2008年6月24日 (火)

原研哉の「白」

080623_21030001 原研哉の新著「白」(中央公論新社)を読みました。名著「デザインのデザイン」(サントリー学芸賞受賞)同様、真っ白なカバーに必要最小限の文字。中のレイアウトもほとんど同じですが、今回は巻末に英文翻訳がまるまる載っていて、縦組み横組みを利用した「両開き」の作りになっていて、その間に参考図版の写真が位置しています。それで1冊におさまるくらいなので、本文は約80ページと極めて短いです(すぐに読めてしまうので、すぐさま2度目を速読したぐらいです)。

しかしそこに展開される論考の深さ、的確な事例の選択、日本文化の中の「白」を縦横に論じる筆者の博覧ぶりと端正な文章には、「この人、デザイナーというより学者か評論家みたいだなあ」と思ってしまいます。

冒頭部分で著者自信が言及している谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」への返歌--それがまさにこの本のポジションでしょう。翳=黒の対称点としての「白」を、日本文化の本質として解き明かしていくその手つきは、科学者のそれのようでもあります。

長谷川等伯の屏風に関する章で、著者の「一双」と「一隻」の勘違い(誤植?)が何ヶ所かあったように思うのですが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 3日 (火)

「SWITCH」のふかっちゃん

080603_21430001 今号の「SWITCH」の特集は『女優の佇まい』。メインは深津絵里さまです。撮影に当たっては、スタイリスト、ヘアメイクがつかず、自前の黒い服とほとんどノーメイクです。「(映画やドラマのプロモーションではなく)今回は私自身を取材したいということを聞いていたし、そういうお話なのに、いろんなものが加わって見えづらくなるのは違うかなと思って。」だそうです。さすがです。大江戸も見た舞台「春琴」の話が中心のまさに女優論インタビューと記事でした。 他に永作博美、木村多江、麻生久美子、蒼井優と、さすがは「SWITCH」って感じの、旬な人々揃いです。これで真木よう子とか入ってたら、カンペキでした。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2008年4月 4日 (金)

ananの表紙=ふかっちゃん

080404_00030001 わーい、今週号の「anan」、ふかっちゃんだー! あいかわらずソバカス多いなー。 「男が愛しやすい女vs愛しづらい女」特集で、深津さんは“愛しやすい女性の象徴的存在”だそうです。 買っちまいましたよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月 2日 (金)

「佐藤可士和の超整理術」読みました

071102_00240001 あまりにも売れていて、書店によってはランキング1位になったりもしているので、買ってみました「佐藤可士和の超整理術」。 原研哉さんの名著「デザインのデザイン」を髣髴とさせる真っ白な光沢紙に黒い文字のみのシンプルな装丁。嵩高紙221ページで、当たり前のことが読みやすく書いてあるので、本代がもったいないほど速く読めちゃいました。そういった意味では、物足りない内容です。ある意味、こんなにヒットしちゃったのが不思議。 まあ「超整理術」というよりは、添えられた英文タイトルの“Ultimate Method for Reaching the Essentials”の方が本質を捉えてますね。 とにかく整理して、捨てて、シンプルにするってことなので、読んでみて、「なんだ、こんなことなら知ってるぜ」的な本ではあるのですが、でもわかっちゃいるけどできないんですよねえ。 

ところで、本文中で何度か「難度が高い」とか“難度”って言葉が出てきましたが(しゃれではない)、可士和さんの使い方は正解。近頃、「難易度が高い」とか間違って使う例があまりにも多いもので、すがすがしいです。“難易度”ってのは、『難易度別』とか『難易度によって』とかの用法は正しいけれど、“難度”と同じ使い方で誤用している人の多いことよ・・・。困ったもんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月29日 (月)

長距離走者ハルキ

071029_23410001 村上春樹の新著「走ることについて語るときに僕の語ること」を読みました。こんな個人的な覚え書きみたいな本が、そこそこの部数ちゃんと売れてしまうところが、春樹さんの凄いところですねえ。かく言う小生もハルキストのはしくれなので、龍さんのは文庫本で読んでも、春樹さんの新作はハードカヴァーで買ってしまうのです。 なにしろ、村上氏のランニングに関する思いと考察と経験のみを記した本なので、長距離ランナーのはしくれとして、共通する部分、首肯する部分も多かったです。 とはいえ十人十色、違う部分は違います。小生はとてもじゃないけど100kmマラソンやトライアスロンに手を出そうなどとは思いません。NYシティマラソンを含め4回のフルマラソンを走った大江戸ではありますが、村上さんのように毎日欠かさず10kmなんてマジメなランナーじゃないもんですから。 それでも小生も、基本的には「最後まで歩かない」ようにしてはいますけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月21日 (日)

「半島を出よ」はやはり凄かった

071021_22460001 一昨年に出版されたときに「これは面白そうだ!」と思いながら、ハードカヴァー上下巻のお値段に恐れをなして買わなかった村上龍の「半島を出よ」がしばらく前に文庫化されたので、ようやく買いました。ぶ厚くて情報量多いので、そうとう長いことかけて読み終えました(もちろんその間にはいろんなものをどっさり読んでるんだけど)。 恐るべき近未来ポリティカル・フィクションであり、リアルな情報と説得力に富んだ巨大なスケールのスーパー・エンターテインメントです。 ハードカヴァーで買ったとしても、十分値段に見合う面白さでした。現代日本への警鐘という意味でも、ぐいぐいと迫って来ます。豊富な資料に基づいた北朝鮮関係の描写の重苦しい怖さ! これを40億円ぐらいかけて、最新のCGIを駆使して映画化したら凄いだろうなあ・・・とか思ってたら、どうも日韓合作で映画化する動きがあるようでびっくり 。『タイフーン』『チング 友よ』のクァク・キョンテク監督が手がけるようです。さて、どうなるのでしょうか。 それにしても小生はずっと「半島をいでよ」だと思っていましたが、なんと「半島をでよ」だったのですね。「でよ」って、なんか語感が悪く頼りない感じだけどなあ。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月21日 (金)

うっとり

070921_21010001 キターーーー! ふかっちゃんの(「マキア」の)全面カラー広告。早いもので「マキア」も創刊3周年ですね。 地下鉄の中吊り広告もありました。070920_22520001 いいっすねえ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年9月10日 (月)

「神の雫」の続きが楽しみ

070909_09070001 以前から気になっていた大ヒット・ワイン漫画「神の雫」を現在出ている1巻から12巻まで読み終えました。さすがに面白いっす。 過去のワイン漫画「ソムリエ」や「瞬のワイン」と比べても一段優れていますし、“十二使徒”探求の大河ドラマ的大命題が、物語を更に骨太にしています。登場キャラクターもいいですが、何と言っても主人公の雫と、対する遠峰一青のキャラが見事な対比を見せています。星と花形、誠と岩清水、ジョーと力石(古いね、どうも)あたりから延々と続く系譜に則ってますね。 ワインの味や香りが映像となって描写されるあたりが、苦心の賜物でもあり、笑っちゃうところでもあるのですけど、映画「レミーのおいしいレストラン」で評論家がラタトゥイユを食べた時の表現がまさにあの感じだったので驚きました。 11月発売の13巻が待ち遠しいです。

| | コメント (1) | トラックバック (3)

2007年8月23日 (木)

たらこキューピー写真集

070823_23040001 「たらこカメラ ~たらこキューピー写真貼~」(加藤良1/実業之日本社)っていうムフフな本が出ています。たらこキューピーくんたちのロシア旅行写真集です。文は全く無くて、数十枚の写真のみです。ロシアの町で、森で、住宅で、電車内で、公園で、お店で・・・時には一人で、時には仲間たちと、時にはロシアの人たちとフレームに収まるたらこキューピーくんの赤が印象的に映えます(ロシアにもたらされた新しい“赤”とでも申せましょうか)。マトリョーシカと見詰め合うTQ・・・。とにかく、かわいいったらありゃしないです。 以前アーティストの今井アレクサンドルがブースカの人形をいろんな場所に置いて撮影した写真集があって、発想としてはそれと同じですね。それともブームのさ中、生みの親の加藤氏がロシアに行ってみたくて仕立て上げたオイシイ企画だったりするのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年7月24日 (火)

オシムの「日本人よ!」

070724_13130001 新潮社の「日本人よ!」(イビチャ・オシム著)を読んだのですが、本人が書いただけに極めて真っ当なオシムのサッカー論、日本人論になっています。これまで断片的にインタビューや自伝や論評で記されてきた、ともすれば皮肉で一筋縄ではいかないオシムの視点や思考や意見ですが、まとめて語られると意外なほど素直で、非常に客観的で公正なものなのだと気づかされます。小生のようなオシム信者には特に新鮮な驚きは少なく、「うん、そうだよね。いつも言ってることだよね。」って感じですけど、多くの人にとっては日本人論的部分も含めて「なるほど」と思うところが多いのではないでしょうか。

プロローグには「サッカーで起こるすべてが、私の人生では起こってきた。そして、一生涯かけて起こるべきことが、サッカーでは常に短時間で起こっているのだ。」とあります。激動の人生を送ってきた66歳のイビチャの言葉ですから、深いですよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月18日 (土)

BRUTUSの映画特集

061117_23580001 「BRUTUS」最新号の特集が『映画♡ラブ。』です。いろいろと面白い記事がありますが、今回の白眉は宮﨑あおいvs.奈良美智の対談。特に綴じ込みポスターが“映画「ただ、君を愛してる」のメガネ姿の宮﨑あおいを奈良美智が描いた絵”で、これだけでも今号を買う価値は十分ってなシロモノでしょう。061116_17340001_1

あとは大江戸も受けた第1回映画検定の主席合格者も載ってました。51歳のサラリーマンさんで、年間300本以上を劇場で観ているそうです。さすがです。大江戸の倍近くです。その人の2級合格証の写真が載ってましたが(第1回検定では4-2級までしかなかった。第2回から1級ができます。)、ナンバーが01-2-0001でした。つまり第1回検定の2級の1番!なのでしょう。で、大江戸のを見てみると01-2-0028、なるほど28位ですか。悪くないでしょう。今度12月3日に行われる第2回検定に備えて、新しい問題集を買ったら書いてあったのですが、第1回の2級合格者は460人(不合格者1506人、合格率23%)だそうです。だから、なかなかのもんでしょう。えっへん。

| | コメント (0)

2006年10月 4日 (水)

なつかしの名画座文化

061003_23510001 平凡社新書の「東京名画座グラフィティ」(田沢竜次著)を読了。渋谷文化、東急名画座、文芸坐、新宿ローヤル、昭和館、新宿ロマン、並木座、大塚名画座、飯田橋佳作座、武蔵野推理劇場、早稲田松竹etc.・・・ 名前を挙げただけで大江戸などは数多くの映画の思い出が甦る、なつかしの名画座の数々(早稲田松竹は現存してるし、文芸坐は再生したけど)に加え、渋谷パンテオンやテアトル東京など今は無きロードショウ館のことも。 うーん、本来なら小生が書きたかったぐらいの本です。 昔「ぴあ」と覇を競っていた情報誌の「シティロード」なんて名前、久々に目にしました。 「映画の前に池袋西武地下の“スナックランド”で安めし」とか「名画座にはあんぱんがよく似合う」なんて話も、いやー、そうそうって感じで、もろストライクゾーンにはまりましたね。

| | コメント (0)

2006年7月20日 (木)

中谷さんの「松子」日記

映画060720_00510001「嫌われ松子の一生」の撮影日誌を中島哲也監督との猛烈なバトルを通して中谷美紀が書き綴ったエッセイ「嫌われ松子の一年」を読みました。いやー、面白い。原作も映画もそれぞれのベクトルで圧倒的に面白いのですが、このセキララなメイキング・ドキュメンタリー本もかなりのものです。初日から主演女優である中谷さんに「殺してやる」とか言ってる中島監督も異常だが、ついにブチ切れて現場をすっぽかして帰ってしまった中谷さんもなかなか・・・。 ラストに載っている中島監督が27歳の時に考えたという言葉がちょっといい(と中谷さんも言ってます)--『夢を叶えるには人生は短すぎる。しかし、夢を諦めるには人生は長すぎる。』

| | コメント (0)