2023年2月 1日 (水)

「Mr. Children GIFT for you」:ミスチル30周年ムービー    #MrChildren #ミスターチルドレン #ミスチル映画 #GIFTforyou 

1-2_20230131214701 『Mr, Children GIFT for you』は、ミスターチルドレンの結成30周年を記念したドキュメンタリー映画。2022年コロナ禍におけるライブツアーの様子や、ミスチルファンの方々からのメッセージなどで成り立つ作品です。

大江戸はもともとMr. Childrenのファンでして、なんだかんだ2008年の『SUPERMARKET FANTASY』までのアルバムは全て持っております。ただ、それ以降はとんとご無沙汰しておりました。みんな五十路を超えたんですねえ。

思えばミスチルの映画『【es】Mr, Children in FILM』(1995)はサイコーでした。映画館で2回観たし、レーザーディスクも買いました。それに比べると、本作は映画としてはかなりぬるく甘ったるいものでした。なにしろ、30年を共にしたファンたちとミスチルとの絆を描くような作品なのですから。「私にとってミスチルとは?」みたいな、市井のファンたちへのインタビューがかなりの分量で出て来て、正直なところちょっとうんざりしちゃいます。それを観たかったわけじゃないんだよなー。でも、製作者側のコンセプトはそういうことだったんでしょうから、何をかいわんやでありますが…。

ジェン(鈴木さん)の派手なドラムは健在でした。ザ・フーのキース・ムーンに次いで、世界で二番目に目立つドラマーではないでしょうか? (桜井さんは他のメンバーより尺が長いのは当然ですが)田原さんや中川さんと同じ割合でジェンのカットが入っていても、インパクトが強いので一番多く映っているような気がしちゃうんですよねー。

ベースの中川さんは、髪型や顔が「西島秀俊のジェネリック」のようでありました。

そして、世界有数の地味ギタリスト田原さんは、相変わらず存在感を消していました。若い頃の写真だとほんとに「ハマちゃん」ですね。

桜井さんは、やっぱりMCやスピーチがうまくないなー。

小林武史さんがいた頃も、いなくなってからも、ミスチルの曲って、なんだかみんな同じように聴こえちゃうんですよね(まあ、いくつかのパターンはありますが)。大江戸の場合、それで飽きちゃったところも正直あります。この映画も、やっぱり中盤以降は飽きてしまいました。ファンのインタビューや人生紹介が多いってこともありますしね。まさにファン・ムービーでありますが、映画作品としての高みは得られませんでしたね。 でも『イノセント・ワールド』と『エソラ』は、サイコーでしたー。

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2023年1月31日 (火)

「ヒトラーのための虐殺会議」:自分はこうならないと言い切れるか    #ヒトラーのための虐殺会議 #ヴァンぜー会議 #悪の凡庸さ

1-1_20230131211901 映画『ヒトラーのための虐殺会議』は、1942年に欧州のユダヤ人1,100万人の「最終的解決」を決めたヴァンぜー会議の議事録から映画化されたという問題作。正直、映画的にはそれほど優れたものではありませんでした。でも製作した意気と勇気は讃えられてしかるべきだと思います。特に「ドイツ人が自ら」というところ(なぜ日本はこうできないのか?)。

冒頭とラストを除くほぼ全編がある館の中、そのほとんどがある会議室の中という舞台劇のような作品。実際、『十二人の怒れる男』なんかを思い出してしまいましたよ。そして、会議や人間の普遍性と言うものに思いを巡らせざるを得ない映画です。

会議における人々の言動に、普通のサラリーマンや企業の会議を想起してしまいます。登場人物は多かれ少なかれ、あなたであり私であるのです。あの時代のあの状況に放り込まれたら、自分はこうならないと誰に言い切ることができるでしょうか? そこに切り込んだということで、製作した意義は大きいと思います。

でも映画としては、芸がない。まあ実際の会議の再現が目的なので、ドラマチックな誇張は避けているのでしょうけれど、それにしても葛藤も盛り上がりも逆転もクライマックスもなく、淡々と「シャンシャン会議」が、軽食・お茶(人によってはコニャック込みで)をはさみながら行われるのみです。それゆえの底知れぬ恐ろしさってことでしょうね。ハンナ・アーレント言うところの「悪の凡庸さ」ってやつですね。

これって、(たった)80年ほど前のことなんですよね。うーむ。

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2023年1月30日 (月)

「ノースマン 導かれし復讐者」:中世のあの感じは苦手    #ノースマン #ノースマン導かれし復習者 #ロバートエガース #アニャテイラージョイ

1_20230130222801 映画『ノースマン 導かれし復讐者』は、『ウィッチ』や『ライトハウス』のロバート・エガース監督作品。『ハムレット』のもとになったと言われる北欧神話をもとにした堂々たるエピックです。

大作になり、アクションたっぷりのエンタテインメントになっても、エガースらしさは健在。独特の美学に貫かれた映像は、カラーとモノクロを行きつ戻りつしながら、パワフルに独自世界を創り上げます。

ただ、大江戸は中世ものって好きではないのです。あの泥まみれで薄汚れた感じ、ほこりっぽく汗臭い感じが好きになれないのです。おまけに血生臭いし。本作も例外ではなく、観ていてうんざりしておりました。いろいろと痛そうですし、寒そうでもありましたし。

そして、めっちゃ重そうな剣による鈍重なバトル。うーん、好きではないですねー。(以降少々ネタバレあり) 終盤の最終決戦なんて、そういう対決をなぜか全裸で、火山の溶岩が流れてるような場所(『スター・ウォーズ』のエピソード3かーい?)で行います。こういうのに心躍る人もいるのでしょうが、大江戸はそうではないのです。新聞評では「こういう映画が観たかった」などと絶賛する声もありましたが、まあ人の趣味はいろいろですよね。

『ウィッチ』の縁で、アニャ・テイラー=ジョイが出演して、(監督との信頼の証なのか)すでにビッグネームになった彼女が背面ヌードを披露しています。そういうところ、やっぱり欧米の女優はえらいなあ。

途中、クリケットの原型みたいな球技の場面がありますが、すっごくヴァイオレントでワイルド! 顔を思いっきり棒でひっぱいたりするので、思わずマスク越しに「うわっ!」と声をあげてしまいましたよ。

スノーマンのファンが間違えて観に来ることは、・・・ないな。

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2023年1月25日 (水)

「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」:芸がないが志がある    #シーセッド #シーセッドその名を暴け #キャリーマリガン #ハーヴェイワインスタイン

1_20230125141901 映画『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』は、#MeToo運動の発端となったハーヴェイ・ワインスタインの悪行告発をめぐる物語。ニューヨークタイムズの二人の女性記者が主人公なのですが、『大統領の陰謀』はワシントンポストの男性記者二人。なんかそこらへんにも時代の変化を感じるところです。両者の間には’77年と’22年という45年の差があるんですもんね。

この作品、当然ながら監督(マリア・シュラーダー)、脚本(レベッカ・レンキェヴィチ)」ともに女性です。主演のキャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、そして実際の被害者であるアシュレイ・ジャッドらも含めて、「連帯」の意志が強く感じられます。

ただ映画自体としては、そんなに名作ではありません。映画としての語り方、映画としての見せ方が達者ではなく、普通というか真っ正直というかメリハリに欠けるというか、芸がないのです。ただ、まじめさが取り柄。真摯な志が感じられるので、最後まで憤りを感じたり感動したりしながら観ていられます。ただアメリカ伝統の正義の告発映画(近年でも『スポットライト』『ペンタゴン・ペーパーズ』『ダーク・ウォーターズ』などがあります)の名作に比べると、単調で弱いですよね。まじめだから許されるって感じです。

キャリー・マリガン、今37歳ですけど、すっかりオトナになりましたねえ。もっと老けて見えるショットもありました。あの手の顔は、子供顔のまま突然おばあちゃんっぽくなっちゃうタイプなんですよねえ。その予兆が見えておりました。でも、彼女は『プロミシング・ヤング・ウーマン』と本作とで、すっかり若さとカワイさからの脱皮に成功しました。息の長い女優になりそうです。 それと、いつも冷静で知的な(上司役の)パトリシア・クラークソンも良かったですね。

あ、あと日本の表記では「ハーヴェイ・ワインスタイン」ですが、映画では「ハーヴィー・ワインスティーン」と発音しておりました。

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2023年1月24日 (火)

日本アカデミー賞のノミネーション(優秀賞)    #日本アカデミー賞 #松本穂香 #のん #ハケンアニメ

毎年「バカバカしい」とか「茶番だ」とか思うのに、中継を見るとあまりのひどさに憤怒してしまうことも多いってのに、一応気にしてしまうのが日本アカデミー賞。今回のノミネーションが昨日発表されましたが、まあ、どうしてもいくつか言いたいことは出て来ちゃいますよね。

(優秀賞受賞作と受賞の方々はここにまとまってます↓)

日本アカデミー賞(2023年)優秀賞 受賞リスト一覧:第46回日本アカデミー賞|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

 

1.優秀賞とノミネートの違い

・・・本家アカデミー賞をはじめたいていの映画賞では、5作品とか5人とかをノミネートしてその中から受賞作(受賞者)を決めるのですが、日本アカデミー賞の場合、優秀賞が5作品とか7人とかあって、その中から「最優秀賞」が決まるってシステム。なので、最優秀賞に選ばれなくても「日本アカデミー優秀賞」の受賞作(受賞者)ではあるわけです。なんか厳しさがないというか、いかにも日本的な忖度を感じてしまいます。

2.ノミニ―(優秀賞)の多さ

・・・例えば今回の新人俳優賞は8名。助演女優賞も7人(清野菜名が2作でノミネートされているので、実は6人なのですが)。本家アカデミー賞はずっと5人を貫いております。ちなみに今回はやけにジャニーズ関係の受賞が多いので、ちょっと話題になっておりますね(その割には『ヘルドッグス』の岡田准一が選ばれてないってのは、どういうことなんだー! 大江戸の主演男優賞なのに)。

3.メジャー会社が優勢

・・・これは初期から何十年もそうなのですが、東宝、東映、松竹以外の配給作品は、かなり厳しいです。映画業界の賞なので、大きな映画会社に所属してたり関係してたりする人の数が多いので、インディペンデント系の作品は不利なのです。まあ、そうは言っても、’81年の『ツィゴイネルワイゼン』から昨年の『ドライブ・マイ・カー』まで、独立系の作品が受賞する場合も時々あるんですけどね。その昔は東映や松竹から噴飯ものの受賞作が出る時代もあったのですが、近年はあんまりとんでもない作品が選ばれることもなくなったので、それは一応評価したいと思います。

4.対象作品が1本なのは良いこと

・・・これは本家アカデミー賞などと同じです。例えば清野菜名が『キングダム2』と『ある男』で、それぞれ助演女優賞にノミネートされています。何が言いたいかというと、『キネマ旬報』賞では演技賞の対象がその年に公開された複数の作品になるのです。そんな「合わせ技」みたいな受賞ってどうなんでしょう? 少なくとも小生には抵抗があります。

5.でも笑っちゃいますよね

・・・大江戸ごひいきの松本穂香が、助演女優賞人のうちの一人にに選ばれたのは大変喜ばしいことですが、その作品が『“それ”がいる森』だってのにズッコケちゃいました。あんなトンデモ映画で受賞してもなー。今年公開の『恋のいばら』で受賞だったら納得がいくのですけどねえ。 もう一人ごひいきののんが『さかなのこ』で主演女優賞というのも嬉しいニュース。けれど、あの役って「主演男優賞」なんじゃね? 微妙ですね。それでも受賞式で民放の番組に出るのかと思うと、「偉大なる一歩」って気がします。これを突破口に、どんどん活躍の場が広がってくれるといいな。

そして今回は『ハケンアニメ!』が作品賞や演技賞などにしっかり入ってくれたのが嬉しかったです。アニメに偏り過ぎな今の東映にとって、とても重要な実写作品だと思うのです。

受賞式は3月10日だそうです。

 

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2023年1月23日 (月)

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」:偉大なるマエストロの業績    #映画モリコーネ #モリコーネ映画が恋した音楽家 #エンニオモリコーネ

1_20230123224001 映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』は、エンニオ・モリコーネの生涯と作品を網羅した157分の長編ドキュメンタリー。監督はモリコーネの代表作の一つ『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレで、彼は証言者の一人として出演もしています。

モリコーネを取り巻く人々の証言と、モリコーネ自身の語りと、映画作品のフッテージによって成り立っております。とにかく証言者が豪華。映画監督ではトルナトーレ、イーストウッド、タランティーノ、アルジェント、ベルトルッチ、映画音楽家ではハンス・ジマー、マイケル・ダナにジョン・ウィリアムズ、ミュージシャンではジョーン・バエズやブルース・スプリングスティーンといった人たちが、モリコーネとその業績を讃えます。ボス(ブルース)があんなにモリコーネのファンだとは知りませんでした。

マエストロ・モリコーネの卓越した業績がよくわかります。流行歌から室内楽などの純粋音楽まで、幅広く何でもできた人だったのですね。そして、マカロニ・ウェスタン(英語だとspaghetti western)諸作品から、『1900年』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』などなど名作の数々。それらの映画フッテージを観るだけで幸せな気分になります。

やっぱり『ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト)』って、映像も音楽も傑作ですよねー。あのラストに流れる『ジルのテーマ』の美しさ!を再確認できました。

それと、モリコーネさんは、ピアノとか楽器を使わないで、頭の中で作曲してそれをいきなり譜面に写し取るんですね。びっくりです。

長さが気にならないほど面白い作品でありました。でも冷静に考えると、モーリス・ジャールだってジョン・ウィリアムズだってジェリー・ゴールドスミスだって、同じように偉大だって気もしますけど…。 本作の原題は“Ennio”だけど、邦題は『モリコーネ』。ま、そういうもんなんですよね。

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2023年1月22日 (日)

「イチケイのカラス」:入間みちおの魅力    #イチケイのカラス #竹野内豊 #入間みちお #四宮秀俊

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映画『イチケイのカラス』は、フジテレビでのドラマ放映時から大好きでした。コメディーとシリアスの両立だとか、魅力的なキャラクターだとか、正義によって弱者が救われる物語だったり、とてもエンタテイニングで面白い作品でした。今回の映画は、それなりに満足しはしましたが、ちょっと不満もありましたね。まあ、それでも映画公開に合わせて先日放映されたスペシャル版よりは、ずっと面白かったのですけど…。

竹野内豊と黒木華の凸凹コンビの面白さは健在。竹野内さん演じる入間みちおの変人キャラクター、好きなんですよねー。あの「ふはっ」っていう笑い声も健在でした。また彼が法廷で見せるヒューマンな慈愛を感じさせる話しぶりもいいですよねー。竹野内さん、若い頃よりどんどん良くなっています。「堂々たる主役」にならない軽さが、彼ならではなのです。

今回は向井理、斎藤工、吉田羊、尾上菊之助、田中みな実といったビッグネームがゲスト出演しております。宮藤官九郎はあまりに特殊メイクなので、観ている時は「クドカンに似た誰か」だと思っておりました。 でも、入間の下についた柄本時生、西野七瀬コンビはどうにもショボい役で、妙にコミカル過ぎたし、バランスを崩していたと思うんですけどねえ。

(以下少々ネタバレあり) ところで、後半に物語が核心に近づくごとに妙にウェットになっていったのがよろしくないですね。黒木華が泣く場面なんか、あまりにも長過ぎました。そこらは「映画」ってことで、がんばっちゃたのかなあ。

一方で、「大きな絵」=素晴らしく美しい風景とか、人物を入れ込んだロングショット が、とても映画的でした。ワイドな絵作りの気持ち良さ。撮影監督は『ドライブ・マイ・カー』『マイスモールランド』『窓辺にて』などの四宮秀俊。さすがです。

 

 

 

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2023年1月21日 (土)

「キラーカブトガニ」:今年一の珍品    #キラーカブトガニ #トンデモ映画 #おバカ映画

1_20230121234301  映画『キラーカブトガニ』は、あのB・C級キワモノ映画でおなじみのエクストリーム(配給会社)が放ったトンデモ作品。いやー、好事家にとっては期待通りです。

とにかく展開は早いし、荒唐無稽だし、期待を裏切らないおバカ話だし、VFXは粗悪だし、かなりグロいし、見たこともない俳優たちはいかにも「安い」感じだし、でもそれらを気にせずに観れば面白いです。あなたの許容度が試される映画です。

原題は“Crabs!”。翻訳すれば『カニ!』ですね。(以降少々ネタバレあり) このカブトガニが、ひたすら狂暴でエイリアンみたいな奴らで…と思っていたら、実際に「第二形態」では二足歩行になっておりました。なんで? いや、たぶん「なんで?」と聞いてはいけないのでしょう。“Don't think. Feel.”の世界なのでありましょう。

(以降ますますネタバレあり) そして終盤には「第三形態」として、巨大化します。一方では手作り巨大ロボット(手作りできるわけないだろー!!)も出て来て、怪獣バトルや巨大ロボットものの世界になっていきます(そういえば第三形態は『エヴァンゲリオン』っぽい造形だったりしますね)。そしてそして、ラストカットは日本への深いオマージュです。 まあ、原発事故の放射能によって狂暴化、巨大化したってとこからして『ゴジラ』なわけですけどね。

Dsc_12242_copy_768x1118 『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』×おバカサメ映画+怪獣+巨大ロボットの世界with青春映画のニュアンスでした。今年一の珍品かも知れません。カブトガニの造形や動きなんか、ほぼ『さかなのこ』でしたもんねー。

入場者特典で、こんなポストカードをくれました。

 

 

 

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2023年1月16日 (月)

「キャバレー」:ボブ・フォッシーの味    #キャバレー #映画キャバレー #ボブフォッシー #ライザミネリ

Cabaret 映画『キャバレー』は1972年作品。もう半世紀もたっているわけです。大昔に一度映画館で観たことがあるのですが、「午前10時の映画祭」に登場してきたので、TOHOシネマズ新宿のスクリーンで再見した次第。「大人になってから」の方がよくわかる作品だよなあと思ったのです。

まあ、でも本質はさほど変わらず。良い点もそうでない点もある作品だし、小生にとってそんなに好きになれる作品でもありませんでした。このクセと暗さが嫌なんですよねえ。ただ、戦争の足音が忍び寄って来るあたりの描写は、今の日本(タモリ氏が「2023年は新しい戦前になるのでは」と言ったとか)を重ね合わせて不吉な気持ちになるものであり、そこが本作の値打ちであります。あとはLGBT的な値打ちもあるのかな。

キャバレーのステージで繰り広げられるソング&ダンスの数々は、まさにボブ・フォッシーの世界。まあ、これのために本作を観に来たわけですが、中規模人数での群舞というフォッシーらしさを堪能させてくれます。しかも通常のミュージカルの撮り方のように全身をカットを割らずに見せるのではなく、いろんなサイズのショットをいろんな角度から撮ったものをつないで見せていきます。自分のコレオグラフィーだから、その勘所、見せ所が隅々までわかっているので、こういうことをやっても極めて効果的なのですね。そしてステージ照明の光と影を活かした撮影も、フォッシー作品ならでは(『レニー・ブルース』にも『オール・ザット・ジャズ』にも共通してます)。

でもライザ・ミネリのというより、本作の主人公サリー・ボウルズの下品なアクの強さには辟易してしまうのです。ステージの出し物も猥雑だけど、ちゃんと品(ひん)があるんですね。でも、このサリーさんはねえ…(以下略)。 そういえば、『バリー・リンドン』でレディ・リンドンを演じる前のマリサ・ベレンソンが、柄に合った役で出ておりました。

 

 

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2023年1月15日 (日)

「そして僕は途方に暮れる」:映画史上最低級に情けないダメ人間    #そして僕は途方に暮れる #三浦大輔 #藤ヶ谷太輔 #鼻汁びよーん #大澤誉志幸

1_20230115214501 映画『そして僕は途方に暮れる』は、三浦大輔が藤ヶ谷太輔と組んだ舞台劇の映画化。前情報ほとんど無しで観てるので、いやー、驚きました。この主人公のあまりのダメ人間ぶりにぶっとびました。アイドルがこれでいいんですか、藤ヶ谷くん?

人との関係、状況がまずくなると、荷物をかついでとにかく逃げ出す。ある意味それは、自分を安全な所に置いておかねばという本能なのでしょうか? とにかくここまでクズでダメで情けない主人公って、日本映画史上でも初めてなのでは?と思ってしまうほどでした。恋人からも、友人からも、家族からも、イラっとされ、呆れられ、キレられ、馬鹿にされ、見放され…、そんな男が逃げて逃げて逃げ続けるロード・ムービー。主人公には辟易しましたが、映画としては面白かったです。

主人公が逃げる東京の夜や、帰り着く苫小牧の実家付近などの映像が、いかにも寒そうなんです。この場合、寒くないと辛さが伝わりませんからね。暖かいと、まあ何とかなっちゃいそうですから。寒さは体にも心にも堪えます。だから大江戸は、寒いのが嫌いなのかなあ…。

(以降少々ネタバレあり) 昨年『前科者』の森田剛に関して書いた、名演技に見える「鼻水びよーん」をやる人が増えている問題---本作の藤ヶ谷くんもやってます。森田剛のように延々とはやりませんでしたが、うーん、どうなんすかねえ?

エンドロールにかぶる大澤誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』は、ご本人によるニュー・アレンジ・バージョンでしたが、やっぱり原曲の方がいいですよねえ。この映画にだって、ぜんぜん原曲でかまわないと思いますけど。残念。

 

 

 

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