2023年1月20日 (金)

「おいしいごはんが食べられますように」(高瀬隼子):心温まりません    #おいしいごはんが食べられますように #高瀬隼子 #職場ホラー

Dsc_12194_copy_576x808 昨夏の芥川賞受賞作『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子/講談社)を読みました。最終ページのノンブルが152という中編です。かわいらしい表紙イラストのイメージとは違って、かなり毒性の高い小説です。「職場ホラー」なんて感想も目にしたことがありました。読み終わって、嫌な気分になること確実です。勘違いして買っちゃって後悔した人、いっぱいいそうですね。

主に職場を舞台にした人間関係の物語です。ただ、そこに「食」に対する変わった価値観だとか、毒気たっぷりの本音だとかが絡まって来て、絶対に心温まらない仕上がりになっているのです。

ある男性社員の食に対する、というか「おいしくごはんを食べること」に対する恨みや嫌悪感が、大江戸的には信じられないというか、非常に嫌な気持ちになるものでした。でも思いだしてみれば、小生も10代の頃などはそんなに食やおいしいものへの執着ってなかったですね。年を経るごとにどんどんおいしいものが好きになり、こだわりも出て来たように思います。でも、この作品内の彼は異常。正常の殻をかぶった異常なので、始末が悪いですね。なんであんなに屈折してしまったのか? ま、こんな人が出て来て、その濁り切った心の闇を見せてくれるのが文学ってものかも知れません。

今後、映画かTVの単発ドラマでの映像化ってのはあるのでしょうか? なんか観たいような観たくないような…、こわいですねー。

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2023年1月13日 (金)

「アニメージュとジブリ展」@松屋銀座    #アニメージュとジブリ展 #松屋銀座 #鈴木敏夫 #宮崎駿

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松屋銀座で開催中の『アニメージュとジブリ展』(~1/23)を観ました。想像以上の内容充実と面白さで、適当に飛ばしながら観ていたのに1時間まるまる楽しんでしまいました。これ、2021年4月に松屋銀座で開幕したものの、緊急事態宣言の発令によりわずか10日間で閉幕となった展覧会の捲土重来なのだそうです。

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タイトルからはビジュアルや動画やキャラクターの展覧会かなと思っていたのですが、実態はほとんど鈴木敏夫さん(アニメージュ編集長からジブリのプロデューサーなど)の仕事人生を巡る展覧会で、「(出版業界の)仕事と時代」の切り口がとても面白かったのです。いや、これは斬新ですし、大人ウケします(反対に、響かない人や期待はずれに感じる人も多いのかも)。確かに(平日夕方の)客の入りは、少ない感じに見えました。でも、「人が一所懸命働くことで、文化や世の中が変わっていった」ことをわからせる好企画だと思いますけどねー。けっこう「読ませる」展覧会でもあります。

Dsc_12142_copy_768x1269 入口にはいきなりインパクト抜群の巨大(実物大?)ネコバスなのですが、それよりも周囲の『アニメージュ』の表紙が物語るような展覧会です。※会場内は原則撮影不可ですが、撮影可能な展示品がいくつもありました。

Dsc_12152_copy_1252x768 鈴木敏夫さんの先輩である尾形英夫さんが、公私混同で(息子を喜ばせるために)始めた雑誌が『アニメージュ』だったとか何とか、知ってる人は知っているのでしょうが、小生などは「へー」と思うことの連続でした。鈴木さんが編集部用に用意した手書きの「校正マニュアル」なんか、「なるほどなるほど」でしたねえ。そういう世界の端っこをちょっとかじったことのある大江戸などは、とても興味深く拝見しました。

Dsc_12172_copy_909x7681980年代のイケイケ時代の雑誌屋さんたちの編集部の雰囲気がよくわかりましたし。校了前の深夜1時の編集部に60人からの人がたむろして徹夜で雑誌を作っていた、その(「働き方改革」の「は」の字もない時代の)熱気が、ある意味「楽しそう」でした。’80年代の職場や部屋の再現、ガジェットなどもあり・・・

『ガンダム』とか『マクロス』とかもあり・・・

Dsc_12184_copy_768x1269 そして『アニメージュ』は、いや鈴木敏夫は宮崎駿と出会ってしまうのです。『未来少年コナン』のパネル展示で、当時の宮崎駿さんが歯をむき出して笑っている写真が、コナンそっくり! ああ、宮崎作品でよく見かけるあの表情は、宮さん自身だったのですね。

そこから『アニメージュ』は、映画『風の谷のナウシカ』を製作することになるのです。このナウシカ・パートはかなりの分量がありました。崩れゆく巨神兵だとか瘴気用のマスクをつけたナウシカとかの造形物も展示されておりました。映画館の看板絵までありました。安田成美の『ナウシカ』イメージソングも流れてたしね。

Dsc_12202_copy_1365x768 そこからスタジオジブリへ、『ラピュタ』へ、そして『トトロ』へとつながっていくのです。

Dsc_12225_copy_768x1131 最後のコーナーには、壁面にずらりと『アニメージュ』やジブリ映画ポスターが展示されております。

Dsc_1223_copy_1365x768 あ、あと昨秋愛知県にオープンした「ジブリパーク」を鈴木敏夫と宮崎駿(と宮崎五朗)が訪ねた時の写真もありました。宮さんもですけど、鈴木さん、ちょっと見なかったら随分おじいちゃんになっちゃいましたねー。

Dsc_12252_copy_768x1365 物販コーナーの充実も、なかなかでした。 そして松屋銀座の中央ホールの吹き抜け空間には、藍染めの布に、ジブリ作品の名場面が白抜きされているのでしたー。Dsc_12264_copy_768x1365

 

 

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2023年1月 5日 (木)

「傲慢と善良」辻村深月    #傲慢と善良 #辻村深月 #究極の結婚小説 

Dsc_12125_copy_768x1038 辻村深月の小説『傲慢と善良』(朝日文庫)を読み終えました。2019年の刊行で、昨秋文庫化されたものです。この表紙の絵、妙に惹かれる神秘性がありますよね。 いやー、面白かったです。

(以降少々ネタバレあり) 序盤からしばらくの間は犯罪がらみのミステリー小説だと思って、読み進むのです。ところが中盤以降、読者は思いがけない方向に運ばれて行きます。そしてだんだん、「これいったいどういう所に着地するんだろう?」と思って、ページを繰る手が止まらなくなる。そんな小説です。そして最終的には、思いがけない所、でも素晴らしい場所に連れて行ってくれました。

そのタイトルが示す通り、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』(作中の会話にも登場します)につながるものがあるのです。18世紀末から19世紀初頭のイギリスの田舎を舞台にした「究極の結婚小説」と言われているのですが、それに倣えば本作は、現代日本を舞台にした「究極の結婚小説」たり得ているのです。そこにあぶり出された今の日本の(地方のムラ社会や家族や世間体や見栄やマウンティングなどなどの)病理が、見事な社会批評とも人間界の真実ともなっていて、いろいろと考えさせられました。自分と言うものがなくても、流され続けても生きていける、そんな時代ゆえの「生きづらさ」にメスを入れた見事なエンタテインメントだと思います。観察眼や事象の分析、そして心理表現が卓越しておりますね。

最終盤などはかなり感動させられました。大江戸なんか電車の中で立ちながら読んでいて、目に涙がたまっていき、泣いてました。「なんだこの人は?」状態ですね。

これ、映像作品になるなあと思いながら読んでました。NHKの5-6話連続のドラマあたりが一番適しているように思えますが、映画でもなんとかなると思います。

辻村深月の小説は初めて読んだのですが、昨年の秀作映画『ハケンアニメ!』の原作者ってことで、読む前から一目置いておりました。読んでからは、もちろんもっと尊敬して、他の小説も読みたいと思った次第なのです。

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2022年12月26日 (月)

「死ぬまでに観たい映画1001本」(第五版)    #死ぬまでに観たい映画 #死ぬまでに観たい映画1001本 #映画の本

Dsc_12284_copy_725x1024 この『死ぬまでに観たい映画1001本』(ネコ・パブリッシング)は2003年末に初版が発刊された時から書店で見かけてはきになっていたのですが、20年近くたって第五版(この9月の発売)になって、ようやく買いました。まあ、あんまり好きじゃない作品が表紙になってたりすると、今一つ買いたくなくなっちゃうんでね。その点、今回は『2001年宇宙の旅』なので、相手にとって不足なしというか、「2001年で1001本」で何となくブラボーなので(?)買っちゃいました。

厚いですよー。重いですよー。筋トレにも使えそうです。実測で(空気で広がらないように押さえつけながら測って)58mmほどの厚さ。体重計で差し引きで測って2.1kg。960ページ+表紙・見返し。しかもオールカラー。堂々たるものです。これで5,500円(税込)はむしろ安いです。1作品あたり5円ほどですからね。

Dsc_12295_copy_1024x745 原題は“1001 MOVIES  You Must See before You Die”。スティーブン・ジェイ・シュナイダーという方の総編集ってことで、この人のセレクトした1001本が載ってます。版を重ねるごとに新しい作品が追加されていくので、当然落ちていく作品も出るわけです。ぱらぱらと見た中では、ワイラーの『噂の二人』やヴィスコンティの『ベニスに死す』やリーンの『ライアンの娘』あたりが抜けているのが、困ったもんだって感じです。

時系列の編年体ですので、1902年の『月世界旅行』から2021年の『コーダ あいのうた』まで120年分を納めています。世界の映画が対象なので、『羅生門』『東京物語』から『ドライブ・マイ・カー』まで、日本映画も時々入ってます。三池崇史の『オーディション』まで入っていたのには驚きましたし、高畑勲の『火垂るの墓』が入っていたのはちょっと嬉しかったですね。Dsc_12304_copy_1024x722

寝る前に毎日1作ずつ読んだとしても、3年近くかかるわけですから、かなり読みでがあります。楽しみなような恐ろしいような…。でもいい本です。バイブルです。映画好きの人には、勢いで買っちゃうことをお勧めします(プレゼントにも好適です)。

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2022年9月15日 (木)

「彼女の思い出/逆さまの森」J.D.サリンジャー    #逆さまの森 #サリンジャー #倒錯の森 #彼女の思い出逆さまの森

Dsc_1123_copy_600x823 この7月25日発行の『彼女の思い出/逆さまの森』(J.D.サリンジャー 金原瑞人訳/新潮社)を読了。1941~48年にかけて、サリンジャーが『Good Housekeeping』や『Cosmopolitan』などの雑誌に発表した作品を集めた短編集。アメリカ本国では、ずーっと出版されていないのに、なぜか日本では出版しているという謎の短編集です。ちょうど9篇を収録しているってことで、帯にも「9つの物語 ナイン・ストーリーズ」って書いてあります。

これ、昔は『倒錯の森』というタイトルでした。荒地出版社版(刈田元司・渥美昭夫訳)を大江戸も持ってます。“The Inverted Forest”が原題ですが、確かに「倒錯」だと言葉が強過ぎるので、今回のタイトルの方が妥当に思えます。

ごく短い作品から、109ページの中編『逆さまの森』まであります。サリンジャーらしい都会派センスは共通していますが、その一方で粗削りな部分も多いと言えるかも知れません。やはりサリンジャーが出版を許可した作品の方が洗練されていて、完成度が高いのです。でも、どの作品も面白い。やっぱりサリンジャーって、(自分でも言っているように)短編作家なのですね、基本的に。実際、長編は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』しか書いていませんし。その中にいろんな技巧(時にはトリック)を使ったりしているのです。

やはり白眉は『逆さまの森』。この展開と結末には唸ってしまいますね。人間って、そして人間を描く小説って、不思議で面白いものですねえ。小説って、すごいものですねえ。←淀川さんか?

結局、この(幻の)短編集のサリンジャーも、えらく魅力的なのでありました。

 

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2022年8月18日 (木)

「絶対悲観主義」楠木建    #絶対悲観主義 #楠木建

Dsc_1000_copy_499x720 講談社+α新書の『絶対悲観主義』(楠木建)ってのを読みましたが、かなり面白かったです。

「こと仕事に関していえば、そもそも自分の思い通りになることなんてほとんどない」という見地に立っていれば、逆境も困難も挫折もないというお気楽な考え方なんですね。「絶対うまくいかないと思っていれば、失敗しても当たり前。うまくいったりしたらすごく嬉しい。」とまあ、そんな考え方が綴られていきます。

世間に山とある根性系、前向き系の人生本、ビジネス本の逆張りですね。筆者が、役職に全く興味がなかったり、社交パーティーが大嫌いだったり、独りをこよなく愛したりしているあたりの記述が、これまた一般的なビジネス本の裏を行っていて、ある意味痛快でした。その筆致も、全体的にゆるくて、ユーモアたっぷりなのです。

本筋とは関係ないけど、興味深かった記述がこちら  ~ 戦争防止法の私案があります。条文はひとつだけ。「第1条 戦争状態に入った時点で内閣を構成する大臣および副大臣の二親等以内かつ18歳以上の健康な者は全員直ちに身体的危険を伴う最前線の戦闘業務に従事しなければならない」 --滅茶苦茶に聞こえるかも知れませんが、これは相当に実効性があると思います。 ~ なんてのもあって、なるほどと感心しました。

写真にもある「心配するな、きっとうまくいかないから」って帯もいいですねえ。ゆるくパワフルです。

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2022年7月17日 (日)

「破戒」:小中学生に観てもらいたい    #破戒 #映画破戒 #間宮祥太朗 #矢本悠馬

1_20220717222801 映画『破戒』は、島崎藤村の名作(初出=明治39年)を、1962年の市川崑監督作品以来60年ぶりに映画化したそうです。悪い出来じゃないけれど、少々物足りなさを感じなくもありません。

真面目に、端正に、画面作りをしていきます。衣装や美術も、ロケーションや撮影もしっかりしていて、ケチをつけるパートはありません。でもなんか普通過ぎて、通俗過ぎて、映画として突き抜ける魅力が足りないなあと感じました。でも用語の問題とかでテレビドラマとしては作れないのでしょうから、制作の意義はあると言えましょう。むしろ小中学校の人々にはできるだけ観せたい作品です(いや、高校生、大学生にだって)。今は学校単位の映画鑑賞会なんてないんでしょうけど、何らかの形で届いてほしいですね(どうせ原作を読む人は、極めて少数なんでしょうから)。そしていろんな形の差別やいじめの問題に関して、話し合ったり考えたりするきっかけになってくれるといいなと思います。

終盤のカミングアウト場面以降は、子供たちや志保さんのからませ方などが非常に通俗的になっています。原作は大昔に読んだきりですが、こんな感じじゃなかったですよね。もっと厳しかった。でも、大衆に訴える映画として、こういう作りにした判断もよくわかります。個人的にはちょっと甘口だなあと思っておりますが…。

主人公・丑松を演じた間宮祥太朗は、そのクラシカルなイケメン顔が似合っておりました。石井杏奈の志保は、なんかちょっと違うんじゃないかなあ。もっとはかなげな感じが欲しい気がします。そして、矢本悠馬は矢本悠馬史上最も「いい役」(男気を感じさせて、終盤にカッコイイ見せ場のある役)だったのではないでしょうかね?

子供たちの顔が汗や泥で汚れているのが、実にリアルで結構でした。

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2022年7月 1日 (金)

Number増刊「イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。」    #オシム #イビチャオシム #ナンバー増刊オシム特集

Dsc_0800_copy_768x941 「スポーツグラフィック Number」の増刊号『永久保存版 イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。』(文藝春秋)。この5月1日に逝去したオシムさんのサッカー人生とサッカー哲学を、過去の「Number」掲載記事と新たな記事でまとめ上げた一冊です。

(大江戸のオシム逝去時の記事はこちら ↓ )

オシムさんの死を惜しむ #オシム #イビチャオシム #オシムジャパン: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

大江戸は本当にオシムさんを敬愛していたので、その死には自分の父親が死んだときよりも落胆しました。まあ一方では、「人は誰も皆死ぬのだから、惜しまれながら良い死に方だったじゃないか」と思う心もあります。

中村憲剛、鈴木啓太、中村俊輔、遠藤保仁、阿部勇樹、巻誠一郎、ドラガン・ストイコビッチ、佐藤勇人、羽生直剛…といったオシムの教え子たちが語っています。それ以上に、示唆に富んだ自分の言葉でオシムがインタビューに応えています。その言葉はまさに「日本サッカーへの遺言」でした。

オシム・ジャパン全20試合の記録も、JEFユナイテッド千葉時代の話も、ユーゴ時代のあれこれもあります。そして極めつけは、選手時代の若きオシムの写真! 思えば、1964年東京オリンピックで日本の地に降り立ったオシムがその後この国の代表監督になった奇跡は、私たち日本人にとってまさに僥倖でした。「日本サッカーの日本化」を、これからも日本サッカー関係者と我々ファンは、忘れずに追究していかねばならないと思います。 改めてご冥福をお祈りいたします。

 

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2022年6月 1日 (水)

「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」:主人公が甘ちゃん    #マイニューヨークダイアリー #マーガレットクアリー #シガニーウィーバー #サリンジャー

1_20220601230201映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』は、実話に基づく作品というか、ジョアンナ・ラコフの回想録『サリンジャーと過ごした日々』の映画化。本も映画も原題は“My Salinger Year”です。サリンジャー・マニアの大江戸としては当然読んでおりました。

出版業界版『プラダを着た悪魔』と言われてますが、まあそうですよね。アン・ハサウェイとメリル・ストリープが、マーガレット・クアリー(アンディー・マクダウェルの娘なんですってね。確かに似てます。)とシガニー・ウィーバーに置き替わったわけですね。でも、そうなるとあの二人ほどのインパクトはないし、二番煎じになった分不利ですよねえ。大江戸の評価としても、あの作品を超えていないことは明白です。

でもそれなりに健闘はしています。原作を上手に映画化したなあとも思います。でもこの主人公、最後まで結構ダメじゃん。どう成長したのかもはっきりしないし。そもそもあの状況になって、かなり長いことサリンジャー作品を読んでないってのが信じられません。仕事に誠実じゃないってことですよね(まあ、原作がそうだからしょうがないんですが)。甘ちゃんです。まるで『ちむどんどん』の主人公です。

シガニー・ウィーバーの方は、さすがの貫禄。素晴らしい芝居を見せております。でも、メリルが見事にやっちゃってますからねえ。そこの比較になると、辛いところです。

大江戸的には、職場の壁に飾ってあるサリンジャーの肖像写真や顔を隠して登場するジェリー(サリンジャー)の姿よりも、職場の棚にLittle Brown社版のサリンジャー作品がずらりと並んでる風景にぐっと来ましたね。

 

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2022年2月 3日 (木)

「キネマ旬報」2021ベストテンの発表    #キネマ旬報 #キネ旬ベストテン #2021年キネマ旬報ベストテン

Dsc_0074_copy_600x838 昨年同様のスタイルで、『キネマ旬報』の2021年ベストテンが発表されました。同様のスタイルとは、日本映画/外国映画両部門ともベストテンの第1位作品と個人各賞を発表し、2位以下がどういうことになったかは、直後に発売される最新号を買って確認してくださいよ、というもの。今年で言うと、2月2日の夜7時からYouTubeで発表式典のライブ配信があり(大江戸は、後から飛ばし見で見ました)、翌々日の4日にベストテン号発売。ただ、大江戸は定期購読者なので今日3日に届いたんです。昨年は「発売日まではSNS等に書いちゃダメ」って紙がはいっていたので控えましたが、今年は入ってないので、この記事もすぐにアップしちゃいます。

邦画も洋画も1位作品の圧勝でした。『ドライブ・マイ・カー』と『ノマドランド』。特に洋画は対抗馬がなかったんだと思います。だって2位がワイズマンの『ボストン市庁舎』ですからね(大江戸も3位に入れた作品とは言え)。ワイズマンとしても過去最高位。 でも、邦画も洋画も入るべき作品が入った印象。近年の中では「えー?!」とか「そりゃないでしょ」といった感想の無い順当な年だったと思います。強いて言えば、邦画で9位の『いとみち』が落ちて、11位の『BLUE ブルー』が繰り上がってくれると良かったなあとか、洋画10位の『少年の君』は、両部門のテンの中で唯一観逃していた作品だなあとかです。 それにしても、1位『ドライブ・マイ・カー』、3位『偶然と想像』(および監督賞、脚本賞)の濱口竜介さんは凄いですね。 ちなみに大江戸の洋画第1位『ラーヤと龍の王国』は、誰一人として(1点たりとて)投票しておりませんでした。…わかっとらんねえ。

(大江戸の2011年邦画/洋画トップテンはこちら ↓ )

2021邦画トップテン    #2021年日本映画ベストテン #2021年邦画ベストテン #シンエヴァンゲリオン #偶然と想像 #庵野秀明 #濱口竜介: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

2021洋画トップテン    #2021年外国映画ベストテン #2021年洋画ベストテン #ラーヤと龍の王国 #春江水暖: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

そして読者選出ベストテンも、まあ順当な印象。こちらも『ドライブ・マイ・カー』と『ノマドランド』の圧勝でした。1年前の邦画部門のような変事(三浦春馬ファンの組織票と思われる『天外者 てんがらもん』の第1位)は起きずに、ほっとしました。

個人賞もみんな妥当なところ。でも今年は男女とも「新人賞」が不作気味でしたね。

さて、これを読んで気になった人は、4日発売の『キネマ旬報』ベストテン特別号を買ってください。経営的にずっと苦しい会社ですから。「キネ旬ベストテン」を未来につなぐためにも、よろしくお願いします(小生はまったくの部外者ですが、ずっと応援してますので)。

 

 

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