「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」:伝え続ける事が大切 #ネルソンさんあなたは人を殺しましたか #塚本晋也 #ベトナム戦争
映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、ベトナム戦争の退役米兵の実話をもとにした痛烈な反戦映画。監督・脚本は『野火』(2014年)以来、戦争をライフワークに定めたかのような塚本晋也です。全編英語ベースの作品ですが、分類上は一応「日本映画」のようです。
ベトナム戦争が従軍兵士に残したPTSDが直接的な題材ではありますが、塚本監督の視座は当然のことながら「すべての戦争」に及んでいます。「アジア人を人間と思うな!」という軍事教育の結果、出撃前の沖縄でも、もちろん現地ベトナムでも乱暴狼藉を尽くしたアメリカ兵たちに、太平洋戦争当時あるいはそれ以前のアジア各国で蛮行を尽くした日本兵(の全てではないかも知れませんが)が重なります。
(以降少々ネタバレあり) 中盤にベトコンの戦士が言う「なぜ他の国に来て我々を殺すんだ? アメリカで戦え。同胞の黒人たちのために。真の自由のために。」という言葉は、パレスチナをはじめとする現在進行形の「戦争」へのメッセージともなっております。もちろん歴史上の他の戦争へのメッセージでもあります。作中の主人公の行動同様、こういう事って言い続けること(伝え続ける事)が大切なのです。そして、こういう映画って作り続ける事が大切なのです。
長らく自分の作品に出演し続けて来た塚本晋也ですが、前作『ほかげ』(2023年)に続いて本作も出演はナシです。なんだったら、リリー・フランキーの役を塚本が演じても、何の遜色も無かったと思うのですが…。製作費を節約する必要がなくなったのかなあ?
それはそうと、ベトナムのジャングル上空を行くヘリコプターの場面(本作では現実音のみ)を見ると、どうしても頭の中で『ワルキューレの騎行』が鳴り響いてしまうのですよね。映画好きの悪い癖です。
| 固定リンク | 0
« 中村ゆりさんが… #中村ゆり #中村ゆり逝去 | トップページ | 「燃えつきた地図」(1968年):昭和のハードボイルド #燃えつきた地図 #安部公房 #勅使川原宏 #勝新太郎 #市原悦子 #ハードボイルド »


コメント