2019年8月24日 (土)

グランドシネマサンシャインでIMAX「ダンケルク」!   #グランドシネマサンシャイン #IMAX #ダンケルク #クリストファーノーラン

_20190823_205644406x594 7月19日に開業した池袋の「グランドシネマサンシャイン」、初めて行ってまいりました。現在国内最上級の設備と内装を誇るシネコンとの評判ですが、小生はまだ足を運んでおりませんでした。ところが、岩手在住の友人(というか先輩)が、ここのIMAX(アイマックス)スクリーンで特別上映される『ダンケルク』を観るためだけに上京するとのことで、「なかなかない機会だから」と合流することになったのです。

Dsc_3722800x450 以前のシネマサンシャインよりも奥まった所にあるビルの上層階(たしか4~12階)にある劇場。エントランスまでにゲーセンを突っ切らないといけないあたりがブクロなんですけど、劇場内は他のシネコンと比べても落ち着いてゴージャスな雰囲気の内装。でも外観は、映画館だということがほとんどわからないようなビルです。もう少しちゃんと看板とかサインとか出した方がいいのでは?

_20190823_205728800x555 館内はブラウンを基調とした、大人っぽいデザイン。クラシカルな部分も多く、そしてエスカレーターの壁面には、映画史を彩った名作映画のポスターがずらり。いやー、いいですね。ただ、最上階のIMAXスクリーンに到着するまでは(エスカレーター移動だと)結構時間がかかるので、時間に余裕を持って劇場に着くようにしてくださいね。

Dsc_37261024x576 IMAXのロビーはガラス窓と天井に囲まれていて、そのガラス天井に映像が映っていて、色や形がどんどん変化していきます。かっけー! でも今回の上映は夜9時からだったのですが、これ昼間はどうなってるんでしょうねえ?

 

_20190823_205841800x563 で、『ダンケルク』。公開時に2回観ております(2回目はTOHOシネマズ新宿のIMAXで)。その時の記事はこちらの二つ↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-d4f0.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-1b4f.html

大江戸の2017年洋画ベストワンでした。

そして3度目の『ダンケルク』。いやー、ぶっとびました。凄かったです。スクリーン、でかっ!! 以前新宿高島屋の上にあったIMAXシアターと同じぐらいの巨大さです。 音響すごっ!! 爆撃音や音楽の重低音が座席から体からビンビン迫って来ました。

_20190824_005544 そして、床レベルから高い天井まで目いっぱいに高さを使った映像! これぞIMAXの魅力ですね。中ほどの席で観ましたが、目を見開くほどの映像の大きさでしたし、ややや縦長?と感じるほどの(インスタみたいな)ほぼ正方形の画面。この比率の巨大映像ってのは、なかなか拝めません。新鮮です。大スクリーンだろうが、小スクリーンだろうが比率は同じなんですけど・・・でも、この巨大スクリーン上映を体験してみると、違うんですよねー。物理的な大きさが生む効果ってのも、確かに存在すると実感できます。もし、『ダンケルク』をスマホで見てどうのこうのいう奴がいたら、ぶっ飛ばしてやりたいですね。

とにかくこの上映形態と上質な設備が、『ダンケルク』の魅力を倍増させていました。クリストファー・ノーランは、これこそを狙っていたのですね。細かい細部まで鮮明な映像に驚きましたし、海の大きさ、空の大きさをここまで感じさせてくれる映画って、歴史上初めてのことでしょう。ますますもって、「戦場に放り込まれたような」リアルな体験ができる映画になっていましたし、実際(3回目なのに)ドキドキ緊張したり不安になったり怖くなったりしました。

そしてすべてのショットが豊かで上質で見事です。普通の映画とはレベルが違います。やっぱり21世紀で一番優れた映画なのではないかなあ。映画を超えた体験でもありました。エンドロールが終わった時に拍手が起きましたし、大江戸も力いっぱい拍手しました。いやー、来て良かったです(誘っていただいて感謝)。

このIMAXスクリーンで、屋外ライブの映画とか観たいですねー。音がいいし。(今度アップリンクでリバイバルされる)『TOMMY トミー』なんかも、本当はここで観たいです! あと4K映像で、スポーツのパブリック・ビューイングとかも良さそうですよね。

 

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2019年8月22日 (木)

「イソップの思うツボ」:『カメ止め』と比べちゃダメだけど   #イソップの思うツボ #上田慎一郎 #井桁弘恵

367960_002_20190822223701 映画『イソップの思うツボ』は、『カメラを止めるな!』で一世を風靡した上田慎一郎監督が、『カメ止め』の助監督とスチール・カメラマンを共同監督に起用して3人で撮った87分の作品。脚本は上田監督のオリジナルなので、彼の新作と言ってよいと思います。3人で撮ったと言っても、オムニバス形式ではなくて、一つの物語の共同監督。『カメ止め』の撮影開始よりも前から、3人の共同監督作としてプロット作りが始まっていたそうです。

やはり低予算で、無名キャスト中心ですが、本作には佐伯日菜子とか河瀬陽太とか渡辺真紀子とかが出演しております。そこがややメジャー。でも、佐伯さん久々に見たけれど、顔の形やらスタイルやらは昔のまんまに、シワだけ増えたような感じでした。彼女も42歳で、大学生の娘の母親役をやる年齢なんですねえ。

 

367960_007 この作品も映画の構成に(語りに)多くのトリックが仕組まれております。上田さん、ずーっとこの路線で通すのかしらん?(それは難しいのではないかしらん?) 伏線を巡らせて、途中で別の角度から描いて、ひっくり返して、更にもう一段ひっくり返して…。

まあ、そうは言っても『カメラを止めるな!』の時ほど、驚きも感動もしませんでした・・・って、それは当たり前っていうか、『カメ止め』を比較の対象としちゃあダメでしょうね。勝てっこないですもん。途中までは、なかなか健闘していたと思いますよ。

 

367960_009 (以降少々ネタバレあり) で、この映画、2/3近くが終わったところでようやくメインタイトルが出るので、ぶっとんでしまうのですが、それ以降が今一つだったんですよねー。トーンが妙に暗くなってしまうし、それを娯楽映画としての絶妙な着地点に持っていけなかった感じ。結構疑問に感じる事、そりゃないんじゃない?と思うことも多々ありまして…。

で、収穫はサオリン役の井桁弘恵(「いげた」かあ。珍しい苗字ですね)。えらくかわいかったですよ。ゼクシィガールだったそうです。今後、更なるブレイクの可能性ありと見ました。

 

 

 

 

 

 

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2019年8月21日 (水)

「ライオン・キング」:いのちの継承   #ライオンキング #サークルオブライフ #ジョンファヴロー

Main_20190821222901 映画『ライオン・キング』は、’94年のアニメ版から四半世紀を経過して作られた実写版というか実写風CG版。技術の進歩ってスゴイですねー。本作と同じジョン・ファブロー監督の『ジャングルブック』('16)を経て、ここまで完璧なものが作れるようになったのです。小さい子たちは、動物たちが普通に人間の言葉をしゃべるんだろうなって刷り込まれちゃいますよね。いやー、お見事な技術力です。

でも実写版で吹き替えによって会話することの違和感ってのも、大人だと感じちゃいますよね。大江戸も最初のうちは、ちょっと気になりました。やっぱりこの領域はアニメに任せておいた方が良いのではないかと。でも観てるうちに、ぜんぜん気にならなくなりました。慣れるんですよね。

Sub04

いくつかのミュージカル的場面もまったく問題なし。でも『ハクナ・マタタ』の場面なんかはアニメ版の方が面白かったかな。実写にしちゃうとよりリアルになっちゃうので、物語の性質上あまり笑いの要素を持たせにくくなったのでありましょう。

それと実写になって妙にリアルで困っちゃったのが、木の中にいる虫たちをおいしそうに食べる場面。虫たちがなまなましくウニョウニョしていて、ちょっと正視できませんでした。

 

Sub01 今回足された場面の白眉は、シンバの毛が紆余曲折を経て呪術師の元に届くまでの場面。食物連鎖の考えも入れ込みながら、見事に映画的な感銘にまで持って行きました。

そう、やはりこの作品のテーマは、「継承」であり「いのちのバトン」であり、つまり『サークル・オブ・ライフ』なのですね。アタマのシーンとラストシーンの感動的な対照で、それを示す力強さ(あの音楽の高鳴りによる盛り上げ!)もさすがなのでした。

 

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2019年8月20日 (火)

「アンダー・ユア・ベッド」:高良健吾のヘタレぶりが!   #アンダーユアベッド #高良健吾 

367453_002 映画『アンダー・ユア・ベッド』は、特殊な設定が興味深い作品。「覗いてみたい。このままずっと-」という広告コピーとこのタイトルからわかるような物語です。つまり、『人間椅子』とか『屋根裏の散歩者』とかの江戸川乱歩的世界を想像して行ったら、かなりの部分で当たってはおりました。

ただもちろんそれだけじゃなくて、人生ずっと透明人間のように無視されてきた男の物語であり、加えてストーカーの要素やDV夫の話を持ちだしてきたりもしています。で、乱歩作品の線だったら、主役は当然醜男でなきゃいけないんですが、本作の主演は高良健吾。いい男過ぎます。そこにまずひっかかるのですが・・・

 

367453_003 でも、高良くんもできるだけイケメン・オーラを消して、静かにオドオドと情けない奴を演じています。もう中盤以降のヘタレぶりには、「おまえもうちょっと頑張れよ!」と言いたくなるほどです。

とは言え、考えてみたらこれを醜男が演じていたら、誰も観たくない映画になっちゃいますよね。それに監督は女性(安里麻里)だから、そんな見苦しいものを作りたくはなかったかもしれません。

 

367453_001 でも、この監督、性描写にしても暴力描写にしても、妙にナマで男性的なのです。女性監督だということを忘れてて、エンドタイトルで思い出して、ちょっと驚きました。やっぱり男とか女とかで決めつけるべきではなく、あくまでも一人一人の持ち味ってことですよね。

残念なことに、脚本(原作のせいもあるのかも)はかなり雑で、ツッコミ所が次々と。色々と納得しかねることが多過ぎます。まあ成功作とは言い難いと思います。なので、どうせならもっと振り切ってもらいたかったなあ、と勝手に思ったりいたしました。その難しいコントロールに成功したら、このキワモノの中から「純愛」が立ち上がったのになあ、と。

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2019年8月16日 (金)

「凪のお暇」が面白い!   #凪のお暇 #なぎのおいとま #黒木華

TBS金曜のドラマ『凪のお暇(なぎのおいとま)』、今日で第5話まで終了しましたが、いやー、面白いですねー。原作マンガは全然見てませんが、ここ1~2年のドラマで一番面白いのでは?(自分が見てる狭い範囲内ですけど) 脚本も演出も、細やかに大胆に、行き届いてます。

とにかくキャスティングが絶妙。うまい人が揃ってますし、役者が男も女も大江戸の好み。黒木華、高橋一生、中村倫也、市川実日子、吉田羊、唐田えりか--これだけごひいきさんが揃ってるドラマってのもありません。そして、それぞれに持ち味を出したり、持ち味じゃないものを出したりして、とってもいいんです。小学生の白鳥玉季ちゃんも、おばあちゃん役の三田佳子さんもいいですもんね。

黒木さんは最高にうまいし、この変わった主人公をリアルに&魅力的に生きてます。それはそうと黒木さんの口が「v」型になる表情がしばしば出て来るんですけど、これ原作マンガにもある表情のようですね。よくあそこまで「v」字型になるものです。 高橋一生の髪型とかも、再現度高いです。

(以降少々ネタバレあり) 初回に「あの好男子=高橋一生が、すっごく悪いヤツ!」と思ってたら、その後の情状酌量すべき展開があったり(それでもムカつくひでーヤツなんですが)、「最高にやさしい中村倫也」が実は…だったりとってことに代表される様に、いろいろとキャラクターをぶっ返してきます。市川実日子や三田佳子のキャラクターも、ひっくり返しましたもんねー。そして注目は、今後の唐田えりかの展開。映画『寝ても覚めても』で、衝撃的なぶっ返しを見せてくれた彼女なんで、今からドキドキしてしまいます。

宣伝してるわけじゃありませんが、未見の方はParaviでどうぞ。

 

 

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2019年8月13日 (火)

「メランコリック」:意外にバディ映画&ハートフル   #メランコリック #映画メランコリック #銭湯映画

368179_003 映画『メランコリック』は、第二の『カメ止め』(カメラを止めるな!)とか言われているそうですね。作品のタイプは全然違うし、きっとあそこまでの大ヒットにはならないのでしょうけれど、全くの無名スタッフ&キャストが日本映画に風穴を開けるようなチャレンジングな作品をものにしたという意味では、確かに近いものがあります。

確かに役者たちが素人っぽいと感じてしまうことは避けられません。最初のうちは「この役は、本当は浅野忠信にやらせたかったんじゃ?」「こいつは小栗旬?」「この子は夏帆でどうでしょう?」」などと思って観ておりましたが、観ているうちにだんだん気にならなくなって来ます。そして、最後には全然違和感がなくなっています。これで良かったんじゃん、と(『カメ止め』もそうでしたっけ)。

 

368179_004 銭湯を使ったアイディアが、まずは良いですね。そして日常と非日常の融合も、バランス良くこなしています。決して「そんなバカな」と思わせない脚本&演出の工夫が感じられます。

でもこの作品の最高の良さは、東大卒の主人公=鍋岡と、同僚の松本のバディ感。全く違うタイプの二人が、徐々に心を通わせ、最後には…っていう展開が、じんとさせてくれます。また、松本がいーんだ! 外見はチャラいけど、ほんとにいい奴。そこがまた、沁みます。

 

368179_002 あと、彼女さんもいいんですよ。最初はちょっと自主映画っぽい子だなあとか思ったんですけど、役柄がとってもいい子でねえ。最後には、彼女の聖母のような笑顔に救われる作品になっておりました。

(以降少々ネタバレあり) マニア受けするような殺伐とした方向には行かず、終盤に別次元のハートフルな良さを打ち出して来る・・・何と言っても、そこがこの作品の素晴らしさです。

この主演俳優二人(皆川暢二、磯崎義知)と脚本・監督の田中征爾による映画製作チーム「ワングース」の次回作に、期待してしまいますね。

 

 

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2019年8月12日 (月)

「ピータールー マンチェスターの悲劇」:怒りと意志と   #ピータールー #マンチェスターの悲劇 #マイク・リー 

368110_005 映画『ピータールー マンチェスターの悲劇』は、マイク・リーが史実をもとに作った新作。2時間35分の(彼にしては)大作です。

ただ終盤にいたるまでの2時間ほどは、貧しき民衆と驕れる支配者たちの対比や民衆の暮らしが淡々と描かれて、かなり長く、ともすると眠くなりました。やっぱり2時間ほどに納めるべきだったんじゃないですかねえ。

でも時代劇の形をとりながらも、そのメッセージは現代社会をも貫くもの。資本家と政治家と庶民の構図などは、今もなお変わっていないことがパセティックです。

 

368110_001 さんざん待たされてからのクライマックスである演説会の場面は、さすがに力が入っています。ここから最後までの場面のおかげで映画の評価もだいぶ持ち直したってもんです。ただ、やっぱりマイク・リーはアクションが苦手みたい。そりゃあ慣れてませんもんねえ。

それにしても6万人の聴衆がいたわけでしょ。映画ではとてもそこまで人が多かったようには、撮れていません。そこらもマイク・リーの守備範囲の外もたいな気がしますもんねえ。それで、地声の演説ですよ。当時はスピーカー・システム一切ありませんから。そりゃあ聞こえませんよね(人々が「聞こえない」と言ってる場面もありましたが、本当にムチャですね。何割の人に届いていたのか?)

368110_004 クライマックスからラストにかけては、マイク・リーに「怒りの作家」ケン・ローチが乗り移ったかのように、観る者に怒りを感じさせるものでした。この時代に英国の老巨匠二人(ケン・ローチ=83歳、マイク・リー=76歳)が、権力への怒りをむき出しにした映画を撮った事実(本作と『わたしは、ダニエル・ブレイク』)は、重いですね。現代に起こっているあれやこれやに対して、「どうしても言っておきたい。描かねばならない。」という意志と気骨に溢れておりました。

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2019年8月11日 (日)

「アルキメデスの大戦」:背骨の通った良質娯楽作   #アルキメデスの大戦 #山崎貴 #菅田将暉 #田中泯

366009_002 映画『アルキメデスの大戦』は、予想よりもずっと面白い娯楽映画であり、反戦映画でありました。予告編を見た限りでは、こんな映画だとは思いませんでした。(以降少々ネタバレあり) もっと戦闘シーンも随所に散りばめられた作品かと思ったら、なんと冒頭の5分かそこらだけ。後はずっと、資料探しや計算や会議の繰り返しでできている映画。それでも、メッチャ面白いんですよねー。 

でも戦艦大和の沈没に至る激闘=本作唯一最高のスペクタクル(見事なクォリティのVFXでした。さすがは山崎貴監督!)を冒頭に持って来たもので、映画館に遅刻してきた人は観ることができません。はい、残念でした。遅刻したあなたが悪いんです。残念だと思ったら、もう一度鑑賞してくださいね。 話変わるけど、映画の場合は「鑑賞」って言葉があるのに、近年ビデオや動画の影響なのか「視聴」と言う言葉が結構幅を利かせております。いやだなあ。やっぱり映画は「鑑賞」でないとね。

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マンガが原作だとのことですが、滅法面白い物語です。菅田将暉演じる数学の天才が見事にキャラ立ちしていて、その変人ぶりと一途な行動が観る者を惹きつけます。菅田くんだと数学の天才には見えない気もするんですが、じゃあ他の誰がやったらいいのかというと、・・・うーん、なかなかいませんねえ(神木隆之介?ちょっと弱いかなあ)。彼と柄本佑のバディ感が、最初は反発→固い友情へという定番展開ながら、よく描けていて魅力的です。

 

366009_003 クライマックスが会議や方程式だというのもなかなかユニークですが、ここで役者としてはセミプロ的な小林克也が、橋爪功、田中泯、國村準、舘ひろしらに囲まれてる図は凄かったですね。小林さん、恐縮してやりにくかったでしょうねえ。でも、キャラ的に堂々たる軍人の中で彼の小物感が出た方がいい役だったので、これは計算の上のキャスティングだったのでしょう。

その会議後半から後日の場面にかけての田中泯さんのメフィスト的芝居は凄かったです。泯さんの中でも『たそがれ清兵衛』と並ぶキャリアハイの演技では? 助演男優賞ものですね。

キャリアハイは山崎貴監督にとっても同じだと思います。『ALWAYS 三丁目の夕日』(第1作)に並ぶキャリアハイ。娯楽職人として、ハイスペックのエンタテインメントに仕上げながら、しっかりと反戦へのメッセージ、現代日本への警告という背骨を通したのもあっぱれでした。

 

 

 

 

 

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2019年8月 8日 (木)

「パラダイス・ネクスト」:映像とムードだけじゃ…   #パラダイスネクスト #半野喜弘 #妻夫木聡 #豊川悦司

368115_001 映画『パラダイス・ネクスト』は、映画音楽家で監督経験もある半野喜弘による台湾を舞台にしたノワール。主演は妻夫木聡と豊川悦司。100分とコンパクトな作りです。

で、映像は見事なんですよねー。台湾の夜と昼を、その空気を、見事に捉えた撮影(池田直矢)が、映画的で素晴らしいのです。絵づくりにこだわりがありますしね。 でもその一方で、話やドラマやキャラクターがねえ…。

 

368115_004 まあノワールだから、「話はあって、ないようなもの」ってのは普通のことです。でもあまりにも、場当たりで、薄っぺらで、ムードだけで。「らしい設定」と「らしい展開」だけなので、何一つ心に迫るものがありません。妻夫木、豊川ふたりの動きも思わせぶりなだけで、何もしちゃいないし。終盤の妻夫木の号泣場面に至っては、あまりにも薄っぺらで嘘くさいので、しらけるばかりでした。

 

368115_015 予告編にもある、妻夫木が豊川に「楽園って本当にあると思う?」と尋ねる場面なんて、ウソっぽ過ぎて呆れました。なんだ、その青臭さ?

「映像とムードだけで映画作っちゃうと、このように失敗します」という失敗例のような作品なのでした。

 

 

 

 

 

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2019年8月 6日 (火)

「主戦場」:居心地悪さの向こう側   #主戦場 #ミキデザキ

367387_006 映画『主戦場』をようやく観たのですが、愛知県の展覧会のすったもんだがあったためにあまりにもタイムリーになってしまいました。日系アメリカ人のミキ・デザキ監督による従軍慰安婦問題とその周辺を描くドキュメンタリーです。

終始ある種の緊張感と、かなりの居心地の悪さを感じないわけにはいかない映画です。それは自分が日本人ということに起因しているので、どうすることもできません。そしてこの問題を少しずつ理解しながら、その奥にある更に大きな問題を理解できるように作られているので、どうしても暗澹たる気分になってしまうのです。

 

367387_004 制作のマナー(スタイル)としては(新聞で言うところの)「両論併記」的スタンスで描いています。しかしどちらの言うことに信ぴょう性があるのか、どちらの理屈が正当なのか(または、どちらが嘘くさくうさんくさいのか、どちらの理論が破綻しているのか)は、ニュートラルに観ていれば徐々に明らかになっていくので、結局は作家の主張がしっかり表現されたドキュメンタリーになっています(ドキュメンタリーって、そういうものです)。だから本作を非難、攻撃する人々も出て来るわけなのです。

 

367387_001 大江戸自身、本作を観てこの問題の全貌を大局的に理解できましたし、知らないことも多かったので勉強になりました。

いずれにしても、「他人の書いたものはあまり読まない」なんて人が、しかるべき地位にあったりすることに驚きました。他者から学ぶ姿勢、事実を吸収する謙虚さが無い人が、自分の中の思いだけで、あるいは利得のためだけに暴走することほど怖いものはないではありませんか。それを許容してしまう現代日本の体制や社会のありように、胸苦しい塊が胸に残る、でも多くの人が観るべき映画だと感じました。

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