2024年4月15日 (月)

「ソウルフル・ワールド」:君たちはどう生きるか    #ソウルフルワールド #ディズニーピクサー #人生哲学アニメ 

1-1_20240415220301 思い起こせば2020年。コロナ禍下で、ディズニーが新作の劇場公開を取りやめ、配信オンリー政策を取ったのです。その中で、当初は劇場公開予定で、大江戸も映画館で予告編を見ていた作品が『私ときどきレッサーパンダ『あの夏のルカ』『ソウルフル・ワールド』の3本。特に小生は『ソウルフル・ワールド』の予告編を見て、「これは今年のマイ・トップテンに入るかも」と思っていたのに、配信のみとなりがっかりなのでありました。そういうことなので、配信嫌いとしては、これまで未見。それがこの春、この3作をようやく劇場公開してくれるという、罪滅ぼし企画(あるいは利潤の追求?)のおかげで、やっと『ソウルフル・ワールド』を観ることができました。この3作、晴れて『キネマ旬報』ベストテンの対象になるわけですよね?

で、期待は裏切られませんでした。ディズニー&ピクサーの合作なのですが、やはり高打率。すべてにわたってレベルが高いし、大人の鑑賞に堪え得るし。しっかり感動させてくれます。いつも通り、脚本の練られ方がハンパないのです。

(以降少々ネタバレあり) もっとジャズ寄りの音楽ワールド映画かと思っていたら、さにあらず。人生や「生きる意味」を哲学的に考察する作品なのでした。中盤など、哲学的探究がちょっとしつこ過ぎる気もしましたが、最後にはいい感じにまとめてくれます。こっちの方が宮崎作品よりもずっと「君たちはどう生きるか」ですね。

でもジャズ関連の件りも素晴らしいレベルの出来。音も良かった。『BLUE GIANT』との2本立てがおススメと思ったりもしましたよ。ニューヨークの描き方も見事ですしね。メンズスーツってもののカッコ良さも、しっかり見せてくれました。

絵的にも、リアルなニューヨーク&ジャズ界と、ファンタスティックな霊界?の描き分けがグッドです。そして、ジェリーやテリーといった線画というか一筆書きみたいなキャラクターがユニークで最高でした。3DCGの中のシンプルな線キャラ、いいですよねー(テリーはエンドロール終了後にも出番があります♪)。

あ、ちなみに本作の原題はシンプルに、“Soul”です。 

 

併映短編は『夢見るウサギ』。シンプルでほっこりとした二次元アニメでした。

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2024年4月13日 (土)

「プリシラ」:夢見る少女じゃいられない    #プリシラ #エルヴィスプレスリー #ソフィアコッポラ #ケイリースピーニー 

1_20240413223901 映画『プリシラ』は、2020年の『オン・ザ・ロック』以来となるソフィア・コッポラ監督作品。エルヴィス・プレスリーの妻だったプリシラを通して、1960年代の男性性や時代とジェンダーについて描き出します。

ソフィア・コッポラももう52歳なんですねえ。相変わらず「少女」をテーマにした作品を撮っております。無垢で無知な夢見る少女と、いかにも20世紀的な男性規範。プリシラさんの名前ぐらいは知っておりましたが、こういう感じだったんですね。それをソフィアが、いかにも彼女らしい形で創作しました。

とにかく、プリシラを演じたケイリー・スピーニーが好演です。14歳から27歳までの変化を演じてますし、とにかく9年生時代(中3ですかね?)の彼女が、幼くも可憐でかわいいのですが、なんとこの女優さんは現在26歳! 撮影時でも24-5歳だったでしょう。おそるべし!

写真を見ると、実際のプリシラにヘアメイクでかなり似せています。エルヴィス役のジェイコブ・エロルディも、バズ・ラーマン作品『エルヴィス』のオースティン・バトラーとは違って、しっかり本物のエルヴィスに似てます(ちょっと縦長過ぎるけど)。独特の発生も、見事にマスターしてます。

それにしてもエルヴィス、かなりヤバイ奴です。いけないクスリ、拳銃、DVに加えて、少女略取監禁みたいなもんですからねえ。まあ、時代なんですよね。

 

16fe4c23ef6218d2 それはそうと、今年になってから顔を寄せ合う男女二人のアップを逆光気味に捉えた映画ポスターが続いてますね。『サイレントラブ』、『四月になれば彼女は』、そして本作と・・・ねっ、似た感覚でしょ。Oip

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2024年3月 5日 (火)

佐野元春「今、何処 」ツアーのライブフィルム上映    #佐野元春 #今何処ツアー #コヨーテバンド 

「佐野元春&THE COYOTE BAND ライブ・フィルム 『今、何処 TOUR 2023.9.3 東京国際フォーラム』 一夜限りのプレミア上映」という長い名前のイベント上映に行ってきました。会場は新宿バルト9のシアター9。

上映前に佐野元春とコヨーテバンドの高桑圭、深沼元昭によるトークショーありってことで(ぴあでチケットを買った時点では知らなかったのですが、発券したら券面に書いてありました)、喜び勇んで行きました。席はシアターのちょうど真ん中あたり。トークショーは37分ほどと結構たっぷり。このライブ映画の那須監督も飛び入り参加で、作品の裏側のお話も。MCの方が映画もわかってるライターさんだったので、21台の4Kカメラのうち1台はアナモフィック・レンズをつけて撮っていた(メインで佐野を押さえているやつ)とか、プランも編集も佐野さんの考え方がばっちり入っているとかのお話もありました。佐野さんは、やっぱり若々しくて(まもなく68歳なのに!)、チャーミングな方でした。もちろん、あのしゃべり方!も変わりません。

Dsc_0933_copy_600x889 昨年のこのツアー、大江戸は「どうしようかなあ」と考えていて、結局行きませんでした。数年前の東京国際フォーラムは行っておりますが、アルバム『今、何処』(+『ENTERTAINMENT!』)をがっつり聴かせて、その世界を構築しているツアーだったのですね。トータルアルバムとして完成度が高い『今、何処』ですが、ライブだと同じような印象の曲が続く感じになってしまって、ちょっと面白みに欠けますね。(名盤ライブみたいな例はありますが)ライブの場合は、もう少し曲調のバラエティがないと、ちょっと辛い気もいたします。

この映像作品自体は、トークショーの時にMCの方が「普通のライブ映像とは全然違う」「1本の映画作品である」「『ラスト・ワルツ』や『ストップ・メイキング・センス』にも匹敵する質の高い作品」などとさんざんハードルを上げたので、いざ観てみると、「そうかー? 割と普通じゃないかー?」と思ってしまった大江戸です。まあ、ピンボケ映像や急激ズームなど、普通のライブ動画だったら必ずボツにして別のテイクを使うであろうカットを使っているあたりが、普通とは違っておりましたけどね(作家性と言えるのでしょうか?)。でもまあ、全体的に編集はきっちり勘所を押さえていて、悪くありませんでしたよ。

コヨーテバンドって、なんか実にオトナでして、『七人の侍』の宮口精二みたいな無口で高度な職人的剣豪が5人(+佐野さん)揃ってるって感じ。その「隙のない感じ」が、やや面白みに欠けると言えば言えるところです。小生の好みからすると、もう少し隙があった方が(あるいは子供っぽい方が)いいなあ。

佐野さんの歌は近年のライブだと声が出ていないように聴こえたのですが、この映画だとサウンドをしっかり整えているので、ちゃんと声も出ていることがわかりますし、楽器ごとの分離も良く、クォリティの高い音で楽しむことができました。

終盤やアンコールでは昔の曲もやりましたが、『sweet 16』が良かったですねえ。好きな曲ではありましたが、あそこまで良いとは。『約束の橋』よりも『アンジェリーナ』よりも、本日のナンバーワンでした。

約1時間50分。「拍手しても、声援を送ったり声を出したりしてもいい」と前説で言っていたのですが、そこは日本人、客席は曲の間のパラパラした拍手程度で静かに鑑賞しておりました。でもエンドクレジットの最後には、満場の拍手が起きておりましたよ。本日の入場者へのおみやげは、佐野元春のモノクロポートレイトの布製ステッカーでした。 で、この映像作品、Blu-rayとDVDが明日発売されるのだそうです。

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2023年12月22日 (金)

クリスマスシーズンの銀座    #銀座のクリスマス #ミキモトツリー #和光改めセイコーハウス銀座 #ギンザシックス #中銀カプセルタワービル

Dsc_0522_copy_768x572 ザギンです。季節はクリスマス直前。このシーズンの銀座の夜は、冷えた空気の中、光の美しさが格別なんですよね。まあ、こればっかりは写真じゃ伝わりません。

Dsc_0523_copy_768x1024 でも写真でその雰囲気を少しでも・・・

中央通り(銀座通り)に沿って、2丁目のブルガリと、その向かいに3丁目のルイ・ヴィトン。

そしてその隣の松屋銀座は、建物自体が氷のように青白く発光。

Dsc_0525_copy_768x569 その先には、4丁目のミキモト。昔の生木とは違うけど、やはりここのツリーは銀座のクリスマスの象徴です。

Dsc_0537_copy_997x768 で、4丁目交差点に燦然と輝く和光改め「セイコーハウス銀座」(改名したことを知らない人も、まだ多いでしょう)。ライトアップがステキです。『ゴジラー1.0』でも壊されておりましたねえ。

Dsc_0536_copy_477x768 晴海通りを挟んでその先にあった5丁目の「三愛」ビルは、現在絶賛解体中です。すごいですねー。こんな銀座の中心で、通行を妨げないようにしながらの解体。

Dsc_0527_copy_768x1024 そういえば、銀座通り沿いの各ブロックにこんなキレイな数字が設置されております。「5」に限らず、1も、2も、8もあります。そう、銀座何丁目かを示すナンバーなんですね。ここは5丁目、銀座コアの前。

 

Dsc_0535_copy_1003x768 そして6丁目のギンザシックス入口前にはこのコンテナ? 

Dsc_0534_copy_964x768 これは、あの黒川紀章氏による異端の建築「中銀カプセルタワービル」(2022年に解体)の一室を改装して展示しているアートなのだそうです。クリエイティブスタジオYARさんによるこの作品の展示は12月25日まで。

Dsc_0531_copy_1024x768 中を覗くと、何とレコード・リスニング・ボックスになっているって趣向。なんだか宇宙船の中のようで、「昔思った未来」がそこにあるって感じです。

Dsc_0530_copy_938x768 壁に掛かったレコードは竹内まりや、山下達郎、松任谷由実、坂本龍一らのもの。なぜか渡辺満里奈もありましたよ。実際にこれらの曲も流れておりました。(関係ないけど今年はタツローさんのあの曲もあまり流れていないような…。ジャニー氏擁護発言の影響でしょうか?)

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まあ、そんなこんなで銀座の夜はメロウに更けていくのでした。

 

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2023年12月 7日 (木)

「ミワさんなりすます」じんわり感動のフィナーレ    #ミワさんなりすます #松本穂香 #堤真一 #ミワさん最終回 #ミワさんなりすます 展 #ハナレグミ #青木U平

Dsc_0345_copy_912x748 先日、NHK放送博物館での小展覧会についてレポートした夜ドラ『ミワさんなりすます』(NHK)が今夜最終回(第32話)を迎えました。ここ8週間、月〜木曜夜の15分のお楽しみだっただけに、「ミワさんロス」が始まりそうです。うう。

(展覧会レポートはこちら ↓ )

「ミワさんなりすます展」@NHK放送博物館    #ミワさんなりすます #松本穂香 #堤真一 #ミワさんなりすます展 #NHK放送博物館: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

本日の最終回、気持ちの良い終わり方でした。地味で自信のなかったミワさんが、一つ成長した姿。その瞳の輝きが見られました。

そして松本穂香のミワさん、最高でした! 彼女の新たな代表作です。『ひよっこ』や『この世界の片隅に』、『私は光をにぎっている』と並びますね。ぽわんとした個性が生かされていました。 オタクで、自信がなくて、でも好きな映画と八海(やつみ)サマのこととなると圧倒的なのめり込み方と膨大な知識。それなのに、どうしようもなく人を引きつける不思議な魅力。片桐はいり演じる一駒さんも「ミワさんは深い人」と言ってましたし。不器用でも、まじめで一所懸命な人は好かれるものですよね。(以降少々ネタバレあり) 八海(やつみ)に引退を撤回させたミワが見せる「良かった」の表情、最高でした!

Dsc_0351_copy_561x748 堤真一の八海崇も、紳士的なスーパースター感を出して、さすがでしたね。彼の新作映画『Shinobi-CITY』のポスター、これ展覧会場で見た時は「?」でしたけど、今日の終盤にバンバン出て来ましたね。

最初は怖い人かと思った藤浦さん(山口紗弥加)や、得体が知れなかった美羽さくらさん(垣松祐里)も結局はいい人で、てか、登場人物みんないい人で、そういうの好きな大江戸としては、気分良く見られました。

でも(役柄だから申し訳ないけど)紀土くん(水間ロン)だけは嫌で嫌でたまりませんでしたね。よく言う「生理的にダメ」ってのに近いものがあったような…。最終回は出て来なくて、何より(笑)

そうそう、ハナレグミの主題歌『MY夢中』も、じんわり素敵。♪めっちゃ夢中~…がけっこう頭の中でリピートしている今日この頃です。

あーあ、終わっちゃった。しょうがないから、青木U平の原作マンガを読んで、ひとまず寂しさを紛らそうかなーなどと考えている大江戸なのであります。

 

 

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2023年11月30日 (木)

ローリング・ストーンズ「ハックニー・ダイアモンズ」    #ローリングストーンズ #ハックニーダイアモンズ #アングリー

Dsc_0167_copy_800x6003 この10月にリリースされたザ・ローリング・ストーンズのニュー・アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』。予約して発売日には手に入れていたのですが、例によって聴きこんでからのご報告です。

2005年の『ア・ビガー・バン』以来18年ぶりのオリジナル・アルバムですが、そしてチャーリー・ワッツが亡くなって(いよいよミック・キース・ロニーだけになって)初めてのアルバムですが、チャーリーがドラムを叩いてる曲も2曲(+日本版ボーナストラックも)入ってます。ついでながら、レディー・ガガをフィーチャーした曲もあります。

うーん、とにかくスゴイです! だって、80歳前後の人たちがやってる音楽とは思えませんよ(ミック=80、キースもまもなく80、ロニー=76)。『ア・ビガー・バン』よりも絶対充実してますよ。バリバリのロックンロールですよ。イキがいいんですよ。どの曲もまるごとストーンズです。年齢を感じさせないどころか、「全盛期」を感じさせさえするのです。恐るべし。

リード曲の『アングリー』は、ストーンズの名曲の一つに数えられそうなキャッチ―なナンバー。ジャケットにステッカーが貼ってあるように、フジテレビ『うちの弁護士は手がかかる』のテーマ曲なんですよねー。よくそんなことができたな?とびっくり仰天であります。ドラマも1回だけ斜め見しましたが、曲の流れるタイトル場面にMVと連動したストーンズのビジュアルを使ったりしておりました。

日本版ボーナストラックは、(大江戸の趣味としては)まあなくても支障がないような曲でした(笑)。 さて、次のオリジナルアルバムが作られることはあるのでしょうか? それともこれが最後なんでしょうかねえ?

 

 

 

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2023年11月 6日 (月)

ビートルズの新曲「NOW AND THEN」    #ビートルズ #nowandthen #ナウアンドゼン #ビートルズの新曲 #ポールマッカートニー 

ザ・ビートルズの「最後の新曲」という『NOW AND THEN』(ナウ・アンド・ゼン)が発表されましたね。解散後だいぶ経ってからのテクノロジーの進化による新曲ということでは、1980年代の『フリー・アズ・ア・バード』『リアル・ラヴ』に次ぐものです。

11月2日にデジタル配信され、CDも3日に発売されたそうですが、大江戸はYouTubeの公式版MV(4分35秒)および「Short Film」と題した12分25秒のメイキング映像を見ました。このMVはピーター・ジャクソン監督(『GET BACK』のご縁)が手掛けたそうですが、各年代のメンバーを他のメンバーや違う年代の本人と共演させるなど、現在のテクノロジーを使って、遊んでおります(おどけまくるジョンが印象的)。そもそもこの曲自体、現在のテクノロジーでジョンの声を再現することで実現に至ったわけですからね。

ただねえ、あまりジョンの声に聞こえないというか…。結構それっぽくはありますが、むしろ「時々そっくり」程度なのです(PCのスピーカーで聴いてるから?)。あとは、そもそもが暗い曲で好みではありません。なんかここ20年ぐらいのポール・マッカートニーのソロアルバムのどれかに入っていそうな曲なのです。そして大江戸はマイナー・コードの曲は苦手なのです。

まあ、今回のプロジェクトやレコーディング(ポールのベースとリンゴのドラムは新録音)、復元に当たって主導権を握っていたのはポールのようなので、しょうがないですかね。まあ、『フリー・アズ・ア・バード』に関してもそういう所はありましたからね。大江戸は「ポール派」なのですが、こういうことは「しなくていいのになあ」と思ったりします。

てなわけで、「発表されていなかったのには、それなりのわけがある」と首肯したビートルズ大好きな大江戸なのでありました。

 

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2023年10月26日 (木)

クレイジーケンバンドのアルバム「世界」    #世界 #クレイジーケンバンド #CKB #白川玄大 #アルバム世界

Dsc_0175_copy_800x471 9月に発売されたクレイジーケンバンドのニューアルバム『世界』のことを。今頃書きます。もう「ワールドツアー」(『世界』のツアーですね)のライブを見た後なのに( ↓ )、ようやくです。

CKBの“ワールド・ツアー”    #クレイジーケンバンド #CKB #ワールドツアー #CKB@LINECUBESHIBUYA #のっさん #小野瀬雅生 #ハマのギター大魔神 #イイネ : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

さて、このアルバムですが、かなりいいです。大人のオシャレっぽさとインターナショナルな多様性にあふれています。ブルースもソウルもAORもムード歌謡もシティポップもロックンロールもアジアの音楽もみんな入って、それぞれの持ち味で輝いています。確かに「世界」ですね。廣石組長に代わって、ファンキー・ドラマー白川元大が正式メンバーとなって初のアルバムでもあります(剣さんは彼のこと絶賛してますね)。

やはり(シングルカット的に)MVが公開されている3曲が素晴らしいですね=SHHH!/マンダリン・パレス/観光。それと、スモーキー・テツニがボーカルのナンバー『Sweet Soul Train』も、やけに良いのです(ライブでもテツニが見事でした)。のっさんのギター・ナンバー『横浜美味礼讃』は、アジアとベンチャーズの融合。

ただ大江戸の場合、どのアルバムにも「この曲さえなければなあ」って曲がありまして(『Brown Metalic』における『息子』とか、『樹影』における『こわもて』とかですね)、本作の場合は『夜は千の目を持つ』がそれにあたります。でも、剣さん、こういうの好きなんでしょうねえ。

 

大江戸は物質派なのでCDを買いました。初回限定版特典のDVDは、昨年10月の『樹影』ツアー@中野サンプラザ。小生もそこにいたライブです。白川玄大マジックショーがあったり、のっさんの『マリリン・モンロー・ノー・リターン』があったり、ライムスターの登場があったりの楽しい時間が甦ったのでありました。

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2023年10月22日 (日)

「キリエのうた」:終盤が残念    #キリエのうた #岩井俊二 #アイナジエンド #広瀬すず 

Kyrie

映画『キリエのうた』は、今年還暦なのに写真を見ると異様に若々しい岩井俊二監督の新作。東映配給なのですが、冒頭の東映マークが(あの波涛の実写ではなく)ちょっとおしゃれ。ルミネエスト新宿とタイアップしてたりもするせいか、バルト9に来てた客層は二十代女子率高し。でもこれはむしろ松村北斗狙いですかね。

元BiSHのアイナ・ジ・エンドが、ハスキー声の独特な歌唱で惹きつけます。あの声を聴くと、『スワロウテイル』のCHARAを思い出してしまいますね。演技に関しても(役柄が特殊だったこともあり)全く問題ありませんでした。

彼女の子供時代を演じる矢山花もかわいいし、いい芝居してます。『花とアリス』みたいに、バレエもしてます。彼女が両目に涙をためて、上を見ている絵なんて、岩井俊二の真骨頂です。

そして、広瀬すずらしくないビジュアルのシン・広瀬すずが良いです。メガネ(サングラス)とウィッグで変身しまくって、これが似合うんです。ステキなんです。今後はこっちをデフォルトにしちゃえばいいのに。

キャストは大物俳優や他分野の人がチョイ役を務めたりしていて、やっぱり皆さん岩井俊二の映画に出たいってことなんでしょうねえ(ウディ・アレンやウェス・アンダーソン作品のように)。『ラストレター』では庵野秀明を出して、本作では樋口真嗣ってのも笑えるというか、いったい何なんすかね?

東日本大震災の地震描写があるってことで、公式サイトや劇場にも注意書きが出ておりましたが、なるほど家の中での地震描写としてかなりリアルですし、長さもたっぷり。ただここらへんから作品の調子が乱れてきて、頭に疑問符が浮かぶことが多くなっていきます。岩井監督は宮城県出身だってことですが、岩手、宮城、福島以外の出身者が撮ったら、いろいろ非難されたのではないでしょうか?

公式サイトによると2時間58分の作品なのですが、ほとんど2時間ぐらいにしか感じられないってのも、いつもの岩井作品あるある。でも2時間過ぎてから、ちょっと取り留めなくなってきて、広げた風呂敷を上手にたためずに着地し損なった印象。うーん、やっぱり音楽がらみじゃない岩井映画の方が、大江戸は性に合っているようです。

 

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2023年10月19日 (木)

「白鍵と黒鍵の間に」:終盤の崩壊のハンパなさ    #白鍵と黒鍵の間に #冨永昌敬 #池松壮亮 #ジャズ映画 

1_20231019135201 映画『白鍵と黒鍵の間に』は、昭和63(1988)年の銀座を舞台にしたジャズ・ミュージシャン二人(池松壮亮の二役)の物語。というと、クールにカッコ良さげですが、・・・いやー、変な映画でした。

監督は『パビリオン山椒魚』『素敵なダイナマイトスキャンダル』などの曲者=冨永昌敬。この人の作品は常に「飲み込みにくい異物感」みたいなものがあるのですが、本作ももろにそれでした。

時代がねえ、80年代後半って言われても、「そうなの?」って感じ。むしろ’60年代ぐらいのニュアンス(日活無国籍アクション的な)が入ってると思うのですが、そこらは確信犯みたいな気もします。それと、「これ銀座なの?」って感じもありますけど、それを言っちゃあおしまいですかね?

何でか知らないけど、わざとダサくしてますよね。なぜ二役なのかよくわからない池松壮亮もダサいし、松尾貴史演じる銀座のボスもダサい。もっと洒脱にできないもんですかね? そもそもキッチュが銀座一の闇の帝王って、いくらなんでも貫禄なさ過ぎ。この役はもっと重みと怪物性がないと…往年の三國連太郎とか佐分利信みたいに。

終盤のある場面で、映画全体が暴発してとんでもないことになっちゃいます。近年ちょっと見たことがないほどの崩壊ぶりです。「やっちまった」感がハンパないです。こんな怪作だったとは!

やっぱりジャズの映画作るんだったら、洒脱にやってくれないとダメですよね。

 

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