「ハムネット」:芸術による浄化と救済 #ハムネット #クロエジャオ #ハムレット #ジェシーバックリー
映画『ハムネット』は、ウィリアム・シェイクスピアとその妻、そして『ハムレット』誕生にまつわるあれこれを「たぶんこうだったんじゃないか劇場」(©『チコちゃんに叱られる』)的に描いたクロエ・ジャオ監督作品。
大江戸は例によって、ほとんど情報を入れずに観たので、そのあたりすらよくわかっておらず、終盤になってそこらへんが結びついてきたときに、「おお!」と驚いてしまいましたよ。「なるほど、そういう作品だったのか」と(まさかあの人がシェイクスピアだったとは)。
この作品、そこに至るまで=全編の3/4ほどが暗くて重くて、観ていて辛いです。しかも、ちょっと退屈。面白くなるのはラスト30分。そこまでかなり辛抱させられるので、総合点としてはそれほど高くしたくない大江戸なのですが、ラスト30分のおかげで、良いものを観た気分になることも確か。
(以降ネタバレあり) そこには「芸術による浄化と救済」というテーマが浮かび上がってきます。愛する息子の死により、罪悪感と恨みつらみで冷え切ってねじ曲がってしまった主人公アグネスの心が、演劇(『ハムレット』)のおかげで雪解けを迎えるという…。
ここは、ジェシー・バックリーの表情演技のおかげもあって、感動を呼びます。アカデミー最優秀主演女優賞に輝いたバックリーですが、それもむべなるかな。多くの人が「強度」という言葉を使って彼女の演技を評していましたが、叫び、怒りから無言の慈愛まで、さすがの名演でした。少し前に観た『ザ・ブライド!』のパンクなモンスターと同じ女優とは思えませんね。
それにしても、冒頭に「ハムレットとハムネットは同じ名前で、どちらでもよい」と字幕が出るのですが、そんなことってあるんですね。びっくり。でも考えてみれば、「日本」という国名だって、「にほん」でも「にっぽん」でも同じでどちらでもいいわけですから、それと同じようなものかも知れませんね。
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