2021年3月26日 (金)

「あやしい絵展」@近美   #あやしい絵展 #国立近代美術館 #あやしい絵 #へんな絵

Dsc_01633_copy_817x742 竹橋の国立近代美術館で始まった『あやしい絵展』(~5/16)に行きました。

日本の江戸~昭和にかけての「あやしい」絵を揃えたという、奇妙な切り口の展覧会。

頽廃的、妖艶、神秘的、グロテスク、エロティック・・・まあ、そういう絵を集めたのですね。絵のみならず、安本亀八の「生き人形」も展示されておりました。

Dsc_01644_copy_967x742 日本人画家によるビアズリーみたいなモノクロの線画があったかと思えば、本物のビアズリー、ロセッティー、ミュシャなどもあるし、美人画が「美人」画にならず、変な表情を見せているのですよねー。

Dsc_01646 また「妖しい」魅力のある絵ということに関しては、顔にあざのある女性を描いた絵が、構図や目の表情など、忘れ難い磁力を放っておりました。

 

Dsc_01652_copy_742x1203 もう1点、モナ・リザの微笑を意識しているという解説がついていたのが、本展のメインビジュアルにも使われているこれ。謎のアルカイック・スマイル。そして、顔色の悪さ。よく見ると、手も足もなんかあやしいです。

 

写真撮影禁止だったので撮っていないけれど、鏑木清方の『妖魚』も、実にあやしい人魚の絵でした。

Center_0001_burst20210323155549279_cover 会場には上村松園、青木繁など大家の作品もありましたが、大江戸が強く印象づけられたのは上記の3作品でした。この3作品が観られたってことで満足。ほかはまあどうでもいいやって感じでした。

あとはこんなヘンテコリンな謎の踊りもあったりしましたね。わはは。「最狂」なのはこれですかね。不気味だけど、なんか笑えます。

会期中に展示替えもあるようですけど、そこまでは追いません。

展覧会グッズの販売コーナーにも、けっこうあやしい商品が並んでおりました。

Dsc_01662_copy_1280x742 そして外にはお堀の桜。この展覧会を観た後では、「桜の樹の下には屍体が埋まっている」(梶井基次郎)ってのを思い出さざるを得ないのでありました。

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2021年3月 6日 (土)

「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか?」展<後期> #石岡瑛子 #石岡瑛子展 #ggg #コヤニスカッティ

Dsc_01182_copy_1024x665 銀座グラフィックギャラリー(ggg)で展覧会『石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか?』の後期(~3/19)を観ました。後期は「グラフィック・アート編」ってことですが、前期・後期とも出ていた作品もありますし、1Fの展示(真っ赤な空間に石岡の言葉)は全く同じ。湾曲スクリーンに映っていた映像は一応違っていたかなあ。

(前期の記事はこちら ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-d838ce.html

Dsc_01132_copy_768x1092 後期になってからずっと仕事が忙しくて来られず、ここ2週間ぐらい毎日「今日こそは仕事を早めに終わらせて駆けつけねば」と思いつつ、結局果たせずにおりました(gggは午後7時閉館)。しょうがないので、仕事が休みの土曜日に馳せ参じた次第(実は2週ほど前の日曜に来たら、休館だったってこともありまして)。

Horizon_0001_burst20210306154725828_cove そしたら、何ということでしょう。入口前にガードマンが立って、入場制限を行ってました! こんなggg、見たことない! しょうがないから10人ぐらいの列について、10分ぐらい待って中に入り、少し待ってから検温・消毒を行い整理券をもらいました。1Fの展示を見ながら15分ぐらい待って、番号順にB1の展示場に通してもらいました。

地下の展示場は前期と共通する作品もありましたが、コッポラと組んだ映画の仕事(ポスター)とか、丸い耳のネズミを使った「HIROSHIMA APPEALS」のポスターとかも紹介されておりました。そもそも、東京都現代美術館の石岡展も観たものですから、ここの前期にどれを観てどれを観てないんだかわからなくなりかけてます。

(都現美の石岡展はこちらの記事 ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-64682a.html

Dsc_01162_copy_1024x801 でも嬉しかったのは映画『コヤニスカッティ』のポスターと久々にご対面したこと。これは都現美にもなかったと思います。この映画好きだったんですよー。フィリップ・グラスの音楽、サイコー! シネヴィヴァン六本木で観た後、レーザーディスクで繰り返し追体験したものです。

Dsc_01172_copy_1024x578 そして、フランシス・コッポラの『ドラキュラ』のポスター。何種類か作ってますが、中でも闇に光る血走った眼球ビジュアルの連作が圧巻です。コワ過ぎスゴ過ぎ! この映画、コッポラとしては失敗作だというか、いわば「石岡さんの勝ち」ですね。

やっぱり今度も石岡さんのパワー、迫力に圧倒された感じです。テレビ『日曜美術館』や『美の巨人たち』放映の影響もあるのでしょうが、むしろ石岡さんの凄さを受け止めた若い人たちがSNSで広げた人気のような気がしました。本物は時を超えて伝わりますからね。

 

 

 

 

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2021年3月 2日 (火)

「リサとガスパールのおもいで展」@松屋銀座   #リサとガスパール #リサとガスパールのおもいで展 #松屋銀座

Dsc_01093_copy_1024x609 松屋銀座で開催中の展覧会『リサとガスパールのおもいで展』(~3/3)に行きました。この会場では何度目かのリサガス展ですが、今回は「日本デビュー20周年記念」という冠がついております。

ほとんどが小品の原画の展覧会。そこに画材だとかスケッチだとか映像だとかを組み入れています。ぬいぐるみのコーナーなんかもあって、そこは撮影OKゾーンとなっておりました。

Dsc_01073_copy_1024x1625 現在、緊急事態宣言対応で、この催事場は午後7時まで。で、入場はその30分前までなので、6時半締め切り。大江戸が着いたのは6:25だったのですが、明日までのためか、この時間帯にしては結構人が入ってました。この展覧会、会期が9日間と短くて、小生も忙しくてなかなか来られなかったらもう終了間近ということで、あわてて駆けつけました。

「1999年にフランスで生まれた」(日本紹介は2000年)ってことなので、20周年と言いながらちょっとズレがありますね。最後のコーナーで紹介されていた日本未訳の作品が2019年ってことなので、それまでが20年ってことなんですかね。

Horizon_0001_burst20210302183233155_cove ま、いずれにしてもこれまでのリサガスの回顧展であり、リサガスは時代を超えて変わらず、とってもカワイイのでした。ちなみに大江戸はリサとガスパールを何も見ずに上手に描けます。うまいもんです。ふっふっふ。

いつもながら会場を出たところの物販コーナーの魅力的な品揃えと多様なアイテムには目を奪われます。大ファンだったら散財して大変でしょうね(それでもハッピーなんでしょうけど)。ウン十万円の原画もいろいろ売ってましたし。 大江戸は小ファンなので、散財はいたしませんでした。

 

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2021年2月21日 (日)

恵比寿、渋谷あたりをうろうろ走る   #恵比寿三越閉店 #恵比寿ガーデンシネマ休館 #恵比寿東公園 #齋藤未月 #商和稲荷神社 #渋谷南の大開発

Dsc_00794_copy_768x1047 東京でも20℃を超えるポカポカ陽気。いつもですと2月のここらへんの日曜は青梅マラソンの開催日で、小生も走っているはずなのですが、今年は当然ナシ(思えば、昨年過密にマスクも着けずにやっていたのがウソのようです)。

例年1、2月はちょっと気合を入れて眺めの距離(時間)を走るのですが、今年はそれもなくご近所をちょこちょこ走るだけ。でもさすがに1回ぐらいは長めに走るかーと思って、今日は家から渋谷、代官山、恵比寿あたりをちょうど2時間走りました。ゆっくり走っても、ちょっと汗ばむ感じの暖かさ。

Dsc_00813_copy_1024x555 渋谷方面から代官山へ。久々に訪れたけど、とにかく他の街に較べて圧倒的にオシャレな建物(しかも1-2階建て)が多くて、目を楽しませてくれます。ただ狭い舗道に人が多くて歩きにくい(そもそも走れない)んですけどね。

そこから左折して恵比寿へ。恵比寿三越が今月いっぱいで閉店なんですってね。それを見ておこうという気持ちもあり、こっち方面に来たのです。

Horizon_0001_burst20210221134412424_cove 三越の入口にはマスク姿のライオン像。これ、確かもともとはなかったので、閉店にあたって期間限定で設置してあるのでしょう。

ここ小規模店ながら、ゆったりとしていて、お客さんは常に少なく、気持ちの良いお店でしたよね。食品ぐらいしか買ったことなかったけど。

 

Horizon_0001_burst20210221134149229_cove で、三越と運命を共にするように同じ2月28日に休館してしまうのが、YEBISU GARDEN CINEMA。ミニシアター受難のコロナ禍時代ですからねえ。残念ではありますが、ここんちは以前にも閉館したり韓流アイドルのライブシアターになったり復活したりの過去があるので、復活への希望を捨てずに待っていましょう。

Dsc_00862_copy_1024x597 さて渋谷川沿いに渋谷方面へ進むと、梅の花咲く小公園(恵比寿東公園)が。おお、その中央には小ぶりだけど堂々たるタコすべり台が!

Dsc_00882_copy_800x573 いいっすねー、この鮮やかな赤。考えてみれば、公園にタコ。なぜ? シュールです。

Dsc_00892_copy_1024x645 その奥には新しいオシャレな公衆トイレ。むむむ、これは昨年メディアでも取り上げられていた「透明なガラスだけど、入ると曇りガラスになるというトイレ」かしらん?

でも違いました。調べてみると建築家の槇文彦さんによるもので、タコの公園に「イカのトイレ」ってことで作られたんだそうです。なるほど、言われてみればいかにもイカっぽい(だじゃれ)。

  Dsc_00912_copy_768x1173 更に渋谷方面へ進みますと、渋谷川沿いのビルに見たことのある黄緑色の人物パネル。おお、(元)湘南ベルマーレの齋藤未月ではありませんか! なんでこんな所に?? 謎です(スポンサー様なのかな)。未月もロシアリーグのルビンカザンに移籍したとたん、現地の練習で怪我して全治4か月で今期は絶望って、ついてませんねえ。

Horizon_0001_burst20210221140312784_cove また少し行くと、道路沿いになんだこれ?って感じに違和感を放つ黒塗りの日本家屋とその前のお稲荷さん、そして堂々たる木。

Horizon_0001_burst20210221140547998_cove 気になったので、横断歩道を渡って確かめます。すると、由緒正しい稲荷神社でした。その名も「商和稲荷神社」。大正15年からあるのだそうです。

隣の銀杏(いちょう)は75年を経過したご神木なのだとか。 黒塗りのお家は、餃子屋さんでした。

 

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さて、いよいよ渋谷。渋谷川の奥に渋谷ストリームやスクランブルスクエアも見えます。

 

Dsc_00992_copy_800x561 唇のパブリックアートなんかもありました。今はみんなマスク姿なので、人様の唇を見る機会もほとんどありませんよね。

Dsc_0101_copy_1024x576 そして渋谷駅の246を挟んで南側は現在巨大な空き地になっています。東急さんが大開発を行っております。

Horizon_0001_burst20210221141550409_cove すごいですねー。本当に「大開発」ですねー。そんなに巨大ビルをたくさん作ってどうするの?ってのが大江戸の本心だったりはしますが、まあ諸行無常ですからね。時も街も常に前へ前へと進んでいくのであります。止めることや巻き戻すことはできないのであります。

久々に長く走ったのでちょっと疲れましたが、まあゆっくり2時間ならまだ余力があるな、もう少し走れるなとも思ったのでありました。東京は走って面白い街ですしね。マスク(やネックゲートル)をつけての多少息苦しいランにも、すっかり慣れました。

 

 

 

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2021年1月 7日 (木)

村上隆の「お花の親子」@六本木ヒルズ   #村上隆 #お花の親子 #六本木ヒルズ

_20210103_183906_copy_1200x1741_copy_960 先日六本木ヒルズに行ったら、森タワーの前にあっと驚くようなものが屹立しておりました。キンキラキンの大仏的なものが・・・、よく見ると村上隆のお花キャラクター、しかも親子ではありませんか!

_20210107_213051_copy_1024x673 いやー、すごいけど笑っちゃう。よくもまあこんなものを…というある種のバカバカしさも含まれているのに、妙にパワフルで超然としております。

銘板を見れば、そのまんま「お花の親子」というタイトル。決して「ライオンの親子」や「コロナの親子」ではありません。高さ10mなんですね(正確には「1,000.1cm」。何この1mmのはみだし??)。

 

_20210103_184614_copy_1758x1964_copy_102 さらに脇にあった解説表示を見ると、「スーパーフラット・コンセプトの一部として、アートの世界に幼稚でオモチャ感覚のロジックを組み込んんだ始祖(の自分)として、スーパー幼稚なものを作った」っていうようなことが書いてありました。

 

_20210103_184213_copy_1024x1525 どうでもいいけど、横から見るとこんな感じ。不思議というか、サマにならないですね。無理矢理な感じ。やはりスーパーフラットなので、立体にした場合には側面が弱くなるってことなんでしょうね。妖怪っぽさは出てますけど。

 

_20210107_212917_copy_1024x640 少し歩くとビルの1F(1Fでいいのかな、あれ?)にこのキャラクターがカラフルに咲き誇るカフェがありました。期間限定(~1/21)の「お花カフェ」であります。カフェに「落ち着き」を求める人にはダメなんでしょうけど、明るく楽しく元気良く(ATG)でステキです。

 

この「お花の親子」像、昨年11月26日から公開されていて、今年の5月末頃までの予定なんだそうです。

 

_20210103_184500_copy_1200x1839_copy_960 夜になると、こんな感じ。これはこれで神秘的?ですね。

_20210107_212739_copy_1024x1553 でも、後ろから見ると、こうです。うーん、スーパーフラットは後ろも弱いのかあ。 ま、でも仏像ってこんなものですよね。

 

大江戸的には、別のデカイもん(お台場のガンダムとか鎌倉の大仏とか)と戦ってもらいたいと夢見てしまうのであります。

 

 

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2021年1月 3日 (日)

「クリスト ウォーキング・オン・ウォーター」:幸福な景色の裏側の地獄   #クリスト #ウォーキングオンウォーター 

01_20210103215301『クリスト ウォーキング・オン・ウォーター』は、2020年5月に逝去したクリストの最後の大プロジェクト「フローティング・ピアーズ(浮かぶ桟橋)」のドキュメンタリー映画。これまでクリストのドキュメンタリー映画というと、1995年のライヒスターク(ドイツ帝国議会議事堂)梱包プロジェクトを記録した『議事堂を梱包する』(2000年日本公開)がありますが、長年のパートナーとして作品づくりを二人で行ってきたジャンヌ=クロードが2009年に他界した後では初めてのこと。

『議事堂を梱包する』では、作品公開の何年も前からの関係者説得や役所対応、素材の開発などを入念に描いていき、最後に作品公開の幸福な時間が用意されていたのですが、本作はちょっと違います。事前準備段階をすっ飛ばして、数十日前からスタートしていき、直前のあれこれ、そして開催されてからのトラブルをかなり丁寧に追っていきます。作者本人のコントロールを超えて動いていくプロジェクトの予想外のスリリングな動きとか、クリスト作品の制作資金となっている絵画のコレクターへの販売風景など、興味深いシーンも満載です。

見事なパートナーであり、緩衝材ともなっていたジャンヌ=クロードがいなくなったためか、クリストが随分と攻撃的なジジイになっちゃったようです。映画の中でも終始、周囲と激論を交わし、しばしば怒鳴りながら怒っています。とても孤独に見えます。ただ今回の場合はその怒りも正当なことが多く、作品の公開直前に風雨が襲い、公開が始まってからイタリア当局の動きの悪さ、対応の悪さによって想定以上の観客をさばけずに追い込まれていくあたりは、デスパレートな状況が延々と続いて、観るのがつらいほどです。これで本当に事故でも起きてたら、まさに地獄ですよね。

それでも最後には、クリスト作品につきものの、人々が心から作品をエンジョイする「幸福な景色」が映し出されます。これがあるから多くの困難にも負けずに、彼はプロジェクトを続けたんでしょうね。本作の最後も、ドバイの砂漠で次のプロジェクトを構想するクリストを捉えた映像です。

スポンサーには頼らず、何十億という費用はすべて作品にまつわる絵画やドローイングやリトグラフを売って自ら捻出するという、驚くべきアーティスト=クリスト。もう、こんな人は二度と現れないでしょうねえ。 良い映画でした。

(当ブログのクリスト逝去の記事はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-0e6fce.html

 

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2020年12月23日 (水)

「石岡瑛子展」@都現美   #石岡瑛子展 #石岡瑛子 #東京都現代美術館

_20201223_115138_copy_1024x756 東京都現代美術館で開催中の『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』(~2021.2/14)を観ました。

先日ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)での石岡展(前篇 ↓ )を観て、いよぃよ本丸へ!って感じです。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-d838ce.html

 

こちらの展覧会は、都現美だし有料だし、そりゃあ規模が違います。石岡瑛子のすべてを網羅した大展覧会です。パルコや角川書店の広告など、かぶるところは結構あります。でもこちらは、そういった企業キャンペーンのグラフィックデザインのみならず、映画やオペラやMVやオリンピック・ユニフォームの仕事までを網羅しているのです。

どの章もそれぞれに面白いのですが、やはり’7-80年代の広告の仕事は圧倒的ですよねえ。デザインの仕事にコンピューターなどない時代の、校正紙への赤鉛筆による指示の細かさと迫力がやはりスゴイです。

『地獄の黙示録』のポスターをきっかけに、映画の仕事もするようになった瑛子さん。本展ではその部分にかなりのスペースを割いているのですが、『MISHIMA』のアートワークをスチル写真で見るだけでもそそられるものがあります。三島由紀夫氏の遺族の圧力でいまだに日本公開が成されていないこの作品を、観てみたいなあと強く思いました。 あと、ビヨークのMVも不思議で面白かったです。

gggの展示でも感じたことですが、石岡さんって本当に「肉体」が好きな人ですねえ。映画や舞台の衣装も肉体の表現だったりしますし。そしてやっぱり鮮烈な「赤」が心に残ります。

1時間半以上かけてじっくり観ましたが、どれもこれも興味深く、石岡瑛子という「巨人」の全体像を浮かび上がらせていました。そしてこちらの会場でも、あの亡くなる少し前のインタビュー肉声をずーっと流していました。

享年73歳。あと数年は良い仕事ができたのではないかとちょっと残念ですが、それはしょうのないことですね。それよりも、この力強きデザインをいろんな人がそれぞれの仕事の中に引き継いでいってもらいたいものだと願ってやみません。

 

 

 

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2020年12月16日 (水)

「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」:モデルたちが語る巨匠   #ヘルムートニュートン #映画ヘルムートニュートン

1_20201216224501 映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』は、彼の生誕100周年を記念したドキュメンタリー。2004年に交通事故で84年の生涯を終えた時の新聞報道は覚えているのですが、あれから16年もたったんですねえ。

コマーシャル・フォト、ファッション・フォトの世界で、’80年代を中心に唯一無二の存在として君臨した写真家と、彼の被写体となったモデルや女優(みんな立派なおばちゃんやおばあちゃんになりました)を中心に、アナ・ウィンターやスーザン・ソンタグ(TV出演時の映像)まで登場しての証言集になっております。映画好きとしては、シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、マリアンヌ・フェイスフル、ハンナ・シグラあたりが当時を語ってくれるのも嬉しいところ。

でも終盤に出て来るヘルムートの妻、ジューンが全てさらっていっちゃうんですけどね。あの毀誉褒貶にまみれたスキャンダラスな写真家が、意外にも愛妻家で気のいいおじさんだったことがわかるあたりも収穫ではありました。撮られたモデルたちもみんな、(ともすれば女性蔑視のレッテルを貼られがちな)彼のことを擁護していますもんね。

懐かしいあの写真、この写真が次々と出て来ます。あれもヘルムートだったよねえ、これもなんだっけ?!の世界です。撮影風景もいろいろと出て来ます。随分と動画素材がしっかり残っていた人なんだなあという印象。

彼の写真の「強さ」のルーツは、レニ・リーフェンシュタールだとわかったのも、「ああ、そうか。なるほど。」でした。1920年ベルリン生まれのユダヤ人=ヘルムートの青春期に、ナチス芸術はいやでも多大な影響を与えたのでしょうから…。それを乗り越え、呑み込んで、完全に自分の表現にしてしまったところが、この写真家の「強さ」なのです。

 

 

 

 

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2020年12月 9日 (水)

「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」展   #石岡瑛子 #石岡瑛子展 #ggg #グラフィックデザイン

_20201208_191428_copy_1024x670 ggg(スリージー)ことギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の展覧会『石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか』前期(~1/23)に行きました。前期は「アド・キャンペーン篇」だそうです(後期は「グラフィックアート篇」)。

尊敬すべきアートディレクターの一人である石岡瑛子さんのデザインを一言でいえば、「強い」だと思う大江戸ですが、この展覧会にもその強さは溢れていました。

 

_20201208_191609_copy_1024x1458 まず会場に入ると、・・・赤い! 壁も床も光線も真紅の世界が広がって(というほど広くはないのですが)います。まあ、赤という色(特に赤と黒のコントラスト)は石岡瑛子を象徴していますからね。

_20201208_191641_copy_1600x989 両サイドの湾曲したスクリーンには、さまざまな作品が映写されておりました。見覚えのあるものが多いですし、どれも見事な傑作で感嘆してしまいます。そして柱というか壁というかには、石岡さんの言葉が書かれています。この言葉がまた、強いんですよねえ。この人の生き方とか作品とかには、「抜き身」の迫力がありますもん。

 

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地下の会場は、パルコを中心としたキャンペーン・ポスターに加えて、雑誌広告、新聞広告、装丁、ジャケットデザインなど。こちらも石岡さんの言葉がつるしてありますし、彼女のナマ声(元の音源はインタビューなのか、講演会なのか?)が流れ続けています。うーん、やっぱり強いです。昔の広告のゲラに石岡が赤を入れたものも展示されており、その精緻かつ厳密な指定におののきながら唸りました。やっぱり凄いです。真剣勝負なのです。

_20201208_191532_copy_1280x720 そして、パルコにしても何にしてもハダカ(ヌード)の広告ビジュアルが平気で出てきます。思えば、昔はそうでした。街にも普通にハダカが出ていました。石岡作品におけるハダカは、もちろん力強いし、美しいし、人間を極めていった究極の本質として迫って来ます。何でもかんでも「ハダカだから表に出しちゃダメ」みたいな近年の風潮は、よろしくないですよねえ。それは、「女性の性を搾取している」とかそういう議論とは別ものです(実際、沢田研二ら男性もハダカにしていますし)。『ヴィーナスの誕生』に服を描き足そうとするようなものです。

_20201208_192612_copy_600x897 ぬるいデザインで溢れた昨今ゆえ、出て来るデザイン出て来るデザインに目を洗われるような気がしました。見ていて、この研ぎ澄まされ方が気持ちいいですし、「広告ってこういうもんだったよな。なんで今は変わっちゃったんだろう?」と思わずにはいられませんでした。バブル崩壊以降の広告って(あるいは、マックのDTPになって以降の広告って)表現が突き詰められていないし、アイディアがないか足りないのです。あるものを表現するにあたって、あまりにも単純すぎるというか、ほとんど何も考えていないというか、一番重要な部分がごっそり抜け落ちているのです。表面的には一応形になっていても、からっぽで芸がなくて、虚しい限りです。コピーライターの力、クリエイティブ・ディレクションの力が弱くなったことも、大いに関係しています。それらが当たり前になっているというのも、また悲しいことですよね(まあ、全ての広告がそうだとは言いませんが)。

そんな時代だからこそガツンと来ました、この展覧会。入場無料なのにありがたや。良いキュレーションですし、良い展示構成・会場づくりでした。映画好きとしては、昔の大映画館を思わせる湾曲スクリーンを見ただけで嬉しくなっちゃいますしね。 2月3日からの後期も楽しみです。そして、東京都現代美術館で開催中の(こっちが本命のはずの)石岡瑛子展も観に行かなきゃです!

 

 

 

 

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2020年11月18日 (水)

サッカー日本代表のパナマ戦・メキシコ戦   #サッカー日本代表 #日本対パナマ #日本対メキシコ #遠藤航 #松林図屏風

サッカー男子日本代表の親善試合二試合が、先月のオランダに次いでオーストリアで行われました。コロナ禍下の事情により、10月に続いて全員欧州組によるチーム編成です。

 

数日前に行われた初戦の対パナマは、前半パッとしなかったけど、後半から投入された遠藤航大活躍の巻。彼の投入で、チームが見違えるように機能しました。効果的な縦パスの数々、そして激しいチャージで危機をつぶす守備力の高さ。日本ではDFで使われることが多かったけど、やっぱりボランチが最適の選手です。ベルマーレ出身の選手が世界で活躍してくれると(ドイツ・ブンデスリーガでも現在大活躍ですから)、やっぱり嬉しいですよね(浦和のことは置いといて)。

でも結局のところ逸機が多く、得点は南野のPKで1点取っただけ。1-0で勝ちはしましたが、なんか物足りないですね。選手一人一人は悪くないパフォーマンスを見せていたと思うんですけど…。

 

で、今朝のメキシコ戦(朝5時~だったので録画して後から見ました)ですが、うーん、やっぱりメキシコってなんだかんだ勝負強いですねえ。前半は完全に日本優勢で、3点ぐらいとってしかるべきって感じだったのに、後半霧が出てきてから停滞して0-2で敗戦。それにしてもあの霧、すさまじかったですね。さすがにあそこまでのは、見たことがありません。特にラスト15分なんて、カラーボールに代えたのにそれさえもTVからは見えなくなるほどのモヤモヤぶり。長谷川等伯の『松林図屏風』(↓)かと思いましたよ。Shorin_left

 

これで2020年の代表戦4試合は終了。まあ、この状況ではよく頑張ってマッチメイクしたってところでしょう。でも試合内容的には、あんまりおもしろくなかったんですよねー。絶対的なスターのいない時代でもあるので、今後の観客動員や視聴率が心配になってしまうのでありました。

 

 

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