2018年2月25日 (日)

「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」:かっこつけてて、つまらない

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映画『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』は、クリント・イーストウッド主演&ドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』(こちらも原題は“The Beguiled”)をソフィア・コッポラがリメイクした作品。“beguiled”とは、「欺かれて」「騙されて」という意味ですが、同時に「退屈を紛らせて(退屈しのぎ)」という意味もあるので、そう考えた方がなかなか恐ろしい感じです。

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まあ(作家の資質からして)当然と言えば当然ですが、シーゲル版(大昔TVで見たっきりですが)は、心理ホラーであり、娯楽作品として成立しておりました。でもこちらは、いかにもソフィア・コッポラらしい、ふんわりと繊細な個人映画みたいになっておりました。『ヴァージン・スーサイズ』みたいとも言えるかなあ。その上、やけに演劇的です。そのまま舞台で上演できそうですね。

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それにしてもハラハラしなければ、怖くもない、美的感性に打たれるとまでは行かない・・・そうすると、あんまり見る所ないんですよねー。1時間33分とコンパクトだから退屈はしませんでしたが、どうにも物足りない作品でした。 現代の観客(の大多数)に応えていない作品なのではないでしょうか。この題材は、オシャレでアートっぽくかっこつけてるんじゃなくて、もっとエグく抉っていかないと・・・。

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一番腑に落ちず白けてしまったのは、キルスティン・ダンストがコリン・ファレルから「今まで見た女性の中で一番美しい」とか言われること。もちろんそこにファレルのリップサービスが入っているわけですが、それにしても('82年生まれ)まだ35歳なのに、老けて40アップにしか見えないダンストの冴えない顔を見ながら聞いてると、「うそだーい」としか思えません。この人、『ドリーム』でもえらく老けてましたけど、何かご苦労があるのでしょうかねえ。

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2018年2月23日 (金)

「今夜、ロマンス劇場で」:綾瀬はるか<本田翼じゃね?

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映画『今夜、ロマンス劇場で』は、ちょっとした映画ファンなら皆さん、「ああ、『ローマの休日』と『カイロの紫のバラ』ね、と思うような、はい、その通りの作品です。そこに『また逢う日まで』とか『蒲田行進曲』とかの要素も振りかけてあって・・・。主要な舞台の一つが映画の撮影所ですし、そもそも主人公の男(阪口健太郎)は助監督です。なので、映画好きは大喜び、のはずなのですが・・・どうもそうではありませんでした。

ただ単に背景として361565_006映画や映画業界があって、そこには映画愛が欠けているんですよねー。『カイロの紫のバラ』とは、そこが絶対的に違うんですよねー。 まあ、監督もフジテレビの武内英樹さんですから、そんなに「映画愛」を謳う気も起きなかったのかも知れません。

まあ要するにいつもの「綾瀬はるか映画」ってことです。風変わりで常人離れした綾瀬はるかが、相方のイケメンさんとドタバタを繰り広げながら、ちょっと恋の雰囲気も醸しながら、めでたしめでたしで終わるという安定の作風。当世珍しくも「プログラム・ピクチャー風」と言えないこともありません。

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大江戸的には、綾瀬はるかよりも本田翼の方がずーっと上(あらゆる面で)と思っておりますので、坂口健太郎が愚か者にしか見えませんでした。まあ、それだけ本田翼が清楚に素敵な本作なのであります。

北村一輝の「銀ちゃん」(『蒲田行進曲』)的な昭和の大スターっぷりも、なかなか堂に入ってます。笑えます。

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そんなこんなで物足りなかったんですが、終盤~ラストにかけてはちょっと良かったんです。加藤剛さんがらみのあれこれで、「ほう、そう来ましたか」って感じに、ちょっと驚かせながら上手にまとめ上げてくれました。TV畑の監督さんって、やはりウェルメイドではありますね。

※ただ、昭和30年代前半の映画館がこんなにガラガラってのはあり得ないことではないでしょうか? TVが登場しても、まだまだ映画館隆盛の時代だったはずです。

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2018年2月22日 (木)

「リバーズ・エッジ」:若手俳優の芝居合戦

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映画『リバーズ・エッジ』は、かなり骨のあるハードな、そしてエッジの効いた作品。暗いです。いじめから殺しまでダークサイド満載。それを無感覚に傍観し続ける主人公(二階堂ふみ)と、台風の目のようなミステリアスな同級生(吉沢亮)。

’90年代前半を舞台にした作品なのに、現代とあまりに共振していて、時々年代を忘れるぐらいアップトゥデートなのに驚きます。まあ、実際に「何年」とは限定されていないのですが、誰も携帯電話持っていませんから。家電話、緑電話の世界なのです。

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行定勲監督、近年は原作モノで好調が続きます。『ピンクとグレー』とか『ナラタージュ』とか本作とか (オリジナルの『ジムノペディに乱れる』は芳しくありませんでしたが)。 スクリーンサイズがスタンダードだったのにびっくり(というか、むしろ新鮮)。で、聞くところによると最後の方だけビスタサイズに広がったのだそうですが、小生は全然気づいておりませんでした。 あとセクシャルな描写の冴えと思い切りに関しては、さすがロマンポルノ・リブート作(『ジムノペディ~』)を手掛けただけのことはあるな、って感じ。

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若い役者たちが(ってゆーか大人はまず出て来ないんです、この作品)それぞれ見事! 二階堂は今更言うまでもありませんが、吉沢亮の神秘性と美しい顔だちと無表情の下の狂気は、称賛に価すると思いました。特に終盤の驚愕→狂気&狂喜の表情への変化などは、見ものです。

その他、暴力ジャイアンの彼も、尻軽フラッパーな彼女もその姉役も、摂食障害の彼女も・・・みんな適材適所です。

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夢見る乙女役の森川葵の歪み方が、これまた凄かったです。すっごいブリッコキャラなのに、ある事をきっかけに狂っていくさまが、なかなかにコワイんです(笑顔が徐々に凍り付いていくところとかね)。そもそもこの人、本当に「カメレオン女優」というか、役柄によって顔も演技もガラッと変えて来る凄さがありますよね。

終盤にある凄絶な姉妹ゲンカの場面には、「なーんだ。もしかして『犬猿』の姉妹って、ここに元ネタがあったんじゃないの?」って思ってしまったのでした。

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2018年2月20日 (火)

「マンハント」:’70年代前半邦画調の珍品

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映画『マンハント』にはぶっとびました。かなりの珍作です。開巻いきなりのド演歌! どぎつい文字のクレジット・タイトル。そして続くハチャメチャなトーンの銃撃アクション。何かの冗談にしか見えないって感じです(え?夢オチ?)とか思っちゃいましたよ。かなりタランティーノっぽくもあります。もともとはジョン・ウーの影響を受けて、タランティーノがあんあ感じになっているわけですが、今回は逆にタランティーノからの影響を受けているのでは? でもまあ、それよりは’70年代前半の日本映画(それも基本的には東映)からの影響なんでしょうねえ。

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その後もスロー・モーションとか白鳩飛ばしとかのジョン・ウーらしさ炸裂。そして映画全体を貫くトーンは、やはり’70年代前半の日本映画なのです(まさに『君よ憤怒の河を渉れ』の世界ですよね→そういった意味ではこのアプローチは正解?)。

それにしてもカッコつけた時の福山雅治って、いつも同じですね。さすがスターです(いちおう褒めています)。

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物語のキーとなる天神製薬の社長交代パーティーってのが、なかなかの珍品でして。製薬みたいな堅い業種で、こんなバブル期の業界ノリみたいなパーティー絶対しないですって。しかも派手なドレス姿の女たちの踊るダンスが、相当ヘン! 何あれ?

(以降ややネタバレあり) この会社が秘密裏に開発しているスーパー覚醒剤みたいなクスリがかなりヤバいっす。それを打てば、ケガしてようが何しようが、元気ハツラツ!&ファイト一発!みたいな状態になってしまうのです。人を超人ハルクみたいにしてしまうクスリと言えましょうか。

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そのクスリをめぐってアクションが繰り広げられる終盤もかなりの珍品です。 それにしても、池内博之の悪人顔がますます凄いことになっちゃってますね。彼の濃くてエグイ極悪フェイスに較べると、親父役の國村準なんか善人に見えて来ます。福山、チャン・ハンユーよりも、池内のツラが印象に残る映画なのでした。

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2018年2月18日 (日)

「アバウト・レイ 16歳の決断」:今という時代の証言

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映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の原題は“3 Generations”=三世代。祖母=スーザン・サランドン、母=ナオミ・ワッツ、娘(息子)=エル・ファニングという、ほとんど血のつながりが感じられない3人ですが、大江戸のごひいき女優の揃い踏みでもあるのです。いやー、大好きな女優が3人主役って映画は、これまで6,000本ぐらい映画を観て来てもほとんど初めてかもしれないってぐらい珍しいことです。

354470_007とはいえ、スーザンおばあちゃんはスパイスの効いた脇役といった感じ(いい味ですが)なので、焦点はトランスジェンダーの16歳エルと、その母ナオミに当たっていきます。エルは男の子のしゃべり方やしぐさや顔つきから腋毛(特殊メイクか?)まで、覚悟の演技を見せていきます。 ナオミは複雑な事態に立ち向かう母の心の揺れや深い愛情を繊細に演じ切ります。 三世代の演技合戦でもあるのです。

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「時代の証言」みたいな映画でもあります。ようやく時代はここまで進んだ、でもあり、まだこのように受け入れられず、みんなが葛藤していた時代だった、でもあるのです。 何十年かたった時に社会学的な価値が出る作品と言うか・・・。

女性監督ゲイビー・デラルは脚本とプロデューサーも手掛け、ドロシー・バーウィンと言う女性も、プロデューサーの一人です。ことほど左様に女性中心の映画でもあるので、ナオミの元夫とかマシューおじさんとか、男どもは分が悪い感じです。まあ、しょうがないですね。そこらも「時代の証言」であります。

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(以降ややネタバレあり) なかなか辛口のお話ではあるのですが、ラストのやさしさ、暖かさに救われます。軽く感動できるような、チャーミングなラストなのでした。

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2018年2月17日 (土)

「グレイテスト・ショーマン」:遅刻厳禁

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映画『グレイテスト・ショーマン』は、実在の人物(伝説の興行師)がモデルのミュージカル。ヒュー・ジャックマンは『レ・ミゼラブル』と本作とで、押しも押されもせぬ“ミュージカル俳優”になりましたねえ。確かにこの人、歌はうまいし、ちゃんと動けますから(ウルヴァリンなので)。オープニングのシルエットの美しさもキマッてます。

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この作品、いきなり出だしに素晴らしきショーの見せ場があります。開巻いきなりの見せ場と言えば、本作と同じチームが音楽を手掛けた『ラ・ラ・ランド』もそうでしたね。だから映画館には遅刻しちゃいけないんですよ! 今日もこの見せ場が終わってから、ポップコーンなどを手に席に着く人がいましたけど、あーあ、一番いいとこ観逃しちゃいましたね。ダメですよ、そういうの。

361326_003小人や巨人や巨漢やヒゲ女などの「ユニークな人々」が出て来ますが、それにより今日的な多様性のテーマを明快に打ち出しています。ただ、今一つ踏み込みが足りないと思いましたけど。でもまあ“This Is Me”の歌詞がそれを補っています。

でもミュージカルの撮り方としては、全体的に「可もなく不可もなく」といったところ。フルサイズの絵を適切に使っているし、ダンスの躍動感もまずまずなんですけど、今一つ圧倒的な感じがしないというか、鳥肌が立つまでには至りません。言っちゃあなんですけど、凡庸なんです。でもレベッカ・ファーガソン演じるスウェーデン人の歌姫は、見事な歌唱(吹き替え?)で素晴らしかったです。

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まあ本作の“読後感”としては、「たわいもない」話です。『ラ・ラ・ランド』とは較ぶべくもありません。ですけど、愛に満ちていて、ポジティブで、ハッピー・エンドの大団円で、・・・こういう映画があってもいいんじゃないですかね。いや、こういう映画もないといけないです。

 

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2018年2月14日 (水)

「祈りの幕が下りる時」:スターの華と哀しき因果ばなし

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映画『祈りの幕が下りる時』は、映画版第2弾にして(たぶん)最終版。大江戸はTVドラマ『新参者』は見ていませんでしたが、映画版第1弾の方は観ております。監督があの福澤克維ってことで、パワフルな通俗娯楽作に仕上がってるんだろうなーと思ったら、まあ大体そういう感じでした。

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日本橋界隈でも、このシリーズの舞台となっている(らしい)人形町ではなく、浜町の明治座界隈が今回の中心地。そこに大柄で絵になる美男美女(阿部寛、松嶋菜々子)が丁々発止ってことで、いかにも娯楽映画の本道ですね。阿部(53歳)も松嶋(44歳)も、いまだに大いに華があります。こういう「スターで見せる映画」、必要ですよね。

361110_005事件はかなり複雑な構造なのですが、通俗メジャーど真ん中の福澤演出は、かなり親切にいろんな手で、その全貌を観客に伝えてくれます。さすがと言えば、さすがです。 で、光や逆光を生かした室内シーンなど、絵的にはTVドラマの時よりもかなり映像の美しさを意識しているようです。

一方で事件の方は、かなり日本的と言うか浪花節的と言うか、紅涙を絞るような哀しき因果ものです。なんだか「昭和」ですねえ。『砂の器』とか横溝正史の金田一シリーズとか『人間の証明』とか、ああいった作品に近いものを感じました。

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写真で出て来た初老の「げっそりミッチー」(及川光博)にも笑いましたが、小日向文世さんの若き日の場面でつけてるヅラが気になって、そちらにばかり目が行ってしまいました。断崖絶壁に立ってる場面なんて、いつコヒさんのヅラが風に飛ばされちゃうか(飛ばされないけど)気が気じゃなくって・・・。

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2018年2月13日 (火)

「巫女っちゃけん。」:バチと宮地嶽神社

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映画『巫女っちゃけん。』は、メインタイトルに次いで、「広瀬アリス / MEGUMI / 飯島直子(特別出演) / リリー・フランキー / 監督 グ・スーヨン」と出るのですが、特別出演の飯島以外はみんなどこの国の人たちだよ?って感じです。

まあ冗談はともかく、まずまずの佳作に仕上がっておりました。撮影に全面協力した福岡の宮地嶽神社のロケが効いています。

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宮司の娘でありながらダラダラのゆるゆるで、「こんな神社燃えてなくなった方がいい」ぐらいに思っているトンデモ主人公(広瀬アリス)と神社をめぐるあれこれを描いているあたりでは、「ああ周防正行のエピゴーネンね。『ファンシィダンス』神社版ね」ぐらいに思っていました。ただ中盤で、謎の少年とその母親との問題(虐待)が見えて来たあたりからは、俄然面白くなっていきます。

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ほんわかのんびりしていた作品にピリリと緊張感が走り、作品がパワーを得て転がって行くのでした。あれこれあって、その果てに出て来るリリー・フランキー宮司のありがたいお言葉。いい声でゆっくりと味わいたっぷりに話すリリーさんって、まさに宮司にぴったりなのでした。

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まあそれに較べると、アリスさんは普通の類型的でマンガチックな芝居に終わっておりました。それにしても彼女の役名「しわす」って、珍しいですねー。

(以降少々ネタバレあり) あれだけワイルドに荒くれていた母親(MEGUMI)が終盤に突如(服やメイクもおとなしくなって)改心してしまうあたりが、脚本の弱さです。あそこには何らかのきっかけってもんがないとダメでしょ。残念です。

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座席番号による抽選があったようで、出口に当たり番号が貼ってあったのですが、当たりだったので、「わーい!」とばかり受付に行ったら、このお札ステッカーをくれました。しょぼかった上に、ドクロマークと「バチ」! ありがたくねー! お祓いしてほしいー!

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と思ったら、ロビーには宮地嶽神社の複製?があったのでありました。ちゃんちゃん。

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2018年2月11日 (日)

「犬猿」:兄弟姉妹は選べない

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映画『犬猿』は、吉田恵輔監督(脚本も)らしくシニカルに奥底まで人間を見つめた作品。とっても笑える上出来なコメディーでありながら、シリアスな人間ドラマであり、一触即発のサスペンスだったりもして、でもハートに迫る家族愛の物語かと思ったら、・・・やっぱり吉田恵輔なのでした。大江戸はかなり好きです、この監督。吉田は、大八よりも恵輔です。

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いつも役者を生かすのがうまい吉田監督ですが、本作でも窪田正孝、新井浩文の兄弟と、江上敬子(ニッチェ)、筧美和子の姉妹が最高にキャラが立ちまくり、また絶妙のコンビネーションで、映画を転がしていきます。とにかく面白くって、ぐいぐい引き込まれます。

新井のお得意の悪人オーラが凄いし、対する窪田のオドオドした小心ぶりもリアルです。でもこの映画に関しては、江上、筧の姉妹の凄さでしょう。

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江上敬子がその「柄」に加えて、ちゃんとした演技者としての迫真の芝居を見せていたのに驚きました。微妙に芸人としての陳腐な芝居が顔を出しそうになる直前で、吉田監督が抑制していった感じがします。 筧美和子は、本人を思わせるような役柄(失礼!)を、これまたきっちりと演技しており、悪くなかったです。ただ怒る芝居は、4人の中で一番迫力不足ではありましたけどね。

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まあとにかくラストが示すように(ポスターなどのビジュアルも示しているように)、「顔」の映画でもあるのでした。4人それぞれの面構え、なかなか見事なもんでしたよ。そもそもあのラストも、一筋縄ではいきませんでしたしね。

コンプレックスに関するえぐい考察の映画であり、更には兄弟(姉妹)って面倒くさい、肉親だからこそ面倒くさいってことを、吉田恵輔流のブラックユーモアで描きました。大江戸はやっぱり好きです、この監督。

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2018年2月10日 (土)

「RAW ~少女のめざめ~」:ザ・トンデモ怪作

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映画『RAW ~少女のめざめ~』は、想像以上の怪作。いやー、これはかなりなもんです。結構だまされたというか、こういう映画だとは思っていませんでしたね。終映後の客席の微妙な空気からも、多くの観客が同様の感想を持ったものと思われます。間違ってデート・ムービーにしちゃったらダメな映画の典型です。

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で、本筋とは関係ないんですけど、この主役の少女(ギャランス・マリリエ)、上白石萌音に顔のタイプが似ております。 もひとつ関係ないんですけど、フランスの大学ってあんなにバンカラっていうか野蛮なんでしょうか? 獣医学部なのに(だから?)、えらく体育会系っていうか、この1年生=奴隷、上級生=神様 的で、このいじめのトゥー・マッチな野卑さって、いったい何なんでしょう?(『アニマル・ハウス』?)

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とにかく観てるうちに予想できない展開となって行きます。こんなヘンな映画、なかなかありません。ザ・トンデモ映画です。シリアスなドラマでもあり、コメディーでもあり、ホラーでもあり、ミステリーでもあり・・・と、多面的な性質も持っています。ラストなんかほとんど笑っちゃいそうですけど、それまでの伏線を回収する見事さもありまして・・・。 フランスの女性監督ジュリア・デュクルノー、やりますねえ。次回作もどんなヘンな事やってくれるか、注目です。

360731_002『ネオン・デーモン』と2本立てにしたくなるような(滝本誠さんも大喜びしそうな)変態カルト作でありますねえ、つくづく。 観た後に、お肉やウィンナーを食べることがためらわれる映画でもあるのでした。

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