2021年9月19日 (日)

「浜の朝日の嘘つきどもと」:テンポ悪くて停滞   #浜の朝日の噓つきどもと #高畑充希 #タナダユキ #朝日座

1_20210919221101 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県南相馬市にある実在の映画館「朝日座」をめぐる物語(フィクション)。ご当地映画でもあります。

古い映画館をめぐる『ニュー・シネマ・パラダイス』的な側面もあり(邦洋の名作のフッテージも入ります)、一方では「ふらりと現れた風来坊が危機を救う」という西部劇でもあります。なので、大江戸のような映画ファン、映画館ファンなら相当気に入るだろうなーと思ったのですが…

ダメでした。廃館危機の映画館の再建話が、やけに薄っぺらくてつまらない。大久保佳代子のエピソードの方がまだましですが、これにしても大したもんじゃありません。きっと映画愛もあるんでしょうけど、空回りでした。

とにかくカットがやたらと長い、いやになるほど長くて停滞してます。もっとテンポ良く作れないものでしょうか。監督が脚本も手掛けると、切れないでたっぷり撮ってたっぷり残しちゃうことの典型です。そして長回しが何の効力も発揮しておりません。いろいろと残念過ぎます。タナダユキ監督、昨年の『ロマンスドール』では悪くなかったんですけどねえ。

作中でコロナに言及している割には、誰もマスクをしてないってあたりも違和感たっぷりでした。

それはそうと、この館主さんの奇天烈センスの二本立て、体験してみたいものです。「客数が増えた」という真っ当なセンスの二本立てよりも、断然面白そうです。ホントなのかネタだったのか、大江戸がその昔聞いた「三鷹の映画館で、『悪魔のはらわた』『悪魔のいけにえ』『叫びとささやき』の3本立てをやっていた」って話を思い出しちゃいました(あ、『叫びとささやき』ってのは、ベルイマンのザ・芸術映画です)。

 

| | コメント (0)

2021年9月13日 (月)

「スザンヌ、16歳」:ご当人は満足でしょうが…   #スザンヌ16歳 #スザンヌランドン #フランス映画

1_20210913220701 映画『スザンヌ、16歳』は、2000年生まれのスザンヌ・ランドンが脚本・監督・主演を務めたフランス映画。撮影時19歳の彼女が16歳の主人公を演じています。でもねえ、やっぱり16歳と19歳は違うと思うんですよねー、フランス人のこととは言え。そこらの違和感が、どうしてもありました。

さらにはこのスザンヌさん、大して不自由のない自分を中心に世界が回ってる感じ。迫力のあるアゴや男顔が示す通り、「控えめなジャイアン(ジャイ子?)」って感じです。でも、この年頃のソフィー・マルソーやシャルロット・ゲンズブールに較べると可憐さがないなんて書くと、「男目線過ぎる指摘」なんて言われてしまうんでしょうね、今は。

それはともかく、16歳の彼女が恋してしまう35歳の男(舞台俳優)っての、こっちはアリなんですね? ごく自然で、誰もそれを非難する者などいない。恋愛には寛大なフランスらしい物語です。恋愛という名のもとには、大抵の事は許されるわけです。

(以降多少ネタバレあり)もっとも本作は「恋のはじめの日々」を描いただけの映画で、この二人はこれからどうなるのだろう?って所で終わってしまいます。正直「え?ここで終わりなの??」って感じです。そういったあたりも含めて、「私ってセンスあるでしょ。感性優れてるでしょ。」って感じの自惚れが鼻についてしまいます。ご当人は満足なのでしょうが、観る人のことを考えない自主映画と申しましょうか…。

77分で終わってくれたのが、観る側としては不幸中の幸いでした。

 

| | コメント (0)

2021年9月11日 (土)

「鳩の撃退法」:ヘタな謎解きでモヤモヤ   #鳩の撃退法 #映画鳩の撃退法 #藤原竜也

1_20210911234701 映画『鳩の撃退法』は、佐藤正午の小説が原作。大江戸は未読ですが、たぶん小説では叙述的なトリックでしっかり楽しませてくれるのでしょう。でも映画だと、そうはいかなかったようです。映像で全てが明確に見えてしまう映画だからなのか、この作品固有の問題なのかはわかりませんが…。

かなり込み入った話をさばくのに精いっぱいな感じ。まあ、その複雑さもトリックのうちというか、目くらましなのでしょうけれど、終盤の回収場面も特に感心したり驚いたりすることなく、「はあ、これだけですか」って感じでした。回収場面やラストを見ても、なんか明快にすべてがわかったとはいかず、モヤモヤが残りますよね、これ。要するに、語り口というか映画的交通整理がうまくないのだと思います。こういうのをしっかり処理できるレベルの高い職人監督が、今の日本にはあまりいないのかも知れませんね。

そもそもタイトルの「鳩の撃退法」って何? 鑑賞後にいろんなネタバレサイトを見てみましたけど、どうもはっきりしません。ピンと来ません。小説のタイトルだからしょうがないんでしょうけど、あまりにも??ですし、ヒットする映画タイトルとも思えません。鳩、出て来ねーし。

藤原竜也、本作でも相変わらず変です。独特ですよねー、この人。だからモノマネされまくるのでしょう。豊川悦司は、まあ貫禄ですね。そして、土屋太鳳のカップ焼きそばの食べ方が、なかなか勇ましかったのでありました。

 

 

| | コメント (0)

2021年9月 9日 (木)

「東京リベンジャーズ」:キャラクターがみんな魅力的   #東京リベンジャーズ #東リベ #吉沢亮 #山田裕貴 #今田美桜

映画『東京リベンジャーズ』、もともとは観なくてもいいかなと思っていたのですが、本年の実写版映画ナンバーワンとなる40億円超の興行収入となっているってことで、一応押さえておかねば1_20210907134501 と今頃観に行きました。

いやー、想像したよりずっと面白かったです。終始ヤンキーたちが抗争(ケンカ)してる映画がこんなに面白いとは。成功の要因は一人一人のキャラクターがしっかりと魅力的に描かれていること。主人公(北村匠海)とその彼女や弟はもちろんのこと、(どっちかというと)正義のヤンキーたちも、敵対する悪のヤンキーたちも、それぞれに個性豊かで魅力たっぷりなのです。

中でもすっごいオーラを放っていたのは、東京卍會の総長=マイキーー(吉沢亮)と副総長=ドラケン(山田裕貴)。二人ともいつもとはガラリと変わって、キャラクターになり切っています。ドラケンの硬派な魅力もいいのですが、硬軟取り混ぜて、でも底知れないサムシングを感じさせるマイキーは、吉沢亮のこれまでのベストではないでしょうか? さすがは渋沢先生だけあって、上に立って統率する者の大物感や包容力やカリスマ性がしっかり出ているのです(でも、吉沢亮の顔が中居正広に似ていることも発見してしまいました)。

そんな中、サブストーリー的に入っている主人公と恋人(今田美桜)との恋模様も悪くありません。箸休めでもあります。そして、この作品の今田美桜がやたらと有村架純に似ていてびっくりでした。

痛そうなアクションも執拗ですが、アクション監督(諸鍛冶裕太)の功績か、飽きさせずに見ごたえがあります。全体的にウェルメイド。娯楽職人・英勉監督が、安定感のある仕事を見せました。こうなると、続編に期待しちゃいますよねえ。

| | コメント (0)

2021年9月 7日 (火)

「白頭山大噴火」:VFXは凄いんだけど…   #白頭山大噴火 #ディザスタームービー #イビョンホン #半島を出よ

1_20210906140601 映画『白頭山大噴火』は、圧倒的なVFXで見せるディザスター・ムービー。このタイトルを見て、大川興行の芸人「阿曽山大噴火」(阿蘇山ではない)のことを思ったのは、小生だけではありますまい。

冒頭の地震場面から、圧倒的なVFXです。だいぶ過剰なぐらいです(マグニチュード7.8の地震で、あそこまで高層ビルがバタバタ倒れませんって)。でも、すごいスペクタクルです。ハリウッド・レベルと言っていいと思います。日本だと、もっとリアルを追求して、控えめに短めにやりますから。これぐらいの娯楽精神、サービス精神があるから、韓国映画はハリウッドに近いのでしょうね。

でもストーリーは雑。「そりゃあないでしょう」「北朝鮮軍の人たちはどこへ行ったの?」「なんでこんな大事なミッションがこんな2軍チームに託されて、援軍も来ないの?」などなどツッコミ所満載。家族のドラマ、愛のドラマもありきたりで雑でした。

イ・ビョンホンを久々に見たら、かなり遠藤憲一に似てるなーって感じでした。いや、むしろエンケンさんがマイルドになったのでしょうか?それとも ビョンホンに老けが入って、エンケン化したのでしょうか?

それはそうと、このレベルの映像ができるなら、村上龍の『半島を出よ』の映画化もできるでしょうから、日韓合作で作ってほしいですねえ(その昔、製作開始なんてニュースが出たけど、ポシャッちゃったみたいなので)。

| | コメント (0)

2021年9月 6日 (月)

「アナザーラウンド」:酒には飲まれるな   #アナザーラウンド #酒飲みの映画 #マッツミケルセン

1_20210906221301 映画『アナザーラウンド』は、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したデンマーク映画。酔っ払いどもの話なんですけど、デンマークって家の中なら子供でも飲酒が許されるんですってね。エンドロールの最後にも「デンマークでは16歳以上に酒の購入が認められている」とか字幕が出て来ました。

てなわけで、序盤からいきなり高校生がビール飲んじゃあ吐いたり、授業中にみんなの前で相当な飲酒量をカミングアウトしたりしています。そういうお国柄の作品なんだなあって感じです。

で、仕事中に飲んじゃうのは4人の先生たち。これもねえ、ジンなんか飲んでたら、絶対アルコールが匂ってわかっちゃうと思うんですけどねえ。映画とは関係ないけど、そういった意味では今の世の中は飲酒を隠しやすいと思いますよ。①アルコールで手指を消毒するので、匂いがあってもそっちの方だと思う。 ②マスクのおかげで、息が他人に届かない。 ③マスクで顔の赤さがバレにくい。

話を元に戻しますと、「血中アルコール濃度0.05%サイコー!説」という珍学説の実証実験に入って以降の展開は、まあ予想通り。アルコールの善悪についてどっちにも加担しないスタンスでありながら、やっぱり「デンマーク・バイアス」がかかっているので、(アルコールの悲惨も、一応見せておきつつ)最終的にはアルコール・オッケー!ってな結論です。後ろの席で、呑ん兵衛と思われる男性がエンドタイトルで拍手をしていたぐらいですから。一方では、飲酒運転で大切な人を失った人とかアルコール依存症の家族を持つ人にとっては、「ふざけんな!」って映画だよなあなどとも思ったのでありました。

(以降少々ネタバレあり) マッツ・ミケルセンがいい味出してるんですけど、ラストに突如として見事なダンスを披露します。なんと、彼ってダンサー出身だったんですってね。びっくり。これは一見の価値ありですよ。

 

 

| | コメント (0)

2021年9月 4日 (土)

「オールド」:シャマランの大技一本!   #オールド #映画オールド #シャマラン 

1_20210904233701 映画『オールド』は、M.ナイト・シャマラン監督久々の出来の良い作品。大江戸が思うに、2004年の『ヴィレッジ』以来17年ぶり(!)ではないでしょうか?

ワン・アイディアのミステリー・ゾーンですね。大きな謎で全編を引っ張り、最後に(今回はドンデン返しではありませんが)意外な展開を用意するという作劇で、まったく飽きさせません。大技で「一本」が決まった感じです。そして、その中にうっすらと「人生とは?」みたいな哲学風味をまぶしてあるのです。ま、人生を考えさせる「時間SF」の変型判だとも言えるのでしょうね。ちょっと感動させるシーンもあります。でもその一方で、「ギャグですかい?」って感じのバカバカしい場面もあるあたりがシャマラン先生ですねえ。

脚本も演出も、娯楽作としてはまあ申し分ない出来です。ツッコミ所が多いのは、シャマランなんで許しましょう。例によってシャマランご本人も出演しておりました。

(以降ネタバレあり) 最大のツッコミ所は、あの人たちがビーチに入る時には「圧」がかからず、すんなりと行けたこと。おかしくない? それと、ドクターが「マーロン・ブランドとジャック・ニコルソンが共演した映画のタイトル」を知りたがって繰り返していたのは何だったんでしょうか? 大江戸は『ミズーリ・ブレイク』と言いたくてしかたなかったんですけど、それとこの映画の内容がどう結びついているのか、さっぱりわかりませんでした。こっちの「謎」の方が、解けないじゃないですかー。

| | コメント (0)

2021年8月30日 (月)

「子供はわかってあげない」:上白石萌歌が圧巻!   #子供はわかってあげない #沖田修一 #上白石萌歌

1_20210830221801  映画『子供はわかってあげない』が予想以上に素晴らしくて、驚きました。2年ほど前に『殺したい彼彼と死なない彼女』(小林啓一監督)が予想以上に素晴らしかったのと同じぐらいのレベルで驚いて、そして感動しました。これまで沖田修一監督作品って、イマイチの評価だったんです。ゆったりし過ぎていて&オフビートなユーモアが笑い切れなくて、ちょっとかったるかったりして…。ところが本作は、実にステキな夏の青春ものであり、見事な家族の映画であり、少女の成長譚でもあり、いろんな要素を入れながら、どれも満足のいくレベルに仕上げてくれてました。138分を一気に駆け抜ける好テンポの「ネオ沖田」的快作です。

プールの青、海の青、空の青、制服のシャツの白、雲の白、水しぶきや波や砂浜の白。夏のまばゆい光の中、白とライトブルーが基調となっている映像が、爽やかです。衣装もこの白とライトブルーを意識していて、成功しています。

そんな世界で描かれる高2の夏の日々。みずみずしく、ペーソスやちょっとした感動もあって、描写は素直だし、それでいて沖田流のとぼけた笑いも満載だし、いやー、今回は映画として見事なバランスで成功しておりますね。満足しました。笑いました。涙腺にも来ました。ラストの屋上シーンは、名場面として映画史に残っていくことでしょう。

役者たちがみんな素晴らしいのです。細田佳央太、千葉雄大、豊川悦司、古館寛治、斉藤由貴、中島琴音(子役)、それぞれにいい味出してます。 けれど、圧倒的かつ奇跡的に素晴らしいのが、上白石萌歌! いやー、ここまでの味わいを出してくれるとは! まいりました。ショートカットで、やけに頬がふくらんでいる顔型をしっかり露出させながら、現在21歳、撮影当時19歳だったという彼女が、高2の女の子の輝きを見事に発しています(決して熱演などはせずに)。相米慎二が薬師丸ひろ子を使って、少女の内面からの輝きを画面に定着させた、そんな感覚です。大江戸的には、今年の主演女優賞候補です。 

物語の重要なファクターとなる(架空の)アニメ番組『魔法左官少女バッファローKOTEKO』を、本気で作って、オープニングからたっぷり見せたりもしています。そこらのしっかりした作り込みと情熱が、映画のクォリティ・アップに貢献しています。そういった意味では、撮影(芦沢明子)も美術も衣装も脚本も演出も…みんなレベルが高いのです。そして撮影と言えば、序盤と終盤に学校の階段をずーっと降りる長回し、ずーっと昇る長回しがあって、その躍動感、スピード感も見事。それ以外の長回しも、それぞれに効果的でした。そんな所にも、相米慎二の十代少年少女映画を思ったりしたのでありました。

 

 

| | コメント (0)

2021年8月29日 (日)

「ドライブ・マイ・カー」:良作以上傑作未満   #ドライブマイカー #濱口竜介 #村上春樹 #西島秀俊 #ワーニャ伯父さん

1_20210829223801 映画『ドライブ・マイ・カー』は、前作『寝ても覚めても』が大江戸のその年のベストワンだった濱口竜介監督の新作だし、カンヌ映画祭をはじめ評判は高いし、大江戸は村上春樹のファンでもあるし、ってことで期待ヒートアップ気味で観ました。何しろチェーホフの『ワーニャ伯父さん』を、予習として読んでしまったぐらいです。

確かに素晴らしい作品でしたし、あの短編がこういう風に濱口映画になるんだなあって感じに翻案されておりました。でも、『寝ても覚めても』や『ハッピーアワー』に較べると、理詰めに計算された感じが強過ぎて、アラはないんだけど衝撃や深い感動は少なかったんです。あくまでも小生の中で、ってことですけど。

ワンカットごとの完成度は非常に高いと感じました。撮影監督の四宮秀俊の見事に映画的な絵が、作品のクォリティや緊密さを支えてくれています。もちろん役者たちの演技も素晴らしいです。西島秀俊、三浦透子、岡田将生は誰もが称賛しておりますが、大江戸的には、『ワーニャ伯父さん』でソーニャを演じたパク・ユリムに感銘を受けました。清楚で感じが良くて、一所懸命に生きている人の美しさがにじみ出ておりました。彼女が(手話で)西島と演じた『ワーニャ伯父さん』のラストは圧巻でした。感動しました。

あと、西島をはじめキャストたちの「喪失感を抱えた」感じと、下世話な生活感がない感じが、いかにも村上春樹作品の登場人物でした。中でも西島の妻を演じた霧島れいかは、いかにも村上作品に出て来る女性の顔です。小説だけど、絶対にそういう顔なんです。と思ったら、彼女はトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』にも出てたんですって!(全然覚えておりませんでした。)ほら、やっぱり村上作品的な顔なんですよ。

広島のゴミ焼却所の映像は、なんか良かったなあ。なぜなんだろう? それが映画ってもんかな。 一方で、ラストの韓国シークェンスの意味はよくわかりませんでした。ああとかこうとか想像はできるんだけど、あまりにも観客の想像力に委ね過ぎでは? もう少し観客を導くためのヒントが欲しかったですね。

本作のオープニングタイトルは、物語が進行して45分ほどたったところで出て来ました(もうオープニングじゃないけど)。2時間59分の作品とはいえ、大胆にやってくれましたよね。車の走る映像にかぶせて「西島秀俊」と出て来た時には、何が起きたのかと一瞬驚いてしまいました。

| | コメント (0)

2021年8月28日 (土)

「シュシュシュの娘」:志は良いのですが…   #シュシュシュの娘 #入江悠 

1_20210829000801 映画『シュシュシュの娘』は、入江悠監督がコロナ禍により仕事を失った映画スタッフと学生たちを集めて作り上げた「自主映画」。製作資金はクラウド・ファンディングで集めたそうです。そして上映するのは、コロナ禍で苦しんだ全国のミニシアターです。

基本的にゆるいコメディなのですが、公文書改ざん問題や移民(外国人)排斥問題などを正面から取り扱っています。地方都市での移民排斥問題は、まさに入江監督が『ビジランテ』で取り上げたテーマであり、『ビジランテ』がハード・バージョンだとすると、こちらはソフト・バージョンです。

ソフトと言っても、市長をはじめとする市の組織ぐるみの「悪」、自警団的な「悪」の嫌な感じはリアルです。(以降少々ネタバレあり) そして、そいつらに下される正義の鉄槌。この痛快さ(地味ですけど)は娯楽映画ならでは。ただ、そこにはリアリティがないんですよねー。そもそも忍者ですし、吹き矢ですし。それに、もっと彼女の進化の過程を絵で見せていかないと。どうもそこらは、絶妙のバランスでまとまるとまでは至りませんでした。志は良いのですが、完成度はちょっと…という映画でした。

途中から『シュシュシュの娘』という不思議なタイトルの意味はわかるのですが、でもこの作品の場合、「シュシュシュ」じゃないでしょー。「ヒュヒュヒュ」あたりでしょー。手裏剣じゃないんですから…。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧