2019年6月17日 (月)

「町田くんの世界」:善意でゴー!   #町田くんの世界 #石井裕也 #細田佳央太

366853_001 映画『町田くんの世界』は、石井裕也監督が原作マンガをけっこうアレンジして作ったというコメディー&ファンタジー。善意に満ちた愛すべき作品に仕上がってました。

この人間離れした善意のモンスター「町田くん」の、とんでもない言行の数々が人々を巻き込んでいくさまが最高におかしいのです。やっぱり石井裕也はコメディーの人なんだと思います。とにかく笑えます。

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そしてオーディションで選ばれた新人の細田佳央太くんがまたピッタリで(長谷川博己を若くしたような顔)、説得力のある町田になっています。ピュアで一所懸命なところがナチュラルにハマってます。

でも、ヒロイン役の関水渚(こちらも新人)さんに華がなくてねえ…。ここはもっと、サムシングのある人に演じて欲しかったところです。

それにしてもなぜ前田敦子(27歳)、岩田剛典(30歳)、高畑充希(27歳)、太賀(26歳)が高校生っていうトウの立ったキャスティング?? 主人公二人のピュアネスを際立たせるため? ちょっと謎です。

366853_010 (以降ネタバレあり) 風船による飛行のクライマックスは映画オリジナルだそうですが、うーん、どうでしょう? 応援したい表現の冒険でありますし、そういうことはあってもいいと思うのですが、最終的にはあまり成功していないって感じ。ちょっと残念。

でも、それ以上にチャーミングな所が多い作品なので、オッケー。みんな観た人は町田くんを見習って、善行に励めばいいのにね。そしたら世の中良くなるのに。←ピュア 現代のフランク・キャプラなのかなあ。

それにしても、ズボンのわたり(幅)が広いぞ、町田くん! 

 

 

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2019年6月15日 (土)

「ウィーアーリトルゾンビーズ」:奇抜な映像を超えて心に響く  #ウィーアーリトルゾンビーズ #長久允

366367_005 映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』は、ナメてたら、いやいやどうしてマジ優れた作品でした。外見から判断して、騒々しいアマチュア的脱映画の実験かと思ったらさにあらず、周到で緻密なプロの仕事なのでした。新しい時代の映画であり、かつ普遍的な芸術にもなっているのでした。ちょっとびっくりです。デジタル・ネイティヴ世代のヌーヴェルヴァーグといったところでしょうか。

そもそも両親を(事故やら殺人やらで)喪った4人の子供たちの物語ですが、何そのシチュエーション? でも、それを記号的に乗り越えて、映画として成立させています。死の扱いとかはやけに不謹慎です。でもそれは周到な狙いですから。そこらのヤバさゆえに、時代を切り裂く作品になっていると思います。

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不謹慎といえば、この子らの言動のいちいちが不謹慎なんですけど、それは「反抗」であり、反抗こそは映画の新時代を更新し続けて来た原動力ですからね。うーん、デジタル・パンクだ。あえて時代遅れのビット数の少ないレトロゲームをモチーフにしてるあたりも、狙ってパンクです。

でも映画作品としてのクォリティはしっかりしていて、映像、色彩、衣装(writtenafterwardsの山縣良和)、音楽などみんなMVばりに凝ってます。長久允監督は電通でMVなんかも作ってたそうですからね。

366367_002だからか、同じCM出身監督の大林信彦の初期作品(『HOUSE ハウス』とか)や市川準の『ノーライフキング』を思い浮かべたりしてしまいました。ひとつひとつの映像の凝り方、クォリティが、その出自を表しているのです。しかも、奇抜な意匠だけの無機質な作品になっているのではなく、ちゃんと心に響く作品になっています。ラストのあたりは結構感動させてくれますよ。虚無からハートフルへ。

あの曲もなんだかクセになりますねー。

 

 

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2019年6月12日 (水)

「アメリカン・アニマルズ」:犯罪は割に合わない   #アメリカン・アニマルズ #バート・レイトン

367188_007 『アメリカン・アニマルズ』は、風変わりな犯罪映画。実話だそうです。しょーもない大学生たちのしょーもない計画犯罪をドラマとして描きながら、随所に実の犯人たち(服役を終えた後の姿)が事件を回想する映像が入って来ます。え?この人たち、顔出ししちゃって大丈夫なの?とか、いろんな事を思っちゃいますよね。

 

古典的な芯を持ちながらも、外見はかなり新しい、今の時代性をまとった作品です。いつの時代も若者はバカ…ということが言えるのでしょうし、その無様な顛末を『現金に体を張れ』から『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ』シリーズまでを引用しながら描き出します。

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アメリカン・ニュー・シネマ的感覚もあるなあと思いました。このアンチ・ヒーローズを目指しながら、全然そうなっていない連中のリアルさや情けない結末に、その青春の苦悶に、ニュー・シネマの皮肉や切なさが香ります。

一方では、非常に教育的な映画にもなっています。つまり、「犯罪は割に合わない」ってことをひしひしと実感できるような作品なのです。犯罪なんて、なかなか成功するもんじゃないんだなあとか、仮にうまく行ったとしても犠牲にするものが多過ぎるんだろうなあってことが、こんなに体感できる作品も珍しいでしょう。犯罪前後のデスパレートな精神的重圧の大きさをこのように描いてくれるなんて…。

367188_001 長編ドラマ初監督だというバート・レイトン監督は、確かに才能があると思います。ただ、その才能をもっと生かせる作品がありそうな気がしますし、そういう作品と巡り合ったら大化けするかも知れません。

 

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2019年6月10日 (月)

「ガルヴェストン」:監督のセンスとエル・ファニングの笑み   #ガルヴェストン #エル・ファニング #メラニー・ロラン

366493_005 映画『ガルヴェストン』は、ごひいきエル・ファニングの主演作ということのみならず、あの美しいメラニー・ロランの監督作でもあるってことで、観に行きました。昔から何度も繰り返されて来た「少女娼婦救出もの」と言えるかもしれません。『タクシードライバー』とか昨年公開の『ビューティフル・デイ』とか。娼婦じゃないけど『レオン』に似た空気もあります。

メラニー・ロラン監督の演出は、かなり荒々しくハードでもあり、でも場面によってはとっても抒情的。映像的にも実に映画的な良い絵が撮れています。終盤の長回しなんかも、なかなかのものです。センスがいいんです。

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でも最高にイケてるのは、やはりエル・ファニング。思わずパンフレットを買っちゃうぐらいステキでした(パンフレット自体、半分はエル・ファニング写真集といった趣き)。まあ演技的には、『夜に生きる』『ネオン・デーモン』あたりの方が凄かったけど、ケバいメイクの表情とほぼすっぴんの天使の表情の両方を拝めるってのは、なかなか価値がございます。 (以降少々ネタバレあり) ラストで赤いドレスの彼女が浮かべるイノセントな「笑み」は、 映画史上でも最高に魅力的な「笑み」の一つではないでしょうか。

366493_004 監督自身が「ジャンル映画」だと明言しているのですが、それこそジャンル映画の良さを持っているのが値打ち。往年の高倉健さんが主演でもいいような作品なのです。古い革袋に新しい酒を入れたような。

(以降ネタバレあり)それにしても、ベン・フォスター演じる主人公の「早とちり」が発端になっているわけであって、考えてみると結構マヌケな話だったりもします。でもそういう瑕疵を上回るだけの美点があるのです。嫌いにはなれない作品です。ラストもエピローグ的な味があって、良いではありませんか。

 

 

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2019年6月 8日 (土)

「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」:人を描く、知を描く   #ニューヨーク公共図書館 #エクス・リブリス #岩波ホール

366029_001_1 映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』は、かのフレデリック・ワイズマン御大による3時間25分のドキュメンタリー。途中で10分の休憩が入ります。キング・オブ・図書館=ニューヨーク公共図書館(NYPL)を描いております。

東京地区では岩波ホールの単館公開で、かなりヒットしている模様。小生が観た回は土曜の昼の回でしたが、満席売り切れとなっておりました。場内には、お年寄りから学生服の女子高生までいろいろ。お年寄りは岩波ホールの定番ですけど、女子高生は図書委員だったりするのでしょうか?また、図書館司書の方なんかも大勢いらしているのでしょうか?

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これ、図書館の内外を描く映画でありながら、図書館の様子だとか利用者の様子だとかは、まあ通り一遍というか、あっさりしたものです。これは予想外でした。じゃあ、何をじっくり描いているのかというと、「人」なんですね。図書館を通して、文化に迫り、その文化を実現させていく図書館関係者のあれこれを描くことで、現代が抱えた多くの問題を浮かび上がらせているのです。人種差別の問題、貧困の問題、デジタル格差の問題…。人が話をする場面、人と人が意見を交わす場面を通して、人間の「知の殿堂」たる図書館というものの存在意義がしっかりと前面に打ち出されるのです。

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ま、でもそういう手法って、大江戸が観たかったものとはちょっと違うんですよね。人、人、人…言葉、言葉、言葉…で疲れちゃうというか、やけに会議やイベントの風景ばかりが多くて、図書館の本来活動の描写が少な過ぎませんか?って感じでした。映画としての興趣や面白味に欠けてるのです。

不意にエルヴィス・コステロが出て来た(館内イベントで)のは嬉しかったですけどね。

 

 

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2019年6月 3日 (月)

「居眠り磐音」:柄本明が凄い!!   #居眠り磐音 #本木克英 #柄本明

365640_003 映画『居眠り磐音(いわね)』は、思った以上にしっかりした時代劇。この春公開された東映の『多十郎殉愛記』(中島貞夫監督)が、ちゃんばら映画の伝統を継承するものだとすれば、こちらは人情味で見せる松竹時代劇の伝統をしっかり継承する作品。衣装、美術などの技術部門から、俳優たちの所作や口跡まで、実に見事に「時代劇」の伝統を受け継いでおりました。いや、本木克英監督を正直なめておりました(と反省)。

人情に訴える「世話物」的な場面から、迫真の殺陣に至るまで、江戸の匂いをしっかりと画面に漂わせています。歌舞伎的です。そういえば、松竹は歌舞伎とは深い縁の会社でしたねえ。

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松坂桃李演じる磐音のキャラクターが立ってます。そして彼の周りの人々も柄本佑から芳根京子から中村梅雀から木村文乃から佐々木蔵之介まで、みんなキャラクターが上手に描き分けれらていて(ここらは原作のおかげなのかも知れませんが)、娯楽映画として非常によく出来ています。はっきり言って『多十郎』よりも面白いですし。

(以降ネタバレあり) それにしても、女房の不義を疑って、確たる証拠も無しにぶった斬ってしまった慎之輔って、とんでもねえ野郎ですね。刀なんていう物騒な物を腰に差してるから、こういうことになっちまうんでしょう。現代アメリカの銃規制の問題と同じことですよね。

365640_007 で、圧巻だったのが柄本明(佑と親子共演です)の芝居!! いや、まいった。コテコテの関西弁を不気味な、超タヌキ親父的なエロキューションで話す台詞の、その緩急! 皮膚病?で赤くただれた汚い顔(もちろん老けメイク)の中で、ギロリと目をむく時のその眼力! いや、凄いものを見せてもらったって感じです。 現代劇だったら、トゥーマッチになっちゃってあり得ない芝居なんですよ。時代劇だから、しかも歌舞伎的世界だから成り立つ芝居(怪演)なんです。ご当人も楽しかったでしょうねー。でも、この境地は余人にはとうてい到達できないものです。大江戸の今年の助演男優賞有力候補です。

完全に撮り直しで消されちゃったピエール瀧の代役を務めたのは、奥田瑛二だったんですってねー。まったく無理なくハマっておりました。

 

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2019年6月 2日 (日)

「長いお別れ」:中野量太の愛すべき家族映画   #長いお別れ #中野量太 #認知症映画

366959_004 映画『長いお別れ』は、認知症をテーマにした上質の作品。中野量太監督は前作『湯を沸かすほどの熱い愛』もかなりの傑作でしたが、本作も甲乙つけがたい素晴らしさです。

認知症を扱った作品としても出色ですが(例えば『キネ旬』ベストワンに輝いた『ペコロスの母に会いに行く』なんかより、ずーっと秀作です。『ペコロス』はなんでベストワンに成れたんだろう?)、それよりもむしろ「家族の映画」です。面倒くささ、わずらわしさも含めての家族の映画。

 

366959_001 役者たちを見事に生かすのも、中野監督の力量。前作で宮沢りえ、杉咲花が出色の出来だったように、本作では山崎努と蒼井優がまずはお見事(まあ、もともとうまい人達ですけど)。そして、竹内結子と松原智恵子もいい味出してます。 ただ、山崎さんは現在82歳なだけに、この父親の70歳の誕生日から始まる7年間という設定には、さすがに老けすぎてました。今時こんな老けた70歳はいねーよ、って感じで。

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何組かの夫婦を描き、何組かの親子を描き、そしておじいちゃんから孫への継承みたいなものも描く、そのエピソードの一つ一つが心優しくて…、これが中野監督らしさなんでしょうね。 いろんな人がいて、いろんな人生や悩みがあって、でもほっこりできて、笑えて、そして泣ける。山田洋次監督が本作をほめていたのにも納得できます。

(以降少々ネタバレあり) ラストが、本筋とは一番関りの薄い孫がらみの場面だったのも、上質な小説の「エピローグ」のようでもあり、いやそれよりもやはり上質の映画の味わいを出しており、素敵だなあと思いました。上等な脚本(中野量太、大野敏哉)です。

ひとつトゥーマッチな表現でバランスを欠いていたのが、終盤の竹内結子・北村有起哉夫妻のからみ。あそこはちょっと残念でしたねえ。

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2019年6月 1日 (土)

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」:怪獣の見せ方がヘタ   #ゴジラ #キング・オブ・モンスターズ

365978_004 第1回ゴジラ検定初級&中級合格者の大江戸としては、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を心待ちにしていたのですが、うーん、ダメでしたねえ。

怪獣の撮り方(見せ方)がわかっとらーん!ってところでしょうか。ほとんどの怪獣登場場面が暗くて、その方がVFXは楽なんでしょうけれど、何だかよく見えません。その上クロースアップが多過ぎるし、カットを細かく割り過ぎるし…と、せっかくの怪獣の素晴らしい、美しい造形がよく見えないのです。時々超ロングショットはあるのですが、そこまで引かなくていいから、もっと適切なフルショットでじっくりと見せてほしいものだと思うのです。

 

365978_007 それとね、このゴジラ、やっぱり造形的にダメっすよねえ。ローランド・エメリッヒ版('98)のトカゲゴジラが先にあったために、2014年ギャレス・エドワーズ版のゴジラ(イコール本作のゴジラ)って、割と評判良かったわけですけど、でもやっぱりゴジラじゃないっすよねえ。いや、ゴジラはゴジラなんですが、「こうあってほしい」というあのゴジラとは別物なんです。 キングギドラには不満が無いし、ラドンなんてむしろカッコ良くなっていると思うんですけど、ゴジラに関してはねー。

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そしてドラマ部分のどうでも良さというか、ありきたりでおざなりな感じが、眠気を誘います。でも考えてみれば、日本版のゴジラシリーズだって、相当にいいかげんなストーリーなんですけどね。

まあ渡辺謙さんが堂々としていたのは、日本リスペクトとしてOK。でもチャン・ツィイーが(清野菜名みたいなさっぱりした感じで登場しておりますけど)やたらと登場場面多いし、クロースアップもやたらと多かったです。これも中国マネーの影響?と思って調べたら、やっぱり製作のレジェンダリー・ピクチャーズが2016年に中国の会社に買収されちゃってました。

伊福部昭のゴジラ音楽を現代的にアレンジしたってのも、この映画には合っております。でもタイトルロールに流れた「正調」の方がやっぱりいいですよねー。アガリます。 そうそう、エンドロールのキャストの中に、ゴジラ、キングギドラ、ラドンが「Himself」としてクレジットされてました。モスラだけは「Herself」になっておりました。

 

 

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2019年5月26日 (日)

「空母いぶき」:健闘してますが、でも…   #空母いぶき #若松節朗 #自衛隊

366076_001 映画『空母いぶき』は、今日ではある程度のリアリティを持って鑑賞せざるを得ないポリティカル・フィクション。架空の某国から領土を侵犯され、武力攻撃を受けたら、専守防衛の自衛隊と日本政府はどうする?というスリリングでヤバいテーマを、娯楽映画大作として描き出します。

序盤からテンポ良く事件というか戦闘というかが進行していき、すぐに佳境に突入。さあ、当事者たちはどういう手続きに則り、使命を遂行していくのか?ってあたりは、『シン・ゴジラ』的と言えるでしょう。ただ政治家たちの動きや発言はかなり紋切り型であり、ダイアローグは全体的にうまいとは言えません。まあ、これは脚本のせいなのか、原作マンガのせいなのかわかりませんけれど。

 

366076_006 もしかして好戦的な右傾映画だったらいやだなあと思っていたのですが、その匂いは残しつつも、最終的には平和と人の命を大切にする映画だったので、一安心。「賢い落とし所」と言えるかもしれません。

自衛隊の艦や武器の機能を見せる描写は、この映画のいちばんのキモ。リアルによく出来ておりました。ただ、同じような戦闘描写が執拗に続くので、しまいには飽きてきましたけど…。そういった意味では後半が全体的に「長いなー」って感じになっちゃってました。

 

366076_008そんな思いを抱かせた二大要因は、1「本田翼と小倉久寛演じる報道関係者の描写」 と2「中井貴一の出て来るコンビニの描写」です。1は、いろいろと「あり得ない」事が多過ぎて、ウソだよなーって思いが沸き起こります。 そして2は、コメディ・リリーフ的部分を入れたかったのかも知れませんが、まったく成功していないし、要りません。 せっかく戦闘描写で頑張っているのに、こういう所で映画がダメになっていきました。困ったもんです。

てなわけで、やっぱり若松節朗監督、今一つ信頼できないなーって感じがもやもや残ってしまいました。来年度最大級の話題作『Fukushima 50』もちょっと不安になって来ちゃうんですが、それを吹っ飛ばすぐらいの秀作だといいですね。

 

 

 

 

 

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2019年5月25日 (土)

「コレット」:大流行「実は妻が作家」もの   #コレット #MeToo #実は妻が作家

367138_004 映画『コレット』の主人公ガブリエル・コレットさんのことを、大江戸は浅学にして知りませんでした。ココ・シャネルやコクトーやサルトルらとも親交があった人なんだそうですけど、ココ・シャネルの本名は「ガブリエル」・シャネル。名前つながりで、知り合ったのかしらん?

これ、昨年末からなぜか大流行?の「夫が作家として大成しましたが、実はずっと妻の私が書いていました」ものの1本。『メアリーの総て』も、『天才作家の妻 40年目の真実』も同じモチーフを扱っています。

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それって、やはり時代の風なんでしょうね。男社会のズルと差別を告発する、もう一つの#MeTooなのでしょう。企画自体は#MeTooの前からあったとしても、そういったテーマが必然として出て来るタイミングだったのです。

それにしても、このご主人、ひどい人ですねえ。現代の目から見ると、男から見たって明らかに悪人といっていいぐらいドイヒーな人なのに、でもなんだかんだコレットとは結構長い間うまくいっていた・・・時代のせいもあるでしょうけど、男と女はわからないものです。

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つまらないわけじゃないんですけど、ウォッシュ・ウェストモアランド(名前がWashですよ! 洗濯屋の息子なのかしらん?)監督の演出が淡々としてて、テンポがスローで、観ていてちょっとじりじりしてしまいました。楷書だけど、そんなにうまくないと言いましょうか…。物語を映画として見せるダイナミックな、あるいは流麗な演出ってものがないんですよねー。

 

 

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