2019年2月12日 (火)

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」:主役がミスキャスト   #ライ麦畑の反逆児 #ひとりぼっちのサリンジャー #サリンジャー

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映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』は、J.D.サリンジャーの伝記映画。昨年公開の『ライ麦畑で出会ったら』といい、2010年のサリンジャーの死後、この手の作品がいくつか作られてますね。これからも作られるのでしょう。ご本人が知ったら嘆くでしょうけどね。それにしてもこの邦題ったら! 近年、副題つきのタイトルが妙に増えてますけど、これなんて会議の席で、「こっちもいいよね。でも、こっちも捨て難いよね。」ってんで、候補案を2つ合わせて作っちゃったんじゃないかって気がしてくる題名です。

本作の原作は、2010年にイギリスで出版され、日本語版も2013年に出た『サリンジャー 生涯91年の真実』。小生も読みました(↓)。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/91-0df1.html

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で、この『ライ麦畑の反逆児』は、サリンジャーの学生時代から隠遁生活に入った頃までの半生を、109分にまとめ上げたもの。なので、「こんな人でした」的なダイジェストになっておりまして、初心者のサリンジャー入門用にはそこそこよろしいのではと思いますが、コクがないんですよねえ。上っ面と言っては申し訳ないですけど、でも、どのパートも踏み込んでないのですから・・・。

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ウーナ・オニールとの話も、『ニュー・ヨーカー』誌との話も、戦争の話も、クレイジーなホールデン・ファンの話も、エリア・カザンやビリー・ワイルダーが熱望した『ライ麦畑』の映画化を断った話も・・・、必要なエピソードは全て描かれています。でも、それだけなんです。映画として印象に残る場面などありません。こんなの作ったら、映画嫌いだったサリンジャーに「だから映画なんてもんは・・・」って怒られちゃいそうです。すみません、よく知ってるだけにどうしても辛口になっちゃいますね。

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でも一番困っちゃったのは、サリンジャーを演じたニコラス・ホルト。うーん、作家の知性がありそうに見えないんです。サリンジャーの「影のある」複雑で頑固な人間性とは程遠いテイストなのです。小生なんぞは、映画を観てる間ずっと違和感があって、まいりました。若手俳優の中にも、もっと適任者がいたと思われるのです。

サリンジャーのメンターであるウィット・バーネットを演じたケヴィン・スペイシーがやはり、とんでもなく巧かったです。この人を(スキャンダルで)埋もらせちゃったら、映画界は大いなる損失ですよねえ。

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2019年1月19日 (土)

展覧会「特撮のDNA」:東宝ゴジラの大集合

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蒲田の日本工学院専門学校「ギャラリー鴻(こうのとり)」で開催中(~1/27)の展覧会『特撮のDNA -『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』まで-』を観ました。

珍しい会場でやったもんですねえ。あ、でも「蒲田」ってことに意味があるわけか(『シン・ゴジラ』のゴジラは、蒲田を襲撃)。

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副題の示す通り、1954年の『ゴジラ』第1作から、『シン・ゴジラ』まで(実は、その後に作られた不出来なアニメ版まで含まれてます)の東宝ゴジラシリーズ及び特撮シリーズを網羅した展覧会です。

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入口すぐにドでかいシン・ゴジラの模型が鎮座。いやー、でかいっす。カッコいいっす。

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そして『シン・ゴジラ』がらみの展示としては、第1形態から第4形態への変容だとか、ラストの尾の先端の謎の造形などもありました。

ご当地・蒲田ロケの写真なんかもズラリと貼ってありましてね。

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こちらの鈍く輝く金属は、『ゴジラ』第1作のオキシジェン・デストロイヤー。これがゴジラを白骨化させたわけです。

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メカゴジラ、かなりでかいっす。天井ギリギリっす。

まあ、こういうのがいろいろある展覧会なんですよ。あとは、ポスターとか制作資料とか特撮用模型とか頭部模型とかいろいろありました。

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『モスラ』の小美人の人形。そういえば、こんなケースで運ばれてましたっけ。実写の合成と共に、こういうのも使ってたわけですね。

Dsc_3344_convert_20190119222141で、天井にはモスラ。こいつは平成モスラのようですねえ。

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ゴジラも年代で、随分と顔や姿が異なっております。

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ゴジラやキングギドラの皮膚の質感がよくわかります。家の壁紙がこれだったら、すごいでしょうね。

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ヘドラの解剖図。大仏やお城と高さを比べてるところも、なかなか結構ですね。

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燃え上がる街のジオラマ内で戦うゴジラとモスラ。迫力のある大きな展示です。

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ほかにもあれこれ並んでましたが、まあ、こんな展覧会でありました。老いも若きも男も女も、なかなか幅広い客層が来てましたよ。

グッズ販売コーナーにあったラーメン丼にニヤリ。「あ~あ。伸びちゃったよ。やっぱ総理の仕事って大変だなぁ。」という、『シン・ゴジラ』における里見総理(平泉成)の台詞が底に書いてあるのでした。

ハリウッド版ゴジラが無いのは、まあしょうがないとして、ゴジラシリーズ以外の特撮ものがほとんど(ポスター程度の)薄い展示だったのが残念でした。

また、子供向けのTV用特撮ものには年代の偏りがあり、全然知らなかったなあ。 

そういう不満点もありますけど、全体的にはかなり楽しい展覧会でありました。

やっぱり第1回「ゴジラ検定」受験してみーようっと。

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2019年1月10日 (木)

「片岡鶴太郎展 顔-faces-」@松屋銀座

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松屋銀座で『片岡鶴太郎展 顔-faces-』(~1/14)を観ました。この会場で、2014年に開催された鶴太郎展で、そのクォリティに衝撃を受けた大江戸ですが(↓)、

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-24e2.html

今回も見事な作品、見事な展覧会でした。

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あの頃とは違って、展覧会場内の撮影もOKになってました。前回展以降の作品を中心に、代表作もきっちり展示。見応えのある展覧会でありました。

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タブロー、屏風、掛け軸などが中心ですが、前回の時にはまだ習作段階だった油絵も、今回はものにしておりました。静物もさることながら、東京の風景を描いた油絵などは、何とも言えぬ郷愁が漂っておりましたね。

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会場内各所にはオリジナル映像やインタビューもあるのですが、鶴太郎が5人(+α)にものまねで扮し、おバカなギャグを披露する映像もあり、「わー、(アーティストとして名を馳せた)今でもこういうことやるんだ。」と、ちょっと驚いてしまいました。だって、岡本太郎とか安藤忠雄とか加藤一二三とかに扮して顔マネしながら、アーティストとしての自分の価値を下げちゃいそうなバカをやってるんですよー。びっくり。

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今回のメイン作品である赤富士をCG技術で加工して、鯉を絡ませた映像作品とかも魅力的ですし、赤い壁の「椿の回廊」なるコーナーにも感服しました。ほんと、鶴太郎さんスゴイですわ。

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会場の最後には、現場で壁面に描いたという猪の絵もありました。これ、(仮設会場なので)解体する時にはどうするのでしょうかねえ。

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今回の展覧会で、小生が一番気に入ったのは、(写真はありませんが)倒れたとっくりの絵に筆文字が添えてある作品で、「徳利は転けても三分残る」ってやつ。「こけても」と読むのでしょうね。事業や仕事やその他の事で失敗しても、何か残っているものはあるはずだから、まだ大丈夫。またやり直せる、ぐらいの意味なのでしょうが、非常に味のある言葉だと感銘を受けました。

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2018年12月29日 (土)

「バスキア、10代最後のとき」:物足りない・・・   #バスキア #バスキア、10代最後のとき

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映画『バスキア、10代最後のとき』は、1978年から1980年代前半のジャン=ミッシェル・バスキアに関するドキュメンタリー。1960年生まれのバスキアですから、18歳の頃から描かれているわけですね。それにしても、売れない頃からのバスキアを捉えた映像が、よくこんなに残っていましたね。

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映画は、バスキアと同じ時代のNYを生きた仲間たちやアート関係者がインタビューに応えるスタイルで、そこにバスキアの映像や作品、当時の写真などがはさまれていきます。インタビュイーとしてジム・ジャームッシュも出て来てバスキアとの親交について語りますが、彼は本作の監督=サラ・ドライヴァーのパートナーなのだとか。

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大江戸はかなりバスキアが好きでして、27歳の若さで(オヴァードーズで)亡くなった時にはちょっとショックでしたし、その後も美術館などでバスキアの作品に触れては、その力に打たれたものです。

そのパワーが出て来るのは、この映画で描かれている時代の後。なので、けっこうフラストレーションがたまるというか、「えー!ここで終わりですかい?」って感じになっちゃいます。

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普通に短い生涯のドキュメンタリーを作ってくれればよかったのに、ようやく売れ始めたところで終わりですもんねー。まあ、バスキアの生涯を追った作品としては、既にジュリアン・シュナーベルの『バスキア』があったので、遠慮したんですかねえ。でもあちらはフィクションで、こちらはドキュメンタリーなんだからいいじゃないかと思うんですけれど・・・。

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2018年11月15日 (木)

「名高大岡越前裁」@国立劇場  #名高大岡越前裁

 

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国立劇場で、歌舞伎『名高大岡越前裁(なもたかしおおおかさばき)』を観劇。河竹黙阿弥作の通し狂言です。この形で上演されるのは、何十年ぶりという珍しい作品です。

 

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ま、観てみるとなぜ長年上演されなかったかがわかるような気もします。だって、地味なんだもーん。そしてテンポ悪いんだもーん。一つ一つの場面がゆっくりじっくりなんです。まあ、さっさとやっちゃえば1時間もあれば十分語れる話なんですけど、それを休憩込み4時間10分もかけるわけですからね。その中で動きが少なくて、ほぼ言葉に頼った展開なので、しかも登場人物がほとんど男で、華やかさにも欠けるもので、けっこう睡魔が襲って来ました。

 

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加えて、主演(大岡越前役)の中村梅玉に「華」が無くて、地味なんです。ヒーロー大岡のスカッとした感じが出ないのです。共演の市川右團次、坂東彌十郎も地味ですしねえ。 唯一、右團次の息子(8歳)の右近が父と同じ役で国立劇場デビューというのが、モニュメンタルな興味をひきました。

それにしても、そもそも勘に頼っただけなのに、結果オーライの結末。いいのか?  人殺しの顔をしてるから偽者と確信したって…、「大岡裁き」の陰に冤罪続出だったんじゃないのか??

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2018年11月 2日 (金)

「ブルックス ブラザーズ展」@文化学園    #ブルックスブラザーズ展

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新宿の文化学園服飾博物館で、『ブルックス ブラザーズ展 -アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀-』(~11/30)を観ました。

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ブルックス ブラザーズの創立は1818年ってことで、すごいもんですね。歴代大統領45人のうち40人がブルックスの愛用者だというのも、只事ではありません。ジョージ・W・ブッシュやドナルド・トランプまで愛用者だってのは、遺憾でありますが・・・(リンカーンのフロックコートのダミーも展示してありました)。

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入口すぐの所にあったのが、ブルックスのシンボルマークであるゴールデン・フリース(黄金の羊毛)を金色のフィギュア化したもの。それが何百個も吊るされて、なんと大きな羊の形になっているのです。びっくり!

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1Fの展示会場を観た後で、2Fに入るといきなり壁面に白のボタンダウンシャツがびっしり! おっとブルックスの場合、「ポロカラーシャツ」って言うんでしたよね。でも、なかなかワクワクのディスプレイです。

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ポロカラーシャツと言えば、アメリカンファッション(アイビー、トラッドも)の象徴。各種展示されておりました。

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侍ジャパン(野球の日本代表)の移動用スーツだとか、インテルミラノのネクタイなども展示されております。近年のブルックスは、昔と違って結構スリムで、カッコイイんですよね。昔はいかにもアメリカ人って感じにドーンとした体形用だったのですが。

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小生は若き日にはブルックス ブラザーズは高くて手が出なかったですし(Jプレスの方がリーズナブル価格だったし、もったりし過ぎない感じで好きでした)、細い体型には似合うとも思えませんでした。その後は世の中がトラッドから離れて行ったり、自分も趣味が変わったりして、お値段的には買えるようになっても、着る機会はありませんでした。なのでブルックスの商品って、実はポロシャツとかネクタイぐらいしか買った(あるいはもらった)ことがありません。似たような服は色々と持ってましたけどね。

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壁面には村上春樹がブルックスの広告用に書いた『ヘリンボーンのスーツ』なる文章が(英訳も併せて)でかでかと・・・。

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ブルックスが男性の衣装を提供した2013年版『華麗なるギャツビー』(バズ・ラーマン監督)のコーナーも。ピンクのスーツとか、赤系ストライプのジャケットとか、いいですねー。オシャレです。

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松任谷正隆さんとかユナイテッドアローズの粟野宏文さんとかブルックスのファンへのインタビュー映像もありました(ヘッドフォンで一人ずつってタイプの展示)。

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意外だったのはアンディ・ウォーホルも常にブルックスの白いポロカラーシャツを着ていたってこと。この写真もガウンからソックスから、すべてブルックスの商品なんだそうです。ちょっと違うような気もしましたが、彼にとってはキャンベルスープ同様にアメリカのポピュラーなものの象徴だったのでしょうね。

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いやー、こうして見るとやっぱり200年の歴史というのは堂々たる「文化」を作り出すものなのですねえ。 ブルックス ブラザーズのブランディングの上でも、有意義な展覧会となっておりました。

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2018年9月30日 (日)

「太陽の塔」:アカデミックな太郎論&日本論

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映画『太陽の塔』は、あの’70年万国博覧会の太陽の塔と作者の岡本太郎を題材にしたドキュメンタリー。ただ、ドキュメンタリーと言うよりも「インタビュー集」といった趣き。29人の知識人や表現者や論客が、いろんな角度から太陽の塔の意味に迫り、そこから日本という国や日本文化の正体にまで迫っていきます。

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なので、「万博わーい。太陽の塔すごーい。」ってな作りの映画ではありませんで、えらくアカデミックです。縄文から曼荼羅から原爆から原発まで、アメーバから宇宙までを、語り尽くしていきます。語っている間は、ほとんどその話者をカメラがとらえているので、太陽の塔の映像は、意外と少ないのです。

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もう半世紀近い年月が流れたわけですが、あの頃は異端児・岡本太郎を許容できる時代だったのですね。あるいは、それを押し通せる肝の座ったリーダーがいた時代と言いましょうか。でんもそのおかげで、太陽の塔はいまだに異物としての強い存在感とわけのわからないパワーで、私たちを魅了するのです。

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渋谷駅の壁画『明日の神話』についても、語られています。あれは凄いですよねえ。いつも、よくぞここに設置したと思いますもん。

縄文時代風の(でもアヴァンギャルドな)女性が出て来る映像とか、ラスト~エンドタイトルにかけてのCGとかは、ちょっと疑問。ちょっと垢抜けておりません(まあ、太郎さん自身垢抜けてはいないわけですけど)。

いずれにせよ、知的な言葉の洪水で頭が疲れるような作品でした。

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今日観た劇場は、この夏に渋谷シネパレス跡に居抜きで入った「シネクイント」。パルコ建て替えに伴って閉館し、数年ぶりの復活です。開館後初めて行きました。2スクリーンあるのですが、7Fスクリーンの2階席は、みんなペアシートになっていました。大江戸は2階席好きなので、こちらを選んだのですが、一人でここに座ってました。とは言え、真ん中に座るのも背もたれの具合が悪いので、一人分だけ使っていたのですが・・・。今日はガラガラだったので、一人でも入れてくれたのですが、混んでる時はそうもいかないのかもね。どうなんでしょう?

あと、昔同様「チケット・リターン」サービス(割引)があると書いてあったので、たまたま手元に残っていた昔のシネクイントの半券(2016年の『ヘイトフル・エイト』)を持って行ったら、それでも認めてくれて1,000円でOKでした。えらい!

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2018年9月 6日 (木)

「玉村豊男展」@松屋銀座

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松屋銀座で開催中の『田園の快楽 玉村豊男展』(~9/10)を観ました。

玉村豊男さんの田舎暮らしを追った展覧会。夕方行った会場内は、その田舎暮らしのムードで・・・つまり、来場客はポツンポツン。展示は、百貨店の会場にしてはやけにゆったりしていて、なんだかのどかなのでした。

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唐辛子農家をやりながらの玉村氏と奥様の素敵な田園生活(長野県東御(とうみ)市だそうです)のあれこれを展示してあります。

つまり書斎、リビング、厨房、アトリエなどの再現、ブドウや花や農産物などの絵画(ライフアート)、そして玉井夫妻の道のりなどです。展覧会の分量的には、ちょっとゆったりし過ぎというか、観たりない感じがありましたね。

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最後のスペースは撮影OKの再現ガーデン。こういうのを見て、「わー、ステキ! 私も田舎暮らししたい!」って人も多いのでしょうけれど、大江戸には絶対できませんね。やはり小生は都会暮らしが好きなのです。田舎は二日で飽きるのです。

会場を出ると、グッズの先にワインの催事をやっておりました。こういうカップリングはナイスですよね。

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2018年9月 2日 (日)

『東京150年』と江戸東京博物館

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久々に江戸東京博物館に行って、企画展『東京150年』(~10/8)を観ました。明治になって、江戸から東京に替わってから今年で150周年。その歩みを多くの写真や動画などの資料でたどる展覧会です。大変興味深く、勉強になりました。

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中でも映像(動画)に関しては、関東大震災とか復興計画とか淀橋浄水所やら湾岸エリアやらと目が離せないものがいろいろありました。白眉は、マッカーサーの専属カメラマンが撮ったという16㎜カラー・フィルムによるGHQ占領下の東京。銀座の和光や三越の前にジープで米軍の連中が乗りつけるような映像だとか、空襲で焼けた東京駅前を歩く勤め人の男女とか。じーっと見入ってしまいました。カラーで残ってるって言うのが、貴重です。建物もさることながら、人間を見ているのが面白くてたまりません。あんな時代でも、カラフルなモンペルックをオシャレに着こなす人がいるし、お化粧してる人も多いのです。男性も伊達男がいますし、いやー、見飽きませんでした。

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この企画展を1時間ぐらい観て、あとは常設展をざっと1時間ぐらい観ました。中には特集展示の『玉川上水』(~9/24)があり、江戸への上水道の流れと歴史をしっかり教えてくれました。

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あとはもう江戸の芝居小屋があったり、長屋の暮らしがあったり、浅草十二階の模型があったり・・・久々に目にするとやはり面白いですねー。

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昭和の庶民の暮らしなんか最高です。まさにタイムマシンのよう。

映画なんかでも「近過去の再現が難しい」と言いますが、こういった庶民レベルの記録と収集は貴重です。

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学校給食なんかも、時代による変遷をしっかりビジュアルに伝えてくれてます。

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コギャル・ファッションやらコスプレやらまで展示されておりました。興味は尽きませんね。

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ミュージアム・ショップにあったこの千社札、なんと外国人の名前を漢字で表したもの! 江戸和亜土(エドワード)とか出仁寿(デニス)とか依頼者(イライジャ)とか恵理座辺寿(エリザベス)とか、それはもう色々ありました。感心しますね。

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で、帰りの両国駅に隣接する「江戸NOREN」という墨田区の施設で、国技館のやきとりを売っていたので、おみやげに買いました。相撲茶屋のこのやきとりって、冷めてもおいしいんですよね。焼鳥3本、つくね2本のセットで650円。味が肉にしみてて、おいしゅうございました。

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2018年8月27日 (月)

信藤三雄の回顧展「ビーマイベイビー」

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先日、芦花公園の世田谷文学館に行って、展覧会『ビーマイベイビー』を観ました。’80年代から今日に至るまで日本のミュージック・シーンで活躍を続けるアート・ディレクター/映像ディレクター/フォトグラファーの信藤三雄さんのこれまでの回顧展です。

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行くきっかけになった大きな原因が、モノクロの夏帆をフィーチャーした展覧会ポスター(なにしろ夏帆ファンですから)。駅などに貼られていたのが気になって・・・なんですけど、事前に見ていたのは白い服のぼんやりした顔のバージョン。でも展覧会場に置いてあったチラシは黒い服のシャープなバージョンでした。いずれにしても、このポスター・ビジュアルって、展覧会オリジナルで、展示作品には何の関係もないんですけどね。珍しいパターンです。

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展覧会場は全面的に写真撮影OK。最近はそういうの増えましたよね。SNS効果を期待しての措置なのでしょう。かく言う小生も、小野瀬雅生(CKB)さんのブログを読んで来たって部分もあったんですけどね(ポスターの次の要因として)。

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タイトルになっている「ビーマイベイビー」ですが、COMPLEXの曲ではなくって、あのロネッツの(フォル・スペクターの)オールディーズ・ヒットのことでした。

_20180825_150345_2なんてったって、信藤さん自身が手書きのあいさつ文の中でそうおっしゃてます。手書きってのも、かなりユニークですよね。

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信藤さんといえば、日本のミュージック・シーンで、いわゆるJ-POPのビジュアルを担い続けた人、’80年代以降、カッコイイやつ、先鋭的なやつのほとんどは、信藤さんによるものでした。

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ピチカート・ファイブ、サザン、ミスチル、ユーミン、コーネリアス、ミーシャ、マイラバ・・・。佐野元春やCKBもありましたよ。

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出品されているのは、現物のCDジャケットや昔懐かしいシングルCDの縦長ジャケット、そしてポスターなど。

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信藤さんによる書画や和室、更には映像作品(MV)の上映もありました。CKB『タイガー&ドラゴン』のMVもやってましたよ。坂本龍一のMVカッコ良かったなあ(洋服の青山の広告だってのには驚きましたが)。

でもCDやらポスターやらをズラリとまとめて貼ってある展示なので、じっくり観なければ、割とあっさり終わってしまいます。まあ、それでも時代の空気を感じる、懐かしいあれこれを思い出すことのできる展覧会になっておりました。

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