「どうすればよかったか?」:時間の重さと家族の厄介さ #どうすればよかったか #藤野知明
映画『どうすればよかったか?』は、正月早々観るには重過ぎる作品ではありますが、観ることを避けてはいけない作品でもあります。意外とヒットしているようで、現在都内7館で公開中。大江戸がテアトル新宿で観た回も結構混んでいました。
公式サイトには「20年にわたって、カメラを通して…」と書いてありますが、姉が統合失調症を発症してから約40年にもわたる記録でもあります。その歳月の積み重なりの持つ重み。見てはいけないものを見るような気になるドキュメンタリー。味わいは、とても苦いものです。
この映画を観て、「弟が撮ってるだけじゃなくて、もっと行動を起こすべきなんじゃないか」と批判する人もいることでしょう。でも大江戸は、私たちが評論家的にああだこうだ言ってはいけないのだろうと思っています。何しろ2時間弱のこの映画の外に、約40年の長大な時間が流れているわけですから。しかもきちんと対象を撮影することが困難だった環境下での限られた撮影素材の積み重ねしか、私たちは観ていないのですから。
冒頭の字幕にも出て来ますが、藤野知明監督は誰が悪いとか統合失調症とは何ぞやとかを描きたかったわけではなく、これを観て一人一人に考えてもらいたかったのでしょう。答えの出ない「どうすればよかったか?」という問いに対して…。 それにしても、家族ってやつはつくずく厄介でめんどくさいものですねえ。
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