「オールド・オーク」:分断と排斥の世界へのメッセージ #オールドオーク #ケンローチ #分断と排斥 #ああいう人に私はなりたい
映画『オールド・オーク』は、この作品を最後に引退を表明したケン・ローチ監督の2023年作品(少し遅れたけど、劇場公開が果たせて良かった)。まあ、ローチ氏も今年で90歳になるので引退してもいい年なのですが、5歳上の山田洋次監督がまだ現役なので、もう1、2作作っていただきたいところではあります。
というのも、ぜんぜん映画の力が弱まっていないから。むしろここに来て、『私はダニエル・ブレイク』(2016年)、『家族を想うとき』(2019年)、そして本作と、傑作を連発しているのです。今こそがキャリア絶頂期って感じなのです。
作品テーマも、まさに今彼が描くべき「分断と排斥」。全世界を覆うこの病理にどう対抗して、より良い世の中にしていくのか、それに対するケン・ローチなりの投げかけや祈りのようなものが、ここにはあります。
これは本当に日本国内でもよく聞くような外国人排斥やヘイト言論の話であり、『マイスモールランド』(2022年)などの日本映画でも描かれてきた事柄と同じような構図です。人間(生物)はもともと変化を恐れるようにプログラミングされているそうですが、それに加えて「自分たちはあいつらのせいで割食ってる」「自分らが貧しいのはあいつらが来たせい」という八つ当たりにも近い感情が入ってしまうと、こうなります。よそものを排除して自分たちのコミュニティを守ろうとするのは、人類のDNAに刻まれた本質なのかも知れません、悲しいですが。
でも、だからこそ人としてどうふるまうべきかが問われるのではないでしょうか。そこにケン・ローチは一縷の希望を描いて終わります。人間を信じているのです。できるだけ多くの人類に観てもらいたい作品です。 パブの主人のおじさん、人としてかっこいいなあ。ああいう人に私はなりたい、と思ってしまう大江戸でした。だからですね、例えばNHKさん、早いうちにTVで放映してください。それが公共放送の存在意義ってもんです。学校で鑑賞させるのもいいですね。多くの人が「ああいう人に私はなりたい」と思ってくれれば、世の中変わっていきますから。
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