2019年4月25日 (木)

「トムとジェリー展」(+「ノラネコぐんだん展」)@松屋銀座   #トムとジェリー展 #ハンナ=バーベラ #ノラネコぐんだん展

_20190425_141644600x965松屋銀座で開催中の『トムとジェリー展』(~5/6)を観ました。スラップスティック・ギャグに彩られたカートゥーンの最高峰ですね。基本的にネコのトムとネズミのジェリーが追っかけっこをするだけというシンプルな物語。でも、その発想と笑いのセンスが素晴らしくって、会場内随所にある映像モニターから目が離せなくなってしまいます。ナンセンスだったりシュールだったりという部分も含めて、とにかくギャグのために頭使ってます。

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副題的に「カートゥーンの天才コンビ ハンナ=バーベラ」とあるように、ハンナ=バーベラ制作のTVアニメ群もたっぷり紹介してくれてます--『チキチキマシン猛レース』とか『大魔王シャザーン』とか『原始家族フリントストーン』とか…。うわ、懐かしい!…などと言うとトシがバレてしまうのですが。

 

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何を隠そう、ハンナ=バーベラって名前はよく目にしていたものの、おぼろげに「一人の女性」を想像しておりました。だって、ハンナさんとかバーバラの親戚のバーベラさんって、イメージ的には女性でしょ。 でも、実態はウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラというおじさん二人組だったのですよね。軽く驚きました。

手描きアニメーションの基本形を紹介するっていう展覧会でもありました。だから、展示物にはセル画などが多いわけです。何と言っても「誕生80周年」なわけですからね。 相変わらず関連グッズもたくさんありました。

 

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そして隣の会場では『ノラネコぐんだん展』をやっておりました。小生は知らない世界でした。また、この絵柄にはさして興味がわきませんねえ。だって、(ブサかわなんでしょうけれど)仏頂面でかわいくないんだもーん。ま、お好きな方は好きなんでありましょう。

 

 

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2019年4月24日 (水)

「僕たちのラストステージ」:手堅く普通過ぎて   #僕たちのラストステージ #ローレル&ハーディー

366930_001映画『僕たちのラストステージ』は、往年のお笑いコンビ=ローレル&ハーディーのキャリア終盤を描いております。でも、こんな映画よく日本公開しましたね。おまけに新宿ピカデリー(大江戸はここで観ました)や丸の内ピカデリーだし。小生の感覚だと、当然未公開。せいぜいDVDスルーだと思うのですが…。

だって、ローレル&ハーディーなんて、今やよほどの年寄りか筋金入りのシネフィルでもない限りは知りませんもんね。大江戸だって、名前は知ってるけど作品は観たことがない、そんな感じです。で、しかも初老の二人の物語でしょ。需要があると思えないんですよねー。

 

 

366930_004 で、芸人としての二人が味わう晩年の「落ち目」の悲哀に、コンビの愛憎やら夫婦愛やらを交えて極めて正統派なタッチで描きます。まあ実に手堅い演出ですし、それ以上にジャッキー・クーガン、ジョン・C・ライリーの二人(プラス奥様役の二人にも)に思う存分芝居をさせていて、それが成功しています。二人の舞台のネタもしっかりと見せています。役者としてはやり甲斐があったことでしょう。

366930_003でも普通すぎるというか、満足度は高くなかったですねー。ま、公開しただけでエライんですけど。淀川さんなら、なんと評価したでしょうか。

オープニングでアルトマンの『ザ・プレイヤー』ばりに、撮影所内を歩いて行く彼らを延々と追うワンカット長回しのキャメラ。そういう映画的な面白さがもっとあったら良かったんですけどねー。 どうでもいいけど、タイトルはむしろ『俺たちのラストステージ』ですよね、この二人なら。

 

 

 

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2019年4月23日 (火)

「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」:夫婦愛は勝つ   #映画クレヨンしんちゃん #新婚旅行ハリケーン #失われたひろし

366015_013 映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし』は、海外観光モノにして冒険モノにして夫婦愛モノ。何と言っても、ひろしとみさえの夫婦にフォーカスされていて、その二人の愛を堂々と謳い上げております、

見ているとしんちゃんですら少々かすみがちになるぐらいなので、今回はカスカベ防衛隊のみんなは、ほぼお休み状態。「運の悪い」トレジャーハンターのおねえさん(声=木南晴夏)が、重要な役で活躍いたします。

 

 

366015_012 みさえさん、今回は見せ場たっぷりで、しかもなかなか泣かせます。時としてすれ違うけれど、最後は信じているひろしとの夫婦愛が、そしてそれゆえの憤懣が、見事に描かれています。しんちゃんとひまわりには聞こえないようにしながら、「王様の耳はロバの耳」的に心の叫びをぶちまける場面は、多くの女性の共感を呼ぶことでありましょう。みさえさん、いい女だねえ。

ひろしの男っぷりも通常比1.5倍ぐらい「いい男」になっております。

 

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終盤にはコアラで怪獣映画やってくれちゃいます(まあ、『キングコング』なんですけど)。ああ、そういえば今回の橋本昌和監督って、『オラの引越し物語 ~サボテン大襲撃~』(下↓のURL)の監督なんですよね。あの作品も海外(メキシコ)が舞台で、カスカベ防衛隊はほとんど出ないで、しかも怪獣映画的テイストがありました。うーん、一貫性がありますね。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-f7ce.html

今回は中だるみもなく、良き一篇に仕上がりました。 あ、でも2013年から6作にわたってオープニングタイトルを飾っていたクレイ・アニメ+きゃりーぱみゅぱみゅ『キミに100%』がついに終了してしまった(知らない男が別の曲を歌っていた)のが、きゃりーファンの大江戸としては残念でありました。

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2019年4月21日 (日)

「愛がなんだ」:今のリアルの恋愛映画   #愛がなんだ #岸井ゆきの #成田凌 #今泉力哉

365596_002映画『愛がなんだ』、ヒットしてます。前日にあやうく満席になる直前にネットで取りましたが、テアトル新宿のロビーなんか入れ替え時にはもう人でぎっしり。しかも、「立ち見」までやってるんですね、この劇場。立ち見もかなりの数がいて、今日び見ない風景にびっくりしてしまいました。で、やたらと20代女子率が高かったです。やっぱり予告とか見てると、「これは自分たちの映画」だと感じるのではないでしょうか。等身大のリアルな都会派恋愛映画。日本映画って意外と(キラキラ映画以外の)恋愛映画が少ないのです。だから、このヒットはなんか嬉しいです。

 

で、作品も見事でした。日本映画史に残る恋愛映画です。やっぱり20代女子たちの嗅覚って侮れませんよねー。スバラシイ! 今という時代のアンテナにひっかかる映画だと思います。

 

 

365596_005岸井ゆきのがとんでもなく素晴らしいのです。今年の主演女優賞候補の一人に挙げておきたい。間違いなく代表作と呼べるものです。あの歯がニーッと出る獅子舞的笑顔から、ちょっとぞっとさせるようなストーカー的表情まで、ヴィヴィッドに血の通った一人の女性を体現しています。

成田凌も「またしても」憂いのあるイケメンなのにちょっとダメ男を演じて、当代一だなあと思わせてくれてます。ホントにただのイケメンじゃないので需要が多くて、引っ張りだこです。 脇の役者もそれぞれ見事にキャラクターを表現していて、若葉竜也、深川麻衣、江口のり子、筒井真理子と、あたかも当世人間図鑑のような趣きです。

 

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テルコ(岸井ゆきの)って、本作の中で麺類ばかり食べています。カップラーメン、お店のラーメン、パスタ(スパゲティ)、うどん・・・麺食い≒面食いってことなのかしらん? だからマモちゃん(成田凌)なのかしらん?  ま、酒類もビール、ワイン、焼酎、日本酒・・・とオールラウンドに飲みまくってましたけど。

 

今泉力哉監督の作品っって実は初めて観ましたけど、見事な演出力。特に役者の生かし方がお見事ですね。そして、監督と澤井香織による脚本、特にダイアローグが実に「今のリアル」で、水際立った素晴らしさなのでした。角田光代の原作を読んでないので、どこまでが原作の力でどこからが脚本の力なのかわかりませんが、いずれにせよ、拍手!

 

 

 

 

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2019年4月18日 (木)

「記者たち 衝撃と畏怖の真実」:「バイス」の裏側   #記者たち #衝撃と畏怖の真実 ロブ・ライナー

366099_001_3映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』は、『バイス』と同じ頃のアメリカの国家的陰謀に迫るジャーナリストたちの物語。くせの強い変化球『バイス』に較べると、どストレートなんですけど、球質は軽め。91分とコンパクトですし、割とあっさりしています。まあ、『バイス』の方が随分とこってりしているって事も言えますけどね。

何しろこちらの作品では、実物のチェイニーやラムズフェルドや子ブッシュの映像が出て来ます。うーん、同時期公開で良かった。これ、どこかの名画座で2本立てにしてくれたらナイスですよね。ま、大江戸は『バイス』の方を高く評価します。

 

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ポンコツ版『大統領の陰謀』って感じもあります。男二人のバディ記者物語にもなっていますし、実際に台詞の中にもボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインの名前が出て来ます。コメディリリーフ的なウディ・ハレルソンが場をさらい、目が離せません。

でも一番の儲け役は監督でもあるロブ・ライナーでしょう。その堂々たるルックスと、にじみ出る知性や人間味(と適当な軽み)。そして感動を呼ぶ名セリフ(記者たちを集めて、社のスタンスと精神を伝える場面)。役者としても見事なのでした。

 

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勇んで戦争に行って、車椅子で帰ってきた若者のエピソードが最初と最後の方に入るのですが、これが今一つうまく行っていないのが残念です。

 

それにしても、今の日本に結構これと似た所があるので、いやな気持になります。ほとんどの報道機関が政府の御用機関になっているってのもそうですし、「先に結論ありきで、それに合った情報を集める」なんてのもそうですよね。国民の恐怖や不安に乗じて、そういうことを抜け目なく行うってあたりも同じなんですねえ。そういったプロパガンダに騙されないで、正当な疑いを持ちながら真実を見抜く目を養いたいものです。

 

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2019年4月17日 (水)

「真白き富士の嶺」:ちょっと不気味で・・・   #真白き富士の嶺 #芦川いづみ #吉永小百合 #テルミン

_20190417_231126800x713_3 神保町シアターの特集『恋する女優 芦川いづみ』から4本目は『真白き富士の嶺』('63)。吉永小百合、芦川いづみ、浜田光男が主演の森永健次郎監督作品です。モノクロです。今回の特集のポスター・ビジュアルはこの作品からのものです。

 

大真面目に作っているのですが、うーん、なんだかちょっと怪作の領域に片足突っ込んでます。半世紀以上昔の作品だからという事ではなくて、けっこうヘンです。まあ、日本人のメンタリティーが変化しているってこともあるのでしょうけれど、それでも脚本に難ありな場面は多かったです。終盤の浜田光男の行動も説得力を持って描かれておりませんし。 M.T.というイニシャルを使った謎(?)展開なんか、もう最初からバレバレで、引っ張った割には「やっぱりそうだったか」でしたからねえ。 そもそも何、この音楽? なんでテルミン使ってるの? 口笛を模したようですけど、怪奇映画とかSF映画の雰囲気になっちゃいますよねえ。ヘンすぎます。あと、芦川と吉永の室内場面で、あまりにも暗くて二人の顔以外は闇みたいな不気味シーン(しかも話の内容もひたすら暗い)もありました。 

 

演出の神経が吉永小百合の方に向いているためか、本作の芦川さんは今一つ魅力的ではありません。27-8歳の頃の作品だけあって、かなり「お姉さん感」が漂っております。ま、そこらへんを味わう作品なのでしょうね。演技の方も決して上手な人ではないので、悲嘆にくれる芝居をしても、その後に宮口精二がこらえきれずに嗚咽したりすると、持ってかれちゃいます。

 

まあ、でも当時の逗子やら江ノ島やらの風景が楽しめますし、藤沢駅やら新橋駅やらがこうだったのか!という驚きもあります。出前でもりそばをたくさん取ってみんなに振る舞うなんてのは、忘れかけてた昭和の光景なんだなあと気づかせてもくれました。そういった意味でも、昔の映画ってのはホントに貴重な財産だなあと思います。

 

 

 

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2019年4月16日 (火)

「バイス」:シニカル&ブラック、そしてベール!   #バイス #クリスチャン・ベール #エイミー・アダムス

366360_002映画『バイス』は、実話をもとにしたシニカルなブラック・コメディー。ま、これがコメディーじゃ困る=トラジディーだ!って考え方もわかりますが、この題材をポリティカル・コメディーにできるってあたりが、ハリウッドの、いやアメリカの懐の深さなのでしょう。こんなに近年のネタで、ディック・チェイニーもラムズフェルドも子ブッシュもみんなまだ生きてるのに・・・びっくりです。いつも思うけど、日本では絶対にありえないことですもんね。

 

 

366360_004 (以降少々ネタバレあり) 2時間12分の映画なのに、1/3ぐらいのところでいきなりエンドロールがせり上がって来て!・・・でもこれはすぐに「やりやがったな」とわかるコメディー演出であり、また「ここで終わりになっていてくれたら…」という恐怖演出でもあるのです。で、正直そこまではさほど面白くもない作品なのですが(むしろ結構眠かった)、そこからの2/3はテンポ良く&やたらと面白くて、しかも「へー」と感心してしまう映画なのです。アダム・マッケイ監督も、役者たちも、見事なんです。

 

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クリスチャン・ベールに関しては、今や「デニーロ・アプローチ」を超えて「ベール・アプローチ」と呼びたいほどの見事な変容。しかも演技的にも只ならぬ「気配」を漂わせて、人間の複雑さやら腹芸やらを表現して、完璧です。似てるし。小生がアカデミー会員だったら、ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)ではなくベールに1票を入れるんですけどね。

エイミー・アダムスもこの「悪」を育てちゃった妻を好演しているのですが、後半は実年齢より上の老けメイクでずっと通しておりました(しかもどんどん老けていく)。日本の女優って、こういうリアルな老けメイクをやりませんよね。特にテレビドラマの場合はひどいもんです。これに関しては、いいかげんハリウッドや海外諸国を見習っていただきたいものだといつも思っております。

 

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2019年4月15日 (月)

「多十郎殉愛記」:ちゃんばら映画を残す試み   #多十郎殉愛記 #中島貞夫 #高良健吾 #多部未華子

366500_004映画『多十郎殉愛記』を公開二日目の土曜の午後に観た(@丸の内TOEI1)のですが、残念なことに観客は十数名。多十郎ならぬ少十郎でありました(まあ、1回目の舞台挨拶の回は結構入ったのだと思いますが)。 その前に観た『麻雀放浪記2020』も閑散としていましたし、東映さんなかなか辛い状況です。でもまあ『翔んで埼玉』という望外の大ヒットがあったので、トータルではプラスでは? いずれにせよ、チャレンジングな実写企画を製作してくれるそのカツドウ屋魂に拍手を贈りたいと思います。

 

 

366500_005 現在84歳の中島貞夫による純粋な小品時代劇というか「ちゃんばら映画」。その昔のちゃんばらの約束事にのっとっているので、刀で斬られても着物が切れたり血が出たり腕が飛んだりはしません。 物語もあって無きようなもの。ひたすらちゃんばらを成立させるために物語があったり人物がいたりするのです。なにしろ93分の作品の最後の30分ちょっとは(断続的にではありますが)延々とちゃんばら描写ですし、そこに至る前にも何度かのちゃんばら場面があるのです。まあこういうのを成立させていくってのも文化だなあと思います。本作のように意図的に時代劇を作り続けて行かないと、技術パートを含めそれぞれの部門の時代劇の常識、ノウハウが失われてしまいますからね。役者にしたって、着物のきこなし、刀の扱い、歩き方と走り方、所作などの一つ一つが現代劇とは違うわけですから。

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とはいえ、あまりにもちゃんばらアクションをやることが第一義になっているので、プロットや設定があまりにも軽いのではないでしょうか。多十郎の大立ち回りの理由とか多十郎とおとよの恋模様とか、みんな弱いのです。説得力がないのです。でも、昔のプログラム・ピクチャーはみんなそんなもんでしたよってことなんでしょうか? だとしたら、それはそれで確信的な現世代への「教育」でありますねえ。

多部未華子は芝居もさることながら、(現代アレンジの)ヘアメイクや衣装が良かったですねえ 。高良健吾は頑張ってましたけど、もう少しユーモアが欲しいところ。真面目過ぎて余裕がないってあたりが、ちょっと窮屈なのです。

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2019年4月14日 (日)

『マックイーン モードの反逆児』:異才と死の香り   #アレキサンダー・マックイーン #マックイーン #モードの反逆児

T0023870p映画『マックイーン モードの反逆児』は、近年多いファッションデザイナーの伝記的ドキュメンタリー。まあ、マックイーン本人は亡くなっているので、関係者からの証言集+ショーや日々の動画で構成されております。さすがに近年の人だけあって、若い頃から彼自身を捉えた動画が数々残っているんですよね。

 

マックイーンって、センセーショナルで死のイメージを湛えた作風の割に、ご本人はぽっちゃり型(後年にはわけあって痩せましたが)のそこらにいそうな人。ギャップがなかなかの異才です。 彼のセント・マーティンスでの学生時代からデビュー以降のスピード出世ぶりを紹介しつつ、彼がだんだん壊れていき遂には自死に至る日々を描いています。なるほどこういう生涯だったんだってことはわかりますが、天才の内面への掘り下げが今一つかなあ。

 

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彼の作品って、バロックでありながらアヴァンギャルドで、耽美で死の匂いを漂わせているってあたり、同じイギリスの鬼才ピーター・グリーナウェイ監督に通じるものがありますね。あ、だから音楽がマイケル・ナイマンなのかー。

マックイーン自身が「唯一自分のショーで泣いた」という2体のロボットがモデルの白ドレスに絵の具を噴射して作品にする場面を見て、やはり奇妙な感動に襲われました。他のシーズンのショーもそうですが、ファッションというよりもアートの領域で勝負し続けた孤高の異才なのでありました。

 

 

 

 

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2019年4月13日 (土)

「麻雀放浪記2020」:何を作りたかったの?   #麻雀放浪記2020 #白石和彌 #ベッキー

366229_009 映画『麻雀放浪記2020』は、あの和田誠監督デビュー作(1984)の奇想天外なリメイク。 何しろ主人公は戦後の混乱期から2020年にタイムスリップして来ちゃうし、色々と羽目を外してるヤンチャな作品だし、そもそもピエール瀧事件で渦中の作品となってしまいましたしね。ただ、ピエール瀧の場面をカットしたりせずにそのまま公開した東映の姿勢(劇場への掲示や本編前の字幕でピエールが出ている旨を明示し、見たくない人は見なければいいという形にし、ムビチケなどは払い戻しを行うという対応)を、大江戸は絶対的に支持します。コンプラ、コンプラで、少数のクレームを怖れて、臭いものにフタをするように、危なっかしいものは最初から世に出さないって姿勢は、ダメでしょ。坂本龍一さんたちも言っているように、誰の得にもならないし、多くの人が関わって作り上げた作品には罪など無いわけです。罪を犯した人へのペナルティというのは、司法の裁きによって与えられ、加えて仕事がなくなる(=収入がなくなる)とか白い目で見られるという社会的制裁も加えられる、それで十分じゃないですか。

 

 

366229_002で、映画の方はかなりの乱調。白石和彌がぶっとんだコメディーを作りましたってところですが、惜しいのはせっかくの第三次大戦とか東京「ゴリン」ピック中止とかのパワフルでトリッキーな設定が、ほとんど生かされていないこと。そりゃないでしょー。ふんどしとかVRとかAIとかの設定は一応生きて楽しめているだけに、残念です。 そしてクライマックスも盛り上がらないし、凝った設定の割には「いったい何を作りたかったの?」って感じなのでありました。

それにしても2020年って来年のことなのに、未来感、SF感ありすぎじゃね? 目の脇につけるカメラ&モニター(?)デバイスとか、ヒト型AIとか…。建物内をセグウェイで移動ってのは、やろうと思えばすぐにでもできますけど…。

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大江戸は麻雀をやったことがないのですが、まあ鑑賞には問題ありませんでした。でも麻雀牌の並びをしっかり写しておりましたので、麻雀を知っている人にはより楽しめるようにできているのでしょう(たぶん)。それはそうと、一緒に一度あるかどうかの珍しい手だなんて言ってる割には、「九蓮宝燈(チューレンポウトウ)」出すぎじゃね?

ベッキーをAI役でキャスティングしたってのは慧眼で、なるほど確かにAIっぽいですね。でもベッキーにはこれから映画のフィールドで活躍してもらいたい気がします。 あとヒロイン役としてチャラン・ポ・ランタンの「もも」さんがキャスティングされてますが、こちらは妙にいかつくて妙に年が上に見えて、・・・うーん、この役はもっと可憐な人が良かったのではないかなあ。

 

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