「殺し屋のプロット」:うまくて面白い認知症ノワール #殺し屋のプロット #マイケルキートン #アルパチーノ #認知症ノワール
映画『殺し屋のプロット』の原題は、“Knox Goes Away”。老いた殺し屋ノックス(マイケル・キートン)が認知症になり、急激に記憶がなくなっていく設定を見事に生かしたノワールです。こういうのって、これからの高齢化社会で増えていきそうですね。
主演のみならず、製作・監督もマイケル・キートンが務めております。監督としても冴えてます。ソリッドかつ的確な演出で、台詞に頼らずに物語を映像でわからせていく技があります。犯罪映画としても、サスペンスとしても、ミステリーとしても、家族のドラマとしても、孤独な男の老境のドラマとしても、一級品の仕上がりです。予想以上の見事なクォリティ―でした。
(特にアメリカ映画では)こういう「映画らしい映画」の劇場公開がめっきり少なくなっているだけに、小規模公開とはいえ、しっかり映画館にかかったのは歓迎すべきこと。すっかりジジイになったアル・パチーノもいい味出して、しかも出しゃばらずに助演しておりました。
一方マイケル・キートンは主役として、お見事。認知症にかかって、何もかも忘れてしまうけどそれを悟られないようにする、とか、あ、今忘れちゃったよね、とか、非常に難しく繊細なニュアンスをしっかり伝える演技を成功させておりました。しかも、クールなプロフェッショナリズムと人間味を両立させたキャラクターづくり。これ、大江戸的には主演男優賞ものですよ。
ラストに至るまでの巧妙なプロットも、まことにお見事。しかもこんなに素敵なラストが用意されていたとは。いやー、不作が続く今年の洋画の中で、これは拾い物でした(本国公開は2023年のようですが)。
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