2008年7月20日 (日)

「クライマーズ・ハイ」の熱さと堺雅人の怒り

映画「クライマーズ・ハイ」、力作です。躍動感のあるキャメラと編集で捉えられた新聞社の人々の熱い熱い仕事と葛藤のダイナミズム。「金融腐蝕列島 呪縛」「突入せよ! あさま山荘事件」と並び、原田眞人映画の大人の男たちはいつも熱く、リアルで、見応えのある顔をしています(善人も悪人も)。 そう、1985年の頃はせいぜいポケベルでケータイは存在せず、あたりかまわず煙草を吸って、みんな汗臭そうです。 ここでも堺雅人が新境地でスゴイです。汗と泥にまみれたシャツで、憤怒をたぎらせた凶暴な目つきを見せたりしています(笑顔じゃないんですよー)。それにしても当ブログでは最近、堺雅人と仲里依紗の話ばっかりですね。

現代の登山シーンを随所にカットバックしながら、という進行がどうにもこうにも進行を分断して、マイナスの効果にしかなっていません。もっとストレートにぐいぐいと進行すべきだったのに。でも、登山入れとかないと「クライマーズ・ハイ」ってタイトルが成り立たなくなっちゃうもんなー。そこが難しいところ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「純喫茶 磯辺」でも仲里依紗はイイネ!

映画「純喫茶 磯辺」は思った通りのゆる~い面白さでした。タイトルが象徴しているように、ちょっとヘンテコで、オフビートで、人を食ってて、愉快で、ペーソスがあります。 でも、ここでも最高なのは仲里依紗!ナレーションが彼女の一人称だってことからも明らかなように、彼女が主役であり、そのちょっとした成長物語になっているのです。仏頂面から怒った顔、恋した顔、困惑した顔、とびきりの笑顔までの表情バリエーションもステキですね。それにしても彼女は顔がイルカ(海の動物の)に似てますね。 一方、麻生久美子もかなりヘンな人の役を楽しそうに(たぶん)演じています。 ラストの喪失感と再生感も、何かちょいとほろりとそこはかとなくいい感じではありませんか。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ハチワン」も「CHANGE」も終了

フジ「ハチワンダイバー」もめでたく終わり、「CHANGE」ともども変則スタートだった初夏クールのドラマが全て終了しました。「ハチワン」はマンガ以上にケレン味たっぷりのダイナミックな将棋バトルが楽しめました。ま、ハナシはいかにもマンガで、大したことなかったのですが・・・。とにかく最高だったのは“アキバの受け師”中静そよ役の仲里依紗ちゃんの魅力だったのですが(胸を増量させていたので、やけに体の幅がある人になっていましたね)、最終回の彼女がイマイチだったのは、やはりメガネをはずしてしまったから。うーん、残念。あのメガネ姿の地味な良さと、メイド姿のみるくさんの鮮やかな二面性がハートに迫りました。 そして主題歌、“歌手”新垣結衣のファースト・シングル「Make my day」が極めてチャーミングでした。声もステキでで、曲も良い!7/16発売になったCD買わなきゃです。

ところで「CHANGE」最終回の木村拓哉のノーCM、22分間、1カット長回し(その間2度のズームイン、ズームアウトあり)の「国民へのメッセージ」にはやはり驚嘆しました。テレビ史に残ります。あの演説の最中に視聴率も上がっていったってのもわかります。電話やメールで「ねえ、見てる?・・・」って感じだったのでしょう。 ただ終わり方は、今ひとつフツーでしたね。小生としては、ふかっちゃんが総理を目指していく・・・なんてーのかとも思っていたのですけれど・・・(そういえばガッキーとふかっちゃんの笑顔って、実は雰囲気似てるんです)。

で、今の夏クールのドラマは特に見たいもんがありませーん。これは久々というか、類例が無いことのような気が・・・。絶対のごひいきさんの主役が無いし、さほど興味をそそられるネタも無いんだよねー(「学校じゃ教えられない!」に仲里依紗が出てるのは、ちょっと気になるのですが・・・)。かえってラクでいいです。「篤姫」に専念してましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2008年7月19日 (土)

時代は、堺雅人

ここんところ映画「クライマーズ・ハイ」「ジャージの二人」のプロモーションで、堺雅人さんがテレビやら新聞やら雑誌やらに出まくってますね。生真面目すぎる人柄が災いして、トークがイマイチ面白くないあたりが、いかにも堺さんって感じ。大好評のうちに没した家定役の「篤姫」や公開終了の「アフタースクール」も合わせて、「新選組!」の山南さんの時以上の売れっ子ぶりで、以前より堺さんを応援していた者としては「よしよし」って感じです(大江戸は別にゲイではないのですが)。家定の、「うつけ」から知性の固まりに変身した時の見事さとか、頂点に立つ者の孤独と諦念の深さと、篤姫への愛情が成長していくさまの表現などは、もう堺雅人以外には考えられない名演でした。とにかく、人畜無害な感じと、何考えているのかわかんないとこの同居っぷりが素敵ですね。『キネマ旬報』の「アフタースクール」特集に、どっかの引用で「喜怒哀楽をすべて笑顔で表現する男」ってのがあり、なるほどと思ったものでした。でも、未見の「クライマーズ・ハイ」の予告編とか見ると、コワイ顔で怒鳴ったりもしているので、そいつもまた楽しみです。 でも山南さんと並ぶ彼のベストは映画「ココニイルコト」。あの笑顔と関西弁の「ま、え~んとちゃいますかー。」が最高なんですよねー。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年7月 6日 (日)

名作「歩いても 歩いても」

是枝裕和監督の「歩いても 歩いても」は、世に出てすぐ「clasic」と呼ばれるべき見事な日本映画です。何も大きな事件は起きないのに、ただ家族が集まってまた離れるまでの1日半を描いただけの作品なのに、映画の魅力に溢れています。現代の日本がまさにここにあります。そして、人生の本質がここにコンパクトに詰まっています。 「泣かせ」映画なんかとはまったく別の次元で、そくそくと心にしみる小さな名作となりました。

老いた両親の住む実家に帰ってきた子供たちとその家族を巡る一連の描写が、あまりにもナチュラルでリアルで、それでいて豊穣で、素晴らしいです。誰もが思い当たったりする事柄やニュアンスが次々と出てきて、それでいて並の監督には真似のできない繊細な仕事ぶりです。映画全体に品性があります。 その上、母親のエピソードに中盤以降加わっていく“毒”のニュアンスの、ぞっとするような凄みが(ここらは樹木希林の独壇場)、この映画に一層の深みをもたらしていきます。 演出ももちろんですが、ほのめかしやニュアンスを細かく、絶妙に配置した脚本が見事です。 

樹木も「東京タワー」以上に名演を見せていますが、頑迷な父親役の原田芳雄の老け芝居も立派なものですし、阿部寛が(いつもの芝居とは違って)抑制を効かせて、いい味出してます。 夏川結衣も、やけに老けちゃったYOUも、寺島進も、ここではみんないつもより何割かいい演技を見せてくれてます。ナチュラルです。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月22日 (日)

映画「休暇」の良さ

映画「休暇」はなかなかの佳作でした。原作は吉村昭の短編だそうですが、日本の死刑囚と死刑執行に至る過程をこんなに克明に描いた作品は、かつて無かったと思います。しかも、そこに中年刑務官の再婚ばなしを絡ませたところが、この映画のキモ。そして描写はあくまでもクールで、心情や理由の絵解きなんて野暮なことは一切しません。かなり重要なこともニュアンスだけで示され、それを理解できる者は理解できるというスタンスで物を語っています。でも、そこがこの映画の豊かで、真に『映画な』部分です。日本映画ならではの良さに満ちています。 小林薫が死刑執行後の旅行の夜、連れ子を抱きしめるその動作が、吊る下がった死刑囚を支える体勢を想起させるあたり、この物語の白眉でしょう。 

時制の交錯に関しては、あまり効果が出ておらず、むしろ無用の混乱を招くだけのように思えました。 でも小生は門井肇監督のデビュー作「棚の隅」を(先日閉館になってしまった)シネマアートン下北沢でちゃんと観ておりますが、文化庁の支援もあってスケールアップした本作で、大いに成長を見せていることは確かです。 小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉漣など役者たちも皆よろしく、特にベテラン刑務官役の菅田俊がいい味出してました。

タイミング的には死刑是非論議と重なりますが、それとは離れたところで物を語っている映画です。何が正しいとか間違ってるとか、いいとか悪いとか主張せずに、ただ人間と社会のある側面を描いています。その姿勢をむしろ支持したいと感じました。 ちなみに昨今の問題に関しては、大江戸は法相擁護派ですね。死刑が存在している現在の日本で、執行を前提に(十分な証拠と審議により)判決が下された死刑囚に対して、いつまでも執行の判を押さないのは、法治国家の根幹を揺るがす問題ではないでしょうか。そりゃあ法相としても自分の代で執行させない方が気が楽でしょうし、一部世間からも叩かれないでしょうけど、それって職務放棄じゃないでしょうか。

それにしても死刑前に、教誨師が出てきて聖書を読んだりするんですねえ。一応仏教国日本だと思ってたので、びっくりしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 1日 (日)

ハチワンダイバーvs.おせん

ところでフジ土曜夜11時過ぎからのドラマ「ハチワンダイバー」、けっこう好きです。将棋の勝負を迫力満点の映像的工夫で、パワフルなスペクタクルとして見せてくれます。9×9=81マスの将棋盤に深く潜り込んで行くって意味のタイトルも異色です。と言いつつも、仲里依紗(なか りいさ)ちゃんの魅力が大きいんですけどね。「受け師さん」の時の仏頂面のメガネっ娘ぶりと、「みるくさん」の時のメイド服でにこにこぽわんとした笑顔が、一粒で2度おいしいわけです。 里依紗ちゃんは近日公開の映画「純喫茶磯辺」にも出るし、注目株だと宣言しておきましょう。

で、マンガ原作もので男好みなのが「ハチワン」だとしたら、女性の支持が厚いのが、日テレの「おせん」で料亭の若おかみ おせんの役をぽわん&しゃきっと演じる蒼井優。大江戸は既にして6-7人の女性から、「おせん」の蒼井優を「かわいいっ!!」と絶賛する声を聞いております。着物もステキにかわいいようです。 小生はむしろ「わっちは・・・」とか「やんす」とかのしゃべり方が気に入ってます。 作品の出来は明らかにこっちの方がいいのですが、「ハチワン」のマンガならではの破天荒さも捨てがたいなーと思うのです。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2008年5月19日 (月)

「週刊真木よう子」エライ

テレビ東京・水曜深夜(日付は木曜)の「週刊真木よう子」、最初に新聞のテレビ欄でタイトルを見かけた時はそれ以外のインフォメーションが無かったので、なんかトークショーのようなものを想像していたのですが、まさか単発ドラマ×12話(+総集編)という企画だとは・・・。「ぴあ」の真木よう子特集で見たら、三木聡、山下敦弘、タナダユキ、長塚圭史などなど映画、演劇界の才人たちがホンを書き、メガフォンを取り、たった一つの条件=『主演:真木よう子』を料理していくって企画で、なーんだ、だったらもっと早くから見れば良かった・・・なのです。

で、第7話「立川ドライブ」(演出:大根仁)を見ましたが、うん、きっちり面白い30分枠のドラマでした。正名僕蔵演じるストーカー警官のキモいヤバさも実にぬめっとしてて見事だし、彼を惹きつけてしまう真木の小悪魔性が存分に発揮されていて、その上に生活の匂いもリアルに出して、いやあ真木よう子さすがです。今の彼女の芝居を見られることは、かなり幸せなことだと思います。

と言っても、これを読んで「真木よう子って誰?」と思ってらっしゃる方もかなりいるのでは? ま、誰かについては各自で調べていただくとして、今伸び盛りにして今後が嘱望されるアクトレスです(一般的にはドラマ「SP」の、って言うと、通りがいいのかなあ)。華奢な体やもの静かな表情の一方で、凶暴さや肝の据わったところもあり、どこか「芝居命」的な感じのするカメレオン女優でもあります。作品によって、顔やムードが全然違いますもん。 そんな真木さんで今この企画を、って考えた人(しかもこのタイトルで!!)はエライなあ。勇気あるなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月17日 (土)

「ミスト」;衝撃のラスト

スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督の「ミスト」、予備知識なしで観たけど、いろんな意味で驚きました。とはいえ、何を書いてもネタバレになってしまいそうで難しいところ。 アメリカ田舎町の日常を突然襲う白い霧。その中には・・・って、まずそっち方面の話だったのねってことで驚きますし、あの「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」のフランク・ダラボンがこんなことやるんだってのにもびっくり。さすがにサスペンス演出などは巧く、怖くてビックリさせられる場面も。いやあ、かなり手に汗握らされます。

でもでも本当に衝撃的なのはラスト。これは全く言えません。でも凄いです。「はぁーー・・・。」って感じに口あんぐりです。キングの原作にはないダラボンのオリジナルだと聞いて、またもやびっくりです。 このラストを批判する人もいるかも知れませんが、大江戸はとにかく凄いと思います。よくぞ考えたものです。この世の皮肉と「取り返しつかない感」がとてつもなく大きく重く、「ショーシャンク・・・」とは違う意味で映画史に残るラストと言えることは確かでしょう。そう、「猿の惑星」と双璧ってところですね。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

「少林少女」、つらいぞ

映画「少林少女」は、さすがに高評価を与えられないですねえ。とにかく脚本が悪くて(とても、あの素晴らしい「交渉人 真下正義」の十川さんだとは思えない)荒くて・・・。なんか2日ぐらいでちゃちゃっと書いたホンって感じ。あまりにも基本の骨格が成り立ってないのです。つまり仲村トオルの戦わねばならない理由とか、柴崎がいったんハブにされた仲間たちとの絆を取り戻していく流れとかが、あまりにも弱く、描けていないも同然で。 そしてコメディーなのにギャグのセンス悪すぎ。すべりまくってて、笑えません。ナイナイ岡村がらみのあたりなんて、ほとんど玉砕。本広克行監督、「踊る大捜査線」以外は、「スペース・トラベラーズ」「サマー・タイムマシン・ブルース」「うどん」と、ヘタじゃん、笑えないじゃん。 同じラクロスものならクドカン脚本・田中麗奈主演の「ドラッグストア・ガール」を見習って欲しいものです(ちなみにこちらはよく似た名前の本木克英監督作品でした)。 でも、柴崎コウは美しかったです。こんなに美しく撮ってもらえたなら、もう女優として思い残すところはないだろうってぐらいの感じでした。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年5月15日 (木)

「CHANGE」よく出来てます

ひと月もお待たせしてたフジの月9「CHANGE」、いよいよ始まりましたね。待たせただけあって、テンポのいいこといいこと。第1話であれよあれよと国会議員になってしまいました。なにしろ並の連ドラなら、最終回のクライマックスに持ってくるような選挙開票→当選の流れを第1話にしてやっちゃってるわけですから。とにかくきっちりと良く出来てます。なにしろ「HERO」「海猿」「ガリレオ」などエンタテインメントの達人、今いちばんノッてる脚本家・福田靖のオリジナルですから。演出もCXのベテラン澤田鎌作、キャストも深津絵里、阿部寛、寺尾聰などなど(大江戸的には加藤ローサが入ってるのもポイント高いっす)、いやー、キムタクドラマにはテッパンの布陣が敷いてもらえるんですね。 木村拓哉は青臭い正義のドラマを、説得力を持って成立させる力があるので、ぴったりの題材ですね。小生は「青臭い正義のドラマ」大好きなんですよ。 それにしてもさすがに老けたなー、ふかっちゃん(ま、35歳だし)。そうは言っても好きなんですけど。

今クールのドラマでは相武紗季ちゃんの「絶対彼氏」(フジ)はまあまあですけど、日テレの「おせん」が、ドラマ初主演の蒼井優がはまって、実に面白い。というか、(原作マンガは読んでませんけど)大石静脚本をはじめ質の高い仕事です。全てがちゃんとしてます。 されども、あいかわらず「篤姫」がいちばん面白いのですけれど・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年5月 7日 (水)

夏帆 in 「砂時計」

ダメもとで、渋谷の「靖国」上映館に行ったのですが、午後の3時過ぎとあってはやはり「本日の座席は完売」とのこと。劇場前には装甲車が停まり、警察官が警備をしていました。 そこで切り替えて、「砂時計」に行くあたりが大江戸さんの素晴らしいところ。

人気少女マンガが原作とあって、祝日の場内は女子中高生でいっぱい。そんな雰囲気に気押されず、自然に溶け込むところが大江戸さんのステキなところ。 映画の出来は今ひとつで、2時間1分なのに3時間近くに長ーく感じられました。はっきり言って3時間10分の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」よりも長く思えました。 あの仲間由紀恵の「LOVE  SONG」という佳品でデビューした佐藤信介監督だったので、ところどころにリリカルな良さはあるものの、特に松下奈緒のパート(10年後)になってからラストまでが、もうもたついてもたついて・・・。 それにしても松下奈緒はまだ23歳なのに26歳ぐらいの役で、しっかりハマッています。顔や雰囲気がやけにオトナなのですね。 夏帆が大人になると松下?? もちろん根本的に似ていないんですけど、なんか似たところを感じさせるあたりが、衣装やメイク等の工夫であり、演技の力であり・・・ですね。 ただ肝腎のトラウマ的テーマを、説得力を持って描けなかったところが残念ではありました。 「東京少女」「うた魂♪」「砂時計」と主演作(本作では松下に次ぐビリング2番ですが、実質的には夏帆の出番の方が多い)が続いた夏帆ちゃんですが、ここで一休み。次の新作はいつかなー(と心待ちにしてるあたりが大江戸さんの可愛いところ)。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年5月 2日 (金)

「少林老女」?!?!?!

わお、なんか凄いです。とにかくサイト見てください。

http://www.shaolinbaba.jp/index2.html

『ニュース』の所を見ると、4月14日に製作発表記者会見。それで5月24日公開って、どんなんやねん? しかも予告編を見ると、かなり「少林少女」を意識した(ってゆーかパロディーですね)絵がそこかしこに・・・。 うーん、ステッカー付前売券か・・・、いらない。 非常にくだらなそうですが、これを劇場で観ておくと、後々まで話のネタにはなるでしょうね。大江戸は「いかレスラー」や「コアラ課長」や「女王陛下の草刈正雄」を劇場で観ている男なので、やはり行っちゃうのかなあ・・・。 関係ないけど小林さんっていう女の子は「小林少女」ですね(間違い探しみたい)。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年4月29日 (火)

6・21インディ・ジョーンズ再び

映画館では「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(デヴィ・スカルノ王国じゃないよ)の予告編がかかってますけど・・・。足元に落ちたつば広の帽子、それを拾ってかぶる男の影が軍用車に映る。あまりにも特徴的な影が。そこにかぶるジョン・ウィリアムズの「インディ・ジョーンズのテーマ」。いやあ、ワクワクしますね。 ’89年の「最後の聖戦」以来19年ぶりの新作。予告で見る限り、ハリソン・フォードもそんなに老けてはいません。 若い人々はあんまり知らないでしょうけど、DVDで見てくださいよ。絶対面白いから(と言いつつも、大江戸は第1作「レイダース 失われたアーク」は、あんまり買っていないんですけど)。ああ、でももし再上映の機会があれば、DVDじゃなくてスクリーンで観るべき映画の筆頭ではありますが。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年4月24日 (木)

「崖の上のポニョ」予告編

スタジオジブリのこの夏公開の話題作「崖の上のポニョ」の予告編を見ました。なんでも4月19日から公開されたばかりの予告編だそうですが、主題歌がまるまるかかるんですね。これがいーんだ!!

♪ポーニョ、ポニョポニョ さかなのこ ポーニョ、ポニョポニョ おんなのこ

っていうフレーズが頭を離れません。 邦画洋画あわせて今年最大の超ヒットになることが今の段階から確実な作品ですが、雰囲気から察すると「となりのトトロ」っぽい路線のような・・・(タイトルも似たテイストだし)。 絵もいいです。CGアニメばかりの時代に、なんとも懐かしく、ああ宮崎駿が同時代の日本にいて良かった、って味です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月20日 (日)

「パラノイドパーク」の静かな重さ

ガス・ヴァン・サント監督の「パラノイドパーク」を観ましたが、うーん、ライトウェイトなのにヘヴィーなパンチ。 高校生の少年たちと重大な事件を淡々と描くってことでは同監督の「エレファント」と共通しますが、小生は断然こちらの方を支持します。 言葉にしてしまうとチープだけど、日常をあっという間に非日常に変えてしまう事件の重みと、その受け止め難い非現実感。それでも普通に続いていく日常と、もう戻れないという絶望感、それすらも他人事のような夢幻感と、心の中の罪と罰。巻き戻せない時間と取り戻せない世界への、どうしようもない悔恨。 淡々と日常の描写を積み重ねていく中に、じんわりと、しかも重くのしかかってくる不安・・・しかし、それが美しく描かれることで、また一つ高い次元に昇華されています。これはリアルかつ詩的なホラーです。 あたかも文学、でもまぎれもなく映画です。深いです。 万人向けではないけれど、お見事です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年4月16日 (水)

「絶対彼氏」: NIGHT?

CXの「絶対彼氏」、始まりましたね。相武紗季ちゃんがショートボブです。うーん、彼女の場合こうするとあかぬけない気が・・・。 紗季ちゃんともこみちといえばテレ朝でやってた「レガッタ」がそうでしたし、CMでの共演もありましたね。

ところで、この番組の新聞広告やWEBサイトで、ロボットもこみちの製品ケースなどに“NIGHT”の文字が入っているのですが、それってもしかして“KNIGHT”(騎士)のこと? 第1話の最後の方でも「騎士」って言葉が出てきたので、その線は濃厚だと思うのですが、もしそうなら何でここに至るまで誰もチェックできなかったのでしょうか?? これだけメジャーなところで、これだけ基本的な間違いと言うのも、かなり恥ずかしいですねえ。 それとも「夜」型ロボットなの?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月15日 (火)

「うた魂」の夏帆とゴリ

映画「うた魂(たま)」は当然ながら「スウィングガールズ」や「歓喜の歌」を想像してしまうのですが、ま、当たらずといえども遠からずでしょうか。及第点の面白さはありますけど、結構使い古された展開や描写も多く、笑いも感動も「そこそこ」止まりで、「スウィングガールズ」ほどの高みには突き抜けられませんでした。思えば田中誠監督は「タナカヒロシのすべて」でも、「そこそこ」を突き抜けられず残念だったような・・・。 

とはいえ夏帆とゴリの魅力がこの映画を救っています。 夏帆の天使の微笑みと、顔を曇らせた「泣き」の表情との振幅には天性の素晴らしさがありますし、けっこう人間的問題を抱えたこの役を、なんとか演技で組み伏せています(でも演技の伸びしろは、まだまだありそうですね)。 ゴリ35歳は、実に魅力的に18歳の高校生役を演じています(回想場面ではその3年前の15歳!)。大江戸はこの人の演技力をとても買っていて、映画デビューの「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」でのケムマキ役などは賞をあげたいくらい立派なものでした。今回もいいです。笑わせてくれる上に、なかなかの情感も醸し出したりなんかしてくれてます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 8日 (火)

ネタバレ厳禁「クローバーフィールド」

4月5日公開になった「クローバーフィールド/HAKAISHA」に、うずうずと期待しながら行きました。NYのビルから火柱が上ったり、自由の女神の首が吹っ飛んでくる、謎に満ちた予告編の映像を見てからは、早く行かなきゃと思ってましたから。この手の映画はさっさと観とかないと、文章やら何やらネタバレの危険がありますのでね。予告編を見た段階での可能性は3つ--某国の軍事攻撃か、宇宙人の襲来か、怪獣。 

で、ああ言いたいけど、言えない。言っちゃいけない。 まあ、まずは面白いです。1時間25分とコンパクトに出来ているのが良いです。 手持ちビデオカメラのおかげで、登場人物になったかのようにリアルに体感できますし、リアルなVFX映像も良くできています。マンハッタンのビルが何者かに崩されるところを人間目線で描いたショットなどは、ローランド・エメリッヒの「ゴジラ」みたい。 ただ確かに、手持ちブレブレカメラってことで共通する「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」的なB級っぽいキワモノ感や口当たりの悪さもあるんですよね。 エンドタイトルに流れる曲が、ある映画にモロにオマージュを捧げているあたりもニヤリってところです。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2008年4月 7日 (月)

日テレのドラマ--NEO3

080406_16180001 渋谷の東急東横店外壁に貼り出された日本テレビの新ドラマ3本。「おせん」「ごくせん」「ホカベン」と、何とはなしに関連性があるようなないような・・・。仲間さん、上戸彩と並んで、蒼井優が初の連続ドラマ主演だそうで、フレッシュですね。

で、関係ないけどNHK「サラリーマンNEO」のシーズン3が始まりましたね。火曜から日曜の夜に引っ越しての再スタートです。あいかわらず『セクスィー部長』、最高っすね。

| | コメント (1) | トラックバック (2)

2008年3月21日 (金)

前作には負けるけど・・・「スルース」

「探偵<スルース>」(’72)はアンソニー・シェーファーの舞台劇をジョゼフ・L・マンキウィッツ監督が映画化した傑作でした。とにかく見事に面白く、こと「面白さ」では映画史上でも最高ランクに位置するほどだと大江戸は思います。ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの演技合戦も見事でした。

さてさてハロルド・ピンターが脚本を担当し、ケネス・ブラナーが監督した今回のリメイク「スルース」はというと・・・やはり前作に較べちゃうとねえ、って感じですが、まあそれなりに楽しめる作品にはなっています。ハイテク屋敷の中で、クールに無機質なブルー・トーンの映像で、ゲイ・テイストを加えながら描く、現代の「スルース」。 確かに面白いけど、やはり前作の域には達していませんねえ。それに実に見事な幕切れだった前作に較べて、今回は「あれっ?」って腰砕けな感じで残念でした。

でも、前作でオリヴィエが演じた役を35年後にマイケル・ケインが演じるなんて洒落すぎてます。そしてジュード・ロウは、「アルフィー」に続きケインの若き日の役を演じるという・・・うーん、いずれにせよ本作の二人の演技対決も見ものでした。 そして前作も今回も、スタッフ、キャストとも英国演劇界・映画界の最高峰で固めた布陣となっております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月14日 (金)

ステキだぞ、「L」

「デス・ノート」前後篇は予想よりもずっと面白かったのです。荒唐無稽な設定に加え、ヘヴィメタ風の死神が出てきたりして、マンガが原作だし子供だましなんじゃないの?という予見を見事に裏切ってくれました。「ファウスト」の如きストーリーの面白さもさることながら、「L」(松山ケンイチ)という引きこもり系天才名探偵のキャラクターの魅力による部分も大だったと思います。 で、スピンオフとしてオリジナル脚本によるLの物語「L change the WorLd」ができたのですが、こいつもきっちり面白かったです。中田秀夫監督としても傑作「リング」以降は佳作「ラストシーン」意外はパッとしなかった(と小生は言ってしまいますが)だけに、これは評価してあげたいです(手放しの評価とはいかないけど)。 一方で、かなりツッコミ所の多い作品であることも確かですが。

目の周りの黒い独特のメイクで、白の長袖Tにゆったり目のデニムを合わせ、猫背で淡々としゃべるL。甘いものを手放さず、ティーカップもチョコもキャンディーも指先でつまむように持ち、パソコンのキーはカマキリのような動作で打つ・・・まあ、なんてユニークな造形でしょう。ある意味、ハンニバル・レクターの造形に匹敵するインパクトがあります。オタクのヒーロー(彼はアイドル好きでもある)という今日性も持っていますしね。 大江戸としては、甘いもの好きってとこに親近感を感じちゃいます。

そのLが本編ではアクションまでこなして、スーパーヒーロー的に活躍しちゃうんです。自転車こいだり、走ったり、飛行機に飛び乗ったり、しまいには飛行機を○○しちゃうんです。びっくりだ。うーん、そう来たか。 というわけで、物語は「デス・ノート」の世界を離れ、単独で観て楽しめるものとなっております。基本的に「007」ジェームス・ボンドや「ダイ・ハード」ジョン・マクレーンが主人公でも、アレンジすれば成り立つような世界です。 というわけで、エンタテインメントとしての構築がしっかりしているのです。でもディテールは甘いけどね。

福田麻由子ちゃんは「リトルDJ」に続き、実に田中麗奈の幼い頃の顔です。と思ってたら、なんと「犬と私の10の約束」では二人が同じ役の14歳の頃と、成長した22歳の頃を演じるんだそうです!! わはは。 やっぱりそうしなきゃ!ですよね。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年3月11日 (火)

全身芸術家 草間彌生 

日本のコンテンポラリー・アーティストに迫ったドキュメンタリー映画『≒ ニアイコール』シリーズ。昨年の奈良美智に次ぎ、今公開中の「草間彌生 わたし大好き」が大変興味深いものとなっております。もう80歳近い彼女の浮世離れした、いや地球人離れしたキャラクターが見る者を圧倒します。とにかくスゴイ人です。でもけっこうカワイイところもあります。 「(自分の作品を見て)ステキ!」、「私のがダントツいい」、「(自作の詩を読んで)こんな素晴らしい詩は読んだことがない」などなど自画自賛の数々。なにしろ「わたし大好き」の人で、その自己肯定パワーの凄まじさたるや、大昔から天才を自覚してきただけのことはあります。でもアーティストなんて変に謙遜するよりもこっちのがいいですよ(まあ、あんまり俺様な人も考えものですけど・・)。その一方で「恐縮です」なんて言ってたりもするところがチャーミングではあります。 鮮やかなピンクのかつらも本当にお似合いじゃあないですか。 ただ、本作中でも「松本さん・・・」と時々話しかけられている松本貴子監督がところどころで行う草間さんへの語りかけが、小生としてはどうもダメでした。なんか波長が合ってないというか、見当違いというか・・・もっとクサマの凄さや深さを導き出せた気がしてなりませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 9日 (日)

コンパクトに良質な「バンテージ・ポイント」

映画「バンテージ・ポイント」は娯楽映画として良く出来ています。同じ時間、同じ場所の出来事を8人の登場人物それぞれの視点からリピートしていくというアイディアはトリッキーなだけではなく、少しづつ事件の全貌を明らかにしていくという巧妙な手法でもあります。

でも本作が本領を発揮するのは、むしろその後。リピートが終わって、1本に縒り合わさった糸がダイナミックに疾走してからです。監督デビュー作というピート・トラヴィスのチャキチャキしたキレのいいアクション演出が冴え(その前からカット数多めのモンタージュは見事でしたが)、カー・チェイスのシーンは観たことの無いほどのド迫力でした。カット割りもスゴイ。 「ダイ・ハード4」みたいにCGを使いすぎると興ざめになりますが、ここではナマのカーアクションがガンガン迫ります。 そして、フォレスト・ウィテカーの『いい人パワー』炸裂!(「パニック・ルーム」では、この「いい人」性のために失敗しちゃうんだよなあ、彼は) 電話をかける表情だけでグッと来させるなんて、さすがはオスカー男優です(受賞作では悪い人=アミン大統領だったけど)。

1時間30分というコンパクトな上映時間もいいですね。「ブレーキ・ダウン」とか「セルラー」とか、切れのいい、アイディア勝負のサスペンス・アクションの良作は、だいたいにおいて1時間半ぐらいでダレ場なくまとめてくれるのです。毎年1-2本ぐらい、そういうのがありますよね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年3月 2日 (日)

写真も本人も映画も魅力的な「アニー・リーボヴィッツ」

映画「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」を観ました。大江戸も大好きなフォトグラファー('95年の新宿・三越美術館の展覧会にももちろん行ってます)、アニーのこれまでの人生と作品を、著名人のインタビューも織り交ぜながら時系列で描いたオーソドックスなドキュメンタリーながら、とてもとても面白いです。雑誌「Rolling Stone」と共に歩んだアニー、そしてジョンとヨーコの1980年12月8日の写真。 撮影現場やインタビューにおける知的でエネルギッシュなアニー、まだ小さい子供と遊ぶ母親としてのアニー。 スーザン・ソンタグとの関係も、知らなかったので驚きました。まるで、「ジュリア」におけるジュリアとリリアン・ヘルマンの関係のようで、ある種の感銘を禁じ得ません。 本作はアニーの実の妹のバーバラ・リーボヴィッツが監督しているのですが、スーザンの件とか、麻薬中毒だったこととか、よく出したもんだと思います。アニーがまだ現役バリバリだっていうのにね。 なんか終わり方はしまりがなかったけど、全体的にポジティヴな雰囲気が漂っているのが良いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月28日 (木)

「人のセックスを笑うな」の味わいと役者たちの素晴らしさ

評判も良く、ミニシアター系としてはかなりヒットもしている映画「人のセックスを笑うな」ですが、やはりしみじみといいですねえ。フィックスのロングかミディアム・ショットでの長回しが基調となっていて、そのゆったりとした時の流れの生み出す世界の、なんと映画的に豊かで心地良いことか。このネタで2時間17分だと普通長すぎるはずなんですけど、本作に関してはそんなことはなく、むしろもっとこの人たちのことを見ていたいなあと感じました。この空気とニュアンスが、日本映画の良さですねえ。相米慎二の長回しにも通じる味があり、やはり相米映画がそうだったように、役者たちが皆素晴らしいです。 

ああ、永作博美がスゴイ!昨年の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でも久々の登場で、ある種の怪演を見せていたと思ったら(賞も色々もらってましたね)、ここでまた圧倒的にしなやかでしたたかな芝居を見せてくれていて、「いつの間にこんな名優になってたの?」って感じです。 松山ケンイチも受けの芝居ながら、ナチュラルっぽさが素晴らしいし、あがた森魚さんもユニークな味が生かされています。 そして蒼井優がこれまたスゴイ!長回しの中で、彼女の全身を使った体技と発声が、今までの彼女のレベルを凌駕して、見る者を驚嘆させます(しかもニットキャップをかぶった姿が朝日新聞連載のマンガ「オチビサン」みたいでした??)。「みぃーるーめぇーくーん! あーそーぼーっ!」の叫びとか、ベッドの上でのジャンプとか・・・、予想を超越する演技です。 なんか早くも、今年の主演女優賞と助演女優賞はこの作品でキマリか?!って思っちゃいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月26日 (火)

「東京少女」に落涙

夏帆主演の映画「東京少女」が素晴らしいです。 ワームホールを題材にした一種のタイムスリップものなのですが、ケータイを媒介に明治時代と現代とで少女と少年が話せるところがミソ。「イルマーレ」などの韓国映画にも影響を受けているかも。 低予算なので、明治時代の再現にしてもCGの使用はそれほど多くなく、明治村などのロケで何とかしのいでいます。でも、映画に心と志があるので、あまり気になりません。序盤では仏頂面だった夏帆が、とてもステキな表情になっていく中盤以降には、物語もタイムスリップものとして凝った展開を見せます。100年の時を超えた銀座でのデートなんて、映画ならではの面白さです。 銀座の老舗呉服店の件りとかはお見事で、「おお」と唸りつつ何度も涙が出てきました。日比谷の松本楼にも「おお」でしたね。 またケータイの電池切れとか手鏡とか小説の原稿とか、物語の中での小道具の生かし方も見事です。 小中和哉監督は、「四月怪談」とか「くまちゃん」とかのファンタジー系の愛すべき作品を作らせたら右に出る者のいない人なので、これもその系譜で胸に滲みるチャーミングな1本です。小さな宝物って感じですね。

| | コメント (1) | トラックバック (3)

2008年2月14日 (木)

市川崑逝去

市川崑監督が92歳で亡くなりました。結果として「犬神家の一族」のセルフ・リメイクが遺作となってしまいましたが、さすがに力の無い作品になってましたもん。でも、もう1本くらい撮らせてあげたかったなあ(ちなみに「いぬがみけ」で変換すると「犬が三毛」と出てきました)。

大江戸は「満員電車」「私は2歳」が一番好きで、「プーサン」「黒い十人の女」「東京オリンピック」「青春」「古都」「幸福」「細雪」あたりも良かったですねえ。 光と影のシャープな映像美。独特のリズムを持った見事なカット割り。スタイリッシュでグラフィックなタイトル。日本映画離れした、モダンなセンスの良さを誇る、真の才人でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月12日 (火)

ロイ・シャイダー逝去

あのロイ・シャイダーが亡くなりましたね。享年75歳。「フレンチ・コネクション」「ジョーズ」「マラソン・マン」「恐怖の報酬」「オール・ザット・ジャズ」と、まさに’70年代を代表する渋い名脇役(主役もあるけど)でした。逆に言えば’80年代以降はあまり活躍しなかったわけですが、あの日焼けした長い顔にビシッと通った鼻筋で、クールでもあり、ユーモラスでもあり、タフでもあり、善から悪まで、弱から強までを演じられる人でした。 「オール・ザット・ジャズ」ではボブ・フォッシーをモデルにした演出家を演じ(“It's show time, folks.”)、クライマックスでは歌って踊って見事でした。 ところで昔の特撮ヒーローものの「宇宙刑事シャイダー」は、ロイ・シャイダーからの命名だったりするそうです。やっぱりそうだったか。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年2月10日 (日)

「潜水服は蝶の夢を見る」;事実の凄さ

昨日公開の映画「潜水服は蝶の夢を見る」は、ジュリアン・シュナーベルを現代美術のアーティストより映画監督として評価させるに足る立派な出来でした。1人称キャメラの多用、まばたきの映像、イマジネーションの世界、想い出のフラッシュバック・・・映画ならではの表現で、ロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)に陥った悲劇の男の心を描いていきます。やはり、「ELLE」の編集長でバリバリだった働き盛りの男が・・・という、実話の強さは否めません。20万回以上のまばたきで綴った本、という事実の凄さは、困ったことに映画の出来を凌駕してしまっています。そこがこの作品の評価の難しいところ。 でも、シュナーベルの描写は決してウェットや過剰に陥らず、ヤヌス・カミンスキー撮影による映像のトーンとも相まって、カラッと、あっさりしています。そこがいいところ。 

「ジョニーは戦場に行った」、「奇跡の人」、「海を飛ぶ夢」、「象の背中」などの映画から、ポーの「早すぎた埋葬」あたりまで、いろんな連想が浮かびもしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月 9日 (土)

「未来講師めぐる」サイコー!

今クールのドラマは佳作の粒揃いといった印象。「エジソンの母」や「斉藤さん」は面白いし、「あしたの、喜多善男」や「あをによし鹿男」も悪くなさそう。でも決め手に欠けるので、全部きちんと見てるのって2つしかありません。 その一つ「篤姫」も面白いです(「新選組!」以来久々に大河見てます)が、もう一つの「未来講師めぐる」がもうとにかくサイコーです!テレビ朝日の金曜11時15分からの例の枠(「トリック」や「時効警察」を生んだ伝説の枠)に似つかわしく、自由にハチャメチャやってます。宮藤官九郎作品としても、ここんとこ無かったほどはじけてて、見事にぶっ飛んで、宮藤ワールド全開です。なにしろ主人公のフカキョンが、満腹になると20年後が見えてしまうって設定でして・・・。 役者たちもスゴくって、地井武男も船越英一郎も黒川智花も正名僕蔵も笑えます。中でも武田真治がバカやってて、新境地でスゴイです。 5話まで終わりましたが、これからでも見た方がいいですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月 6日 (水)

面白くっても「全然大丈夫」

荒川良々の初主演映画「全然大丈夫」は、なかなかに結構な味わいでした。ピンの主演というよりは、岡田義徳、木村佳乃とのトリオ主演ですが、それにしてもかなり欠点の多い主人公ですねえ。結構イヤな奴で、小生の感情移入は自然と岡田義徳くんの方に向かってしまうのでした。岡田君、いい味わい出してます。 てゆーか、この映画の役者さんたちはことごとくいい味出していて、蟹江敬三も、田中<ココリコ>直樹も、根岸季衣も、久々にお目にかかった小倉一郎さんも、妙に味わい深いものがありました。

でも、何と言っても木村佳乃の好演がステキです。暗くて、ダサくて、変人で、不器用な、要するに社会適合性の無い女性を、こんなにチャーミングに演じてしまったことは、新鮮な驚きでした。今までキムヨシをあなどっていたのかも知れません。日本の「アメリ」って感じもちょっぴりあったりします。 まあ、昨年の「さくらん」「怪談」「ジャンゴ」あたりから、やけに意欲的に芸の幅を広げようとしているなあとは思っていましたが、いやあ、こう来たか。ちくわを常に携帯しているあたりが唖然とするところですし、ティッシュ箱やガムテープとぶきっちょに格闘するあたりの手わざはウディ・アレンの至芸をも思わせるものです。

脚本・監督の藤田容介さんは大人計画やグループ魂に縁のあった人らしく、大人計画の役者さんたちも随分出ています。まあ、ギャグがすべってる所もちょっとありますけど、大いに笑えて、一抹の物悲しさと、ほっこりとした希望があって・・・好きですね。ラストの「ありがとう。」の味なんか、かなり上等です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月 3日 (日)

名作「母べえ」の静かな怒り

山田洋次の「母べえ」はやはり名作でした。時代劇三部作では「たそがれ清兵衛」を頂点として、「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」とゆるやかに下降してしまった後の作品で、また新しい高みに達しています。 美術とか衣装とか撮影とかの映画作りは、ごく普通の顔していながら、素晴らしく質が高いです。予算面も含めて、今こんな映画作りが出来るのは、山田洋次だけでしょう。松竹の伝統を、いや日本映画の伝統を一人で背負っちゃってます。 

とにかく泣けます。泣かせてくれます。でもそれは「お涙頂戴」ではなく、反戦の思いに溢れた“静かな怒り”に打たれるからです。『こうあってはいけない』という、祈りをはらんだ憤怒。「これを描くんだ」という腹の据わった決意というか、作家の魂のようなもの--変な例ですが、それは1年前の「それでもボクはやってない」とも共通するものがあるように思えます。

吉永小百合62歳の驚異的な若さには驚かされました。また、浅野忠信をこんな感じで使ったってのは、「息子」における永瀬正敏を思わせますね。山田洋次って、自作を古めかしくさせないために、そんなことも上手にやる人ですね(「幸福の黄色いハンカチ」の武田鉄矢&桃井かおり とかね)。 子役の二人が共に「未来」って名前なのは何という偶然でしょう(志田未来=みらい と佐藤未来=みく)。 笹野高史、でんでん もうまいけど、吉永の父親役の中村梅之助が、それはそれは絶品です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)