2019年11月 5日 (火)

「イエスタデイ」:終盤のあの人に驚いて涙   #イエスタデイ #映画イエスタデイ #ビートルズ

367867_001 映画『イエスタデイ』は、小生のような「ビートルズほぼ全曲歌えます(歌詞が頭に入ってます)人間」にとっては、大いなる期待作だったのですが、やや物足りない感じでしょうか。

確かにウェルメイドなんです。ラブコメのツボを押さえたリチャード・カーティスの脚本を、音楽感性の高いダニー・ボイルが監督と、まあ間違いのない仕事になっています。ビートル・マニアにも、ビートルズをよく知らない人にも楽しめる作品だと思います。

 

367867_002 でもねえ、ちょっと軽すぎるというか、浅いんですよねえ。ビートルズへのオマージュや蘊蓄だって、そんなにありゃしないし。リバプールに行った主人公がファンの男子女子に追っかけられるとところが、「あ、『ハード・デイズ・ナイト』じゃん」ってぐらいのもんです。

楽曲だって、大江戸的にはもっともっとバカみたいにたくさん披露してほしかったです。変なアレンジだったりしても、とりあえずは「やっぱりいい曲だ」と思えますから。

 

367867_004 リリー・ジェイムズが相変わらず変な顔。でもそれ以上に変な顔の主人公がまったく魅力薄で、まいりました。いくら曲が良くっても、こいつでは満員のウェンブリーをもたせられないのでは…?

それはさておき、本人役で出演した江戸、いやエド・シーランの役者っぷりが意外と良かったのでありました。

(以降ネタバレあり) そんな作品ですが、終盤のあの場面には「おおお!」と泣けました。小生はポール派なので、ジョンにはさして思い入れはないのですが、それでも涙腺に来ましたねえ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と同種の「心やさしいパラレル・ワールド」なのでした。

 

 

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2019年10月26日 (土)

CKB『PACIFIC』ライブ@中野サンプラザ   #CKB #クレイジーケンバンド #小野瀬雅生 

_20191026_164224768x1232 中野サンプラザでクレイジーケンバンドのライブ。ここで観るのはたぶん4年連続4回目です。2階席ではありましたが、ちょうどいい大きさで音響の良いホールなので、堪能できました。ただ2階はずーっと着席しっぱなしなので、踊れないことがちょっと物足りないんですけどね。

5時スタートで第1部が2時間弱。その後2度のアンコールで、計2時間45分ほどでした。今回は8月に出たニューアルバム『PACIFIC』のツアーってことで、アルバムの曲を中心に、20年ちょいのキャリアの中から、あの曲この曲を披露してくれました。

ポピュラーなナンバーとしては、『タイガー&ドラゴン』も『GT』も『流星ドライヴ』も『あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ』も『生きる』もやってくれましたし、それほどポピュラーじゃないナンバーも、『ある晴れた日曜の朝』とか『エル・ディアブロ』とかいろいろやってくれました。

小生の大好きなギターののっさん(小野瀬雅生)は、ニューアルバムから『北京』を披露。今回は、「小野瀬雅生ショー」までの1時間ほど、のっさんは地味にしていたのですが(アルバムを反映して、シンヤマンのベースが目立ってました)、「小野瀬雅生ショー」以降はソロの演奏を結構出していて、やっぱりいいっすね。うまいっすねー。アイシャちゃんは参加後1年以上を経過して、なんとか慣れて来た感じですけど、やっぱり愛子ちゃんがいいなー。もう戻って来てはくれないのでしょうかねえ。

今回はいくつか違いが見られました。最初の方でお客様にお辞儀からの流れで、廣石組長へのお辞儀で「おお~」で敬礼!っていうお約束がなかったし、ジャッカルへの「まぶしいっ!」ポーズもほとんどありませんでした。まあ、それでも「逃げろっ!」とか剣さんの回転台ぐるぐるとかはありましたけどね。

来年還暦を迎える剣さん(と組長とわかばさん)ですが、衰えを知らない声量と歌唱力にはいつも感動します。みんなまだまだ元気でやれそうです。これからも楽しませていただきたいと思います。

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2019年10月 7日 (月)

「蜜蜂と遠雷」:音の映画、顔の映画   #蜜蜂と遠雷 #松岡茉優 #石川慶 #音の映画 #顔の映画

5 映画『蜜蜂と遠雷』は、原作者の恩田陸がベタ褒めしたのもうなずける秀作。何と言っても、音楽へのリスペクトに溢れているのがいいですね。ピアノ・コンペティションの映画というとリチャード・ドレイファス主演の『コンペティション』(1980年)がありますが、むしろ本作の方が勝っていると思います。

特にハッタリをかけたりはせずに「普通に」描くのですが、撮影にしても音響にしても演技にしても演出にしても、すべてが上等。上質の娯楽映画に仕上がっています。前作『愚行録』には今一つ乗れませんでしたが、石川慶監督、非常に良い仕事をしました。盛り上げよう、泣かせようとはしていないのに、中盤以降は結構泣かせ所が多くて、松岡茉優の演奏場面など、結構泣けましたねえ。

 

2 予告編や広告では松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士が4等分の扱いなのですが、本編を観るとはっきりと松岡が主役でした。堂々と主役芝居をやってます。やはりうまい人です。 元天才少女の心の傷と葛藤、そして復活の物語。王道の物語展開ですが、実際に音楽が、ピアノが聴こえるというのが映画ならではの強みです。恩田陸さんも、この音にやられちゃったんでしょうねえ。もちろん、松岡はじめ役者陣の健闘も大いに貢献しています。

演奏シーンの撮り方は普通。つまり、多くの場面ではスタントダブルが手先のアップや後姿などで使われ、カット割りでそれらしく見せているわけです。『コンペティション』のドレイファスみたいに、猛練習で自分で超絶演奏をやっちゃうわけではありませんが、別にそれでいいんです。いくつかのシーンでは実際にある程度の演奏をしていましたし、それで十分です。

今はi-padに楽譜を入れて、ペダルと連動させてページが替わる…なんてことができるんですね。譜面めくりの人がいらないのですね。本作中で、森崎ウィンがそれをやっておりました。

 

11 この映画の完成に向けて、この世界の実現のために、その質を上げるために、多くの人々が相当な努力をしていることでしょう。とりわけ「音」の面では。なんか、そんな気になってしまった作品です。見事な音楽映画です。

そして、「顔」の映画でもあります。人物の顔のアップがえらく多いのです。そして、顔(表情)にいろんなことを語らせています。 音と顔、まさに小説を映画化するにあたって、石川監督がこれらを戦略的に生かし切ったということなのでしょう。

だから、できるだけ音響の良い劇場で観るべきです。感動が違ってくることと思います。大江戸は新宿バルト9の「ドルビー・サラウンド7.1」で観ましたよ。

 

 

 

 

 

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2019年9月27日 (金)

竹内まりやの3枚組「ターンテーブル」   #ターンテーブル #Turntable #竹内まりや #まりやちゃん

_20190927_230257800x688 今月発売された竹内まりやの活動40周年スペシャル3枚組アルバム『ターンテーブル(Turntable)』。全62曲入り! (本人も一曲あたりは安くてお買い得とか言ってました)です。

1枚目は「More Expressions」ということで、ベストアルバム『Expressions』に入らなかったセカンド・ベストといった趣き。ファンならおなじみの「♪えむ・あい・あーる・あい・わーい・えい・・・」からのスタート! これが実に「まりやらしい」いい曲ずくめなのです。『駅』とか『告白』みたいな(大江戸の嫌いな)マイナーコードの暗い曲が無い分、曲を飛ばさずに聴けるというか…。 過小評価されている傑作『二人のバカンス』をはじめ、『Natalie』、『OH NO, OH YES!』、『時空の旅人』、『夢の続き』など、まりや(&達郎)だよねえ、いいよねえって曲が次々と出て来ます。『時空の旅人』(同名映画主題歌)があるのなら、そのカップリングの傑作『テコのテーマ』(挿入歌)も聴きたかったです。

_20190927_230205800x721 2枚目は、「Mariya's Rarities」と題して、邦洋各種レア音源をごった煮してあります。以前のアルバムに入っているとはいえ、牧瀬里穂に提供した『ミラクル・ラブ』や広末涼子に提供した『MajiでKoiする5秒前』はやはり素晴らしい曲ですし、『アップル・パップル・プリンセス』の2008年バージョンがあるなんて知らなかったなあ(これが入るのなら、もともとこの曲のA面だった大傑作『イチゴの誘惑』も入れて欲しかった!)。 

でも2枚目の目玉はやはり、岡田有希子への提供曲の新録三連打! 大江戸としては『恋、はじめまして』が最高でした。でも『憧れ』を入れるなら、『リトルプリンセス』にしてほしかったな…。

 

_20190927_230230800x721 そして3枚目は(短い曲が多いので)なんと25曲入り! ここの目玉は、ザ・ビートルズ・ナンバー(初期~中期)の12曲連打!! 杉真理率いるBOXとのジョイントです。これがあまりにも完コピなのでびっくり! しかも演奏や録音のクォリティはビートルズよりも上なので、まりやさんの(時として男性ヴォーカルのような)低い声ともども聴き入ってしまいます。選曲もシングルカットされなかったナンバーがほとんどで、いかにもビートルズ好きの選曲って感じ(『Tell me Why』とか『If I Fell』とか『You're Gonna Lose That Girl』とか)で、このパートだけ繰り返し聞きたくなります。あとはシャンソンとかカンツォーネとか洋楽ポップスとかなので、まあ、ね。

おまけのスペシャルブックの表紙と裏表紙の絵(まりやちゃん)は、『テルマエ・ロマエ』などのヤマザキマリさんによるもの。わー、かわいいったらありゃしません。これ、ご本人うれしいでしょうね。64歳になってもめっちゃ若いまりやさんですが、この絵のカワイさとの違和感がないあたり、さすがです。奇跡の64歳ですね。

 

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2019年9月18日 (水)

「カーマイン・ストリート・ギター」:人情系ドキュメンタリー   #カーマインストリートギター #ギター職人

 Main_20190918224201 映画『カーマイン・ストリート・ギター』は、ニューヨークのグリニッチヴィレッジにある小さなギター屋さん(にしてギター職人)のドキュメンタリー。まあ、人情系ドキュメンタリーとでも申しましょうか。店主のオヤジさんと従業員の娘っ子+店主のお母様が、訪れる客(ま、ミュージシャンですね)と交流する中から醸し出される何とも言えないほっこり感が、この映画のキモです。

ただのギターではなく、NYの古い建物を壊した時に出る廃材などを使って、その風合い(年月)を生かしながら、ギターにしていくという特殊な作業。「世界にたった一つ」を淡々と作り続けています。あたりまえなんですけど、「ギターって工芸品なんだなあ」という思いが沸き上がって来ます。

そして、このオヤジさんが客との会話を経て勧めるギターを試奏すると、誰もがメチャクチャ気に入って購入するという…いやー、大したもんです。アメリカの人間国宝みたいなもんですね。

終盤に出て来た不動産屋が多少不穏な予感をもたらしますが(今後のこの建物に関して)、あとはほぼ「(特別な事は)何もない、何も起きない」淡々系の作品です。

いろんなものがドキュメンタリー映画の題材になるんですねえ。

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2019年9月17日 (火)

「ジョアン・ジルベルトを探して」:何をしたかったの?   #ジョアンジルベルトを探して #ジルベルト #ボサノバ

368686_001 映画『ジョアン・ジルベルトを探して』は、一風変わったドキュメンタリー。不在のジョアン・ジルベルトの周辺をうろうろと回り続けるだけの作品。まあ、「ボサノバの神」=ジルベルトが今年の7月6日に88歳で他界したことを考えれば、非常にタイムリーな日本公開(8/24~)だと言えますが、多くのジルベルト・ファンは本作を観てどう思ったでしょうか?

(以降ネタバレあり) まあ、大抵の人は「肩すかし」だと感じ、中には憤慨した人もいたことでしょう。だって、最後までご本人は姿を現さないままですし、少しだけ目にできる映像フッテージも、あまり満足な形では出て来ません。まともに曲を聴かせてくれることもないし…。相当フラストレーションのたまる作品です。

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元妻やらミュージシャン仲間やらレストランの料理人やら床屋やら、多くの人たちがジルベルトにまつわる証言をするのですが、まあやっぱり面倒くさそうな変人なんでしょうね。

いずれにせよ、普通のドキュメンタリーを作ってくれた方がなんぼかありがたかったことか。ラストを含め、何なんすかね、この変化球?

 

368686_006 ジョルジュ・ガショというメガネのおじさんが本作の監督であり、彼が登場してぶつぶつ言いながら映画が進んで行きます。で、この人の髪の毛がどう見てもヅラにしか見えないので、気になってしょうがない。終盤には散髪場面があるので驚いたのですが、それとて「ヅラを散髪してもらってる疑惑」から逃れられるものではありませんでした。まあ、そういうどうでもいいことが気になっちゃうほど、映画自体がつまらなかったってことです。いったい何をしたかったの??

なぜかは知りませんが、やたらとプールが登場する映画でもありました。何かのメタファー?? 監督がプール好きってだけみたいな気がします。

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2019年9月15日 (日)

「TOMMY トミー」(再公開):音量を上げろタコ!   #TOMMY #トミー #ザフー #ケンラッセル

Tommy-poster 映画『TOMMY トミー』が東京では渋谷と吉祥寺のアップリンクで何十年ぶりかの再公開中。「見えない・聞こえない・話せない」のトミーじゃないけど、「ザ・フー好き・ケン・ラッセル好き・トミー好き」の“三重楽”の大江戸としては、当然観に行きました(渋谷へ)。ザ・フーのTシャツ着て、気合入れていきましたよ。でも日曜なのに客数はあまり多くなく、2週目にして1日1回の上映になっちゃっていて、間もなく上映も終了という“三重苦”とは、かなり残念です。

で、久々にスクリーンで観た『TOMMY トミー』は、うーん、やっぱり少し衝撃が薄れてたかなあ。何しろ、この映画にインスパイアされたMVが世の中には山ほどあって、現在ではどうしても映像が物足りなく見えてしまうのです。でも、この時代はCGなんか、影も形もなかったんですからね! 光学合成と手描きアニメーションと撮影の工夫だけで、ここまで頑張ってるんですから! まあ、“I'm Free”の陳腐な合成の使い方なんかは、公開当時から「ありゃ~」って感じでしたけど。

いろいろありますが、ラストの"See Me, Feel Me ~ Listening to You"では、とにかく盛り上げて、なんか感動させてくれます。

それにしても、これってやたらとアン=マーグレットの映画になってますね(歌唱力も凄いけど)。公開時にザ・フーのファンからあまり評判がよくなかったってのも、わかるような気がします。でも、クラプトン、エルトン、ティナ・ターナーらはやっぱり魅力的。そして、随所に出て来る(ロジャー以外の)ザ・フーの面々とその演奏も、いいですねえ(ちょっとなので、もっと見たい!)。

そして今回物足りなかったのが音響(音量)。公開時の山水電気「QSクインタフォニックシステム」の立体大音量は望むべくもありませんが、せめてどこかで「爆音上映」やってくれないかなあ。これ爆音だったら、随分と良さが増幅されるはずさなんですけどねえ。申し訳ないけど、アップリンクの音響システムでは限界があります。「どうせならIMAXで」なんて贅沢は言いませんから、なんとか爆音を!

あと(映画史に埋もれてしまったかのような)ケン・ラッセルに関しては、『ボーイフレンド』か『恋人たちの曲 悲愴』の再公開を望むものであります。そして、ラッセルの再評価を!!

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2019年8月26日 (月)

「ロケットマン」:もっと曲を聴きたい   #ロケットマン #エルトンジョン #タロンエジャトン

367684_009 映画『ロケットマン』は、『ボヘミアン・ラプソディ』の(最終)監督であるデクスター・フレッチャーの最新作ということで、どうしてもあの線を期待してしまうのですが、似てる所もあり違う所もありといった作品。まず、こちらはミュージカルです。登場人物がいきなり歌い出すというアレです。ただ、ミュージカルにしては歌少なめ、ドラマ多めです。そして回想形式でもあります。

一方で、楽曲がらみの場面が素晴らしいってことでは共通しています。この監督の音楽(ロック)へのセンスの良さが表れています。

 

367684_004 だからもっと楽曲場面を長く見たかったのですが、そこは『ボヘミアン・ラプソディ』同様に短く刈り込んじゃっているのですよねー。1曲まるまる聴かせてはくれないのです。それでも『ボー・ラプ』の場合は、ラスト20分のライブで最上のカタルシスを与えてくれたのですが、こちらはそういう事がなくって、ちょっと物足りないんです。やっぱり終盤にクライマックスが欲しいですよね。とにかく、エルトンの両親との葛藤とかゲイとしての悩みとか薬物中毒のこととか、どうも苦悩に溢れすぎなのです。

 

367684_001 ゴキゲンな『土曜の夜は僕の生きがい』にしても『クロコダイル・ロック』にしても、もっと全編聴きたかったし、名曲『ダニエル』なんかまるっきり出て来ませんでした。ザ・フー好き、『TOMMY トミー』好きの大江戸としては、一番アガッたのは『ピンボールの魔術師』でしたけど、ショートショート・バージョンで残念。 エルトン・ジョンの「ジョン」ってジョン・レノンから取られたとは知りませんでしたが、そう言えば二人で『真夜中を突っ走れ』って曲をやってましたもんね。

タロン・エジャトン(エガートンじゃないそうです)の演技は主演賞ものです。感情の表現はもちろんのこと、歌が圧倒的にうまい!(彼の歌唱を使ったというのも『ボー・ラプ』と違うところ) そして、エルトンの表情を完コピしてました--「へ」の字口とか、その発展形の逆「U」の字口とか、長方形に開いてる口とか。薄毛ヘアメイクにも耐えて、お見事でした。

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2019年8月19日 (月)

「PACIFIC」クレイジーケンバンド   #PACIFIC #クレイジーケンバンド #CKB

_20190819_223036800x723 先日発売されたクレイジーケンバンドのニューアルバム『PACIFIC』、DVD付きの初回限定盤を予約購入しましたが、いやー、聴き込むほどに良いですねー。

とにかく、いつも以上に無国籍/多国籍な感じ。「港町」がテーマだってことらしいけど、それほどベタに港町港町してるわけではなく(少なくとも演歌の港町感のあるのは、あの曲ぐらいだし)、あくまでもインターナショナル。世界の国と国を結ぶという意味での港町。だからジャケット写真は、横浜の港湾でコンテナなどをバックに撮影しております(こちらの青いのは、外側の紙ジャケット)。

前作『GOING TO A GO-GO』は、キャッチーなタイアップ曲(いわゆるシングル・ナンバーみたいなもの。シングルって、もう出してないんですけどね)が4曲も入っていたのですが、本作では・・・あれ?一応3曲(『Tampopo』『場末の天使』『さざえ』)あるんですね。でも、なんか地味ですよ。

_20190819_223129800x800 そう、このアルバムって決して派手ではなく、この一曲!ってナンバーが入ってるわけでもないんですけど、総合的に優れているのです。普通のアルバムだと(CKBに限らず)「うわー!大好き」って曲がある一方で、「これはちょっとねー」っていう、好きじゃないナンバー、何回か聴いたらその後は常に飛ばしちゃうようなナンバーが2-3曲はあるものなんですが、『PACIFIC』に関しては、そんなことがないのです。100点はないけど、70点未満もないようなアルバムと申しましょうか。いつもは割と苦手な「クルマ・バイク系ナンバー」や「アジア土着系ナンバー」や「嫌な暗さを持ったナンバー」が、みんな「嫌ゾーン」の前でバランス良く踏み止まっているのです。ラテンもチャイナもアメリカも日本の場末も南国も、みんな気持ちの良いサウンドです。ますます進化中の「東洋一のサウンドマシーン」ですね。

今回はことごとくベースが凄いんです! 信也さん、いったいどうしちゃったんだろうってぐらい、メロディアスでカッコ良くて目立ってます。ベースを聴くアルバムだと言っても(ほぼ)過言ではないぐらいです。 そしてアイシャちゃんが初めてヴォーカルに参加したアルバムでもあるのですよね。愛子ちゃんとはまた違った個性が出ております。

アルバムの最後に位置するのが『南国列車』の2連打。「正調」と、VIDEOTAPEMUSICさんのリミックス・ヴァージョン。どちらもいいんですよー、これが。その後に1曲目に戻るような仕掛けがあるおかげで、エンドレスでいつまでも聴けてしまうアルバムなのです。夏っぽいしね。

 

 

 

 

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2019年7月 7日 (日)

「さよならくちびる」:ラストが良いなあ   #さよならくちびる #ハルレオ #塩田明彦 #成田凌

366502_005 映画『さよならくちびる』は、塩田明彦監督作としては久々に大江戸も評価する作品です(2005年の『カナリア』以来)。これが、塩田作品とは思えぬ成功例というか、この人バジェットの大き目なメジャー作だとひどい作品を作り、小ぶりなマイナー作品であるほどに自分の世界を発揮していたんですが、この作品はかなりバランス良く上質な娯楽作となっております。

映画のタイトルシーンは縦書きで「さよなら くちびる」と半角アキになっていたのですが、ここでは公式サイトなどの表記の通り『さよならくちびる』としておきます。 でも、小松菜奈も門脇麦もぶ厚い系くちびるの方々なのでこのタイトルになったのかと思いましたが、そういう事でもなかったみたいですね。でも二人に似合ったタイトルです。

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トーンとしては廣木隆一の良い時みたいです。高速を走ってる車の窓からの絵とか、『彼女の人生は間違いじゃない』みたいですし。あと、門脇と成田凌は昨年廣木監督の『ここは退屈迎えに来て』で共演(というほどからみはなかったですけど)してましたしね。それにしても、この二人って何度共演してんの? やたら多いっすよねえ。矢本悠馬・森川葵の競演率と一二を争うのではないでしょうか?(大江戸の印象です)

カッコイイけどちょっと残念な男(もっと言えば「クズ男」)を演じたら当代一の成田凌ですが、今回は比較的真っ当な、けっこう良い男でした。ハルレオの二人を邪魔しない隅っこで、地味にサポート演奏しているのがけなげで笑えました。そこらの悲哀も成田の真骨頂です。

366502_004 ギターを弾いてちゃんと歌っての門脇と小松は頑張りましたね。でもやはり門脇の頬から首のあたり(プラス口)は苦手だなと再確認いたしました。 そこいくと小松っちゃんは、いい感じに(マッシュルームカットで)ミュージシャンっぽく&大人っぽくなっておりました。

(以降ややネタバレあり) で、素晴らしいのはラスト。もののあはれを感じさせる調子で進んできたのに、一転して陽性な感じになってまして。で、それが人を食ったポジティブさで、やけにいいんです。日本映画のしめっぽさからの脱却。映画もそれによりワンランク良くなりました。

 

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