「きみの色」:予告編は最高だったが… #きみの色 #山田尚子 #ミスターチルドレン #テルミン
映画『きみの色』は、『けいおん!』『聲の形』『リズの青い鳥』などの山田尚子監督作品。高校生たちのバンドものではありますが、絵もテイストも『けいおん!』とは全く違っています。あたりまえと言えばあたりまえですが。
ふんわりとした世界です。良い人揃いで悪人は出て来ないし、大きな事件も起きないし、大した葛藤もありません。こういうの、大江戸は大好きなはずなんです。でも、なんか惹き込まれなかったんですよねえ。映像はとても気持ちの良い色彩が目に優しく、素晴らしかったのですけれど…。
思えば、予告編が最高でした。きれいな色の花や光、親しみやすく可愛らしいキャラクター、素敵な台詞やナレーション、ミスチルの主題歌(『in the pocket』)が明るくも感動的、と絶対ベストテン級の作品だと思ったんですけどねえ。悪くはない、むしろ良いのですが、「中ぐらいに」良いだけなんです。
言いたかないけど、やっぱり「物語が弱い」ってことでしょうか。物語なんかなくてもいい映画はあるはずだというのが大江戸のスタンスですし、山田監督もその実証のために本作を作ったのだと思うのですが、うーん、 どのパートも悪くはないんですけど、やっぱり「突出したものがない」って所が、心にガツンと来なかったのかも知れません。 穏やかな表現でもいいんです。でも、予定調和を突き崩すほどの何か「とんでもないもの」が一つ欲しかったなあ。
それはそうと、メガネ男子がテルミンを演奏するのでびっくり。ちょこっとだけテルミンをたしなんだことのある大江戸にとっては、正確な描写に「ほう」と思いながら、演奏意欲をかきたてられたのでありました。
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