2020年1月23日 (木)

「私の知らないわたしの素顔」:ビノシュ独演会   #私の知らないわたしの素顔 #ジュリエットビノシュ #怖いラスト

012_20200123230301 映画『わたしの知らないわたしの素顔』は、ジュリエット・ビノシュの演技を堪能する映画。メガネ教授のビノシュが、老いをさらけ出しながら、一方での華やぎも見せて、正気と狂気の縁(ふち)を行き来します。圧巻の演技力です。恋愛サスペンスにしてサイコスリラー、なかなか面白く見せてくれます。なかなかにエロいシーンもあって、Bunkamuraル・シネマのお客さんの中には戸惑う人もいるかも知れませんね。

 

007_20200123231301 SNS内での「なりすまし」恋愛という当世ならではの題材を、周辺の丁寧な描写によって説得力のあるものとしています。開巻最初のショットで、老婆のような、いやむしろデスマスクのような生気のない顔をさらけ出していたビノシュが、恋の輝きでぐいぐい若返って華やぐあたりもさすがですし、その後どんどん狂気に突き進んで行くあたりのじわじわ来るコワさもなかなかです。

(以降ネタバレあり)) そしてラスト! あれはダメですよねー、精神科医さん。彼女の罪の意識を取り去ろうとしたってのはわかるんだけど、あれを教えたらああなるのは必定でしょ。まずいよ、それはー。おかげで怖ーいラストシーンができました。

 

001_20200123232501 予告編にも使われている、ポンピドゥセンターのチューブ式エスカレーターの先端部にビノシュがたたずむ場面、あれ腰ぐらいまでの手すりしかないように見えて怖いんですけど、違うのかなあ? ガラス張りなのかなあ? その昔に行ったけど、どうなってたのか忘れちゃったなあ。

どうでもいいけど、この映画の監督サフィ・ネブーは大江戸と同じ誕生日でした=4月27日。年は違うけど。

 

 

 

 

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2020年1月21日 (火)

「カイジ ファイナルゲーム」:マンガですね(悪い意味で)   #カイジ #カイジファイナルゲーム #悪魔的だぁー

002_20200121220001 映画『カイジ ファイナルゲーム』は9年ぶりの映画第三弾。まあ監督は変わらず佐藤東弥で、作品のトーンもまるっきり一緒です。商売としては、正しいあり方なんでしょうね。

でも、出来の良い映画を期待して観ている大江戸のような者にとっては、かなりしんどい荒っぽさ、雑さの沈没作でした。こういうの観てると、観客でいることが気恥ずかしくなってしまうんですよね。

 

001_20200121221901 東京オリンピック後の大不況下の日本が舞台ですが、これは社会派的寓話というよりも「単なる背景、設定」に留まっております。そんな中でゲームを成り立たせるための筋が進行していきますが、まあツッコミ所満載の苦笑連続ストーリー。それを藤原竜也、吉田鋼太郎をはじめ、みんなが大仰な芝居で演じておりまして、ほとんどマンガ。いや、マンガを揶揄するつもりはないのでして、マンガじゃない(映画です)なのにマンガになっちゃってるのがダメだってこと。 そもそも、10人中9人が本当に死んじゃう自殺ギャンブルがあるテーマパークって…。 それからコイン1個の重みで…って、あの秤もすごかったなあ。強引で。

 

006_20200121222801 すべてにおいてそんな調子なので、もうマジメに観ているのがバカバカしくなっちゃいます。未見の方は、ビールでも飲みながらご覧になってください(で、ゴクリとやって「悪魔的だぁー!」とか言っちゃってください)。

準主役級で出て来る女の子、誰だろう?と思ったら、『町田くんの世界』でデビューした関水渚だったんですね。あの映画でも「華のない子だなあ」と思っていたら、こちらでも物足りなかったです(芝居ヘタだし)。10年前なら、確実に仲里依紗が演じた役だと思いました。

 

 

 

 

 

 

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2020年1月20日 (月)

「アナと雪の女王2」:クォリティ高いなあ   #アナと雪の女王2 #アナ雪2 #オラフ

004_20200120222701 映画『アナと雪の女王2』を、今頃ようやっと観ました。まあ、これだけの大ヒット作なので、上映が終わっちゃったり回数が減っちゃったりする心配がありませんでしたからね。で、やはりさすがのクォリティでした。

難しいことやってるのに難しいと感じさせない--そんな難事をやすやすとこなしている作品です。やっぱりすごいですね、ディズニー。脚本も前作を踏まえながら、毛色の違った方向に進んで、きちんと成功しています。

 

003_20200120223401 水、雪、氷、そしてそれらの変化といった映像を、見事にクリエイトしています。そのダイナミズムと繊細さ。そこに各キャラクターの1作目からの変化と成長を乗せていくのです。子供向けが基本(アメリカではそう)のアニメーションなのに、やってることのレベルがスゴイですよね。

そして楽曲シーンは、1作目で自信をつけたと見えて、今回はまるで実写版ミュージカルのよう。本当に「わかってる」人が作っているのだなあと感心しきりです。

 

006_20200120224201 アース・ジャイアントの巨大さやアクションの描写なんか、すっばらしいではありませんか。実は前半ちょっとたるいかなと思っていたのですが、後半は見事なビジュアル・ショーの連続で、すっかり目を奪われました。(驚くことに)クリストフの活躍もあったりして、良かった良かった。

あとはオラフね。こいつかわいいし、面白いし、謙虚だし…いいよね。こいつのおかげで『アナ雪』の世界が、どれだけ豊かになっていることか!

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2020年1月19日 (日)

「ティーンスピリット」:魂がこもっとらーん   #ティーンスピリット #エルファニング 

005_20200119222701 映画『ティーンスピリット』は、エル・ファニング目当てで観たわけですが、ダメでした。映画としての志が低いというか、何度となく語られてきたような物語を、暗く薄っぺらく描いております。よくある物語を題材にするのはいいんです。でも、薄っぺらいのはね…。 この作品が初監督だというマックス・ミンゲラって、『イングリッシュ・ペイシェント』や『コールド・マウンテン』などのアンソニー・ミンゲラ監督の息子なんですってね。父とは傾向があまりに違うんで、ちょっと驚きました。良くも悪くも(主に「悪くも」の方ですが)、ミュージックビデオ的。絵面や瞬発力のあるカットつなぎには凝ってますが、ドラマの描き方が凡庸でねえ。

 

002_20200119223101 エル・ファニングは、田舎町のアルバイトの女の子の冴えない感じでスタートし、当然ステージ場面では輝きます。ただ、冴えない場面がけっこう長いので辛いっす。物語のトーン自体、かなり暗いですし。彼女のバディとなるおっさん(クロアチア出身の元オペラ歌手って設定)も、本来もっとかわいげのある俳優がやった方が生きた役なんですけど、妙にダウナーな個性で、ここが映画的に今一つ活性化しませんでした。それでも、最後はそれなりにいい味出してましたけど、本来もっとふくらむべき役なんです。

 

001_20200119224401 デビューをめぐる芸能界裏話的部分とか、手の早い先輩アーティストの飲ませて酔わせて…的な件りとか、どうにもこうにも使い古された話を、凡庸な演出で描いていて、つまらなかったっす。

エル本人が劇中の3曲を歌っているのだそうです。確かにうまいんですけど、楽曲がねえ。エレクトロ系とか、ヨーロッパの暗めの曲ばっかりで、(本人の好みだそうですけど)エルに合っているとは思えませんでした。最後の曲など、エルはかなり熱唱しておりましたが、大江戸的には「楽曲に魂(スピリット)がこもっとらーん!」と言いたくなるような曲ばかりなんですよねー。でもエルが歌えることはわかったから、今度はもっと明るいミュージカルに挑戦してもらいたいものです。

 

 

 

 

 

 

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2020年1月18日 (土)

2019洋画トップテン   #2019外国映画ベストテン

日本映画篇に引き続きまして、外国映画篇です。

1.グリーンブック(ピーター・ファレリー)  2.スパイダーマン ファー・フロム・ホーム(ジョン・ワッツ)  3.運び屋(クリント・イーストウッド)   4.家族を想うとき(ケン・ローチ)  5.天才作家の妻 40年目の真実(ビョルン・ルンゲ)  6.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クェンティン・タランティーノ)  7.バイス(アダム・マッケイ)  8.幸福路のチー(ソン・シンイン)  9.フリー・ソロ(エリザベス・チャイ・バサルヘリィ、ジミー・チン)  10.ガルヴェストン(メラニー・ロラン)  次点.ブラック・クランズマン(スパイク・リー)  

<その他の記憶すべき作品>  シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢  アイリッシュマン  ファースト・マン  ビリーブ 未来への大逆転  アベンジャーズ エンドゲーム  ダンボ  ビル・エヴァンス タイム・リメンバード  アナと雪の女王2  アリータ  バトル・エンジェル  

監督賞:ピーター・ファレリー(グリーンブック)   脚本賞:ニック・バレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー(グリーンブック)   撮影賞:ジミー・チン、クレア・ポプキン、マイキー・シェーファー (フリー・ソロ)   主演女優賞:グレン・クロース(天才作家の妻)   主演男優賞:ジョナサン・プライス(天才作家の妻)、 クリント・イーストウッド (運び屋)   助演女優賞:マーゴット・ロビー(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)   助演男優賞:ケヴィン・スペイシー(ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー)   新人賞:メラニー・ロラン(ガルヴェストン/監督として)

176972_011 2年連続で洋画が不作です。1位に置く作品が無くて困りました(『グリーンブック』は、通常の年なら4~5位ぐらいの作品です)。でも『ファー・フロム・ホーム』は、これまでのマーヴェル、いやアメコミ作品の中で、一番面白かったし上質でした。 10作中8作がアメリカ映画です(あとイギリス1作と台湾1作)。 『フリー・ソロ』はドキュメンタリーですが、常軌を逸した恐ろしい記録として。撮影自体がキ〇ガイ沙汰!

ちなみに『キネマ旬報』ベストテンが、前年は「12/31までの公開作」という暦年対象に改めてくれて良かった良かったと思っていたら、今回はまた12月19日までの公開作なんてことに逆戻りしてしまいました。大江戸はあくまでも暦年のテンでやっているので、両方のテンが別物になってしまうこともあるわけです(今回は大丈夫でしたが)。

(邦画篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-b4e561.html

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2020年1月17日 (金)

2019邦画トップテン   #2019日本映画ベストテン

お待たせしました、大江戸時夫の年間トップテン映画 of 2019年。まずは邦画篇から。(  )内は監督名です。

1.愛がなんだ (今泉力哉)  2.殺さない彼と死なない彼女 (小林啓一)  3.アルキメデスの大戦(山崎貴)  4.惡の華(井口昇)  5.疑惑とダンス (二宮健)  6.わたしは光をにぎっている (中川龍太郎)  7.長いお別れ (中野量太)  8.蜜蜂と遠雷(石川慶)  9.半世界(阪本順治)  10.ウィーアーリトルゾンビーズ(長久允)  次点.宮本から君へ(真利子哲也)  

<その他の記憶すべき作品>  アストラル・アブノーマル鈴木さん  マスカレード・ホテル  居眠り磐音  チワワちゃん  ある船頭の話  つつんで、ひらいて  翔んで埼玉  キングダム  クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし  さよならくちびる  町田くんの世界  ホットギミック ガールミーツボーイ  新聞記者  よこがお  旅のおわり世界のはじまり  コンフィデンスマンJP  凪待ち  火口のふたり  ルパン三世 THE FIRST

※特別賞:この世界の(さらにいくつもの)片隅に (追加シーンを加えた別バージョンのため)

監督賞:今泉力哉(愛がなんだ)   脚本賞:今泉力哉、澤井香織(愛がなんだ)、 小林啓一(殺さない彼と死なない彼女)   撮影賞:平野礼(わたしは光をにぎっている)   主演女優賞:蒼井優(宮本から君へ)  主演男優賞:菅田将暉(アルキメデスの大戦)   助演女優賞:市川実日子(よこがお)  助演男優賞:柄本明(居眠り磐音)   怪演賞:松本穂香(アストラル・アブノーマル鈴木さん)   ビューティー賞:玉城ティナ(Diner ダイナー)   新人賞:長久允(ウィーアーリトルゾンビーズ)  

 

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2年連続で邦画が豊作、洋画が不作となりました。普通の年ならベストテン級の作品が2-30本あって、選ぶのに困るほど。あれもこれもはみ出しました。ベストテン作品のほとんどの監督が、商業映画数本目の新進。日本映画の明日は明るいです。でも女性監督のデビューは増えたものの、質的には概して物足りなかったなあ。 

テンの上位に恋愛映画が多かったのも珍しい傾向。中でも「愛がなんだ」と「殺さない彼と死なない彼女」は、日本の恋愛映画、青春映画の歴史に刻まれるべき名作となっていました。現代性と普遍性の両方がありました。 新人賞に輝く長久允監督の「ウィーアーリトルゾンビーズ」は、奇抜で騒々しい意匠を超えて、普遍的で心に響く作品となっておりました。 

もともとうまい蒼井優は、「宮本から君へ」で自己最高を更新しました。驚くべき超絶演技。 「アスアブ鈴木」のラストで松本穂香が狂ったように踊る変なダンスはもう最高にヘンテコ!  「Diner ダイナー」の玉城ティナの、人間離れした美しさは圧巻でした。

(洋画篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-1d276e.html

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2020年1月15日 (水)

「特撮のDNA ガメラと大映編」 in 蒲田   #特撮のDNA #ガメラ #ガメラ展 #大魔神 #大映

_20200112_1313541280x760 先日、蒲田の日本工学院専門学校「ギャラリー鴻(こうのとり)」で開催中の展覧会『特撮のDNA 平成ガメラの衝撃と奇想の大映特撮』を観ました。昨年はゴジラでしたが、今年はガメラってわけです。

(昨年の『特撮のDNA』はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-5ca1.html

_20200112_131659768x1249 土曜の昼前に行きましたが、まあゆったり観られる客数。いきなりガメラさんがお出迎えです。

実は大江戸は、ゴジラよりもガメラの方が好き。「ゴジラ検定」中級は持っているものの、むしろ「ガメラ検定」できないかなあと思っていたりするのです。

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ガメラと言っても、今回の展覧会で中心をなすのはいわゆる「平成ガメラ」(1995~1999)の三部作。樋口真嗣らによる特殊造形の数々が展示されております。

ガメラヘッドもたくさん。

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ギャオスヘッドだってあります。なんか左官屋さんが使う道具みたいですね。

 

_20200112_1319181024x1495 そして、やっぱりガメラの全身着ぐるみの雄姿!タイプ違いがいくつかもあります。やっぱりカッケーです。

なにしろ金子修介監督による「平成ガメラ」は、大人の鑑賞に耐えるリアルな災害&戦闘シミュレーションとして、『シン・ゴジラ』の先駆的な役割を果たしておりましたからねえ。3作とも、素晴らしい出来で面白かったです。

 

 _20200112_134547800x780 場内にはこんな表示も! 「監視ガメラ」って…。

 

_20200114_1911461024x651 立体物ばかりではありません。シナリオだとか、朝日ソノラマのソノシート付出版物も。ここらへんの展示物は、昭和ガメラが中心です。

Dsc_40731024x576 プラモデルやソフビ人形もいろいろありました。

 

考えてみれば、「昭和ガメラ」関係の造形物って、残ってるわけもないんですよね。ゴムや糊が劣化して崩壊しちゃってるし。

_20200114_1913561280x720 でも、絵や写真やポスターはあるので、そこらに関してはバッチリ展示してありました。いいなあレトロで。怪獣の解剖図とかもありました(笑)。

 

 

Dsc_40711280x720 小生はバルゴン、ギャオス、バイラスが大好きなのです。特にバイラスのユニークな「イカ感」なんて、サイコーです。

 Dsc_40801024x18201024x1820768x1365 そして大魔神! ガメラに次ぐ大映の二番手はやはり、大魔神ですから。いやー、いいですね。ユニーク&パワフルです。

 

_20200114_2140421280x929 ポスターの復刻パネルには、大映の奇想特撮作品のもありまして、『鯨神』だとか『風速七十五米』(裕次郎より30mも多い)だとか『透明人間と蠅男』だとか『透明剣士』だとか『東海道お化け道中』だとか、タイトルを見ただけでわくわくしちゃうものが並んでおりました。

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そして最後に、大映のスタジオをミニチュアにした、このような展示物も。

この他にも、あれやこれや-レギオンやら妖怪百物語やらパイロン星人やら-もありました。おっと最後には、かわいいガメラの着ぐるみくんも会場内をうろうろして写真に収まっておりました。_20200112_130641600x952

なんだかんだ言って、やっぱり怪獣&特撮好きには堪えられない展覧会なのでありました。

 

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2020年1月14日 (火)

「フォードvsフェラーリ」:胸アツの2時間半   #フォードvsフェラーリ #クリスチャンベール #IMAXレーザー #胸アツ映画

002_20200114220501 映画『フォードvsフェラーリ』の原題は、“Ford v Ferrari”。「vs」じゃなくて「v」です。“versus”の省略形は、“vs”のみならず“v”も使われます。どちらも原則は“vs.”、“v.”とピリオド(省略符)つきですが、無いこともあります。昨秋のラグビー・ワールドカップ日本大会の公式サイトでは、“ENGLAND v SOUTH AFRICA”のように表記しておりました。 それはそうと「vs」のことを「ブイエス」と読むのって、気持ち悪いですねえ。「ヴァーサス」と読んでもらいたいものです。

てなことはともかく、文句なしに面白い映画でした。2時間33分を飽きさせず突っ走ります。胸アツになること請け合いです。

 

004_20200114223401 大江戸はペーパー・ドライバーで、クルマには全く興味がないのですが、この作品は楽しめました。いや、それ以上に熱くなりました。(ほぼ?)CGを使わぬナマの迫力とスピード感! レース・シーンの圧倒的凄さ! さらには、ドラマの(いかにもハリウッド的な)熱さ。  会社のおエライさんとレースやクルマ作りの現場との対立、軋轢が生むドラマ。ほとんど池井戸潤みたいなサラリーマンあるあるの世界でした。あの副社長の憎たらしさには、はらわたが煮えくりかえって、熱くムカつきました。 まあ、こういう敵役のヒールぶりも含めて、昔ながらのハリウッド映画の良さを受け継いだ良作だと言えるでしょう。

結局はフェラーリとフォードのトップの面子争いですもんねー。そのために兵隊は死屍累々…とまではなっておりませんが、外から見ている分にはロマンとか感動とか思いますけど、中の人たちにとってはかなり理不尽な厄介事だったりしてたんでしょうねえ。これまた企業の「あるある」です。ただ、フェラーリのオーナーが、敗れたレース終了後にケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)に敬意を表していた描写は、良かったですねえ。車とレースへの敬意が、そこにはありました。

 

008_20200114224201 一方では友情や家族の映画になっているという二枚腰、三枚腰が、作品の厚みとなっています。で、その要としてマット・デイモンを寄せつけず、見事なドライバー&エンジニアっぷりを見せつけ、妻との愛情、息子との絆で、観る者の心情を揺さぶり続けたクリスチャン・ベールが、やっぱりさすがなのです。この作品の前は、デブデブのチェイニーを演じた『バイス』ですよ! まったくどうなってるんでしょうね、この人は!? 

質の高い娯楽職人のジェームズ・マンゴールド監督、とても良い仕事です。これまでの彼のベストじゃないかなあ。

大江戸はこの作品、TOHOシネマズ新宿のIMAXレーザーで鑑賞しました。巨大スクリーンと鮮明な映像と最高品質の音響。いやー、凄かったですよ。血が騒ぎました。こういうの観たら、映画をタブレットやスマホで観ることは根本的に間違っていると思ってくれるはず…「映画館原理主義者」の大江戸としては、そのように思うんですけどねえ。

 

 

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2020年1月13日 (月)

いつもの都内ラン   #都内ラン #蚕糸の森公園 #妙法寺 #缶しるこ

_20200113_222847523x790 2月16日の青梅マラソンに向けて、いつも通り年明けから長めの距離を走って、何とか間に合わせようとしている大江戸です。本来なら、レースになんか出ちゃいけないぐらいいつもサボっているのに、長年の経験で何とかかんとか30㎞の完走はやっちゃうんです(遅くても)。それとても、体力的にはとっても苦しいんですけど。

 

_20200113_222812600x946 まずは家から新宿方面に走ります。久々に都庁の脇を走ります。そこから歌舞伎町に向かい、TOHOシネマズ新宿へ。いえ、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートは劇場窓口で予約するしかない(ネット不可)ので、午後の回を予約したのです。家に戻ってから、また出直すのです。都心の劇場は土日祝だと、ふらりと行って席が空いてることはまずないのです。府中あたりまで行けば大丈夫なので、そういうこともするのですけどね。

 

_20200113_222740600x956 ここまでで出発してから45分ぐらい。で、その後は青梅街道を西へと走ります。中野坂上→鍋屋横丁→東高円寺へ。その途中で、冬の長距離ランのお供=缶しるこを買って、飲みます。伊藤園の粒入り、130円。暖かくて、甘くて、こいつにはいつも救われます(それか、缶ココアね)。

 

_20200113_2229181024x672 東高円寺の手前の街道沿いには、こんな古式ゆかしき建物も。昔はお店だったみたいですが、今は民家なのでしょうか。異彩を放っております。

 

_20200113_2234091024x557 そばには蚕糸の森公園ってのがあって、昔は蚕糸試験場だったそうです。入口の門が立派ですね。なんか、大学の門みたいです。

_20200113_223444768x1319600x1030 門の向かい側には、こんな立派な照明用の塔(行燈といっていいのでしょうか?)が。ポストと比べてもらえばわかるように、かなりデカいんです。

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で、環七で左折して向った先は、杉並区堀之内の妙法寺。三百数十年の歴史を持つ由緒あるお寺です。なかなか良いお寺ですよ、ここ。

_20200113_1512161024x628 今さらですが、初詣。今年何度目かの初詣です。

 

_20200113_151148600x867 手水舎には、立派な竜! 長いです。

 

その後は家へ。家の近くでぐるぐるしながら走って、トータル2時間10分。もろもろのタイムロスを差っ引いて、2時間ちょうどぐらい走ったわけです。まあ、今日はこれで良し。再来週あたりに、今度は3時間ぐらいをやっとかないとですね。

 

 

 

 

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2020年1月12日 (日)

「パラサイト 半地下の家族」:そこまで絶賛するほどですか?   #パラサイト #半地下の家族 #ポンジュノ

001_20200113001501 映画『パラサイト 半地下の家族』は、カンヌ映画祭パルムドールとかゴールデングローブ外国映画賞とかに輝いて、各方面から絶賛を受けてます。だから大江戸のハードルも上がりまくっちゃってましたが、うーん、そこまでいいかなぁ?

確かに面白くて、いい出来です。でも「想像を絶する展開」とか「絶対予測不能」とか言うから、小生としてはもっととんでもない事が起きるのかと、あれこれ想像を巡らしていたのです。その割には、普通でしたね。いや、もっと極端なあれこれを想像しちゃっていたのですよ。実はあの人たちが◯◯◯だったとか、この家の地下が××だったとか、地下から△△が出て来るとか…。

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貧富の格差の問題を、このようなエンタテインメントの中に描き出すポン・ジュノ。そこが『ジョーカー』などとも共通する今日性であり、高く評価されている理由なのでしょう。演出的にも「うまいなあ」と感じることがしばしばありました。手腕が円熟の境に達しております。

二つの家-高台の豪邸と不衛生な半地下-の造形は見事です。この思い切った(でもリアルな)プロダクションデザインと高低の位置関係、そして目に見えない「匂い」が、この映画のキモです。

 

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しかし、あまりにも色々な要素を詰め込んだこともあり、何か圧倒的に突き抜けた場面がないのです。これなら、同じポン・ジュノ作品の『グエムル  漢江の怪物』の方が、寓意の効き方としても、視覚的な衝撃としても、映画の力としても上だと思うのです。

クライマックスに関しても、「え?これだけ??」でしたし、ラストも「はあ、こんなもんですか。」でした。もっとスゴイ韓国映画は、これまでにも色々あったと思うんですけどねえ…。

 

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