「燃えつきた地図」(1968年):昭和のハードボイルド #燃えつきた地図 #安部公房 #勅使川原宏 #勝新太郎 #市原悦子 #ハードボイルド
映画『燃えつきた地図』(1968年)を神保町シアターの特集「女優魂2026」で観ました。本作の「女優」は、市原悦子です。
安部公房原作・脚本×勅使川原宏監督の作品は4本。『おとし穴』(1962年)、『砂の女』(1964年)、『他人の顔』(1966年)は観ておりますが、最終作にあたる本作は初めての鑑賞。高度経済成長期の東京を記録した映像としても、貴重ですね。
巻頭のタイトルとクレジットは英語版(最後の“END”も)。調べたら、どうも日本版が残っていなくて、海外版を使っているようです。地図の等高線をサイケデリックに表現したタイトルデザインは、粟津潔(いかにもですね)。
で、これが実にジャパニーズ・ハードボイルドだったのですよ。勝新太郎が興信所の調査員。まあ、探偵ですよね。で、この探偵に調査を依頼する訳アリのファムファタールが市原悦子。探偵は、社会の裏やダークサイドで様々な人に聴き込みをしたり、ヤバい目に遭ったり、ボコボコにされたりしながら…って、ね、典型的ハードボイルドでしょ。結末が何だかスッキリ解き明かされないあたりも、ハードボイルドなのです。
勅使川原宏は映像ギミックを使いながら、都会の迷宮を描き、そこに現代人の心の空洞を投影させます。そんな空虚な登場人物の一人を演じる渥美清が、寅さんとは全く違う粘着質の暗い男を演じて絶品です。本作は『男はつらいよ』第1作の前年の作品。あの作品がなければ、性格俳優&喜劇俳優として、別の役者人生を送ったのかも知れませんね。
音楽は武満徹なんですけど、ラストの曲がバート・バカラック風で、妙に明るくてミスマッチでありました。
























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