「めくらやなぎと眠る女」(吹替版):淀んで湿っぽい空気感 #めくらやなぎと眠る女 #村上春樹 #古館寛治
映画『めくらやなぎと眠る女』は、フランス人監督のチームによる長編アニメーション。村上春樹の様々な年代の短編6作品を組み合わせて作られています。大江戸ももちろん読んでいますが、既にほぼ忘れちゃってます。日本語吹替版で観ました。
2011年の東日本大震災直後の日本が、映画の舞台。何とも淀んだ空気感が全編を覆っています。そもそもこの暗くて地味な絵柄が、最も淀んでいますよね。それにしても、東洋人がとっても醜い感じに描かれてますねえ。カリカチュアなんでしょうけど、男も女もぶさいく過ぎませんか?西洋人を描いてもぶさいくなのかも知れませんが、気になってしまいました。絵の「好み」の問題なのかなあ。湿っぽくて、「村上ワールド」らしくない気がするんだけどなあ。 なので、かえるくんが出てくるとホッとするというか、清涼剤です。古館寛治の声も、いい感じに合っていたなあ、かえるくん。
そう、この吹替版はやけに豪華キャスト。古舘さん以外にも磯村勇斗、玄理、柄本明、平田満、塚本晋也、内田慈、木竜麻生と揃ってます。おまけに日本語版ディレクターが深田晃司監督!なので、一風変わったレベルの高い仕事になっております。
まあ、ただ「面白いか?」と問われれば微妙なところですね。村上春樹の小説には、「文体や言い回しを楽しむ」側面が大きいわけですが、それができない。あと、6作品のつぎ合わせによって、焦点のぼやけたバラバラな印象も受けました。
ちなみに村上短編のタイトルは、『めくらやなぎと、眠る女』。「、」が入ってます。この邦題だと、柳の木と添い寝してる女性をイメージしちゃいますよね。なぜ「、」を取ったのかなあ?
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