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2025年10月 7日 (火)

「ばけばけ」が良き    #ばけばけ #ハンバートハンバート #笑ったり転んだり #ふじきみつ彦 #髙石あかり #朝ドラ

先週スタートしたNHK朝ドラ『ばけばけ』。思った以上に色々と良いです。

〈主題歌〉 ハンバート・ハンバートの『笑ったり転んだり』に癒されると、ネット界隈(って好きな言い方じゃないけど、便利なのでつい…)でも評判なようです。ハンバート・ハンバートは昨年公開の映画『ぼくのお日さま』の主題歌も良かったし、独特でいいですねえ。昔の唱歌みたいな覚えやすさ。でも、しみます。二日目にはサビのメロディーを覚え、1週目の金曜には全メロディーを覚えていました。歌詞もいいし。何しろあの酷評されたラッドウィンプスの『賜物』の次ですから、よけい良さが際立ちます。日によって、曲の違う部分を使っていますね。

<タイトルバック> 主題歌の流れるオープニングのタイトルバックには、(写真家)川島小鳥さんの写真が使われています。静止画を一枚ずつ出していく手法です。さすがにスタッフ、キャストの文字が小さいので、そのあたりは今後改修されるかもしれませんが、見え方としてはとても新鮮。そして、川島さんの写真はいつものようにのどかで心休まるものであり、主題歌とも最高にマッチしております。

〈映像〉 これが最高に素晴らしいのです。一つ一つのカットの構図の見事さ。特に、テレビドラマらしからぬロングショットの多用や、光と影の使い方。あの池を手前の紙から対岸の「とき」たちを撮ったローアングルのカット。人物の肩なめショットで、対峙する人物をを少しだけ見せる撮り方。太鼓橋を下りてから道を曲がって歩き続ける人物を捉えた長回し。お屋敷の広間の中景に人物、遠景に庭が見える美しいショット。真っ黒の闇(廊下)の奥に、縦長の空間(入口)だけが明るく照らされているショット・・・などなど、毎回いくつも感心するショットがあるのです。トーンも、室内は明治初期にふさわしい暗さで、いかにも怪談調の照明になっています。それ故に、逆光ショットが生きる場面も多いし。ほんと、撮影と照明の方々、最高の仕事してます。

〈脚本・演出〉 脚本はふじきみつ彦。『バイプレイヤーズ』なんかを書いてた人なんですね。まだこれからが本番って段階ですけど、けっこうユーモア多めで面白いです(今朝の髙石あかりの「茶運び人形」、笑えました!)。 演出もそれを生かして、思ったよりも軽妙にポップ。それなのに、正統派の堂々たる朝ドラにもなっています。これからさらに期待が持てます。

〈髙石あかり〉 彼女を朝ドラヒロインにもってきたってのは、なかなかの慧眼ですね。今日まで見て来て、この作品と彼女の成功を確信しました。目の周りが赤いような、独特の面立ちですが、映画『新米記者トロッ子』や『夏の砂の上』での演技力と風情に、注目しておりました(いちばんの出世作である『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを未見なのが、無念です)。彼女とトミー・バストウの化学反応がどうなるのか、これから先に興味津々なのです。

そのほか、美術や衣装もさすがNHKならではって感じに、実力を見せつけております。あとネットを賑わせている「池脇千鶴の驚愕のおばさん化」については、大江戸の場合、近年の映画で知っていたので、それほど驚きはしませんでした。 いずれにせよ、これからの半年が日々楽しみです。

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