒート』あたりを大江戸が全然面白いと思えないのも、そういう所です。出来事だけを描いて、人間の感情や情動を描かない。観察者的な距離感が、観る者の感情移入を許さない作風。好みではありません、というか、どの作品も面白いとは思えないのです。波長が合わないんでしょうね。
でも、映像は良いし、役者もアダム・ドライバーとペネロペ・クルスが悪くないんですよ。二人とも、力量のある演技者ですから。そんな二人の「熱」をも冷ますマイケル・マン演出。
2020年に日本公開された『フォードvsフェラーリ』(ジェームズ・マンゴールド監督)って、マイケル・マンが製作総指揮をやっていたんですよね。本作『フェラーリ』の企画は30年越しだったらしいので、そっちにも手を広げていたんですかね。でも映画としての出来は圧倒的に『フォードvsフェラーリ』の方が上ってのは、皮肉なもんですね。
上映館内は、やけに初老男性率が高く、女性客が少なかったのでありました。
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コメント
なんとも微妙な鑑賞後感が伝わってきました...
私もそんなもんです(笑)
投稿: onscreen | 2024年7月15日 (月) 01時07分
ですよねー。えも、よくフェラーリ社がこういう作品作るのを許したもんです。欧米はそういうとこ、懐が深いんですよね。
投稿: 大江戸時夫 | 2024年7月15日 (月) 22時46分