「愛に乱暴」:こわれゆく女 #愛に乱暴 #江口のりこ #こわれゆく女 #森ガキ侑大
映画『愛に乱暴』は、先頃『お母さんが一緒』でも強烈な個性を見せた江口のりこ主演の不穏なホームドラマ(と言っていいのかな?)。
日本語的にはこのタイトルの「に」は、どういうことなんでしょう? そこは原作の吉田修一さんに聞いてみないといけませんね。でもこれまでも大江戸は吉田修一との相性が悪いからなあ。結局最後まで観ても、明確な答にはたどりつきませんでした。まあ、いろんな解釈が可能ってことなんでしょう。で、今回もまた吉田修一との相性の悪さは改善されませんでした。
序盤からずーっと、嫌な緊張感が続きます。不安で不穏です。穏やかで平穏に見える日常が、その空気にどんどん浸食されていって…。なにしろ周りの人々がことごとく主人公にストレスを与えていくので、感情を押し殺しながらそれに対応していく彼女が、少しずつ壊れていくのです。
いやー、ジョン・カサヴェテスの『こわれゆく女』じゃないけれど、その壊れ方のプロセスを見せていく映画なのですね。江口のりこが、それをしっかり演じていて、この演技には見応えがあります。そして彼女にストレスを与える面々=小泉孝太郎(髪形などの関係で、別人のよう)、風吹ジュン、斉藤陽一郎らの嫌な感じが絶妙です。
ただ終盤からラストがもの足りないし、好きになれる作品ではありませんねえ。 そうそう、小生は「森ガキ侑大」と監督名に「ガキ」を入れてるあたりが嫌だなあと思うのですが、「侑大」って「ゆきひろ」と読むのですね。読めねーよ。
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