「ペパーミントソーダ」(1977年):時代のタイムカプセル #ペパーミントソーダ #映画は時代のタイムカプセル
映画『ペパーミントソーダ』は、1963年のパリを舞台にした1977年作品の日本初公開。作品自体は今も古びていないのですが、学校や人々の描写を見るとやはり隔世の感がありますね。映画っていう媒体はやはり「時代のタイムカプセル」として、貴重ですよね。
リセの先生たちが、とにかくおっかない! みんな苦虫を嚙みつぶしたような顔をして、威圧的に怒ってばかりいます。あれは、今じゃアウトだよなー。でも自由で個人主義のフランス娘たちを教えるには、あれぐらいでないとなめられちゃうのかなー。親もかなり横暴だったりするし(娘に来たラブレターを、自分で破かせるとか…)。それに限らず、全編を通して現在の視点から見るとアウトな事ばかりでした。60年で世の中とか価値観とかって、ガラッと変わっちゃうものなんですね。
でも生徒たちが委縮してるかというとそんなことなくて、怒られてもケロッとしてるし、隙あらばプチ悪いことをしようとするし、まあ環境適応しているのですね。それを考えると、現代のティーンエイジャーの方が格段に優しく大切にされているのに、ちょっとのことで心折れたりしちゃって、とにかく打たれ弱いという・・・行く末が心配です。
それはともかく、本作の映像は今も新鮮。霞のかかったシャーベットカラーを多用した色彩感覚の良さをはじめ、フレンチなオシャレ感が充満しています。ウェス・アンダーソン監督がこの映画を好きなんだそうですが、なるほどですね。
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