2024年4月22日 (月)

ドラマ版「舟を編む」の素晴らしさ    #舟を編む #ドラマ版舟を編む #お仕事ドラマ #柴田恭兵 

NHKの朝ドラ『虎に翼』、世評も非常に高いように見受けますが、確かに面白いですよね。朝ドラ定番の1〜2週間の子供時代がなかったことで、スタートダッシュが効いたように思えます。

前クールの『ブギウギ』もよくできた伝記ものでしたし、趣里の個性や歌唱力も素晴らしかったのですが、今回のはその上を行きそうな序盤であります。寅子がしばしば発する「はて?」は流行語大賞ノミネート確実でしょうし(「月のもの」もか?)。

そしてNHKといえば、BSで昨日最終回だった『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』がサイコーでした! 三浦しをんの原作小説がとにかく素晴らしいし、松田龍平、宮崎あおい主演の映画版も素晴らしいのですが、このドラマは設定を現代にアップデートし(世の中はここ十年ぐらいで、えらく変わったのですね)、池田エライザ演じる岸部みどりさんを主役に据える(まあ、群像劇ですが)など、原作を離れて大きく改変してあるのですが、それが成功しています。脚本の蛭田直美さん、いい仕事をしました。

しばらく前に某ドラマにおける原作からの改変が問題になったのとは違って、本作の改変には原作へのリスペクトがあり、原作の精神の芯をしっかり捉えた翻案でしたからね。むしろ社会の中のいろんな常識や人々の考え方が変わっている今に合わせてこのように改変しないと、なんか古めかしくピンと来ないものになっていたかも知れません。世の中って、ここ十年かそこらで大きく変わったんですねえ。ジェンダーの問題や多様性の捉え方についても、仕事の仕方やについても、恋愛についても…。

原作からの名言に加えて、オリジナルの名言もたくさんありました。そして、毎回感動する場面がありましたよ。大江戸が好きな「お仕事ドラマ」として秀逸であり、さらにはみどりの成長物語としての側面も。

池田エライザも、野田洋次郎も適役でしたが、何と言っても柴田恭兵! いい感じに枯れて、ますます細くなって、メガネが似合って、知性と慈愛に溢れて、すっごく素敵でした。ああいう人に、私はなりたい。これまで見た柴田恭兵の中で、断然ベストです。『あぶ刑事』なんか、目じゃないっす。今後の彼が楽しみになってきました。

昨年の『ミワさんなりすます』も含めて、やっぱり大人の鑑賞に耐える良質ドラマは、NHKなんですよねー。

大江戸は言葉好きってこともあり、辞書作りみたいな仕事、結構性に合ってると思うのです。まあ、来世で(来世の存在なんか信じてないんですけど)。 そして、辞書作りや、その他出版に関わっている方々に敬意を表したいと思います。

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2024年3月18日 (月)

「変な家」:変な映画(ひどい映画)    #変な家 #映画変な家 #佐藤二朗 

1_20240318223601 映画『変な家』は、雨穴(うけつ)による小説(もとはネット動画)の映画化。約1年前に載せた小説版のレビューはこちら( ↓ )ですが・・・

「変な家」:キャッチーだけど…    #変な家 #雨穴 : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

いやー、さすがは大江戸! いいこと言ってるじゃないですか。「これの映画化ねえ…。だいたいどんな感じか見えるようですね。作る人も、観る人も、お疲れさまです、と今から言っておきます」ですって。まさにその通りでした。いや、実の所もっと輪をかけてドイヒーかも。

これ、映画を観た後で大もとのYouTube動画を見たんですけど、出来の良さ順でいうと、動画>小説>映画でした。映画版はもともとの「不動産ミステリー」部分がほとんどさらっとした扱いになっていて、後半のおどろおどろしい(バカバカしい)展開をメインにしているという愚かな趣向。まあ、佐藤二朗をキャスティングした段階で、もう真っ当な映画にするのはあきらめたって事なのでしょうか。それにしても、この作品の一番マシな部分を申し訳程度にしか扱わないなんて、どうかしています。

(以降ネタバレあり) で、バカみたいな怪奇映画の様相を呈する後半は、ほとんど見るに堪えません。小説において(特に)ダメだった部分が、更に増幅されたと申せましょうか…。実写なんで、よけい「そりゃ、ありえないだろ」って感じに、噓っぽさが際立ってしまってます。根岸季衣がレザーフェイス化するに至っては…、嗚呼、いたたまれないほどのセンスなのでした。

 

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2024年2月21日 (水)

「週刊文春 CINEMA」2023冬号    #週刊文春シネマ #2023映画ランキング #バービー #ター 

Dsc_0855_copy_800x600_1 先日本屋で見かけて、『週刊文春 CINEMA』(2023 冬号)なるものを買いました。税込660円のB5版、昨年の12月13日に発行されていたのですね。しかも調べてみると、2021年から春夏秋冬と出ているようで…、いやー、知りませんでした。まあ、これまでは白ベースの表紙で、今号はピンクというか『バービー』カラーだったので、目立ったのかな。

この号の目玉は「2023年映画ランキング」で、第1位は『バービー』。あ、だからこの色なのね。『キネマ旬報』や『映画芸術』のベストテンとはだいぶ違う色合いが出ております。まず、日本映画と外国映画を分けないランキングですし。10本選んでない人も多いし、かなり自由度が高い印象です。発行日に間に合わせるためか、2022年12月から23年11月公開の作品が対象。でも、それにとらわれない人も多くて、それでも但し書きつきで載せてもらってます。融通利かせ過ぎぐらいの感じです。

選者もユニークで、幅が広いのです。映画評論家は少なくて、俳優、ミュージシャン、漫画家などなどが票を投じています。でも、柄本佑や中島歩や斎藤工や玉城ティナや松本まりかの選んだ作品って気になりませんか? (なりますよね。) 一方で「こんな奴に映画語らせてもしょうがないじゃん」とか「あんまり映画観てなさそうな、こんなテン出させるなー!」とか思うことも多々ありました。

それにしても、1位『バービー』と2位『TAR ター』の得点差がわずか1点! うーん、大江戸としては『TAR ター』の方に取らせたかったですね(『バービー』も好きですけど)。大江戸を選者に呼んでくれていれば、ひっくり返ってたのになあ…。

ベストシネマ以外のページも、全体の半分以上あるのですが、これが『週刊文春』そっくりのレイアウトやページデザイン。新作紹介ありーの、岡山天音や役所広司のグラビアありーの、東出昌大の山暮らし日記ありーの、みうらじゅん×町山智弘対談ありーの、ミニシアターや鈴木清順やディズニーの特集ありーのと、読みどころたっぷり。

これからはきっと、本屋で目に入って来ちゃうんでしょうねえ。

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2024年2月 6日 (火)

「キネマ旬報」2023ベストテンの発表    #キネマ旬報 #キネ旬ベストテン #2023年キネマ旬報ベストテン

Dsc_0807_copy_600x809 『キネマ旬報』の2023年ベストテンと各賞が発表されました。定期購読なんで5日発売の今号が週末金曜(2日)には届いていたのですが、中に入っていた紙に「2月5日の情報解禁」って書いてあったので、待ってました(今日は6日だけど)。

昨年は2月1日にYouTubeで受賞式のライブ配信をしてくれて、その中でベストワン作品と各個人賞の発表があったのですが、今年の受賞式は18日に開催&配信されるのだそうで、違うやり方ですね(ネットや新聞のニュースでは、ベストワンと各賞は1日&2日に出ていましたが)。

ここ数年、大江戸のベストテンと『キネ旬』ベストテンは、洋画は結構共通しているのに邦画はほとんど合致しないって傾向がありましたが、今年もそれは続いております。まあ、でも理解はできます。今年はベストテン級の作品がかなりありましたが、誰もが認める一強がなくて、いろんな所のベストテンでも1位が分かれる結果になっています。『キネマ旬報』では『せかいのおきく』だったんですね。でも『PERFECT DAYS』と僅差ですね。監督賞はヴィム・ヴェンダースに行きましたね。

社会派の力作が多かったのも特徴。『福田村事件』『月』『怪物』など、10作中6作がこれに該当すると大江戸は思っております。良い傾向です。日本映画に足りなかった部分が一気に噴出してきました(ベストテン圏外にも多いし)。

個人賞はまあ順当。助演女優賞の二階堂ふみは、他のいろんな賞でも受賞してますけど、『月』の彼女はそんなに素晴らしかったかなあ。彼女の標準的レベルではないかなあ。

外国映画では『TAR ター』の1位、よしっ! 4位『EO イーオー』、5位『フェイブルマンズ』にも納得です。ただ、「えー?これが入るの?」って作品が6~10位に来ていたことも確か。

(ちなみに大江戸の2023年邦画/洋画トップテンはこちら ↓ )

2023邦画トップテン    #2023日本映画トップテン #2023邦画ベストテン #ちひろさん #今泉力哉 #有村架純: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

2023洋画トップテン    #2023外国映画トップテン #2023洋画ベストテン #フェイブルマンズ #スピルバーグ: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

 読者のベストテンも、外国映画の方はいちおう納得。でも日本映画の1位が『Gメン』(岸優太主演)なんで、ひっくり返りましたー。そりゃ、大江戸もこの作品の吉岡里帆に「怪演賞」を差し上げましたけれど、作品としてはねえ…。思ったよりは面白かったけど、(「読者の」とは言いながら)これが天下の『キネマ旬報』で『福田村事件』『怪物』『ゴジラ-1.0』を押さえて第1位とは…、絶句。ちなみに評論家が票を投じた138作品の中には入っておりません。誰一人、1点たりとて入れてません。数年前の『天外者』(三浦春馬主演)と同じパターンですね。うーむ。ちゃんと本誌を買って投票用ハガキをゲットして、ちゃんと10作品選んでレギュレーションを満たしているのでしょうから、これ以上書くと問題が多いのでしょうが、個人的には忸怩たる思いがありますね。人気投票じゃないんだから。

まあそんなこんなで、これを読んで気になった方はぜひ『キネマ旬報』を買って、いろいろご確認ください。大江戸は『キネ旬』とは一切無関係(読者なだけ)です。でも出版不況が続く中、昨年から月2回発行→月刊化せざるを得なかった事実が示す通り、なかなか苦しいと思うのですよ。みんなで応援しようではありませんか。ちなみに今回からベストテン号は「増刊」扱いとなっております。

(追記) あまりに当然のように『PERFECT DAYS』が2位に入っていたり、主演男優賞や監督賞を取っていたので忘れてましたが、大江戸は以前「『PERFECT DAYS』は12月22日公開で、今回のベストテンは21日までが対象なので、来年送り」とか書いて嘆いておりました。でも「読者投票のご案内」をよーく見返すと、「『PERFECT DAYS』の一般公開は12月22日ですが、10月に東京で7日間以上、先行上映されたので、今年度の対象となります」って書いてありましたー! でも、あの書き方じゃ見落としちゃうよー(責任転嫁)。作品リストも12月に入ってないのは確認していたのですが、まさかの10月に入ってました。そもそも東京在住なのに、10月にやったこと知らなかったし。評論家の第2位なのに、読者の方だと11位だったのはやっぱりわかりにくさが影響したんじゃないのかなー。てか、(何度も繰り返すけど)わかりやすく12月31日で切ればいいって話なのに。

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2024年2月 1日 (木)

「奇跡の女優◎芦川いづみ」    #芦川いづみ #奇跡の女優芦川いづみ #日活 

Dsc_0720_copy_1024x768 昨秋刊行された『奇跡の女優◎芦川いづみ』倉田剛(鳥影社)を読みました。表紙の写真は、1956年の『死の十字路』(未見)だそうですが、芦川さんを代表する写真としてはちょっと大江戸好みではありませんね。

第一部=芦川いづみ論、第ニ部=芦川いづみ全映画作品、第三部=芦川いづみフィルモグラフィ から成り、ボリューム的には第二部が圧倒的。

第一部は「論」をつけるには少々あっさりしているのですが、著者(倉田剛)の視点で芦川いづみという女優の特質を分析し、コメディエンヌとしての彼女を評価しながらも、彼女の最高傑作は『硝子のジョニー 野獣のように見えて』だと断言しています。

第二部、第三部は資料的価値が高く、これから芦川さんの作品を観る時に必携の書となるでしょう。倉田氏はいづみさんの主演作108本のうち5本だけ未見なのだそうです(スゴイ!)が、作品数が「煩悩の数」と一緒だというのも、なんかスゴイです。小生はまだ25本しか観ていないので、まだこれからの楽しみががたっぷりあります。ふふふ。

著者の文章は、お年を召した方特有の癖があって、申し訳ないけどちょっと苦手なのですが、これまで意外なほど関連書籍が出ていなかった芦川さんに、『芦川いづみ 憂いを含んで、ほのかに甘く』(2019年)に続いて重要な本が刊行されたことを喜びたいと思います。

 

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2023年12月21日 (木)

福原義春の『美』を」再読    #福原義春 #福原義春の美 #見えないものをみるということ ####    

Dsc_0558_copy_600x968 先日、福原義春さんの「お別れの会」(レポートはこちら ↓ )でいただいた特装版のPHP新書『美 「見えないものをみる」ということ』を読みました。

福原義春さんのお別れの会    #福原義春お別れの会 #福原義春 #資生堂 : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

この本は以前読んだことがあって、でもせっかくなので、「これも何かの思し召し」と再読しました。 (以前の読後レポートはこちら ↓ )

福原義春の新書「美」: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

うーん、9年たってるわけですけど、同じ感想を抱きました。さすがは大江戸、ブレがない。いえいえ、そうじゃなくて、ブレがないのは福原さんの方です。この本に限らず、終始一貫してエスプリに富んだ教養深い紳士でした。

なんとなく覚えてはいるし、いかにも福原さんが書きそうなことが並んでいました。美、そして教養に関する永遠の真理みたいなものがそこにはあります。そして優れた日本論、日本人論にもなっています。

また、「知識イコール教養ではない」という内田樹氏の言葉を引用しつつ、「情報(データや)や知識(インフォメーション)が、もとのかたちのまま集積した個人的なものではない。人間という入れ物の中で知性(インテリジェンス)に変換された人間性の一部が、教養というものだ、と私も考えている。」「「真の教養」は、いわばそういう「知の遺伝子」なのだ。」と伝える福原さん。そうですよね、AIに負けない人間の知性や教養というものは、きっとそういうものです。

福原さんは日本の文化を誇り、日本がこれから生き残っていくためには「文化の力」しかないと訴えています。そこには希望と祈りがうかがえます。大江戸も、福原さんの爪の垢でも煎じて飲むように、この名著を繰り返し読んでいきたいと思います。

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2023年12月13日 (水)

福原義春さんのお別れの会    #福原義春お別れの会 #福原義春 #資生堂 

Dsc_04752_copy_552x689 本日は13時から帝国ホテル「孔雀の間」で行われた故・福原義春氏のお別れの会に行って来ました。いや、別に招待されたわけではないのですが、新聞の記事と黒枠広告にこの会のことが出た時にすぐ、大江戸は出席を決めたのです。なぜか? それは勝手に私淑しているから。大江戸が傾倒している指導者のツートップはイビチャ・オシムと福原さんなんです。十数年前にとあるパーティー会場で、福原さんが一人でいるのをお見かけしたことがありました。あの時、勇気を出して話しかけていれば…と、今になって悔やまれます。

この8月30日に92歳で逝去した福原義春さんは、資生堂のトップとして長らく実業界に君臨したのみならず、写真、蘭の栽培と撮影をはじめ、日本の文化の発展に寄与しました。読書家であり、企業メセナのリーダーでもあり、日本と海外の文化のかけ橋にもなり、多くの著書を世に出した才人でした。氏の言葉を借りれば、経営と文化の「複線人生」を生きた人でした。

大江戸も、『企業は文化のパトロンとなり得るか』『ぼくの複線人生』『美』をはじめ、数冊の著書を読んで、大いに感銘を受けたわけであります。稀有な企業人にして「文人」でした。今でこそ経営に美意識を求める動きがありますが、そんなことはとっくに福原さんがやっていたのです。そして、これからの日本には第二の福原さんが必要なのだと思います。

 

Dsc_0477_copy_800x689 13時少し前に着いた会場はそんなに混んでおらず、すぐに入れました。大きく立派な花の祭壇。その花の色の、カラフルだけども上品で美的なセンスの良さ。さすがです。渡された蘭の花を手向けてご冥福を祈りました。

隣室には福原さんの生涯と業績をたどるパネルが、福原氏撮影による蘭の花の写真を拡大したパネルとともに展示され、ちょっとした展覧会のようになっていました。「文化はヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資本」という考えを提唱したのも、役職の肩書を廃止して「さんづけ運動」を行ったのも、福原さんだったんですねえ。

隣接するスペースで飲食のおもてなしがありましたが、小生は遠慮しました。入口でお別れの会のリーフレットをいただきましたが、出口でいただいた袋に入っていたのは、福原義春さんの名著『美 「見えないものをみる』ということ』(PHP新書)の特装本(黒表紙)。蘭の写真を使ったオリジナルしおりもついていました。(香典等は固く辞退ということだったのに)こんなものまでいただいてしまい、恐縮です。以前に読んだことのある本ですが(その際の当ブログ記事はこちら ↓ )、再読させていただきます。

福原義春の新書「美」: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

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2023年12月 1日 (金)

「This is 江口寿史!!」(とんぼの本)    #江口寿史 #ジスイズ江口寿史 #とんぼの本江口寿史 #パパリンコ物語 #マカロニほうれん荘

Dsc_0430_copy_600x751 この夏に発行された「とんぼの本」シリーズの『This is 江口寿史!!』、だいぶ前に読んだのですが、ようやく今年中にご紹介。

この本、もとは2016年の『芸術新潮』江口寿史特集がベースになっていて、そこにそれ以降の『芸術新潮』や他の記事をプラスして、さらに“目玉”を加えたもの。目玉というのは、あの幻の中断名作『パパリンコ物語』の第1話~3話を完全掲載していること! いやー、実は『パパリンコ物語』読んだの初めてです。ミスタードーナツのノベルティでパパリンコのグラスとかは持ってるのですが、長年単行本未収録でしたからね。いいですね。面白い。こうなると、残りの4~10話を読みたくなるのが人情ってもんでございます。江口さん、なんとかしてください!Dsc_0431_copy_462x751

その他に、江口さんと大友克洋の対談があったり、展覧会でのライブドローイングの密着取材があったり、江口インタビューで『マカロニほうれん荘』への愛憎を語っていたりと、読み応え十分。ちなみに大江戸がこの世で一番好きなマンガは『マカロニほうれん荘』です。たぶん。なので、作者である鴨川つばめ氏の裏話なども知ることができて、興味深かったです(そうかあ。あの手抜きの絵は「終わらせるため」だったのかあ。悲しいなあ)。

全体的には「江口山脈」のごく一部を解説したり語らせたりしている内容ですが、ファンのはしくれとして楽しめたし、ためになりました。この秋に世田谷文学館の江口展( ↓ )を観たときの副読本にもなったのですよ。

「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」@世田谷文学館    #江口寿史展 #ノットコンプリーテッド #江口寿史 #世田谷文学館: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

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2023年10月11日 (水)

「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」@世田谷文学館    #江口寿史展 #ノットコンプリーテッド #江口寿史 #世田谷文学館

Dsc_0154_copy_1024x691 先日、芦花公園にある世田谷文学館で『江口寿史展 ノット・コンプリーテッド』(~2/24)を鑑賞。大江戸にとって、千葉、日比谷に次ぐ、ここ1年で3本目の江口寿史展です。

Dsc_0155_copy_1024x711 エントランスの自動ドアからして、オシャレに江口展仕様です。その横のお堀の鯉には、館の方が餌をやっているところでした。

 

Dsc_0156_copy_1008x1365 日曜の午後に赴いた会場内はおじさんだらけ。普通いちばん展覧会には来ない層であるおじさんたちが、メイン観客となっております。みんな十代、二十代で、『すすめ!!パイレーツ』や『ストップ!!ひばりくん!』に出会った層なんでしょうね。

Dsc_0157_copy_1024x747 この展覧会は、イラスト中心の『彼女』展などとは違って、江口さんの「マンガ」業績にスポットを当てた構成。壁面に額装して、あるいはガラスの覗きケースの中に、原稿やら下描きやら色指定用紙やらがたくさん展示されております。

Dsc_0158_copy_1024x1103 このひばり君はロイ・リキテンスタイン作品風。有名な一作です。

Dsc_0159_copy_1024x690 壁の色(と柄)もなかなかいいですよね。所々に大きく引き伸ばした絵があるのも、効いてます。

Dsc_0160_copy_1024x681 マンガの原稿は、どうしても読んじゃいますよね。セリフとかもけっこう覚えてたりして。

Dsc_0161_copy_1024x1274昔のカラー印刷ってもんは、コンピュータ―製販じゃなかったもんで、色指定はDIC やパントーンのカラーチップをつけたり、CMYKのインク比率で「C(シアン)100%・M(マゼンタ)20%・Y(イエロー)40%」とか書いて、デザイナーが指定していたのであります。本当のクリエイティブって感じですよね。

Dsc_0162_copy_1024x768 ギャグマンガと美少女画の両立。思えば難しいことをやって成功させたもんです、江口さん。CDジャケットとか本の表紙とかにも多く使われております。

Dsc_0163_copy_1024x577 でもご本人は、マンガへのこだわりがずっとあったようですね(イラスト仕事を断っていた時期もあったとか)。

Dsc_0164_copy_1024x734 未完の傑作『パパリンコ物語』。今もなおオシャレです。当時はメガネの女の子の絵って、希少で新鮮でした。ミスタードーナツのパパリンコ・グラスとか持ってますよ。ふふふ。

Dsc_0165_copy_1024x784 カンヅメにされていた神保町の旅館の部屋を再現したコーナー。いやー、昭和ですね。

Dsc_0166_copy_1024x644若き日々からアイディアやネタを書き留めておいたノートの数々。ここから作品が生み出されていったのですね。

といったところです。思ったより見ごたえありました。江口さんの絵は、観る者をちょっと幸せにしてくれますね。

Dsc_0167_copy_1024x739 で、会場を出て階下に降りると、ホールには大きな女の子の顔が…。ああ、また素人モデルでライブ・ドローイングやってたんですね。「絵師」って感じだなあ。

グッズショップで、ポストカードを2枚だけ買って帰りました。

 

 

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2023年8月31日 (木)

「フィルムメーカーズ24 ホン・サンス」    #ホンサンス #ホンサンスの本ざんす #筒井真理子 #キムミニ

Dsc_00523_copy_768x1086 『フィルムメーカーズ24 ホン・サンス』(オムロ)を買いました。久々に買った映画本かな。筒井真理子さんが責任編集ってことになっております。

近年、作品のクォリティーも上がり、ますます唯一無二の道を往く韓国の名匠(と言っていいのかは迷うところですが、「巨匠」だともっと違うし)=ホン・サンスの本ざんす。

「遅れて来た」ホン・サンス・ファンの大江戸(まだ12作品しか観ていない)としても、大いに楽しめました。ホン・サンスに関する評論やこれまでの30作のレビュー。さらには、ホン・サンスの『自由が丘で』に出演した加瀬亮と筒井真理子との対談だとか、筒井さんと深田晃司や町山広美との対談、荒井晴彦へのインタビューなどもあり、充実の内容です。

ああ、あの酒飲んでぐだぐだ話してるだけなのに、ずーっと観続けたくなる感じ。男と女の会話の表と裏のスリル。急で雑でバカみたいなズーム。いつもおなじみの俳優が居並ぶ画面。そして、キム・ミニ! うーん、やっぱりいいなあ、ホンサンス。映画館でもっと旧作の特集上映とかをしてもらいたいものです。

 

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