2022年6月12日 (日)

「冬薔薇」:No one was saved.    #冬薔薇 #ふゆそうび #伊藤健太郎 #阪本順治 #毎熊克哉 #エリナーリグビー

1_20220612132301 映画『冬薔薇(ふゆそうび)』は、伊藤健太郎がひき逃げ事件で謹慎を続けた後の復帰作。阪本順治が脚本・監督で、彼にアテ書きした渋い作品となっております。

その昔の東宝映画『連合艦隊』の主題歌が谷村新司の『群青』で、サビの歌詞が「せめて海に咲け 心の冬薔薇(ふゆそうび)」だったよなあなどと思い出す小生は、古い人間でござんす。

それはさておき、今日び珍しいタイプの日本映画らしい日本映画です。で、暗くてやるせなくて辛い映画です。普通、興行の事を気にしたりして作れないタイプの作品です。それを作っちゃうんだから、阪本順治にはやはり周囲からの人望があるってことなんでしょうか。

半グレがうろついている港町なんで、どこの地方かと思いきや、横須賀なのでした。絵からはもっと北陸や東北の感覚が溢れているんですけどね。そこで描かれる人々が誰も彼も不完全っていうか、むしろしょうもない人たちばっか。しょうもなさの比べっこをしてるみたいで、気が滅入ります(そういうのが好きな人もいるんでしょうけれど)。そういうところが、大江戸が阪本作品をあまり好きになれない理由の一つでしょうね。

主人公の伊藤も相当しょうもない奴なんですが、もっと卑怯でサイアクなのが永山絢斗演じる美崎。好青年役も多い永山が演じるこの役に、ほんっとムカつきました。一方、人としての基本がしっかりしている毎熊克哉の方は、カッコ良かったですねえ。 あとはシニア組の小林薫、余貴美子、眞木蔵人、石橋蓮司、伊武雅刀らが余裕のある芝居で、みんな観ていて面白かったです。

でもやっぱりみんな哀しい人々です。唐突ですが、ビートルズの『エリナー・リグビー』の歌詞、“Ah, look at all the lonely people. (中略)No one was saved. ”を思ってしまいました。

 

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2022年5月 7日 (土)

クレイジーケンバンド友の会ライブ♪    #クレイジーケンバンド #CKB #のっさん #ハマ風

Dsc_0558_copy_1024x589 昨年に続きKT Zepp Yokohamaでクレイジーケンバンドの友の会限定ライブ。昨年は市松模様の座席でしたが、今年はフルに入れてのライブです。でもまだ声出しはNG。当然マスク着用です。

今日の席は前から6列目の真ん中やや右(のっさん寄り)という絶好のポジション! シャイコーです。

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時半オンタイムのスタート。今日は25周年にちなんで、オリジナルアルバムから1曲ずつ(まれに2曲)披露して、プラスアルファで、25曲って趣向。だから1曲ごとの解説MCつき()。珍しい曲もいろいろやってくれましたよ。

本編とは関係ないけど、ジャッカルが郷ひろみの「ゴールドフィンガーなんちゃら」を、アーチーチーの振りつきで歌ってくれたりも!

Dsc_05612_copy_867x589_20220508001301 今回のキーポイントの一つは、エレクトリック・シタール。のっさんの前のスタンドにセットしてあって、ギターをかけたまま演奏するのですが、結構出番が多く、「ああ、CKBって随分いろんな曲でこの音を使っていたんだなあ」と今さらながら驚いた次第。例えば『そこまで云わせといて』や『ま、いいや』や『横顔』なんかで多用しておりました。

Dsc_0562_copy_1024x584今日はのっさんがハードロック『美人』を弾きながら歌ったのが、小野瀬雅生ショウの代わり。この曲に限らず相変わらず見事なギター・プレイでありました。

希望者の中からくじびきで当たった観客を舞台に上がらせての「生オケタイム」は、『愛があるなら年の差なんて』(アイシャとのデュエット)と『SOUL通信』(剣さんとのデュエット)。うーん、『愛があるなら…』は大好きな曲なので、歌ってみたかったなぁ。今後の目標です!

Dsc_0563_copy_800x652 25曲を終えての〆の1曲は『横顔』。それにしてもメンバーみんな(除アイシャ)アラ還なのに、3時間のライブをこなすなんてタフですねえ。節制してなさそうなのに…。間に2回の換気タイムがあったけど、その間も「質問コーナー」や「剣さんによるニューアルバム紹介コーナー(ナイショ)」で、ショーを途切れさせませんでしたからね。いやー、元気パワーをいただきました。大江戸的には、『ハマ風』にグッと来ましたね。

イイネ!ポーズのソックスが半額近くになっていたので、買いました。イイネ! 厚手なのでこれからの季節には使えませんが、ま、いいや。

 

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2022年4月19日 (火)

「アネット」:謎の怪作    #アネット #レオスカラックス #映画アネット #スパークス

1_20220418222101 映画『アネット』は、スパークスの原案・音楽によるロック・オペラ。ロック・オペラといえば、『TOMMY トミー』。『トミー』が大好きな大江戸としてはその言葉だけで期待してしまう部分もあるのですが…、うーん、かなりの珍作、怪作でした。あんまり「ロック」ではなかったし。

オープニングの口上~スパークス・ブラザーズ、主要キャスト、レオス・カラックス監督らがスタジオを飛び出して、街を歩きながら歌っていくあたりは見事にいい調子だったんですけどねえ。その後がどうももたついていて、緑色を印象的に使った映像も、物語も、キャラクターも、みんな暗くてパッとせんのです。予告編に「DARK FANTASY ROCK OPERA」って出てたから、間違いじゃないんですけど。スパークスの音楽も冒頭の曲以外は、あまりキャッチーじゃなくて、好きにはなれませんでした。

(以降ネタバレあり) 何に驚いたかって、主人公二人の間に生まれた赤ちゃん=アネットが、人形だってこと! 「え??」と思って、かなり唖然としました。違和感しかありません。終盤になっても、その変な違和感は消えることはなく、いったい何の効果を狙ってこんなことをしているのか、ちょっと分かりかねました。変人だなあ、カラックス。

それと、古館寛治、水原希子が出ていることにも(まったく知らなかったので)、相当驚きました。知らずに観てたら、突如外国人のキャストの中にあの古館さんの顔が! いやー、何事かと思いましたが、結構違和感なくハマってました、産婦人科ドクターの役(この場面には福島リラさんもナース役で出ておりました)。また、#MeToo運動みたいな告発をする6人の女性の中の一人=希子さんに至っては、何の違和感もありませんでした。

カラックスは前作『ホーリー・モーターズ』も相当変な映画でしたけど、還暦すぎても一向に落ち着きませんね。そういう人って大江戸は結構好きなんですけど、彼の場合は例外のようです(でも『ポンヌフの恋人』だけは大好き)。

 

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2022年2月28日 (月)

「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」:こねくり回し過ぎ    #ザユナイテッドステイツバーサスビリーホリデイ #ビリーホリデイ

1-2 映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』は、そのタイトルが示す通りの作品。ザ・ユナイテッド・ステイッツは、イコールFBIのこと。『奇妙な果実』を歌って黒人へのリンチに抗議するビリー・ホリデイを、FBIが術策を使って投獄したり追い詰めたりしていく。結果的にそれがビリーの早逝(没年46)につながったというライフ・ストーリーです。

FBIは、主に麻薬の面でビリーを狙い撃ちにしていきます。でもまあ、実際に麻薬漬けなんだからしょうがない。当世日本のコンプライアンスからいけば、逮捕されて当然、つぶされて当然って感じではあります。でもこの時代のミュージシャンや芸能関係者の間では、かなりの確率でジャンキーは存在していたはずなので、やはりあの歌を歌わせないための狙い撃ちだったと考えるしかありません。

ビリーを演じたアンドラ・デイは歌手であり、演技初挑戦なのだそうですが、堂々たる役者っぷりです。歌う姿も堂々と、美空ひばりのようでした。

でも、作品はあまり面白くはありません。暗めで重いのはしょうがないとして、なんか物語をこねくり回し過ぎてる感じで、ストレートに進む力強さに欠けるのです。もっとシンプルに、直線的に描いた方が効果的だったのではないかなあ。あと(史実に忠実なのかも知れませんが)ビリーのキャラクターが「正義」の側で描かれていないので(悪でもありませんけど)、FBIとの対立が生きてこないのです。脚本の計算違いですよねー。

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2022年2月25日 (金)

「マッカートニーⅢ」:40年ぶりの第3弾    #マッカートニースリー #ポールマッカートニー 

Dsc_0025_copy_1024x928 ポール・マッカートニーのアルバム『マッカートニーⅢ』は2020年の秋にリリースされたのですが、あまり話題にもならなかったし、大江戸はずっと買わずにおりました。あ、ちなみに大江戸はこれまでのポールのオリジナル・アルバムは全て買っております(コンサートも来日するたびに行っております)。このジャケット、しゃれてますよね。ダイスの3の目が「Ⅲ」を表しております。

で、なんで今頃買ったかというと、アマゾンで輸入盤がたったの759円(税込)だったから。しかも見開きジャケットだし、16ページの歌詞ブックレットもついてるし。いつも思うことですが、輸入盤が激安なのか、日本盤が激高なのか?

Dsc_0024_copy_874x1024 『マッカートニー』(1970)も『マッカートニーⅡ』(1980)も小体(こてい)で愛すべきアルバムなんですけど、この「Ⅲ」はねえ・・・うーん、良くないなあ。全体的に暗いし、ポールの持ち味であるチャーミングなポップさが不足してるんですよねー。まあ、それは前作の『エジプト・ステーション』(2018)に関しても言えることなんですが、やっぱり「衰え」ってことなんでしょうかねえ。“Seize the Day”だけは、かろうじて稀代のソングライターとしての面目を保ったって感じです。

このアルバムに貼ってあったシール。“MADE IN ROCKDOWN”って記されています。CDの盤面自体にも同じ言葉が入ってました。2020年、コロナのロックダウンの中で作られたアルバムだってことを刻印してあるのですね。まあ、だから不安や閉塞感がアルバムにも出てしまったってことなのかも知れませんが…。

それにしても『マッカートニー』から『Ⅱ』の間が10年、『Ⅱ』から『Ⅲ』の間が40年って! さすがはポール、雄大な時間感覚なのでありました。

 

 

 

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2022年2月13日 (日)

「ザ・ビートルズ GET BACK ルーフトップ・コンサート」:やはり大画面が最高!    #ルーフトップコンサート #ビートルズ #ゲットバック #IMAX

Dsc_0115_copy_800x744 映画『ザ・ビートルズ GET BACK  ルーフトップ・コンサート』は、映画『レット・イット・ビー』のラスト30分を飾った1969年ロンドンのアップルビル屋上のゲリラ・ライブを収めたドキュメンタリー。ピーター・ジャクソン監督がビートルズの秘蔵フィルムを編集した6時間超のドキュメンタリー『GET BACK』の中から、その箇所を抜き出した65分の作品です。冒頭10分ぐらいは、ビートルズのあゆみのおさらい。最後の部分には、スタジオで収録した『TWO OF US』その他がついてます。

『GET BACK』は、ディズニー・プラスで配信されているわけですが、配信を「映画館の敵」と考えて嫌悪している大江戸としては、観たくても観られないでいたので、(その一部とはいえ)本作の上映は大変ありがたいイベントなのでした。

この作品、世界中で日数限定でIMAXシアターにかかりました。日本ではこの2月9日~13日(きょう)の5日間限定、全国のIMAXシアターでの上映。でも1日1回の上映だったりするので、席は早くから売り切れだったり、満員だったり。大江戸は、池袋のグランドシネマサンシャインで観たのですが、あそこならではの、正方形に近い(つまり横方向だけでなく、縦方向にもデカい)スクリーンサイズを生かすフォーマットだったので、最高に堪能できました。作品内で、しばしばマルチスクリーン(分割画面)を使っているのですが、横に2つとか3つとか並ぶだけではなく、縦横に2×2で出る場合もあって、それが生きるフォーマットなのです。

大昔に何度か『レット・イット・ビー』は観ておりますが、今回のはフィルムを足して、『GET BACK』や『I'VE GOT A FEELING』などは2度演奏してますし、警官たちがアップルビルで押し問答を繰り広げる件りも、執拗に描かれています。それはそうと、こんなタイトルだけど、これって通行人には音しか聴こえてないし、「コンサート」とは言い難いですよねえ。まあ、革命的だったとは思いますが。そして、これももう半世紀以上前の「ヒストリー」なのであります。でも、とっても新鮮!

スタジオ録音でサウンド・エフェクトやダビングによる新しいサウンドの追究をとことんやって、今度は原点であるバンドサウンドに戻ろう(ゲットバック)としていたビートルズの姿がここにあります。カッケーです。でも、みんなまだ20代後半だったなんて、信じられませんね。

冬のロンドンの寒そうな空気がよく写っておりました。16㎜フィルムで撮影したってことだけど、ピーター・ジャクソンが相当デジタルで手を入れてるんでしょうねえ。何にせよ、最高のIMAX体験の一つでした。 (写真は、入場者全員に配っていたB5サイズ厚紙のミニポスターとポストカード型の広告フライヤー)

 

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2022年2月 4日 (金)

「麻希のいる世界」:初期の塩田作品のような…    #麻希のいる世界 #塩田明彦 #向井秀徳

1_20220204233901 映画『麻希のいる世界』は、前作『さよならくちびる』で復調した塩田明彦監督が初期の感覚を取り戻したかのような作品。初期の塩田といえば、『月光の囁き』『ギプス』『害虫』など、低予算で「病んだ」テイストの作品が見事な魅力を放っていましたからねえ。ただ、その後メジャーでそれなりの大きな予算が付いた作品=『黄泉がえり』『どろろ』などを撮って、ぜんぜんダメになっちゃいましたから(大江戸はそう思います)。で、2019年の『さよならくちびる』は久々に良い映画を作ったなあという感じだったのです。妙にライトでしたが。

そして本作。こちらはやけにヘヴィー。見るからに低予算で、まさに初期に帰った感じ。録音や音響にお金をかけられなかったのか、音が小さすぎたりくぐもったりで聞こえにくい箇所がいくつもありました。でも立派な魂を持った作品です。やっぱり塩田明彦に金を持たせてはいけないんですね。

序盤は普通の青春映画のように見えます。せいぜいそこにガールズ・ラブの要素が加わるぐらいかなと思ったのですが、いえいえどうして、苛烈な世界です。どう進むのか、まったく読めない作品でもありました。「生きにくさ」とそれに対する怒りを描き、胸にモヤモヤした澱(おり)の残る毒気の強いユース映画…まさに塩田明彦の独擅場なのでした。

その世界の構築に大きな役割を果たしたのが主役の二人、新谷ゆづみと日高麻鈴です。特に麻希役の日高は、狂気や怨念を湛えた凄みがありました。なんだあの表情?!  恐るべきものがありました。ちっとも好きにはなれないけど、新人賞候補です。

音楽は向井秀徳。さすがです。彼の楽曲の強さが、すごい説得力で迫ります(あのギターリフ!)。そういえば、『害虫』『カナリア』の音楽も、向井秀徳だったんですよねえ。

 

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2022年1月22日 (土)

「Coda コーダ あいのうた」:オーソドックスな感動ドラマ    #コーダあいのうた #映画コーダ #エミリアジョーンズ

1_20220122234001 映画『Coda コーダ あいのうた』は、フランス映画『エール!』のアメリカ版リメイクってことですが、大江戸はフランス版を観ておりません。まあ、言われてみれば欧州っぽさを感じるかなってぐらいのもんですが…。

非常にオーソドックスな感動作というか、お手本通りにドラマが進行してお手本通りに収まる感じ。聴覚障害者の家族の中で唯一聞けて話せる少女のけなげな奮闘の日々と希望への旅立ちを描いて、暖かい後味を残します。終盤のコンサートやオーディションにおける音と映像の演出も、うまいもんです。

でも、大江戸的にはなんか今一つだったのです。なぜかなあ? 父親と母親のアクの強さが気に入らなかったのかなあ? あまりに「家族バンザイ」な感じが好きじゃなかったのかなあ?  それに、あの高名な音楽大学って天性の歌声だけで入れちゃうものなんでしょうか?などと、気になることもいくつかあります。でもあーだコーダ言わない方がいいのかな。←だじゃれ

まあ、そんなことは置いといても圧倒的に魅力的なのは、主人公の少女を演じるエミリア・ジョーンズ。強さと弱さ、光と影をしっかり表現していました。可憐さと芯の強さを併せ持ち、今後大きくブレイクする逸材なのではないでしょうか。歌唱力も素晴らしかったし。

母親役の女優があの『愛は静けさの中に』のマーリー・マトリンだと、後から知ってびっくり。随分感じが変わったもので。 あと、合唱部の顧問教師役=エウヘニオ・デルベスさんが、かなり良かったですね。他の作品でも見てみたい役者さんです。

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2022年1月13日 (木)

「サマー・オブ・ソウル (あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」:裏ウッドストック    #サマーオブソウル #裏ウッドストック #ブラックウッドストック

1_20220113230801 映画『サマー・オブ・ソウル (あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は、1969年夏の「裏ウッドストック」とも呼べるハーレムでの音楽フェスティバルの記録映画。ほぼ半世紀の間地下室に眠っていたフィルムを発見、編集して世に出した作品です。

2-3日前のネットニュースで、この作品がニューヨークタイムズの2021年映画ベストテンの第1位というのを知って、「だったら、これを観ずに大江戸の2021年テンも選ぶわけにはいかないでしょ」ってわけで、上映館を調べました。そしたら今は全国で2館しか上映しておらず、うち1館である下高井戸シネマに行って観て来たってわけでさあ。

確かに今日的視点からも興味深く、意義のある作品だと思います。でも、フェスティバルの記録映画としてはどうしても『ウッドストック』と比較してしまい、そうすると映像の質にしてもキャメラポジションにしても編集にしても物足りないのです。特に編集においては、『ウッドストック』はマーティン・スコセッシが編集者の一人ですからねえ。

画角が限られていて、言うほど多くの観客がいるように見えません。そんなに広い場所に見えないし。まあ、6月~8月に6回開かれたライブの合計で「30万人が参加」ってことなのでしょうね。それなら1日あたり5万人。1日の間に観客の出入りが結構あったのでしょうから、延べ人数としてそれぐらいになるのでありましょう。 防犯面とかいろいろ事情があるのでしょうが、ウッドストックと違って夜は一切やっていないあたりも、何となく物足りないところです。

でも豪華な出演者たちと有名な曲の数々で、十分に楽しめます。歌い手と結びつかなくても、曲は知ってる!ってケースもいくつかありましたし。スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、この後にウッドストックにも出てるんですよね。で、ウッドストックのステージの方が(映画で観る限り)素晴らしいのです、これが(こっちも悪くないんですが)。

半世紀後だから、当時の出演者や観客や関係者がまだ存命中で、そういう人たちの証言が多く含まれているのが本作の価値でありますね。

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2021年12月13日 (月)

「ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン」:人となりが見えて来ない    #ジョンコルトレーン #チェイシングトレーン #映画ジョンコルトレーン

1_20211213224601 映画『ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン』は、大江戸が一番好きなジャズのプレイヤーであるジョン・コルトレーンのライフ・ドキュメンタリー。それにしても、今年の11-12月はやけにドキュメンタリーの公開が多いですね。

極めてオーソドックスな作りです。残された多くの映像(演奏場面を含む)や写真などと、多くの有名人によるインタビューで、対象となる人物を描いていくスタイル。珍しいのは、ジョン・コルトレーンが語っているようなナレーションをつけて、その声をデンゼル・ワシントンが担当しているってこと。

インタビュイーの面々が豪華です。ビル・クリントン(!)、カルロス・サンタナ、ドアーズのドラマーさん、ソニー・ロリンズ、マッコイ・タイナーなど。ただ、みんなコルトレーンのことをスゴイ!素晴らしい!と声を揃えて褒めてますけど、あまり面白い証言、驚くべき証言はありませんでしたね。

それは映画全体に関しても言えることで、過不足なくきちんと作られていますが、小生が知っているコルトレーン像を超えるとか裏切るとかするものは、何も出て来ませんでした。いわゆる普通の、教科書的なドキュメンタリーなのです。これなら映画にしなくても、NHK-BSあたりでやってくれればいいやって感じでした。一通り描いてますが、コルトレーンって人に迫っていかないのです。その人間の実態が見えて来ないのです。

終盤に日本人が二人登場して来て、びっくり。彼の最後のツアーである日本公演、特に被爆地・長崎での公演を世話した人と、コルトレーンの大マニアで収集物を収蔵するビルを持っている人。でも、やっぱり「だから何なんだ?」って感じでした。残念なことです。

 

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