2024年8月13日 (火)

久方ぶりの末廣亭    #末廣亭 #新宿末廣亭 #末広亭 #春風亭昇太 

Dsc_15672_copy_1024x774 新宿の末廣亭で12時から4時15分の昼の部を見ました。コロナ以降一度も行ってなかったなあ、と調べてみたら2019年以来5年ぶりだったのです。たっぷりの落語の合間に、漫談、コント、紙切り、浪曲なども楽しませていただきました。

今日は2階席まで大入り。大江戸は開演を1-2分過ぎて入場して、1階サイドの桟敷席(畳敷き)でした。しかしながら、実は今右膝裏の腱を痛めているので、そしてもともとあぐらは苦手なので、体育座りを基本としながらずーっと長時間、体勢を変えながら苦闘しておりました。ずっと斜めの姿勢で高座の方を見ているので、しまいには首や肩も痛くなってくるし。もっと早く来て、椅子席を確保すべきでしたー。

Dsc_1565_copy_522x800 でも今日の出しものには面白いのものが多く、満員の観客からしばしば爆笑が起きていて、演者の皆さんもノッてました。

かなり久々に見たらかなりご年配になっていた(あたりまえ)、コント山口君と竹田君もかなり笑えましたし、春風亭一門の若手の方々も生きのいい芸でかなり笑わせてくれました。

「浅草国際通りの三平ストアーでチーズと豆腐が抗争を繰り広げる」というシュールな浪曲の玉川多福さんが、ユニークかつめっちゃ面白くて、目からウロコでした(こんな浪曲もあるんだー)。観客からの拍手も一番多かったかも。

まあ、中には昔のまま時代に取り残されちゃった年寄りの噺家がいて、あまりにセンスが古くて全然笑えなかったりもしましたが…。だって、サングラスかけて石原裕次郎の『錆びたナイフ』と『嵐を呼ぶ男』をそれぞれフルコーラス歌うんですよ。それだけで、何のオチもないという…(唖然)。その後の「裕次郎」という語を使ったダジャレオチにも唖然。お客さんの空気もかなりドン引きしてました。しかもこの人、声が小さすぎて、末廣亭の音響設備だとあんまり聞こえないのです。そろそろ隠居なさった方がよろしいんじゃないでしょうかねえ。

Dsc_1568_copy_1024x800 トリ(主任)は春風亭昇太師匠。30分の持ち時間の半分が枕だという…(笑)。でも、がっちり客席をつかんで、どっかんどっかん笑わせてくれました。この人も貫禄がついてきましたね。

只今、絶賛夏休み中お大江戸ですが、特に旅行とか行かないときには(今回がそう)、だいたい都内散策と映画鑑賞とJリーグ観戦と末廣亭ってのが定番です。今日は久々に大笑いできて、満足です。

5年前のレビューを探してみたら、なんと昇太師匠がトリだってのを含めて、同じような感想をもっていたことに我ながら驚きました。うーん、ぶれない大江戸です(進歩がないってわけではありませんからね)。

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2024年7月30日 (火)

「ふくすけ 2024 ―歌舞伎町黙示録ー」@Theater MILANO-Za    #ふくすけ #松尾スズキ #TheaterMILANO-Za #松本穂香

Dsc_1537_copy_768x977 Bunkamura Challenge「COCOON PRODUCTION 2024」の『ふくすけ 2024 ―歌舞伎町黙示録ー』(長っ!)を、東急歌舞伎町タワーに昨年オープンしたTheater MILANO-Zaで観ました。この劇場は初めて入りましたが、渋谷のBunkamuraにあったシアターコクーンと似た作りで、大きすぎず見やすいですね。

『ふくすけ』は松尾スズキが20代で書いた戯曲で、1991年の初演以来4度目(12年ぶり)の公演だそうです。小生はもちろん松本穂香目当てで観たわけですが、とにかくキャストが豪華。松本さんのほかに、阿部サダヲ、黒木華、岸井ゆきの、荒川良々、秋山奈津子、皆川猿時、伊勢志摩、内田慈、松尾スズキなどなどですもん。

大江戸は先攻チケットにハズレて、チケット発売日の争奪戦で何とかギリギリこの日の3階席最後列が手に入った次第。それでも見やすかったですよ。オペラグラスも生きました。

ほぼ定時開演で、第1幕1時間30分、休憩20分、第2幕1時間10分の計3時間と書いてあったけど、実際はカーテンコールまで入れるとこれプラス5分ってところでした。

Dsc_1536_copy_574x977 いやー、なかなかヘヴィーというか、松尾スズキらしい闇と毒のある作品でした。前半はともかく、後半の展開でなんか黒いモヤモヤを体内に孕んだまま帰路に着かされるという…。狂気がありますね。そこらが歌舞伎町のこの劇場に似合うと言えば似合うのですが…。でもこの劇場、なんか顔がないというか、エスカレーターで6階に上がるといきなりエントランスだし、広いロビーはないし(PARCO劇場にしても紀伊国屋ホールにしても、ビルの中の劇場はしょうがないのかもしれませんけど)、なんかつまんないなあ。

松本穂香さんは、曲者役者だらけの中で、ピュアに健闘していました。役柄のイノセンスと悲哀をきちんと演じていたと思います。これからも舞台で観てみたい人です。

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2024年5月18日 (土)

「ミッシング」:石原さとみの凄さに震えよ!    #ミッシング #吉田恵輔 #石原さとみ 

1_20240518225701 映画『ミッシング』、想像以上に傑作でした。やっぱり吉田恵輔監督は、現在日本の映画監督の中で5本の指に入る才人、むしろ異才の人です。脚本も吉田恵輔。現代日本の抱えるさまざまな社会問題や人間の在りようへの問題をぶっこんで、観る者に突きつけて来ます。そのえぐ味、容赦のない飲み下しにくさもまた、彼の持ち味です。

とにかく石原さとみが、震えるほどに凄すぎます! 想像のはるか上を翔んでいました。ほとんどすっぴんで、これまでのかわいさを取り払った彼女ですが、過去にそのようにしてイメージチェンジや脱皮を図った女優たちの比ではありません(シャーリーズ・セロンや長澤まさみよりもスゴイ)。息が止まるほどの演技を見せてくれる場面が何か所かあり、観ているこちらも動揺して、感動して、激しく揺すぶられました。あの警察署に駆けつけた場面の圧倒的な凄まじさは、必ずや映画史に残るものです。 もう本年度の主演女優賞は、彼女以外に考えられません。

もちろん、それを引き出した吉田恵輔の脚本と演出手腕も見事です。そして、共演した俳優陣もまた素晴らしいのです。青木崇高の抑えた芝居からにじみ出る深い愛。中村倫也の誠実そうな芝居が放つ、多くの観客にとっての当事者感覚(観客に一番近いのは、たぶん複雑な心情を抱えたこの人)。そして森優作の個性を生かした曲者芝居。

(以降少々ネタバレあり) 『空白』同様、微かな希望の光が感じられるラスト(今回は本当に光が輝いていますが)。この空気、この塩梅もまた吉田恵輔らしさであり、映画だなあ、いいなあと感じさせるものでありました。

てなわけで、1,200円のパンフレットを買ってしまいましたが、これが表紙を含む100ページ(無線綴じ)の大充実パンフ。うち37ページは、シナリオ決定稿がまるまる載っています。これもまたある種の覚悟のようなものが伝わる、素晴らしい仕事だと思いました。

 

 

 

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2024年4月22日 (月)

ドラマ版「舟を編む」の素晴らしさ    #舟を編む #ドラマ版舟を編む #お仕事ドラマ #柴田恭兵 

NHKの朝ドラ『虎に翼』、世評も非常に高いように見受けますが、確かに面白いですよね。朝ドラ定番の1〜2週間の子供時代がなかったことで、スタートダッシュが効いたように思えます。

前クールの『ブギウギ』もよくできた伝記ものでしたし、趣里の個性や歌唱力も素晴らしかったのですが、今回のはその上を行きそうな序盤であります。寅子がしばしば発する「はて?」は流行語大賞ノミネート確実でしょうし(「月のもの」もか?)。

そしてNHKといえば、BSで昨日最終回だった『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』がサイコーでした! 三浦しをんの原作小説がとにかく素晴らしいし、松田龍平、宮崎あおい主演の映画版も素晴らしいのですが、このドラマは設定を現代にアップデートし(世の中はここ十年ぐらいで、えらく変わったのですね)、池田エライザ演じる岸部みどりさんを主役に据える(まあ、群像劇ですが)など、原作を離れて大きく改変してあるのですが、それが成功しています。脚本の蛭田直美さん、いい仕事をしました。

しばらく前に某ドラマにおける原作からの改変が問題になったのとは違って、本作の改変には原作へのリスペクトがあり、原作の精神の芯をしっかり捉えた翻案でしたからね。むしろ社会の中のいろんな常識や人々の考え方が変わっている今に合わせてこのように改変しないと、なんか古めかしくピンと来ないものになっていたかも知れません。世の中って、ここ十年かそこらで大きく変わったんですねえ。ジェンダーの問題や多様性の捉え方についても、仕事の仕方やについても、恋愛についても…。

原作からの名言に加えて、オリジナルの名言もたくさんありました。そして、毎回感動する場面がありましたよ。大江戸が好きな「お仕事ドラマ」として秀逸であり、さらにはみどりの成長物語としての側面も。

池田エライザも、野田洋次郎も適役でしたが、何と言っても柴田恭兵! いい感じに枯れて、ますます細くなって、メガネが似合って、知性と慈愛に溢れて、すっごく素敵でした。ああいう人に、私はなりたい。これまで見た柴田恭兵の中で、断然ベストです。『あぶ刑事』なんか、目じゃないっす。今後の彼が楽しみになってきました。

昨年の『ミワさんなりすます』も含めて、やっぱり大人の鑑賞に耐える良質ドラマは、NHKなんですよねー。

大江戸は言葉好きってこともあり、辞書作りみたいな仕事、結構性に合ってると思うのです。まあ、来世で(来世の存在なんか信じてないんですけど)。 そして、辞書作りや、その他出版に関わっている方々に敬意を表したいと思います。

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2024年3月 8日 (金)

日本アカデミー賞雑感    #日本アカデミー賞 #岸井ゆきの #山崎貴 #浜辺美波 #ゴジラマイナスワン

毎年あーだこーだ文句言いながら見ている『日本アカデミー賞』。今年も見ちゃいましたよー。

いつもながら、俳優賞に絞ってる(片寄ってる)番組なのです。男女の新人賞、助演賞、主演賞をたっぷりやって、あとは作品賞だけ。その他の賞のダイジェストは、ほんの少しだけ。画面に出ているお名前さえ読み切れないぐらいのスピードで終わっちゃいます。まとめて紹介するときの「○○賞はこちらの方々」っていうの、嫌ですねー。本当は、これらの各賞を紹介してからでないと、安藤サクラが言ってた「『ゴジラ』強いですね」とか、役所広司が言ってた「やっと『ゴジラ』の牙を抜いたような気がします」とかがわからないんですけどね。

それはともかく、岸井ゆきのがあまりに緊張しながらのヘタな司会だったので驚いてしまいました。あれだけ演技うまいんだから、司会者役を演じればいいのに。『怪物』の子役二人の立派なスピーチに較べて、えらくドイヒーでした。

安藤サクラや浜辺美波は果たして主演なの?って思いとか、なんで安藤さんがダブル受賞?とか、『怪物』で助演女優賞なら田中裕子も入ってるべきじゃないの?とか、いろんな思いがあります。

でも『ゴジラー1.0』が作品賞を含む8部門を獲得したので、なんだか丸く収まりました。本場アメリカの「アカデミー賞」(視覚効果賞でノミネート)を前に、景気つけた感じです。なのに、山崎貴監督は監督賞にノミネートされず(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』の成田洋一なんていう、知らない人が入ってるというのに…)。一方で、山崎貴が最優秀脚本賞に選ばれたってのが、一番のぶっとびでした。『ゴジラー1.0』の欠点は脚本だとか、山崎は他人に脚本頼んだ方がいいとか、いろいろ言われていたのを知ってるだけに、かなり驚きました。 『PERFECT DAYS』にも、ヴィム・ヴェンダースの監督賞と役所広司の主演男優賞を与えて、バランス取った感じ。

最優秀外国作品賞は、『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』。日本アカデミー賞らしい娯楽大作の選出となりました。前年は『トップガン マーヴェリック』だったので、2年連続のトム・クルーズ作品ですよ。すごいなあー。

まあ、全体を通して浜辺美波がキラキラしていて、日本アカデミー賞や女優ってものの華やかさを体現していたのが結構でございました。

 

 

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2024年2月 1日 (木)

「奇跡の女優◎芦川いづみ」    #芦川いづみ #奇跡の女優芦川いづみ #日活 

Dsc_0720_copy_1024x768 昨秋刊行された『奇跡の女優◎芦川いづみ』倉田剛(鳥影社)を読みました。表紙の写真は、1956年の『死の十字路』(未見)だそうですが、芦川さんを代表する写真としてはちょっと大江戸好みではありませんね。

第一部=芦川いづみ論、第ニ部=芦川いづみ全映画作品、第三部=芦川いづみフィルモグラフィ から成り、ボリューム的には第二部が圧倒的。

第一部は「論」をつけるには少々あっさりしているのですが、著者(倉田剛)の視点で芦川いづみという女優の特質を分析し、コメディエンヌとしての彼女を評価しながらも、彼女の最高傑作は『硝子のジョニー 野獣のように見えて』だと断言しています。

第二部、第三部は資料的価値が高く、これから芦川さんの作品を観る時に必携の書となるでしょう。倉田氏はいづみさんの主演作108本のうち5本だけ未見なのだそうです(スゴイ!)が、作品数が「煩悩の数」と一緒だというのも、なんかスゴイです。小生はまだ25本しか観ていないので、まだこれからの楽しみががたっぷりあります。ふふふ。

著者の文章は、お年を召した方特有の癖があって、申し訳ないけどちょっと苦手なのですが、これまで意外なほど関連書籍が出ていなかった芦川さんに、『芦川いづみ 憂いを含んで、ほのかに甘く』(2019年)に続いて重要な本が刊行されたことを喜びたいと思います。

 

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2023年12月 7日 (木)

「ミワさんなりすます」じんわり感動のフィナーレ    #ミワさんなりすます #松本穂香 #堤真一 #ミワさん最終回 #ミワさんなりすます 展 #ハナレグミ #青木U平

Dsc_0345_copy_912x748 先日、NHK放送博物館での小展覧会についてレポートした夜ドラ『ミワさんなりすます』(NHK)が今夜最終回(第32話)を迎えました。ここ8週間、月〜木曜夜の15分のお楽しみだっただけに、「ミワさんロス」が始まりそうです。うう。

(展覧会レポートはこちら ↓ )

「ミワさんなりすます展」@NHK放送博物館    #ミワさんなりすます #松本穂香 #堤真一 #ミワさんなりすます展 #NHK放送博物館: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

本日の最終回、気持ちの良い終わり方でした。地味で自信のなかったミワさんが、一つ成長した姿。その瞳の輝きが見られました。

そして松本穂香のミワさん、最高でした! 彼女の新たな代表作です。『ひよっこ』や『この世界の片隅に』、『私は光をにぎっている』と並びますね。ぽわんとした個性が生かされていました。 オタクで、自信がなくて、でも好きな映画と八海(やつみ)サマのこととなると圧倒的なのめり込み方と膨大な知識。それなのに、どうしようもなく人を引きつける不思議な魅力。片桐はいり演じる一駒さんも「ミワさんは深い人」と言ってましたし。不器用でも、まじめで一所懸命な人は好かれるものですよね。(以降少々ネタバレあり) 八海(やつみ)に引退を撤回させたミワが見せる「良かった」の表情、最高でした!

Dsc_0351_copy_561x748 堤真一の八海崇も、紳士的なスーパースター感を出して、さすがでしたね。彼の新作映画『Shinobi-CITY』のポスター、これ展覧会場で見た時は「?」でしたけど、今日の終盤にバンバン出て来ましたね。

最初は怖い人かと思った藤浦さん(山口紗弥加)や、得体が知れなかった美羽さくらさん(垣松祐里)も結局はいい人で、てか、登場人物みんないい人で、そういうの好きな大江戸としては、気分良く見られました。

でも(役柄だから申し訳ないけど)紀土くん(水間ロン)だけは嫌で嫌でたまりませんでしたね。よく言う「生理的にダメ」ってのに近いものがあったような…。最終回は出て来なくて、何より(笑)

そうそう、ハナレグミの主題歌『MY夢中』も、じんわり素敵。♪めっちゃ夢中~…がけっこう頭の中でリピートしている今日この頃です。

あーあ、終わっちゃった。しょうがないから、青木U平の原作マンガを読んで、ひとまず寂しさを紛らそうかなーなどと考えている大江戸なのであります。

 

 

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2023年12月 2日 (土)

「朝がくるとむなしくなる」と舞台挨拶とサイン会    #朝がくるとむなしくなる #朝むな #唐田えりか #芋生悠 #石橋夕帆 #シネクイント

1_20231202232001 映画『朝がくるとむなしくなる』公開記念舞台挨拶とサイン会付の上映@渋谷シネクイントに行ってきました。はい、唐田えりかさん目当てです。

まずは映画。唐田さんはここ1年程の間に、小規模公開の映画4本(『の方へ、流れる』、『死体の人』、オムニバス『無情の世界』の中の『真夜中のキッス』と本作)で主役級を演じているのですから、大したものです。当然、全部劇場で観ております。この映画での彼女は、とてもナチュラルな「普通の人」。今の時代の漠然とした息苦しさと生きづらさを体現しています。いやー、いいですよ。

脚本・監督の石橋夕帆が唐田さんにあて書きしたということで、いかにも地に近そうな感じの役柄。台詞は、彼女の置かれた状況を反映するような、どうしても彼女自身を連想してしまうようなものがいくつもありました。そして、それらが優しく人を励ますようなものであることが嬉しいですね。難しい時代の中で、一人一人を「大丈夫だよ」と励まし、力を与えるような、やわらかいポジティブさにあふれた作品でした。むなしくならない映画です。

実際に唐田えりかと大の親友であるという芋生悠が、これまたナチュラルな好演。この二人を使って、日本映画史に残る「シスターフッドもの」を作った石橋夕帆監督のやさしく温かい視点が、とてもいいのです。76分というコンパクトさと、描写のあっさりかげんも、この作品の魅力です。そして最大の魅力は、お酒を飲んでぐだぐだ話してる時の面白さ。あのナチュラルさは、ほんとに飲みの席に居合わせて、いいものを観せてもらっている気分になります。なんならホン・サンスの映画みたいに、全編の半分ぐらいを酒飲みぐだぐだ描写で埋め尽くしちゃえばいいのに。

 

Dsc_04332_copy_1265x929 終映後の舞台挨拶は唐田さん、芋生さん、石橋監督。約20分ほど、楽しいお話を伺えました。唐田さんは長い髪を切って、新しいヘアスタイルになっておりました。この作品、2年ほど前に撮影して、ようやく公開になったんですってねー。唐田さん、芋生さんの仲良し感もしっかり伝わって来ましたし、石橋監督の持つ現代のバッシング社会への問題意識も大いに同意したいものでした。お話の後にはメディアのフォトセッションと観客サービスの約10秒。事前情報では写真不可だったので、デジカメ持って行かなかったんですよねー。10mぐらい離れていて、照明も暗かったので、ケータイカメラでは限度があります。残念。

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で、その後にサイン会。この回の観客で、パンフレット(と言っても、A3の紙を4つ折りにしたものですが)を買った人は、そのパンフにサインしてもらえるというもの。これがもう、ほとんどすべての観客が参加したんじゃないでしょうか? 列が通路から劇場内を通って、ロビーに出て、そこから階段を下りて1フロア下の回の通路まで続いておりました。そんなわけでサインをもらうまでに30分近くかかりましたが、でもオッケー! お三方が横並びでしたが、真ん中の唐田さん、いやー、かわいいのなんの。顔が小さく、瞳キラキラでした。

Dsc_0437_copy_1280x929 サインはこんな感じ。芋生さん、サインがお顔になってます。唐田さんは読みやすいきれいな字のサインですねー。家宝にしたいと思います。

 

(2回目の鑑賞レポートはこちら ↓ )

「朝がくるとむなしくなる」(2回目):小さな話の美しさ    #朝がくるとむなしくなる #朝むな #唐田えりか #芋生悠 #石橋夕帆 #シネクイント: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

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2023年11月14日 (火)

「ミワさんなりすます展」@NHK放送博物館    #ミワさんなりすます #松本穂香 #堤真一 #ミワさんなりすます展 #NHK放送博物館

Dsc_0344_copy_1280x960 愛宕山のNHK放送博物館で開催中の「『ミワさんなりすます』展」(~12/17)を観て来ました(入場無料)。ええ、ええ、このためだけに行きまして、これだけ観て帰って来ましたとも。たまたま左脚のふくらはぎが謎の筋肉痛で痛いのを引きずりながら、汗かいて愛宕の坂を登って行きましたとも。

Dsc_0345_copy_1170x960 『ミワさんなりすます』は、NHKの夜ドラで月~木の(原則)10:45-11:00に放映している全32話(10/6-12/7)。本日の放送が第18話、半分ちょっと終わったところです。いやー、これがもう面白くて! 毎日この時間が楽しみなんです。大好きな松本穂香目当てで見始めたわけですが、それのみならず素晴らしい作品です! 毎回のようにキュンキュンしちゃったり、甘酸っぱく切ない感情が沸いたり、かなり心を揺さぶられております。ミワさんが内気でまじめな映画オタクだってのも、大江戸的にはポイント高いっす。

Dsc_0346_copy_1280x935 放送博物館の1階ロビーの奥のコーナーで開催されておりまして、おおいきなり松本さんの自筆サインが出てるではありませんか。そしてガラスケース内には、ドラマに出てきた小道具の数々が展示されております。

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ミワさん(松本穂香)が八海崇(堤真一)に書きながら溜めていたファンレターとか、美羽さくらさんの職員証とか、久保田ミワさんの保険証とか、細部まで揺るがせにせずにしっかりと作ってあります。NHK美術部さんの労作の数々ですね。

Dsc_0347_copy_896x960 秒単位で採録してあるミワさんの「映画ノート」も、どんなものなのか見ることができました。

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もちろん八海(やつみ)さん関係も充実してます。ミワさんの部屋にあったポスターやフィギュアや雑誌など、ふんだんに展示。Dsc_0357_copy_1280x960

Dsc_0355_copy_1280x960 台本やメガネや、あのボトルシップもありました。

Dsc_0352_copy_1280x887 いろんな映画賞で八海さんが受賞した際の盾やトロフィーも、それぞれのデザインで、しっかりとプレートに刻印してあります。揺るがせにしませんねえ。

 

Dsc_0348_copy_965x960 その頂点とも言えるのが、ミワさんのDVDの棚。なんてことないように見えるでしょ。

Dsc_0353_copy_1025x960 ところがどっこい、この目見当で千本ぐらいあるDVDのすべてが、実際には存在しない映画のものなのです。つまり市販のDVDを並べてるのではなくて、この一つ一つがすべて番組オリジナルの手作りジャケットなのです。

Dsc_0349_copy_604x960 いやー、これに気付いた時には面食らいましたね。「面食らう」と「麺食らう」は似てますね。よくもまあ、というか、どうやって、何人ぐらいで、どれだけの時間をかけて作ったのか興味深いところです。

Dsc_0354_copy_1280x678 で、下の方に積んである作品を見ると、ちゃんと表紙(って言うのかな?)部分もそれぞれ作ってあります。これ、棚に並んでるやつももしかして表紙や裏表紙まで作ってあるんですかねえ?? だとしたら、黒澤明映画の美術みたいな話ではありませんか。びっくりです。手を触れちゃいけなかったので、その真実はわかりませんでしたけど、いずれにしても只ならぬことです!

 

Dsc_0350_copy_688x960 最後にはミワさんになりすませる「顔はめパネル」も。

いやー、小規模ではありますが、このドラマのファンとしては、かなり楽しめる展覧会でした。

ドラマのこれからの展開も楽しみです。未見の方は、NHKプラスとかで見ることをお勧めします(番組関係者じゃないけど、なりすまして宣伝します)。

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2023年10月18日 (水)

「鯨の骨」:あのちゃんは悪くないけど…    #鯨の骨 #あの #あのちゃん #大江崇允 

1_20231018122401 映画『鯨の骨』は、『ドライブ・マイ・カー』の脚本家(共同)の一人だった大江崇允の監督作品(共同で脚本も)。主演は落合モトキとあの(あのちゃん)です。

大江戸は『ちゅ、多様性。』以降、あのちゃん大好きなので、主演女優目当てで観た次第。でもねー、しかしねー、「うーん」って感じでした。なんか自主制作のカッコつけた概念映画みたいで、ダメでした。こんな頭でっかちでマスターベイティングな映画って、久々に観たかもです。やっちまったって感じです。

映画としての魅力というものが画面に出ていませんし、青くさい小難しさが何も生み出していません。とにかく単純に「面白くない」のです、いろんなレベルで。ラストなんか、あまりにドイヒーで脱力してしまいました。

あのちゃんは悪くないんですよ。大江監督の指導もあったようですが、タレント「あのちゃん」に見えないように、俳優「あの」として一つの役を演じていました。うまくはないけれど、只ならぬ地の魅力がありますからね。赤いコートも印象的に似合っておりました。 そしてアーティスト「ano」として作った主題歌が良いです。さすがです。

そもそも何で「鯨の骨」なのか?ってことに関しては、オープニングに字幕で説明されます。でも説明されてもやはり「なんのこっちゃ?」ですし、どうにもこうにもスカシてるんです。まことに残念な作品でありました。

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