2026年9月16日 (水)

「燃えつきた地図」(1968年):昭和のハードボイルド    #燃えつきた地図 #安部公房 #勅使川原宏 #勝新太郎 #市原悦子 #ハードボイルド

Manwithoutamap 映画『燃えつきた地図』(1968年)を神保町シアターの特集「女優魂2026」で観ました。本作の「女優」は、市原悦子です。

安部公房原作・脚本×勅使川原宏監督の作品は4本。『おとし穴』(1962年)、『砂の女』(1964年)、『他人の顔』(1966年)は観ておりますが、最終作にあたる本作は初めての鑑賞。高度経済成長期の東京を記録した映像としても、貴重ですね。

巻頭のタイトルとクレジットは英語版(最後の“END”も)。調べたら、どうも日本版が残っていなくて、海外版を使っているようです。地図の等高線をサイケデリックに表現したタイトルデザインは、粟津潔(いかにもですね)。

で、これが実にジャパニーズ・ハードボイルドだったのですよ。勝新太郎が興信所の調査員。まあ、探偵ですよね。で、この探偵に調査を依頼する訳アリのファムファタールが市原悦子。探偵は、社会の裏やダークサイドで様々な人に聴き込みをしたり、ヤバい目に遭ったり、ボコボコにされたりしながら…って、ね、典型的ハードボイルドでしょ。結末が何だかスッキリ解き明かされないあたりも、ハードボイルドなのです。

勅使川原宏は映像ギミックを使いながら、都会の迷宮を描き、そこに現代人の心の空洞を投影させます。そんな空虚な登場人物の一人を演じる渥美清が、寅さんとは全く違う粘着質の暗い男を演じて絶品です。本作は『男はつらいよ』第1作の前年の作品。あの作品がなければ、性格俳優&喜劇俳優として、別の役者人生を送ったのかも知れませんね。

音楽は武満徹なんですけど、ラストの曲がバート・バカラック風で、妙に明るくてミスマッチでありました。

 

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2026年8月19日 (水)

「死ぬまでに観たい映画1001本」読了    #死ぬまでに観たい映画1001本 #1001MOVIES #千一夜物語 

Dsc_41993_copy_738x941 『死ぬまでに観たい映画1001本』(第五版)を全ページ読み終えました。原題は“1001 MOVIES  YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE”。日本版は、カルチュア・エンタテインメント株式会社&ネコ・パブリッシング カンパニーの発行。厚さ約6㎝の、辞書のように重い本です。奥付には2022年9月30日第1刷発行となっており、その年の暮れに買い求め(5000円+消費税)、翌2023年の1月1日から読み始め、ようやくの読了です。

2003年の初版から気になっていた本ですが、改訂を重ねるたびに扱う年代が何年かずつ増えていき(ということは、そのたびに増えたのと同じ数の作品が落ちて行ったわけですね)、この『2001年宇宙の旅』の表紙と『羊たちの沈黙』の背表紙が素敵な第五版でようやく購入に至ったのですが、そこからが長かったのです。何しろ「1日1作品ずつ読んでいく」と決めたので、1001作品を365日で割ると、2.74年ほどかかるわけです。しかも、その間に2024年1月1日~12月31日の丸1年は、なぜか全く読まなかった休止期間が入ったため、今日ようやくミッション・コンプリートとなったのです(何日か読まない日が入ったときは、後からまとめて読んで帳尻を合わせました)。パチパチ。まさに「千一夜物語」ですね。

Dsc_42003_copy_964x659 メリエスの『月世界旅行』(1902年)から『コーダ、あいのうた』(2021年)まで120年間の1001本がずらりと並びます。短い紹介だと文字のみ半ページ、長いと写真1ページ+&ポスターで1ページの計2ページ。表紙と扉を除く本体部分が960ページあります。全世界の映画を紹介しているので、溝口の『残菊物語』(1939年)から濱口の『ドライブ・マイ・カー』(2021年)に至る日本映画もその中に混ざっています。

当然、「あの作品が入ってない!」とか、「なんでこんなのが入ってるの?」とかはありますが、まあ、それはしょうがない。万人を納得させることはできません。映画ってそういうものです。 ずいぶん観ている大江戸ではありますが、それでもまだまだ未見の作品はいくらでもありますし、そもそも日本未公開作も数多く掲載されています。

まあ、内容的にはそれほど面白い解説ではないんですけど、映画の「おさらい」って意味も込めて、最初から最後まで読むことに意義がある! マラソンを完走した気分ですね。クローネンバーグの『戦慄の絆』が『旋律の絆』になっていたり、CODA=「Child Of Deaf Adults」が「Child Of Death Adults」になっているとかの誤植も、何カ所か見つけちゃいましたよ。

 

 

 

 

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2026年7月14日 (火)

「夏帆 The Tale of KAHO」    #夏帆 #村上春樹 #村上春樹の夏帆 

Dsc_41093_copy_611x854 7月3日に発売された村上春樹の新作『夏帆 The Tale of KAHO』(新潮社)をちびちび読んでいたのですが、ようやく読了。

もともとは『新潮』に4回にわたって掲載された4つの章を加筆改稿したもの。村上作品で女性を主人公にした長編は初めてなのだそうです。そうだっけ?と思うほど意外でした。

いやー、アリクイで、ジャガーで、武蔵境で、シロアリの女王で、スカーレット・ヨハンソンでした。そんなヘンテコなお題で、魅力的な小説にしてくれる村上春樹は(喜寿を迎えたそうですが)まだまだ老いておりませんね。ちょっと軽めではありましたが、やっぱりムラカミならではの面白さです。「邪悪なものから救い出す」という彼らしいテーマで、ワンダーランドでの冒険を描きながら、心の奥底を分析するような作品でした。ラストなどは、ちょっとしみじみ来ますね。「ねえ、みんなそうやっていつかはいなくなってしまうのよ」・・・そういうもんですよね。でもぐっと来るのです。

それにしても、女優の夏帆さんは、自分の名前がバーンと出ているこの本を見てどう思うのでしょうか? もう読んだのでしょうか? 気になります。時折、脳内で主人公の夏帆を女優の夏帆さんが演じている光景を想像しながら読んでおりました。このキャスティングは、アリです。

Dsc_41103_copy_673x499「おまけ」にステッカーが挟んでありましたが、その片隅に「haruki」というサインが。村上春樹のサインって、こういうのなんだー。めったに書かないとは聞いていましたが、大江戸にとっては新情報でしたー。

 

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2026年6月23日 (火)

「くらべて、けみして 校閲部の九重さん 2」    #くらべてけみして #校閲部の九重さん #校閲 #こいしゆうか #くらべてけみして2

Dsc_40174_copy_614x850 先日の第1巻( ↓ )に続き、『くらべて、けみして 校閲部の九重さん 2』(こいしゆうか/新潮社)を読みました。

「くらべて、けみして 校閲部の九重さん」    #くらべてけみして #校閲部の九重さん #校閲 #こいしゆうか : 大江戸時夫の東京温度

帯にあるように、「表現の自由か 差別への加担か」なんていうシリアスなテーマを取り上げたりしています。新潮社ですから、昨年からの『週刊新潮』の差別問題を知ってるだけに、むむうと思うわけですが、本著の刊行は2025年2月なので、あの問題の半年も前なのです。だからむしろ「むむう」なのかも知れませんが…。

一言一句の表現に悩み、そこに魂や矜持を込める人々。相変わらず、好きな世界です。お仕事映画もお仕事マンガも好きなのです。

Dsc_40184_copy_643x774 本書では、カバーを取った本体の表1、表4に写真のようなスタンプが…。校閲や編集の世界で使う、デジタルとは無縁の昔ながらのスタンプですね。こういう所が、大江戸なんかにはたまらないのであります。Dsc_40192_copy_697x867

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2026年6月12日 (金)

国立国会図書館の参観ツアー    #国立国会図書館 

Dsc_37952_copy_1119x837 5月に、国立国会図書館に行ってみました。昔から興味はあったのですが、実際に訪れたのは初めて。

Dsc_37963_copy_1002x707 東京メトロの永田町駅を出てすぐ。国会議事堂の真ん前(真後ろ?)です。

Dsc_37974_copy_1034x792 登録して利用者カードを作らないと入れません。大江戸は前日にネットで登録を済ませ、当日身分証明書で確認をした後に、カードを受け取って入館。

Dsc_38014_copy_835x1139 と言っても、閉架式の図書館なので、本がズラリという光景はありません。PCがズラリと並んでいて、みんな静かにそこから本を探しているのです。いずれにせよ中は撮影禁止です。

Dsc_38023_copy_1100x700 なので、ふむふむここが閲覧室か、カウンターはこんな感じね、音楽・映像資料なんてのもあるのね、などと概要を垣間見る感じ。喫茶室や売店もあるんです。

Dsc_38003_copy_438x600 で、1カ月たって本日再訪したわけですが、それは館内ガイドツアー(参観)のため。これ、1カ月以上先の日程で予約しないといけないシステムなのです。

数人(小生が行った回は5人)を図書館の方が案内してくれます。小1時間ほどのシンプルなツアー。撮影は1カ所を除いては禁止です。

Dsc_39254_copy_900x1200 その一カ所がここ。地下収蔵庫の一番下(地下8層目)あから地上の採光窓を見上げたところです。なぜ採光窓があるかというと、「地下で働く人々の精神衛生上の配慮」および「災害等で電気がストップしたときにも真っ暗にならないように」ということだそうです。

ここのフロアには新聞が収蔵してあり、実際に明治時代の報知新聞と東京日日新聞を見せてくれました。あとは他のフロアに移動して、雑誌(少年サンデー)を収蔵している棚を見せてもらいました。

Dsc_39272_copy_900x1200 見学のボリュームとしてはちょっと物足りなかったけど、所蔵4753万点を超える(令和5年度時点)国立国会図書館の膨大な知の重さをほんの一端でも体感することができて、価値のある見学でありました。 そうそう、収蔵庫に入るときには、使い捨ての靴カバーを履いている靴の上に着用させられました。外部からの虫などが入り込むのを防いでいるんですよ。へー、なるほど、でありました。

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2026年6月 3日 (水)

「くらべて、けみして 校閲部の九重さん」    #くらべてけみして #校閲部の九重さん #校閲 #こいしゆうか 

Dsc_38963_copy_674x913新聞広告を見て、「おお!」と思い、すぐ買って読みました。新潮文庫から出た『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』は、あっさりしたタッチのマンガです。「こいしゆうか」著。

いやー、面白かった。この手の世界は好物なのです。石原さとみが出ていたドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』も見ていたし、ちょっと違うけど、辞書作りを描いた『舟を編む』は、小説、映画、ドラマそれぞれに素晴らしかった。で、本作は新潮社校閲部の皆さんに取材して描かれた作品なので、リアルかつディープに校閲の世界を覗き見ることができるのです。ただただ感心して、頭が下がります。

名セリフの宝庫でしたーー

「読んじゃいけないのよ」、「百年後に残す一冊を作っていくという意志よ」、「僕ら校閲と作者はゲラで戦うんだから」、「文は人そのもの」、「今日一言も声を発してないわ わたし」、「言葉の海を見渡さなきゃ」などなど。

そもそもこのタイトルは「校(くら)べて」「閲(けみ)して」ってことで、つまりは校閲なんです。 街で誤字に出会ったら、その写真を撮って集めているという校閲さんがいたりして、うーむ、病膏肓(やまいこうこう)というか、そういう性(さが)なんでしょうね。大江戸としては、好感しかありません。既に2巻目も単行本で出ているようなので、入手しなくっちゃです。

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2026年2月 5日 (木)

「キネマ旬報」2025ベストテン発表に思う    #キネマ旬報 #キネ旬ベストテン #2025年キネマ旬報ベストテン #国宝 #旅と日々 #ワンバトルアフターアナザー 

Dsc_35493_copy_641x886 今日が『キネマ旬報』ベストテン号の発売日ってことで、情報解禁になりました。いや、定期購読者の大江戸のもとには2月2日に届いていたんですけど、SNS等に情報を出さないでくれという一文が入っていたので、待っておりました。

(大江戸の2025年邦洋トップテンはこちら ↓ )

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その前、1月29日に第1位作品と個人賞は発表されましたが、そこで絶望的に驚かされました。なんと『国宝』ではなく、『旅と日々』が第1位だったのですよね。大江戸としてはただただ「ありえない」という思いでした。『国宝』は娯楽性と芸術性が至高のレベルで両立している何十年に1本の作品ですから。一方の『旅と日々』は、三宅唱の肩の力の抜けた作品で、ベストテン中位から下位ぐらいが似合うはずなんですけどねえ。

選評の中で大高宏雄氏が「ヒットした作品の多くがいわば『排除』される。きつい言葉だが、そんな感じをいつももっていた。『国宝』は、その巨大な壁も突破するのか。」と書いていたのですが、まさにそれ。そして『国宝』をもってしても突破できませんでした。 それにしても1位と2位は5点差ですよ。たった一人の気まぐれや「どうせ『国宝』がダントツなんだから…」がなければ、ひっくり返っていたわけです。うーむ。 

個人賞では、監督賞で1位李相日が2位吉田大八の4倍の得票で圧勝。脚本賞も奥寺佐渡子と、これも『国宝』。じゃ、なんで作品第1位じゃないの?? 不思議過ぎます。

ほんと、ひねくれた選者ばかり選んでますね、『キネ旬』さんも。だって、読者のベストテンの方は1位『国宝』が17480点、2位『フロントライン』が9807点とかつてないほどの圧倒的大差ですよ(ちなみにこの1位、2位は珍しくも大江戸と一緒です)。これが「真っ当」な結果というものです。 あまりヒットしたり、あまり絶賛されたりすると、逆張りしたり、戦略的にそれを外したりするのって、誠実な姿勢とは思えません。反体制がそこまでしみついているとしたら、まったく困ったものです。淀川長治さんだったら、映画へのそういう態度は許さなかったはずですよ。

外国映画は図抜けたものがなかった年なので、結果的にどの賞でも『ワン・バトル・アフター・アナザー』の一人勝ちになってますが、これも本来1位って感じの作品じゃないんですよねー。かと言って、ほかに強力な作品がなかったのも事実。

あと個人的には、嫌いな『見晴らし世代』がテンに入ってしまったことと、その作品の黒崎煌代が新人男優賞を獲ってしまったことにモヤモヤ。 そうそう、読者のテンで第5位が『トリリオンゲーム』(目黒蓮主演)だったのにも、「ああ、またも組織票かあ…」とため息が出たのでございました。

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2026年1月21日 (水)

「武士道」(新渡戸稲造)    #武士道 #新渡戸稲造 

Dsc_35312_copy_599x794 新渡戸稲造の5,000円札ってもう先々代だったんですね。今が津田梅子、2004年~24年が樋口一葉だったのです。いやー、時の流れは速いものです。あ、ちなみに新渡戸さんの前は1984年までの聖徳太子でしたー(1万円札も聖徳太子でしたー)。

で、ふと思い立って新渡戸稲造著『武士道』(岩波文庫)を読みました。もとは1899(明治32)年に刊行されていて、岩波文庫の初版は1938年です。これ、原文は英語で書かれていて最初にアメリカで刊行されたのだそうです(さすがは新渡戸先生)。なんでも、日本の武士道をアメリカに紹介する目的で書かれたのだとか。

武士道の7つの徳目である「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」を解説しながら、併せて「武士の教育および訓練」「自殺および復仇の制度」「刀・武士の魂」「婦人の教育および地位」といった項も立てられ、総合的かつ俯瞰的に「武士道とは」を分析していきます。

新渡戸はキリスト教者であり、日本にも西洋にも精通した彼がかなりニュートラルな見地から解き明かしていく比較文化論的な筆致が、過不足なく武士道の魂を分析していきます。この書の原題は“BUSHIDO, THE SOUL OF JAPAN”ですからね。 日本人として何となくわかっていることが明文化された感じで、「なるほど」「そうだよね」と膝を打つことしきり。例えば、大江戸が好きな『忠臣蔵』の心に通じるものも多くありましたもんね。武士道とは、日本人のDNAに刷り込まれた心性でありスピリットであり道徳なのだと感じました。

こうなると、岡倉天心『茶の本』(こちらも英語で書かれたのです)も読まねばですね。

 

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2026年1月 6日 (火)

特別展「京都 十二の家」@松屋銀座    #京都十二の家 #松屋銀座 #婦人画報 

Dsc_34872_copy_1124x1600 松屋銀座で開催中の特別展『京都 十二の家』(~1/19)を鑑賞。「松屋銀座開店100周年・『婦人画報』創刊120周年記念」というダブル周年の冠がついてます。主催も「ハースト婦人画報社・松屋」となっております。

いやー、さすがは婦人画報って感じの格式高い展覧会でした。こういうの百貨店でやるのって、昔は正月の恒例だったんですけど、今やありませんよねー。ま、映画界だって「お正月映画」ってなくなっちゃたけど。 松屋銀座さんもアニメーション関連の展覧会がほとんどになったので、こういう古典的なしっかりした展覧会をやるのってかなり久々だと思います。

でもさすがに「画報」だし、さすがに京都。入口の池坊の生け花から、出口の歴代『婦人画報』の表紙まで、格式と格調高くお見事でした(何しろ皇室まで登場しますし)。この展覧会に関しては以下のラインナップだけで、伝わる人には凄さが伝わるってもんです(伝わらない人には伝わらないってもんです)。小生は東の人間なもんで、2/3ぐらいしか伝わりませんでしたけどね。

華道:池坊家、有職御人形司:伊東家、京舞井上流:井上家、日本画:上村家、金剛流宗家:金剛家、染織:志村家、茶道裏千家:千家、瓢亭:髙橋家、塗師:中村家、友禅:森口家、樂焼窯元:樂家、冷泉流歌道:冷泉家

とにかく出ている物が凄いんです。初代長次郎の黒樂茶碗だとか、冷泉家の江戸時代の百人一首かるただとか、金剛家の能面(室町期の物があったり、江戸時代の名人「近江」作の小面(こおもて)があったり! いやー、あの小面は美しかった。見とれました)だとか、今や百貨店催事場の展覧会に出るはずのない名品たちが集まっておりました。 出口の物販コーナーにも、京都の名品や名菓が集まっておりました。Dsc_34862_copy_1154x737

しかしながらこの展覧会、新聞社やテレビ局などがついていないこともあってか、ほとんど告知が露出していないんじゃないでしょうか? 大江戸だって数日前に初めて知りました。なんか、もったいないです。往年の百貨店の正月展みたいにわんさかお客さんが来る時代じゃないんでしょうけど、会場が(夕方6時頃だったとはいえ)あまりにもガラガラで、心配になっちゃいました。もう少し情報が行き渡っていれば、こういうの観たい人もまだそれなりにいるんじゃないでしょうかねえ。

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2025年12月10日 (水)

「成瀬は都を駆け抜ける」:成瀬の物語、完結!    #成瀬は都を駆け抜ける #宮島未奈 #成瀬あかり #成瀬シリーズ

Dsc_33814_copy_776x1033 成瀬シリーズ最終刊という『成瀬は都を駆け抜ける』(宮島未奈/新潮社)が12月1日発売となり、買いました。読みました。満足しました。

(過去作のレビューはこちら ↓ )

「成瀬は天下を取りにいく」:最高に魅力的な成瀬!    #成瀬は天下を取りにいく #宮島未奈 #成瀬あかり : 大江戸時夫の東京温度

「成瀬は信じた道をいく」:孤高の成瀬が最高!    #成瀬は信じた道をいく #宮島未奈 #成瀬あかり : 大江戸時夫の東京温度

今回の6話をもって、成瀬あかりの独特な物語も完結。今回も坪井さん、達磨研究会の面々、「ぼきののか」といった新しい登場人物が出てきたり、これまでのキャラが再登場したりで、京大生成瀬の世界が更なる広がりを見せたのでした。そして彼らが勢ぞろいしての大団円。

でも、まだまだ成瀬の人生は続く。「200歳まで生きる」という宣言を更新して、300歳、400歳までを目指すという超絶宣言が似合う彼女。ラストで盟友・島崎みゆきとエモい掛け合いをする場面には(電車の座席で一人)目頭が熱くなりましたよ。成瀬のこれからの奇跡的人生は、きっと島崎が見届けてくれることでしょう(あと、みらいちゃんもかな)。Dsc_33824_copy_938x1248

ああ、これで「成瀬ロス」ですねえ。でも楽しみなのは、今後きっとあるはずの映像化。映画にせよ、ドラマにせよ、楽しみですけど、いいもん作ってくださいよ! 何しろ先ごろ舞台劇版の成瀬役が山下美月だと聞いて、「いやいやいやいや、それは違うでしょ」と思っただけに(山下さん、来年7月の初演時には27歳になるというのに)、ちょっと心配です。まあ、成瀬を演じられる人ってなかなかいないでしょうけれど…。

そうそう、12月6日の朝日新聞にこんな全面カラー広告が出ておりました。さすがは成瀬だ! さす成! そして、ありがとう、成瀬。

 

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