「RED ROOMS レッド・ルームズ」:人間の計り知れない深淵 #REDROOMS #レッドルームズ #ジュリエットガリエピ #パスカルプラント
映画『RED ROOMS レッド・ルームズ』は、なんだか異様な傑作の予感があったのですが、ひっそりと東京は2館で2週間のみの限定公開ってことで、慌てて行って来ました。しかも東京の2館は行けそうにない上映時間だったので、仕事帰りに横浜まで行って、初めて109シネマズ・ムービルという西口ディープエリアの、昭和感たっぷりの建物内の古典的シネコンで鑑賞した次第。
いやー、行って良かった。人間の不可思議に迫る、緊張感たっぷりの傑作です。フランス語メイン(一部英語)のカナダ映画ですが、カナダ特有のひんやりした不穏さ(デイヴィッド・クローネンバーグに代表されるような)と異常性が画面を支配します。そして不安を増幅させる音楽や音響が、これまた只ならぬ迫力を醸しております。
とにかく(役柄同様)実際にモデルというこの主人公=ジュリエット・ガリエピの演技が圧巻です。特に終盤のあの場面(傍聴席)での、鬼気迫る演技には圧倒されました。全編を通して、「こわれゆく女」を見事に体現しました。今年の大江戸の主演女優賞候補にノミネートしておきましょう。絶対ないけど、もし日本版が作られるなら新垣結衣にこの役を!と思った大江戸です。
もちろん監督・脚本のパスカル・プラントの名も記憶に留めておかねばなりません。とんでもない才能か、とんでもない変態か、いずれにせよ次回作が気になります。
サイコ・スリラーの枠を超えて、人間ってものの計り知れない深淵を覗いてみようとする作品でありました。そういえば(出来は良くなかったものの)『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』を観たときにも、そんなことを感じましたねえ。
| 固定リンク
« 「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」:ガンコジジイ感動の終幕 #ミシェルルグラン世界を変えた映画音楽家 #ミシェルルグラン | トップページ | (番外編)横浜の「焼メシ焼スパ 金太郎」 #焼メシ焼スパ金太郎 #ナポリタンとチャーハン #ハーフアンドハーフ »


コメント