「Cloud クラウド」:現代の恐怖映画を更新 #クラウド #映画クラウド #黒沢清 #恐怖映画
映画『Cloud クラウド』は、『蛇の道』、中編『Chime』に次いで、この半年で3本目となる黒沢清の新作。『蛇の道』同様、ジャンル映画に振り切ってますし、工場跡地みたいな所への監禁とか、似通った要素もいくつかあります。でも、こっちの方がより面白いですね。
何とも胸苦しい作品。観ていて緊張しますし、不安がのしかかってきます。それだけリアルな、現代の恐怖がここにあります。黒沢清は恐怖映画の定義を更新し続けてきた作家ですが、なるほどここには今の世界を覆う匿名の悪意や殺意があふれています。そんな個々の闇が「集団」になったときの暴走。その狂気と恐怖。このような同時代性が、リアルに観客を震撼とさせるのです。
まあ、そういった「現代性」を評価されて、(こういうジャンル映画なのに)アカデミー外国映画賞の日本代表に決まったんでしょうね(小生としては、ささやかに美しい『ぼくのお日さま』がなってくれた方がいいと思ってますけど)。
役者たちも、いつもとはちょっと違った顔を見せてくれてますよ。菅田将暉は器用に何でもできちゃう人ですけど、古川琴音も、岡山天音も、いつものようでいて、いつもとは違っています。こんな荒川良々なんて、見たことないでしょ。 そして奥平大兼がこんな役柄ってのには、驚かされました。へー。
(以降少々ネタバレあり) ただ、終盤がガンファイトになっているのにはちょっと不満も。もっと驚くべき着地点があったんじゃないかなあ。黒沢さん自身は、ガンファイトを描けて嬉しかったかも知れませんが…。
それはそうと、地獄の警備員こと松重豊さんがまた黒沢映画に出てるってことだけで、ちょっと興奮いたしました。
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