「あらくれ」(1957年):現代的な女性主人公 #あらくれ #成瀬巳喜男 #高峰秀子 #水木洋子
神保町シアターの「田中澄江と水木洋子」特集で、成瀬巳喜男監督の『あらくれ』(1957年)を初めて観ました(脚本=水木洋子)。この作品、気が強く旧来の男尊女卑&家父長制社会になじまない「強い女性」が主人公のためか、当時の映倫審査で成人指定となったそうです。信じられませんね。
まあ、高峰秀子演じる主人公=お島が、それぐらい「あらくれ」なのです。とはいえ、それも男たちからの侮蔑の言葉やひどい扱いや暴力に、堪忍袋の緒が切れただけなんですけどね。観ていて、「あっ、これって現代の女性が主人公の映画の主人公みたい」と思いましたよ、『バービー』とか『ナミビアの砂漠』とか。(まだ公開前だけど)『スーパーガール』だって、たぶん似たようなものだと思うんですよ。
大正のはじめを舞台にしながら(字幕では「大正の始め」と出ます。日本語的には「初め」の方だと思うんですけど)、とても現代的な作品。ラストの主人公の決断とかも、実に現代的です。だからこそ、前近代的、封建的な男ども(まあ女も含めてですけど)の、女性蔑視的な言動のひどさをしっかり描いているのです。ほんとに昔の男って、好き勝手やって威張っているだけで良かったんだから、楽だったでしょうねえ。 それにしても、お島さんって「だメンズ好きなの?」と思うほど、一緒になる男がそれぞれにドイヒー。これ、現代の若い女性に観せたら、男性不信になっちゃうかもね。
高峰が名演なのはいうまでもありませんが、上原謙、森雅之、加藤大介の三人も適材適所に各種だメンズを好演しております。4人目とも言うべき男=仲代達矢が、新しい世への希望を感じさせて、力強い結末を(陰ながら)支えました。
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