「十一人の賊軍」:アナーキーで反骨で血なまぐさい #十一人の賊軍 #白石和彌 #仲野太賀 #東映
映画『十一人の賊軍』は、『仁義なき戦い』や『二百三高地』などで知られる脚本家・笠原和夫の原案をふくらませた映画化作品。脚本は池上純哉、監督は白石和彌。この二人は、過去にも『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』などで組んでいます。
東映の波涛に三角マークが似合う作品になっていました。何しろ『十一人の侍』『十三人の刺客』といった´60年代東映の集団抗争時代劇の正当な継承者的作品ですからね。題材的にも作品の柄としても、十年前なら三池崇史が撮っていた(そして失敗した)作品でしょう。結果的には、白石和彌が撮ってくれて良かったのではないでしょうか。
白石和彌的なアクの強さと、けっこう血なまぐさい描写で描く、アナーキーで反骨のはみだしスクワッド映画。東映だからチャンバラアクションもしっかり見せますし、それに加えて砲撃あり爆発あり(音がまたすごい)と、濃いエンタテインメントになっています。ただ、最高かと言われるとそれほどでもないし、面白さも中ぐらいなのですけどね。とはいえ、2時間35分を飽きさせずに見せるだけの力はありました。
中盤の嵐の吊橋シークェンスは、「ああ、フリードキン版『恐怖の報酬』がやりたかったのね」って感じでした。 それと、真夏の話なので(新潟とはいえ)みんなじっとりと汗をかいていたり、着物の衿が汗みずくになっていたり、女性の半衿も汚れていたりなどといった描写があるのも、リアルでいいねと思ったのでした。
主演は『七人の侍』の菊千代(三船敏郎)を思わせる山田孝之と、やけに正統派のカッコよさを見せている仲野太賀。こんなに「二の線」の太賀はなかったんじゃないでしょうか。殺陣が相当しっかりしていて(特訓したのでしょうけれど)驚きました。 あとは阿部サダヲの中間管理職的ヒールっぷりも、この人ならではって感じ。
なんで11人なのかなあ?とか思いつつ、「でも11人いればサッカーできるよね。官軍と賊軍でサッカーすればいいのに。」などと思ってしまった蹴球派の大江戸であります。『明治元年のフットボール』かっ!?
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