2017年11月24日 (金)

「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」:こわくないよー

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映画『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』は、『ET』とは関係ありませんよ。IT企業の方とも関係ありません。どなたかも言ってましたが、小生も「前半は『スタンド・バイ・ミー』っぽいし、後半は『グーニーズ』っぽい映画だと思いました。 で、ホラーとしてはちっともこわくありません。そして面白くもないという・・・。

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だって、基本的に赤い風船持った道化師(「クラウン」ですが、日本人には馴染みの薄い言葉なので、字幕では「ピエロ」です)でしょ。別にこわくないっす。口を大きく開けてギザギザの歯が見えても、そんなに恐いってほどでもないっす。そもそも怖い目をするところがこわくないところですよね。目が笑っていた方がむしろコワイっす。そんなもんっす。

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少年少女の冒険譚であり、ジュブナイルものとしての部分が一番上出来です。あの女の子のあれこれが、少年たちにとって「惚れてまうやろー」って動きだということが、リアルに理解できるのです。映画化に当たって、舞台を原作の’50年代から’80年代に変更したそうですが、それでも’50年代(つまり『スタンド・バイ・ミー』の時代)が香るのです。

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それにしても、本作のハードコアないじめっ子はやる事があまりにも悪辣&狂暴ですね。あれでは犯罪者として逮捕されるでしょう、きっと。

そしてこれはノー・スター映画です。ある意味、クラウンが一番のスターなのでしょうね。でも、2019年公開予定という第2章は大人パートだけに、(このヒットを受けて)有名俳優たちがキャスティングされることは確実だと思います。

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2017年11月23日 (木)

「ラスト・レシピ 麒麟の舌の記憶」:おいしそうな娯楽作

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映画『ラスト・レシピ 麒麟の舌の記憶』は、とても良くできた娯楽作。なんだかネットでは「ニノの主演作大コケ」的に言われてましたが、そこまでひどい成績でもありません。現に今日の新宿ピカデリーは、満席でしたし。最近のネット記事における、何かと言うと「大コケ」にしちゃう風潮ってどうよ!と多少の憤りを感じます。アタマ(公開後2~3日)でドっと集客できないともうダメってのは、まさにシネコンの悪い部分が出てますね。

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現代と満州占領時代(1930年代)を行き来する構成。徐々に謎が明らかになり、終盤に全てがつながる巧みさ。そして安定感たっぷりに、それらをさばく滝田洋二郎演出。オーセンティックな娯楽映画としてのクォリティは、文句のないものだと思いますよ。実際2時間6分の間、ダレ場はありませんでした。

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とにかく作品のキモとなる料理の数々が実においしそうに撮られていて、それだけで合格点はあげられます。でも、本作はところどころに満州をはじめとする占領(植民地)政策や、人種民族の問題への問い掛けや反省があって、更に深みがましているのです。もちろんもう一方では、心を閉ざした頑迷な人間(二宮)の再生と成長の物語にもなっているのですが。

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役者の中では、宮﨑あおいがダントツで素晴らしかったです。こういうまじめで慈愛深い役に説得力を与えられるのって、彼女のほかに何人いるでしょうか。やっぱりいいなあ、あおいちゃん。

それにしても、料理の数々がおいしそうでした! 満漢全席の芸術的な料理よりも、むしろ炒飯やビーフカツレツの方がおいしそうで、食べたくてしょうがありませんでした。

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2017年11月22日 (水)

「婚約者の友人」:玉虫色のモノクローム

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映画『婚約者の友人』は、エルンスト・ルビッチの作品をフランソワ・オゾンがリメイクしたそうです。そのルビッチ作品は未見ですが、今回の作品自体があたかも昔作られた名作のような「擬態」をまとっていて、そこらへんの曲者感がやっぱりオゾンだよなという感懐を抱きました。モノクロ映像の質が、やけに昔っぽいのです。

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(以降少々ネタバレあり) 序盤から最後まで、ずーっと謎を孕んだまま進行します(っていうか、観終わっても謎が残ったままと言う気もいたします)。だけど、ミステリーってわけじゃない。純文学的に香り高い物語にも見えますが、あくまでも娯楽作って言われればそんな気もする。ゲイの雰囲気を漂わせつつ、最後まではっきりそうとは描かない。などなど、どうにもはっきりしない、はっきりさせない、玉虫色の作品なのです(だいたいモノクロだけど)。

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でも、そもそも序盤に感じたテイストよりは、ずっと素直に進行しました。もっと意地の悪い、エグ味のある作品なのだろうと思っていたのです。ここまで「まじめ」とは!って作品ですよね、むしろ。人の心に迫っていきました。

でも正直ラストは、なんだかよくわかんかかったですねー。この作品最大のミステリーだったりします。

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そして終盤のドイツ→フランスへの移動を通じて、一方の正義はもう一方の正義ではないこと、物事は視点の置き方によって正反対に見えることが浮かび上がって来ます。そのあたりが普遍的かつ今日的でもあります。

主演男優のピエール・ニネは、あのサンローランを演じた人だったんですね! 今回は妙に中性的な雰囲気を醸して、ミステリアスでした。

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2017年11月21日 (火)

「猫が教えてくれたこと」:ネコのいる幸せ

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映画『猫が教えてくれたこと』は、トルコのイスタンブールの街を舞台にした猫ドキュメンタリー。とにかく79分間、美しい映像の中のかわいいネコたちを堪能できる作品です。

そして、見事にイスタンブールの街の魅力を描いた映画にもなっています。優秀な観光映画でもあるんじゃないかしらん。そして、トルコってやっぱり「ヨーロッパ」なんだなあと思えます。中東らしさも多少はありますが、基本ヨーロッパに見えますよね。まあサッカーなんかじゃ、ヨーロッパ地区に入ってるわけですし。

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映像のクリアーさ、色のキレイさが圧倒的です。空の青、海の藍、屋根のオレンジ・・・。そしてネコのアップ。ネコの真ん前での移動撮影。ネコ目線のローアングルなど、撮影面でもネコ仕様の映画なのです。うーん、これなら3Dで観てもいいかもしれないですね(本作は2Dですが)。

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ネコたちのバリエーションも、茶トラあり、白黒ブチあり、グレーあり・・・と、バラエティに富んでいますし、妙なブサイク系はいなくて、みんなカワイイ系なのです。だから、ひたすら「あー、かわいい」と思って観ていればいいのです。

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ネコを取り巻く人々が、みんな穏やかでピースフルです。ネコが人間の心をリラックスさせ、癒してくれるのでしょうね。飼い猫ばかりではなく、野良猫も地域猫もいますけど、ネコたちは街の人々と良い関係を築いているようです。心のゆとりがあるからネコとうまくやっているのか、ネコとうまくやっているから心にゆとりができるのかは、ニワトリとタマゴですけど、いずれにしても幸せな時間と幸せな光景がここには流れているのです。

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2017年11月20日 (月)

「バリー・シール アメリカをはめた男」:若くて軽くて凄いこいつ

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映画『バリー・シール アメリカをはめた男』は、事実に基づく映画化ってことにぶっ飛んでしまいます。事実は小説より奇なりですね。 それぐらい破天荒なお話を、1970~80年代の時代色たっぷりに、トム・クルーズ主演で描く娯楽作。監督がダグ・リーマンなだけに、チャキチャキと小気味いい展開で進みます。

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トムくん(と言っても今55歳ですけど)が軽薄なスマイルを振りまきながら、色々とやらかしてくれます。この腰の軽さ、重みの無さがスゴイですね。容姿の若さもすごいけど、それ以上に性格や行動が(と言っても映画のキャラクターですけど)メッチャ若い、奇跡の人です。

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ただ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観ても、『インヒアレント・ヴァイス』を観ても感じることですが、時代の狂騒を描いた作品って、観てて疲れるというか、しんどいです。更に言えば、その割にはあまり面白くありません。本作もそれらの列に連なるものでした。主人公に共感できないってのも、皆同じですしね。

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でも一番悪いのはアメリカって国。そこらへんの告発を(ブラックユーモアにくるみながらも)発信していくあたりが、骨のあるダグ・リーマンなのであります。

それにしても、あの札束の呆れるほどの量には唖然、茫然でありました。そんなに多過ぎて隠し場所に苦労するぐらいなら、もらってあげたのに・・・。

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2017年11月18日 (土)

「予兆 散歩する侵略者」:A面よりよく出来たB面

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映画『予兆 散歩する侵略者』は、9月に公開された『散歩する侵略者』からのスピンオフ企画。あの事件と同じ頃に、別の場所ではこんな事が起きてましたっていうお話。WOWOWがドラマ化(全5話)したものを140分に編集して劇場公開した作品です。 これだけよく出来た黒沢清監督作品なのに、都内1館のみの2週間限定という公開規模の小ささが(しかも2週目は1日1回のみだし)誠に残念です。

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だって、とても良い出来なんです。正直言って、本家『散歩する侵略者』よりも黒沢清らしさに溢れてますし、本家よりも無理なく面白いのです。小生はこっちの方が、やや好きですね。 脚本は黒沢&高橋洋なだけに、侵略SFのみならず「恐怖映画」のテイストが色濃く出ております。

オープニングから全編を通して、カーテンは揺れ、風は吹き渡り、黒沢らしい不穏な空気が画面に溢れています。

362094_003メインキャストはほぼ3人なのですが、男二人(染谷将太、東出昌大)は『寄生獣』コンビ。しかも今回も東出は無表情で怪しいもののけ感たっぷりですし、染谷はまたもや右手の異常に悩まされます。これって「狙った」キャスティングですよねえ。ほとんど笑えちゃいました。

そして夏帆は、柄に合った役で好演です! 一頃は清純派からの脱皮を図って、妙なセクシー路線に走っておりましたが、ここに来てキャラ違いを無理にやっても意味がないと判断したのか、『22年目の告白 私が殺人犯です』、TV『監獄のお姫さま』、そして本作と、従来の夏帆の延長線上の役に戻って来ました。これでいいんです! 本作でも薄幸顔と涙袋を生かして、悲哀と絶望を見事に表現しておりました。

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終盤になると本家同様、差別をする人類、戦争をする人類、殺し合う人類への警句的な台詞が語られます。そこらへん、やはりタイムリーな作品です。そして、愛と終末観。これも本家と一緒ですね。 同じ物語のA面/B面として、よく出来ていると思います(A面/B面っていう言い方って、ひょっとして死語ですか?)。

(本家『散歩する侵略者』の当ブログ記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-c747.html

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2017年11月14日 (火)

「おじいちゃん、死んじゃったって。」:ドイヒーな人々

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映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』は、アップデートされた『お葬式』(伊丹十三)って感じなのかと思いきや、うーん、レベルが違いますね。ちょっと、いや、かなり期待はずれでありました。だって、出て来る人物、出て来る人物みんなウザくて、共感も何もあったもんじゃありませんから。人間嫌いの人たちが作った映画なのかと思っちゃいましたよ。

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そもそも大江戸がこの映画を観ようと思った最大要因は岸井ゆきの。彼女は『友だちのパパが好き』『ピンクとグレー』あたりから好きなのですが、本作でもまずまず良い味を出してはいました。ところどころキャラに無理が出ておりましたが。 でも問題は、周囲の人々。「この愛すべきろくでもない家族」ってのではなく、単に「ろくでもない家族」なので、まいっちゃいます。ダメさに共感ができず、ひたすら重いのです。

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中でもひどいのが、岩松了演じる長男。暴君であり、卑小であり、邪悪であり、自分だけが正義であり・・・こういう人がそばにいたら、たまりませんね。

そんな人たちのエピソードが、単発的に、脈絡なしにつながっていきます。いや、つながらなくって、「巻の順番を間違えた??」かと思ったぐらいです。現在のデジタル上映では、そんなことあり得ないのですが・・・。

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なんか「それらしい」場面はあるのですが、「それらしい」だけで、一本の映画の中で有機的に生かされていないし、既視感だけあって重みがないのです。 これでは「家族とか親戚とかって、いやだね、面倒だね」という悲観にしか至りません。観ていて、イライラしてしまいました(この人々に対しても、この作品に対しても)。インドへのこだわりも、ほとんど謎ですし。

えらく喫煙度合いの高い映画で、誰かがしょっちゅうタバコを吸ってます。このご時世に珍しいですね。なぜなんでしょう? まさか、お線香の代わりじゃないですよね?

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2017年11月13日 (月)

「リミット・オブ・スリーピング ビューティー」:映像の魔術師

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映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング・ビューティー』は、あの怪作『MATSUMOTO TRIBE』の二宮健監督(25歳!)による、最高にクールでファンタスティックでイカした映像作品。前年とはうって変わって、今年の邦画は本当に不作で、これじゃベストワンに置ける作品が無い!と憂いていた大江戸にとって、干天の慈雨のごとき作品です。好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、大江戸はこういうの大好きなのです。

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まずもってパープルやオレンジやピンクを基調にした美しい映像が良いではありませんか。好きなトーン、好きなルックです。短めのカットとたたみかける編集も好きですね。

そして二宮監督がきっと映画ファンなのでしょう。数多くの先達へのオマージュ; アイズ・ワイド・シャット、ケン・ラッセル、鈴木清順、実相寺昭雄、キングスメン、灰とダイヤモンド、アンチポルノ(園子温)などという固有名詞が浮かんでは消えて行きます。

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とにかく主演の桜井ユキが輝いています。結構そこらにいそうな感じなのに目が離せないというか、平凡の中の非凡を体現しております。モデルっぽいというか、女優っぽくない匂いもありますが、純然たる女優さんのようです。もう30歳ってのも(若く見えるだけに)驚きですが、注目株には違いありません。 本作での彼女って、なぜか高橋一生にかなり似て見えることが多いんですよね。意図的なものではなさそうなだけに、不思議です。

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1時間29分、画面を観ていることがとにかく快感な映画でした。そして、途中からこの作品に恋をしたかのようにドキドキしていました。 完璧ではありません。正直なところ瑕疵はあります。でも、昨今のメジャー日本映画界でこういうの作ってくれる人っていないじゃないですか。遡れば、’60年代、’70年代にはいたわけですよ(清順さんとか、実相寺さんとか・・・)。だから今こんなことをやってくれている二宮健という才能を支持します。エールを送りたいと思うのです。大胆な色遣い、ぶっ飛びの奇想とエロス、破天荒なアクション、・・・うーん、やっぱり新時代の清順と呼びたい気がします。映像の魔術師なのです。

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2017年11月12日 (日)

「ゲット・アウト」:シャマラン風ではありますが

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映画『ゲット・アウト』は、予告編を見た限りではシャマラン風の「深い謎の秘密」をめぐる作品。で、実際その通りでした。有名とは言えない座組み(スタッフ&キャスト)でやってる、低予算のアイディア勝負の作品です。さすがにB級の匂いも漂っているのですが、粗雑だったり陳腐だったりはしていません。こういう作品もちゃんと公開されてるのって、良いことですね。

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ちょっと映画擦れした人なら「次はこうなるんだろうなあ」と思うであろう通りに展開します。そういった意味では、オーセンティックで非常に素直な映画です。そこがシャマランとは大いに違う点ですね。でも、得体の知れない不安な空気の醸成においては、シャマランと共通するものがあります。

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(以降少々ネタバレあり) 小出しにする謎は、まさにシャマラン流。あのアフリカ系女性や、あのアフリカ系男性や、あの深夜の疾走などの奇妙さはがまさにそうです。でも作品ところどころのトーンとしては、『ローズマリーの赤ちゃん』的だったり、『オーメン』的だったり、監禁ものホラー的だったりもします。写真を使った謎明かしなども、過去の映画の記憶を引き継ぐもので、この監督の映画ファンぶりがうかがい知れます。

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だから、ちょっと社会派風にも見えるんですけど、最終的にはいわゆる「社会派」なんかではさらさらなくって、あくまでも娯楽作です。良くも悪くも。割とすぐ忘れてしまいそうでもありますし。

最後に一言;笑いながら泣く女って・・・、竹中直人かよっ!

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2017年11月11日 (土)

「オトトキ」:「普通」と矛盾

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映画『オトトキ』は、ザ・イエロー・モンキーの復活を追った2016年から1年ちょっとのドキュメンタリー。50代に入ったイエモンを撮るのが、彼らより10年ほど年下の注目株・松永大司監督だけに、只ならぬ化学変化が起きるかもとも思ったのですが・・・。

意外と「普通の」音楽ドキュメンタリーでした。ツアーに密着して、オンステージとバックステージを撮り、ファンの人たちにインタビューして、バンドの足跡を追い、メンバーや関係者にもインタビューするという、ごく真っ当な作り。

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まあ、普通じゃないのはこの映画のために、無観客の渋谷のライブハウス(ラ・ママ)で行った演奏ぐらい。無観客なのに吉井和哉のMCまで入れて、そこらへんがとてもやりにくそうな感じで、観客に囲まれたライブの熱狂とは違う「冷えびえ感」が出ていて、うーん、何のためにこれやったの、松永監督?って感じでした(いくら彼らのバンド活動の原点と言える場所とはいえ)。

あとは、ツアー中に菊地兄弟の父親が亡くなったとかで、そのあたりのインタビューもやや長過ぎでしたねえ。映画のリズムが停滞してしまいました。

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(以降ネタバレあり) 映画のクライマックスになったのが、ニュー・イヤー・ライブで吉井の声が突然出なくなってしまったアクシデント。あまりのデスパレートな状況下におけるスタッフたちの「うわー、どうしようどうしよう」感があまりにもスリリングで、手に汗握る場面となっておりました。しかしここも最後が妙にうやむやで・・・。で、どうなったんですかい?って感じ。

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再結成ステージの1曲目を、メンバーの演奏は(シルエット程度にしか)写さず、ほとんどファンたちのリアクション描写で埋め尽くしたように、松永監督には、「普通の」音楽ドキュメンタリーを作る気持ちは無かったのでしょう(『オトトキ』ってタイトル自体、かなり妙です)。でも冒頭に記したように、音楽ドキュメンタリー映画としての構造は非常にオーソドックスです。その一方で、ファンにしてみれば「もっとライブをしっかり(普通に)見せてほしい」と思ったのではないでしょうか。映像作家の創意とアーティストのベクトルが合わなかったというか、いろんな矛盾を抱え込んだ作品になっておりました。

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