「自然は君に何を語るのか」:人生のスケッチ #自然は君に何を語るのか #ホンサンス #月刊ホンサンス
ユーロスペースの、5か月連続で5本の新作を公開する特集「月刊ホン・サンス」の5本目。大江戸は新作5本制覇です。そして、5本のうちでこれが一番でした。
いつものホン・サンス映画のように、とりとめもなく会話して、食べて、飲んで、喫煙して…って作品。特に本作はよく飲んでますし、今日びありえないほどタバコを喫いまくっています。詩人が出て来るのも、ホン・サンス作品らしいところですし、「縦の移動(高低差)」の映画でもありました。
また、変なズームも健在ですし、『水の中で』で使ったピンボケ映像も(たぶん)3つの場面で使われておりました。どこから見ても、ホン・サンス作品です。
いつもの役者たちが出て来て、みんな適材適所なのですが、今回は母親役のチョ・ユニがうまかったなあ。黙ってるときの微妙な表情やしぐさのニュアンスが絶品でした。
(以降少々ネタバレあり) 本作の白眉は、フレンドリーな夕食場面にあふれるサスペンスとその崩壊。この何とも「疲れる」感じと、取り返しのつかない「やっちまった」感が圧倒的です。まさに「覆水盆に返らず」。
軽妙さの中に、「生きること、人と関わることってめんどくさいなあ」、「でも、それが人生だよなあ」などと、人間と生の本質を突いてくるホン・サンス流「人生のスケッチ」。そのやるせなさと諦念。数ある彼の作品の中でも、大江戸としてはかなり上位に置きたい一作です。
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